人気ブログランキング | 話題のタグを見る

『ひとのために生きよう!』を学ぶ(第1回)

――「労働運動の現段階」――

■集団的労使関係の再構築を!
愛知県の個人加盟制労働組合
名古屋ふれあいユニオン
名古屋地区学習会が9月13日、
16人の参加者を得て
新しいカリキュラムで始まりました。
場所も、
これまでは東別院の女性会館を借りて
行なっていたのが
新事務所を活用しての開催です。
これまでの事務所と違い、
多くの仲間たちが
集えるスペースになりましたので、
学習会のみならず
日ごろから組合員や地域の仲間の交流の場と
してゆきたいと考えています。

テキストは
全労協全国一般東京東部労組副委員長の
石川源嗣さんの
『ひとのために生きよう! 
 団結への道――
 労働相談と組合づくりマニュアル』です。
第1回の今回は、
本書の前書きにあたる「はじめに」と、
「労働運動の現段階」(テキスト40~69ページ)の部分を
学習しました。

1975年、
ストライキ権が認められていなかった
公務員労働者がストライキ権を得るために
実力ストライキに打って出た事件がありました。
この「スト権スト」と呼ばれるストライキは
結局敗北に終わるのですが、
この1975年の敗北以降、
労働運動は退潮に退潮を重ねているというのが
著者・石川さんの時代認識です。
これは、
「いや、
 わが名古屋ふれあいユニオンは……」とか
そういう問題ではなくて、
この国の労働運動全体、
トヨタ自動車から中小零細企業に至る
全産業における労働運動が
総体としてどんどん低調になっているということです。

その結果、
「労働者が労働組合に結集して
 会社と対峙し、
 その力関係の中で労働条件を決めていく」
という関係性そのものが
今や破壊されている。
だから、
今の労働問題は
「会社VS労働組合」といった対立構造ではなく、
多くが
「会社VS個々の労働者」といった形で
現れざるを得ないのだというのです。

では、
そのような時代にあって
私たち個人加盟制労働組合のなすべきことは
何なのでしょうか。
最近は、
こうした個別労使紛争の増加に「対応」して、
労働基準監督署や
労働局の個別労使紛争あっせんや
「特定社会保険労務士」による
労使紛争あっせんなど、
行政においても民間においても
あっせんシステムが「整備」されてきています。
しかし、
社会的にも経済的にも、
経営者に比べて労働者が
圧倒的な劣位におかれた状態のままで
こうした「あっせん」を利用しても
結局は足元を見られるだけですし、
たとえその問題自体は「解決」しても
(例えば不当解雇の撤回)、
職場における力関係が
何ら変わっていない以上、
たとえ職場に戻ったとしても
陰湿な嫌がらせなどを受けて
「自ら退職に追い込まれる」ことも
少なくないのが現状なのです。

「労働者の問題は行政や裁判など
 『労働紛争解決システムの多様化』では
 根本的解決はかちとれない。
 職場内外で労働者自身が
 資本家と対抗できる力量を確立する、
 つまり団結権、団体交渉権、団体行動権をもつ
 労働組合に加入し、
 職場に労働組合を作る以外に、
 労働問題の根本的かつ恒常的な解決方法は
 ない」という著者・石川さんの言葉が
その答えとなるのではないでしょうか(本書68ページ)。

私たち個人加盟制労働組合の
基本的な戦略としては、
「まず個別労働紛争を
 集団的労使関係の中で解決することによって、
 労働組合の役割と地位を高めること」が
求められているといえるでしょう(本書69ページ)。

次回は10月24日(土)午後6時30分から、
場所は名古屋ふれあいユニオン事務所にて。
テキスト69~88ページをもとにして、
「労働組合の存在意義」を学びます。
前回参加できなかった方もどしどし参加してください。


【関連記事】
名古屋学習会:新カリキュラムスタート
『ひとのために生きよう!』を学ぶ(第2回)


職場の理不尽を許さない、強く優しい地域労組の建設を!
愛知県下の未組織労働者は名古屋ふれあいユニオンに結集し、
全ての職場に人権労働運動の灯をともそう!



労働組合名古屋ふれあいユニオン
雇用形態や国籍に関わりなく、
愛知県下で働くすべての労働者が一人から加盟できる
地域労働組合(コミュニティユニオン)。
コミュニティユニオン全国ネットワーク
コミュニティユニオン東海ネットワークにも参加。
今年3月に開かれた第11回定期大会では、
「連合」単産・全国ユニオンへの加盟について討議するとする活動方針を採択。
日ごろから組合員の学習会や交流会・相談会などを
積極的に企画しながら活動している。
現在、組合員数約200名。
組合員は組合費月額1500円。
賛助会員(サポーター)は年会費5000円。
住所:〒460‐0024
    愛知県名古屋市中区正木4-8-8 メゾン金山303号室
    (JR・地下鉄・名鉄金山駅下車 名古屋ボストン美術館の向かい)
電話番号:052‐679‐3079(午前10時~午後6時)月~金
ファックス:052‐679‐3080
電子メール:fureai@abox.so-net.ne.jp
郵便振替 00800‐8‐126554
ホームページ
http://homepage3.nifty.com/fureai-union/
by imadegawatuusin | 2009-10-07 18:20 | 労働運動
<< 「プロフェッショナル」弁護士・... これからは人物より政策で >>