『社会民主党宣言』を読む(第3章-12)

――あらゆる価値観を保障した創造的文化――

文化の領域においては、
特に表現の自由・言論の自由の重視が際立っている点が
特徴的だ。
冒頭で
「生活を豊かに送るために不可欠な
 文化や芸術の分野では、
 表現の自由やあらゆる価値観が保障されるべきです」
と言明し、
さらに終わりの部分でも、
「メディアの発展は
 民主主義の根本にかかわる問題であり、
 権力や支配層の意思、考え方が
 一方的に押しつけられることがないように、
 表現および言論の自由を徹底的に擁護します」と
書かれている。

表現の自由・言論の自由は民主主義の基礎である。
人間は、
多数決で物を決める場合でも、
「あらかじめ選択肢に入っていないこと」を
決めることはできない。
全ての人々に「多数派になるチャンス」、
すなわち表現の自由・言論の自由が
認められていなければ、
民主主義社会はあらかじめ決まった結論に向けて
ただ多数を確認するだけの
「追認民主主義」でしかないことになる。

そうした意味からも、
表現の自由・言論の自由は
民主主義社会の基礎である。
したがって社会民主主義者は、
こうした表現の自由や言論の自由、
民主主義社会そのものを否定する言論・表現活動も含めて
そうした自由を徹底的に擁護しなければならない。
その一方で、
そうした『非民主的な言論・表現そのもの』に対しては
自らの言論の自由・表現の自由を徹底的に行使して
きっぱりとこれに反対しなければならない。
そうした中で
自ら民主的文化の擁護者・創造者となることこそが
社会民主主義者の文化活動の根幹である。

社会民主主義者は歴史の進歩と発展を信じる。
『社会民主党宣言』の第1章には、
「私たちは、
 社会民主主義こそが次代の担い手であり、
 世界史の流れであることを確信します」とある。
こうした「世界史の流れ」に自らを重ねて、
平和・人権・民主主義の
社会のあらゆる領域における徹底のために
献身的に奮闘し、
社会の進歩に貢献することを
自らの生きがいとする人生観が求められている。
様々な文化活動を通じて社会民主主義の理論はもちろん、
幅広い教養を身につけ、
自らを「次代の担い手」である社会民主主義者として
ふさわしい人材に育て上げることが必要だ。
暮らしの中での日々の研鑽・実践を通して
社会道義の確立・高揚に努め、
もって世界平和の実現に貢献することは、
社会民主主義者の重大な任務なのである。

個人的には筆者は、
存在する全てのものには物質的根拠があるとする
唯物論に立脚し、
科学的な思考を重視したい。
合理性を尊重して迷信を打破し、
奇跡の存在を否定する。
非科学的な「死後の魂」の存在や輪廻転生、
超自然的な神通力を持つ人格神の存在などは
信じない。
単なる物質に神秘的な力を見る偶像崇拝的傾向にも
組せず、
呪術のたぐいを自らの生活から排するように努め、
合理的精神を鼓舞する文化の創造に
自らの生活全体を通じて寄与したい。


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【参考記事】
新しい社会主義像を求めて
小牧治『マルクス』について
レーニン「マルクス主義の三つの源泉と三つの構成部分」を読む

『唯物論哲学入門』(森信成)を読む

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by imadegawatuusin | 2011-06-19 12:53 | 政治