左からの改憲提言はタブーか

――5・3憲法記念日アピール――

■「憲法原理主義」の立場超え豊かに語ろう
1947年5月3日に日本国憲法が施行されてから、
63周年にあたる憲法記念日を
私たちは今日迎えた。
近年では、
あたかも現憲法を
原理主義的に固守することを主張するのが
「左派」であり、
憲法改正を求める勢力が
「右派」であるとの「色分け」が
ほとんど違和感なくまかり通っており、
「憲法論議の保守化」は甚だしい。

日本の社会民主党
「護憲の党」と呼ばれており、
護憲を「党是」とまで言い切る人が
少なくない。
だが、
そもそも「護憲が党是」というのは
どういう状態を指すというのか。
もし仮にそうであるなら、
現憲法が改正されてしまったら、
社会民主党はその瞬間から
存在意義を失うことになるのだろうか。

社会民主党の党是は
「社会民主主義」だろう。
社会民主党は「護憲の党」である以前に
「社会民主主義の党」なのだ。
その社会民主主義の理念に基づいて、
憲法改悪には反対し、
憲法改正を押し進めるのが本来であろう。
そうした原則を投げ捨てて、
何が何でも「護憲」などという立場は
ありえない。

近年では日本共産党も、
党綱領で
「現行憲法の前文をふくむ全条項をまもり」と
明記するに至った。
日本国憲法の制定当時、
国会に議席を持つ議会制党の中で
唯一日本国憲法への反対を貫いたこの党が、
今や憲法の「全条項をまも」るとまで
言っている。

新社会党から各種「新左翼」まで含め、
いまや左派からの改憲論の提起は
皆無である。

が、
そもそもこの日本国憲法は
それほど完璧なものなのだろうか。

僕が単純に違和感を覚える条項を
一つ挙げよう。
憲法第24条第1項である。
「婚姻は、
 両性の合意のみに基いて成立し、
 夫婦が同等の権利を有することを基本として、
 相互の協力により、
 維持されなければならない」。

「両性の合意のみに基いて」しか
「婚姻」が「成立」しないというのであれば、
男性と女性の合意によっては婚姻は成立するが、
男性と男性、女性と女性の合意によっては
婚姻は成立しないということになる。
こんな無茶苦茶な差別があっていいのかと
単純に僕などは考えるのであるが、
いわゆる「左派」の人たちは
この点についてどう考えるのであろうか。

国家の象徴を世襲で決めるという皇室制度も、
憲法に明記されている以上、
廃止するには憲法改正が必要だろう。
働く者が職場において主権者となり、
経営の主体となるにあたっても、
「財産権は、これを侵してはならない」とする
現憲法下では
困難が大きいと思われる。

ようするに、
私たちが「あるべき社会」・
「今後日本が進むべき道」を具体的に描こうとしたとき、
今の日本国憲法と対峙することは
絶対に避けられない。
「護憲」という立場をとり続ける限り、
僕たち左派は生き生きとした、
未来への提言を行なうことができなくなり、
いわば手足を縛られた立場になってしまう。

僕たち左派の目的は、
より平和的で人権擁護的で民主的な
日本・世界を築くことにあるのであって、
憲法改悪阻止はその手段に過ぎない。
現日本国憲法を原理主義的に固守しようという姿勢は、
目的と手段を取り違えた本末転倒なものにしか
僕の目には映らない。

僕たち左派は「革新勢力」である。
保守的であってはならない。
今の憲法をもっと平和的に、
もっと人権擁護的に、
そしてもっともっと民主的に、
そんな立場からの憲法改正提言を
積極的に行なっていかなければ、
日本の左派は
どんどん「保守的」になっていく。


【参考記事】
2人の「左翼」が僕を改憲論者に転向させた
憲法記念日に際して
「守る」運動から「変える」運動へ
「九条の会」で雨宮処凛さんと対談
「改憲派」社民党員の提言
改憲、社民党での論議を歓迎

[PR]
by imadegawatuusin | 2010-05-03 17:28 | 政治