『社会民主党宣言』を読む(第3章-7)

――公正な国際経済と平和を基調にしたアジア経済圏――

情報技術の進歩や交通手段の発達で、
世界経済市場は
「国境を越えた経済の相互依存関係を拡大させ」ている。
市場はますます単一化される一方、
経済のルールを定める政府は
各国によってばらばらである。

多国籍企業は、
税金の安い国・規制の少ない国に進出しようとするため、
各国はこれに迎合し、
税率引き下げ競争・規制緩和競争を
強いられる結果となっている。

おのおのの国にとっては税金を下げ、
規制を弱めることで多国籍企業の進出があり、
雇用が自国に生まれるように見えるのであるが、
より税金の安い国・より規制の弱い国を見つけると
多国籍企業はたちまちその国から撤退してしまう。

税金が少なくなれば
福祉や教育といった分野にかけるお金がなくなるし、
規制が弱くなれば
企業のやりたい放題がまかり通るようになる。

もはや世界は、
おのおのの国が自国のことだけを考えての
税率引き下げ・規制緩和競争を続けるこの構造から
脱却しなければならない。
世界各国が協同・協調して
多国籍企業に応分の負担を求め、
大企業に社会的規制を課すことが
今こそ求められている。

そのために世界中で必要とされているのが、
自国優先主義の政党でなく、
世界全体の利益を第一に考え、
その観点から
自国においてなすべきことをなす党である。
国際組織・社会主義インターナショナルに加入し、
国際組織の一員として日本の政治に責任を負う
全国政党・社会民主党は
まさにそうした使命をおびた党なのだ。

『社会民主党宣言』では、
「通貨・貿易・信用取引きの公正なルール、
 国際的な自然環境の保護基準、
 国境を越えた労働者の権利保障、
 多国籍企業の活動に対する
 国際的な規制を実現します」とうたわれている。
いうまでもなくこうしたことは、
日本一国で実現可能なものではない。
社会民主党が全世界の同じ志を持った仲間たちと
力をあわせて各国政府に要求を突きつけてゆくことで
実現を図るしかないのである。
特に、
国際通貨取引に超低率の税金を課すことで
まっとうな投資活動に負担をかけることなく
投機的な金融取引を規制する、
国際連帯税の導入は急務である。

そうした地道な努力の中で、
最終的には世界連邦の実現も展望されることだろう。


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【参考記事】
新しい社会主義像を求めて
小牧治『マルクス』について
レーニン「マルクス主義の三つの源泉と三つの構成部分」を読む

『唯物論哲学入門』(森信成)を読む

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by imadegawatuusin | 2011-06-14 11:45 | 政治