勤続10年以上! 中部イノアックで派遣切り

――労組からの話し合い提案を拒絶!――

■製造業への派遣解禁以前から「派遣社員」
ウレタン大手・イノアックコーポレーションの子会社である
中部イノアック株式会社(代表取締役社長:杉山芳雄)で
10年以上勤務し続けた
日系ブラジル人派遣社員・荒木ミツヒロさんは
今年6月30日、
「派遣切り」を受けて退職に追い込まれた。
荒木さんの加盟する地域の個人加盟制労働組合は、
10年以上にわたって
中部イノアックに貢献してきた荒木さんを、
法に基づき直接雇用するよう求めている。

荒木さんは
製造業への労働者派遣が禁止されていた
1996年5月から、
愛知県刈谷市に本社を置く
アウトソーシング会社を通じて
中部イノアックの前身・
名古屋カラーフォーム株式会社の
福釜工場製造3課で働きはじめた。
当時 名古屋カラーフォーム(以下、中部イノアック)では、
花王の清掃具の部品をつくるラインが立ち上がり、
荒木さんは就業開始直後に
ラインの「リーダー」とされた。
しかしながら「リーダー」とはあくまで、
中部イノアックがアウトソーシング会社との関係を
「請負」であるかのように偽装するために
でっち上げたものであり、
入社したばかりの荒木さんが
自らの判断で
「部下」に指揮命令をしていたのではない。
荒木さんには日本語能力があったため、
他の日系ブラジル人労働者に
中部イノアックの従業員の指示を
伝えることができたにすぎず、
実態は「通訳兼労働者」とでもいうべきものだった。

荒木さんはこの際、
アウトソーシング会社との間で
雇用契約書もかわしていなかった。
当時は製造業への労働者派遣は禁止されており、
荒木さんは当初から
職業安定法で禁止されている、
「労働者を他人の指揮命令を受けて
 労働に従事させる」労働者供給の状態で
働かされてきたのである。

荒木さんは1997年6月まで
こうした業務に従事し、
同年7月にブラジルに一時帰国したが、
その翌月・1997年8月に
再び同じアウトソーシング会社から
中部イノアック福釜工場で
ユニチャームのオムツカバーのウレタン製品を
作る作業に従事。
1998年7月からは、
福釜工場製造3課のOA加工室で
検査の仕事に従事した。
2001年4月ごろからは、
様々な業務を覚えて
福釜工場内でいろいろな仕事に応援に行き、
2001年5月から
再び福釜工場OA加工室で、
検査の仕事に従事した。

そして荒木さんは
これまた製造業に
労働者派遣が解禁される以前の
2002年6月から、
現在の職場である
中部イノアック福釜工場製造2課1係に移り、
今年6月30日まで
製品のプレスや出荷の仕事に従事してきた。
この間、
荒木さんは一貫して
中部イノアック従業員の指揮命令下で
働いている。
荒木さんは中部イノアックの指揮命令のもと、
同一部署にて同種の作業に、
現在の労働者派遣法に照らしても
派遣可能期間である3年を超えて
従事してきたことになる。

そもそも「派遣先」が
期間制限を超えて受け入れていた「派遣労働者」に対し、
労働者派遣法に従って
直接雇用の申込みの勧告を
厚生労働省が行なう場合は、
厚生労働省の作成した
労働者派遣事業関係業務取扱要領によれば、
「指導又は助言、勧告」すべき内容として
「期間の定めなき雇用」と
定められており(取扱要領248ページ)、
勧告書の書式例にも
「期間の定めなく雇用するよう」と
明記されている(取扱要領250ページ)。

■労組との話し合いも拒絶!
荒木さんの加盟する
愛知県の個人加盟制労働組合・
名古屋ふれあいユニオンは、
製造業への労働者派遣解禁前から、
現在の労働者派遣法の規定をも超えて10年以上、
事実上の「派遣社員」として就業してきた荒木さんを
直接・正規雇用するよう
中部イノアックに話し合いの開催を求めた。
荒木さんがまさに中部イノアックを追われた
6月30日のことである
(同日中に、
 愛知労働局にも中部イノアックと派遣会社の
 違法行為を申告)。

それに対して中部イノアックは7月7日、
労働者派遣法違反の指摘や偽装請負の指摘に対しては
一言の釈明もしないまま、
「当社の経営状況は大変に厳しいものがあり、
 沢山の余剰人員を抱えており、
 その対応に苦慮いたしている」、
「いかなる形であっても 
 労働者の新規雇用は到底できないという
 苦しい経営状態」、
「貴殿とのお話し合いを持たせていただいたとしても
 (筆者注:労働組合が話し合いを申し入れているのに
  「貴殿」?)、
 貴殿のご要求にはお答えすることはできませんので、
 貴殿とのお話し合いの件はお断り」、
「荷電や面談申し入れは
 一切お断りさせていただきます」との回答を、
代表取締役社長・杉山芳雄氏ではなく、
総務部マネージャー・浜田真一氏の名で
送り付けてきたのである。

「労働者の新規雇用は到底できない」などというが、
全く新しい労働者を
採用しろと言っているのではない。
当初は偽装請負という
許されない雇用形態で労働者を受け入れ、
現在の労働者派遣法に照らしても
法律を守っているならば
すでに直接雇用をしていなければならない労働者を
クビにしたのであるから、
おかしいではないかと指摘しているのである。
それをどうして頭から、
話し合いのテーブルにすら着かずに
逃げ回ろうというのだろうか。
法律に照らせば、
本来直接雇用されているべき労働者を、
どうしても直接雇用できないというのであれば、
まずは
「今まで、違法な働かせ方をしてきて悪かった」と
頭を下げて謝罪して、
「苦しい経営状態」とやらを
具体的な経理資料を示して
荒木さんの直接雇用が不可能なまでの状態であることを
立証し、
荒木さんや労働組合に
何とか理解を求めようとするのが筋である。
それを、
これまで長年偽装請負をやってきたことや、
その結果として荒木さんの直接雇用を
怠ったことにほっかむりをして、
ただ「無理だから無理」と居直るのは許されない。

荒木さんの所属する労働組合・
名古屋ふれあいユニオンは6月28日(火)、
名古屋市中村区にある
中部イノアック名古屋営業部周辺で抗議行動を行ない、
改めて中部イノアックに対し、
交渉のテーブルに着くよう申し入れを行なうとしている。
(インターネット新聞「JANJAN」7月18日記事に
 加筆転載)


【参考記事】
中部イノアックが交渉応諾!
中部イノアック荒木争議、円満解決


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by imadegawatuusin | 2009-07-19 20:09 | 労働運動