書評:『若おかみは小学生!Part2』(令丈ヒロ子)

――「ユーレイ」の年齢――
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「たしかにわたしは七つで死んだから、
 見た目は七つのままだけど、
 あなたよりかは長くこの世を見てるし、
 ずっとものを知ってるわ。」(本書180ページ)

主人公のライバル・秋野真月の「姉」である、
美陽のユーレイが語ったセリフである。

主人公・おっこのパートナーであるウリ坊も、
見た目は12歳のおっこと同世代っぽいが、
実際にはおっこの祖母と同世代のようだ。

たしかにウリ坊にしても、
かなりものを知っているようなふしがあり、
特に長年住み続けてきた春の屋旅館の実務には詳しい。
だが明らかに、
彼の精神年齢は、
蓄積された知識とは離れて「子供」でしかない。
美陽にいたっては、
やることなすこと
まさしく7歳の「悪ガキ」そのものである。

本書では主人公・おっこが
ウリ坊に惹かれはじめるほのかな思いが示唆される。
「好きになるのに年の差なんか関係ない」というのは
少女漫画などではよく出てくるセリフだ。
たしかにそれはそうだろう。

が、
その「年の差」が
時の経過にしたがって
どんどん「開いていく」ということになれば、
話はかなり変わってくる。

今後おっこはどんどん大人になっていく。
年老いてもゆく。
現にウリ坊は、
幼なじみであるおっこの祖母を
「峰子ちゃん」と呼び続けているが、
客観的には二人の関係は
いまや「祖母と孫」のようにしか見えない。

恋愛関係が
人と人との「関係」の中で生まれるものであるのなら、
日々 年齢を重ねてゆく人間と、
知識の蓄積はあっても
年齢の変わらないユーレイとの間には
どんな恋愛関係が成り立ちうるのか。
または成り立たないのか。
今後の続巻に注目したい。
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by imadegawatuusin | 2010-10-18 00:13 | 文芸