――労働組合の存在意義――■テキスト69~88ページを学習私たち
一人から入れる労働組合が
労働問題に取り組むきっかけは、
ほとんどがメールや電話・面接などの
労働相談活動です。
全ては一通のメール・一本の電話から始まる。
私たちはそれを当たり前だと思っていますが、
本書の著者・石川源嗣さんは、
「労働相談活動は、
……階級闘争退潮期における
労働運動のひとつの特殊な形態といえる」と
しています(本書71ページ)。
考えてみれば、
職場にちゃんとした
労働組合があって、
定期的に会議を開いて職場の問題をきちんと把握し、
日常的に改善に向けて
会社側と話し合いをしているようなところでは、
「一通のメール・一本の電話から全てが始まる」
なんてことはありえません。
「労働相談から取り組みが始まる」のは、
多くの職場に労働組合が存在しないという
「労働相談活動は、
……階級闘争退潮期における
労働運動の一つの特殊な形態といえる」のです。
ところが、
せっかく職場に労働組合があっても、
「実に残念だが、
労組は職場のトラブルを相談するような場所と
思われていない。
内部告発にしても、
その告発先は労組ではなく
外部機関」(
連合・笹森清元会長)という
現実があります。
私自身、
ある労働者の口から
こんな言葉を聞いたことがあります。
「労働組合って、
選挙とボーリングをするところとしか
思ってなかった。
労働者を助けるところとは
全然思ってなかった」
学習会に参加した
大手
電機メーカーの派遣社員も、
「あるとき、
派遣先の女性正社員が集まって、
チラシをみながら
『どれに行こうかなー』とか言って
盛り上がっていた。
チラシを見ると、
コンサートとか水族館とか
ディナーショーとかが書いてあって、
どれか一つを選んで
行かせてもらえるのだという。
私が『何それ』と聞くと女性正社員たちは、
『組合だよー』と教えてくれた。
だから私は組合というのは、
正社員の親睦会か何かかという
感覚だった」
と話していました。
私たちは労働相談活動を通じて、
労働組合は一人一人の労働者が抱える職場の問題に
共に取り組む機関であること、
そのためにも、
労働組合への「あなた」の結集が
職場を変えるカギであることを
訴え続けてゆかなければなりません。
本書には、
「団結権を欠いた、
或いは極度に制限せられたところに
与えられる生存権法制
即ち保護法制は
実は虚名の生存権に終わることは
明らかなことである」(沼田稲次郎)とあります。
労働者の権利は、
憲法や労働基準法などで守られる建前に
なっています。
しかし、これらの権利も
職場に労働組合がなければ
「絵に描いたモチ」で終わってしまうことは、
みなさんがすでにご存じの通りです。
このことは、
労働者の団結権自体についても
同じことがいえます。
「憲法に書かれているから
団結権があるわけではない。
労働者階級の
長年にわたる血みどろの闘いによって、
団結権がかちとられ社会的に認められてきたから、
つまり階級闘争の前進の反映として
憲法に明記された」のです(本書82ページ)。
もともと、
「その日その日を生きていかなければならない労働者は、
どんな不安定な労働条件であっても
働かなければならない立場におかれています。
いかに自分が買い叩かれても、
『ありがとうございました』と言って、
そうした仕事を
自ら『選択』させられる」立場です(中野麻美)。
その意味で、
経営者と労働者では、
圧倒的に労働者の方が弱い立場におかれています。
だからこそ労働者は、
徒党を組んで、カルテルを結んで、談合して、
「労働」という商品の買い手である経営者に
対抗しなければならないのです。
もし、「労働」以外の商品で
売り手が結託してこんなことをしたら、
独占禁止法違反で捕まります。
労働組合も、
「歴史的にはどこの国でも
最初は法律によって抑圧された。
歴史的に
市民法の最初の段階での取引の自由は、
個人的な取引の自由にかぎられていた。
労働者の団結、労働組合は、
むしろ共同した団結の威力をもって
個人的な取引の自由を脅かすものとして、
犯罪であり、
不法行為として扱われた」(佐藤昭夫)のです。
けれど「労働」は他の商品と違って、
在庫をしておくことができません。
生身の労働者は大根と違い、
今「労働」が値崩れしているからといって、
しばらく冷凍庫に入れておくことは
できないのです。
労働者は今日働かなければ食っていけない。
だから、
放っておけば「たたき売り」が始まります。
社会保険もなくていい、雇用保険もなくていい、
最賃以下でもかまわない、
セクハラ・パワハラも仕方がない……と、
際限のない「値崩れ」が起きるのです。
