『社会民主党宣言』を読む(第3章-4)

――社会の連帯を柱とした社会保障――

社会民主主義は伝統的に、
「ゆりかごから墓場まで」のスローガンに
象徴されるように、
福祉と社会保障制度の充実を重視する。
日本の社会民主党もその例外ではない。
『社会民主党宣言』には、
「福祉と社会保障制度の充実は、
 誰もが安心して人生を送るために
 欠かすことのできない条件です」とある。

前項・「公平で持続的な税財政」で触れた、
「所得税・住民税の最高税率の引き上げや
 累進性の強化、
 企業に応分の社会的責任を求めた法人税の見直し」で
得られた税収をもとに、
社会福祉を拡充する。

「子供は社会で育てる」を基本に、
公的保育所・託児所などの拡充や
子ども手当の支給など、
子育て支援を充実させてその負担を軽減し、
子供を育てている人とそうでない人との間の
不公平感を無くすように努めていく。

医療においても年金においても
所得再分配機能の働きやすい税の比重を高め、
一律徴収を基本とする保険方式から
財源を税に移行させてゆくことが必要であろう。

ここで重要なのは、
こうした政策は単に「人道的」な観点からだけではなく、
産業構造の変革期における経済政策として
積極的に位置づけられるべきだということである。

『社会民主党宣言』には次のようにある。
「福祉への投資拡大で、
 老後や健康、子育てへの安心を確立するとともに、
 雇用創出や新規産業の育成など
 経済的な波及効果を実現します」。

実は社会福祉の分野は、
「需要は多いのに供給の少ない」
稀有な市場となっている。

待機児童は減らないというのに
保育所の数も保育士の数もまだまだ足りない。
少子高齢化時代を迎え、
介護労働者の増加が求められるが、
体を酷使する厳しい仕事であるにもかかわらず
賃金は決して高くなく、
離職者は後を絶たない。

こうした分野への思い切った公的投資は、
経済構造変革の大きなチャンスにもなる。
子供たちの未来をはぐくむ保育士や
老後の安心をサポートする介護・福祉労働者に、
その職務の重要性にふさわしい待遇を保障する。
そうすることでこうした分野を
「21世紀の成長産業」に転化させて
そこで「税金を払える労働者」を育て上げ、
次なる投資につなげてゆくという好循環を
生み出したい。

また、
社会のバリアフリー化の促進は、
単に障害者の社会参加の促進に役立つだけでなく、
高齢者や介護労働者の負担を
軽減することにもつながるのであるから、
少子高齢化を迎える日本の重点政策と位置付けて
大胆に取り組んでゆくことが必要である。


【テキスト本文】
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【参考記事】
新しい社会主義像を求めて
小牧治『マルクス』について
レーニン「マルクス主義の三つの源泉と三つの構成部分」を読む

『唯物論哲学入門』(森信成)を読む

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by imadegawatuusin | 2011-06-09 20:34 | 政治