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反貧困フェスタ、「反貧困集会inあいち」に変更し開催

――被災地への義援金集めなど連帯を強調――
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■参加者、660人と発表
東日本での大震災による影響が各地で出る中、
3月13日に予定されていた
「反貧困フェスタinあいち」が
「反貧困集会inあいち」と名称を変更した上で、
名古屋市守山区の金城学院大学で開催された。
集会は副題に
「がんばろう 東北、関東」を掲げ、
会場では震災への義援金が呼びかけられるなど、
震災被害者への連帯を強く打ち出した集会となった。
集会参加者は全体で660人と発表された。

開会にあたって
集会実行委員長の内河惠一弁護士は、
「昨日、
 東北地方を中心に
 たいへん大きな地震がありました。
 昨年『反貧困フェスタ』を開催した宮城県も
 大きな被害を受けており、
 被害者の惨状を私たちは無視することができません」
とあいさつし、
参加者全員に1分間の黙祷を呼びかけた。
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■「地震でも、課題からは逃れられない」
内河実行委員長は、
「こうした東北の惨状を目の前にして、
 予定されていた『反貧困フェスタ』を
 計画通りやるべきか、
 中止すべきかという議論も真剣に行なった。
 全国から参加できない方が
 たくさん出ることも予想された。
 フェスタの実現は難しいと思われた」と
実施決定までの困難を振り返った。
「しかし、
 どれほど大きな地震があっても、
 私たちはいまここで取り組んでいる課題から
 逃れられない。
 私たちはリーマンショックの後、
 派遣切りで突然
 職と住まいを失った人々を助けるために集まった。
 むしろその経験を生かし、
 連帯の意識を強めてゆく絶好の機会ではないか。
 たとえ規模を縮小してでも、
 やりたいことができなくても、
 できるだけのことをやりたい」と、
「フェスタ」を「集会」に変更しての実施を
決断するに至った真情を説明した内河実行委員長は、
「貧困問題を少しでも解決するには、
 貧困問題に取り組む団体が
 手をつないで協力するしかない。
 反貧困ネットワークは
 それぞれの分野で貧困問題をしっかりと受け止め、
 各団体がお互いに尊重しあいながら進む団体。
 今日の集会を契機に
 さらなるつながりをつちかってゆきたい」と
抱負を述べた。

最後に内河実行委員長は、
「今日、
 私たちは反貧困のために結集し、
 震災の被害を目前にして
 少しでもこの気持ちを被災地に伝えたい。
 そして反貧困ネットワークが
 この震災の被害をどのように支援し、
 連帯してゆけるかを考えたい」と述べ、
被災地のための義援金集めを行なうことを確認した。 

■「下請け・零細企業も貧困」
参加者らはその後、
8つの分科会などに分かれて意見交換。
このうち、
「労働と貧困」をテーマにした第2分科会では、
「三菱電機派遣切り訴訟」を闘う原告たちや、
知立の外国人労働者などから報告を受け、
活発な討議が交わされた。
第2分科会を主催した愛労連議長の榑松佐一さんは、
「大企業から仕事を減らされ、
 単価切り下げを迫られている
 中小・零細企業では
 設備のリース代も払えない状況が起こっている。
 生活費を削りながら営業を続ける
 そうした中小零細企業も参加できる反貧困集会として
 知恵を出し合おう」と意見を述べた。

■「連帯の広がりに希望」
分科会が終了すると最後に再び全体集会が行なわれ、
反貧困ネットワーク事務局長の
湯浅誠さんのメッセージが発表された。
湯浅さんはこの中で、
「災害は生活弱者にもっとも強く襲いかかります。
 高齢者・女性・子ども・障害者・
 ホームレス状態にある人たちなど、
 今後長期化せざるを得ない避難生活の中で、
 徐々に心身の疲労の蓄積していくことが予想されます。
 ……今後も各地で連絡を取り合いながら、
 必要な際に必要な対応が取れるよう
 準備を進めていければと思います」と述べ、
災害の問題が
まぎれもなく貧困の問題であることを示した。

集会には韓国の反貧困ネットワークである
「貧困社会連帯」の
チェ=イェリュン事務局長も参加した。
チェ事務局長は、
「制度や構造など、
 韓国と日本は貧困に関して共通点が多い。
 貧困を拡散する新自由主義に反対する運動に
 協力して取り組もう」と、
日本の反貧困運動への連帯を表明した。

その後 参加者らは、
「今こそつながろう!人間らしい生活を求めて」
と題する集会宣言を
拍手によって採択。
最後に反貧困ネットワークの宇都宮健児代表が
閉会のあいさつを行なった。
宇都宮代表は、
「今回の集会は
 被災地に対する配慮に満ちたすばらしい集会だった。
 何としてでも参加しよう、
 万難を排して参加しようと参加して、
 本当に良かった。
 みなさんから元気・勇気をいただけた」と
集会を称賛。
「この4年の『反貧困フェスタ』の中で、
 韓国のみなさんが参加して集会が開かれたのは
 初めて。
 国際的にもつながりができ、
 たいへん実りのある集会だった。
 貧困の解消への希望は
 こうした広がりの中にこそある。
 反貧困を目指す運動が日本の隅々に広がってゆき、
 世界の国々とも連携・連帯が広がってゆく。
 ここに希望を見出そう」とあいさつを締めくくった。
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集会会場の各所に義援金箱を設置し、
全体集会の中でも義援金を募った結果、
36万181円の義援金が集まった。
義援金は全額が被災者のために使われ、
具体的な送付先などは
早急にホームページなどで公表される。
(JanJan Blog 3月13日)


【参考記事】
反貧困愛知集会に500人 2010/03/01

by imadegawatuusin | 2011-03-13 23:43 | 経済
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