(ここでいう「値崩れ」は
単に賃金の低下のみをいうのではなく、
セクハラ・パワハラや乱暴な解雇の横行など、
職場環境の低下全てを指しています)。
だから労働者は、
カルテルを結んででも、談合してでも
「労働の値崩れ」を防がなければなりません。
たとえ最初は「違法」とされても、
世界中で労働者は闘って、
団結権・団体交渉権・団体行動権を
勝ち取ってきたのです。
最後に本書は、
「会社はいっとき、組合は一生」と
提起しています。
「昔とちがって、
いまは学校を卒業して
そのままひとつの企業で
定年まで過ごすなどとは
夢物語である。
いわば『流動する労働者』が
通常の存在形態にならざるを得ない。
そのような時代にあって
……労働者は
『何を頼って生きるのか』……。
『超』企業の、
地域ないしは産業に基盤をおいた
労働組合でしかありえない。
個々の労働者は
勤め先である企業を
何度か変わる場合でも、
自らの属する労働組合は
ずっとひとつという状態を
続けるのである。
『超』企業の労働組合は
労働者にとって安息の場であると同時に、
出撃拠点の役割を果たすのである。
……生涯組合員で、
職場が変わるだけなのだ。
その時にはじめて、
労働組合とその運動は一生涯にわたるものとなり、
賃金、生活確保、生きるための闘いすべての
土台を構成するのである。
まさに
『ゆりかごから墓場まで』の
生存権、労働権、団結権の確保を
労働組合で実践することに
ほかならない。
我々はそういう状態を、
『会社はいっとき、組合は一生』と
称している」(本書85~88ページ)
こうした状態を真に実現するには、
今のような「独立系の地域労組」のままで
いいのかという問題も提起しました。
いま、
特に
「住み込み派遣」の労働者は、
短期間で全国各地を転々としながら
働くことを強いられています。
大企業はグローバル化し、
海外への転勤も日常のものとなりつつあります。
真に「会社はいっとき、組合は一生」を実践するには、
労働運動の側もこうした「労働者の流動化」に対応し、
全国規模・世界規模での統一を
今後は視野に入れていかなければ
ならないかもしれません。
学習の最後に、
参加者全員で感想を話し合いました。
「組合というのは、
これだけの機能を受け持つことができるんだなぁと
びっくりした。
弱い者は強い者に丸め込まれてしまいがちだけど、
こうやって跳ね返すことができるんだと知って
すごく勉強になった」
「これまでは、
何かあったら直属の上司に
文句を言うか頼み込むしかなかった。
労働組合を通じて会社と対等に話ができて
驚いた」
「この本の題名の
『ひとのために生きよう!』というのが、
最初、自分にはよく分からなかった。
でも、労働争議をやっていると、
誰かに支援してもらったら
自分も誰かを支援して返すしかない、
お金で返すことの出来んもんがあると
わかってきた。
それが『ひとのために生きよう!』ってことじゃ
ないのか」
などの感想が交わされました。
次回は11月21日(土)午後6時30分から、
テキスト89~110ページ、
「地域労組と組織化活動」について学習します。
場所は
名古屋ふれあいユニオン事務所。
組合員のみなさんはどしどしご参加ください。
【関連記事】名古屋学習会:新カリキュラムスタート『ひとのために生きよう!』を学ぶ(第1回)職場の理不尽を許さない、強く優しい地域労組の建設を!
愛知県下の未組織労働者は名古屋ふれあいユニオンに結集し、
全ての職場に人権労働運動の灯をともそう!労働組合:
名古屋ふれあいユニオン雇用形態や国籍に関わりなく、
愛知県下で働くすべての労働者が一人から加盟できる
地域労働組合(コミュニティユニオン)。
コミュニティユニオン全国ネットワークや
コミュニティユニオン東海ネットワークにも参加。
今年3月に開かれた
第11回定期大会では、
「連合」単産・
全国ユニオンへの加盟について討議するとする活動方針を採択。
日ごろから組合員の学習会や交流会・相談会などを
積極的に企画しながら活動している。
現在、組合員数約200名。
組合員は組合費月額1500円。
賛助会員(サポーター)は年会費5000円。
住所:〒460‐0024
愛知県名古屋市中区正木4-8-8 メゾン金山303号室
(JR・地下鉄・名鉄金山駅下車 名古屋ボストン美術館の向かい)
電話番号:052‐679‐3079(午前10時~午後6時)月~金
ファックス:052‐679‐3080
電子メール:fureai@abox.so-net.ne.jp
郵便振替 00800‐8‐126554
ホームページ
http://homepage3.nifty.com/fureai-union/