『社会民主党宣言』を読む(第4章)

――改革の道筋――

急進的な「革命」によって社会変革の実現を目指す
共産主義と違い、
社会民主主義は一歩ずつの地道な「改革」によって
社会の変革を実現しようとする。
その担い手として第一に期待されるのは、
職場において実際に生産活動を担い、
この社会を動かす原動力となっている働く人々・
労働者である。
『社会民主党宣言』に、
「労働運動、
 そして非正規雇用や未組織労働者を含めた
 全ての働く人々は、
 『平和・自由・平等・共生』という
 社会民主主義の理念を実現する上で、
 最も重要な役割を担っています」とあるのは
そのためである。

また、
「経済を足元で支える中小企業は、
 大企業の動向によって経営は安定せず、
 地域生活に欠かせない個人商店なども、
 大店舗の進出に脅かされています」とある。
こうした、
大企業の横暴に脅かされる中小企業や個人商店などが
正当な評価を受け、
産業全体においてきちんとした地位を占めることは、
産業民主化の実現に不可欠である。
中小企業の協同組合への組織化、
個人商店の民主商工会などへの組織化を通じて
経済における中小企業・個人商店の地位向上を図り、
利益を末端労働者に還元する政策を
打ち出さなければならない。

農林水産業においても、
経営規模にかかわらず「1人1票」で運営される
協同組合の役割を強化し、
民主的な産業運営を促進してゆく必要がある。

そして、
こうした改革の手段として想定されているのは、
「議会制民主主義の機能を通じ」た
「政策」の「実現」である。
議会制民主主義がそれなりに機能し、
言論・結社の自由が
一定程度機能している社会においては、
社会民主主義者は議会を通じた民主的改革を
変革の手段とする。
意見の違いを暴力によって圧殺する手法や
暴力革命の企みには断固反対し、
民主的手法による漸進な政治改革を
推し進めなければならない。

しかしながら社会民主党は、
単に議会活動だけにその活動を集中させる
名望家政党であってはならない。
党員や支持者を巻き込んだ
「大衆的な運動」の先頭に立って
議会に大衆の意思を反映させ、
議会の内側からは
「徹底した情報公開によって
 議会制民主主義が役割を発揮できるよう
 監視」する役割を
果たさなければならない。

したがって社会民主党は、
「国会・自治体議会における党の議席増」と、
労働組合や協同組合・地域自治会や学園自治会、
そして各種大衆運動における党の影響力の強化を
二本柱として、
社会民主主義思想の普及と
社会民主主義政権の樹立とを
実現しなければならない。
単に議会で多数を掌握し、
上から政策を押し付けるだけでは
社会民主主義政権は長続きせず、
政策の実現はおぼつかない。
職場から、地域から、学園からの
「平和・自由・平等・共生」を求める声の高まりと、
政府の政策が合致するとき、
社会民主主義政権は安定的で強固な位置を
歴史の中で占めることができるだろう。
私たちは職場・地域・学園に根付いた
強く大きな社民党を建設し、
労働者の、大衆の、青年の要求を実現してゆくにあたり、
中心的役割を担ってゆかなければならない。

現状の社会民主主義勢力の議会・社会での力量からして、
「この過程において」は、
「具体的な政策課題の実現を目指す、
 緊張感ある連立政権の形成」が不可欠だ。
いきなり社会民主党が国会において
単独過半数を形成するような展開は
まず期待できないからである。

『社会民主党宣言』の第1章には、
「私たちは、
 社会民主主義こそが次代の担い手であり、
 世界史の流れであることを確信します」とある。
社会全般における民主主義の拡大・拡充を求める
社会民主主義の伸張は歴史における必然である。
私たち社会民主主義者は
こうした歴史的使命の遂行に全力をあげ、
一歩でも二歩でも歴史の進歩に貢献することを
自らの生きがいとして活動するものである。


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【参考記事】
新しい社会主義像を求めて
小牧治『マルクス』について
レーニン「マルクス主義の三つの源泉と三つの構成部分」を読む

『唯物論哲学入門』(森信成)を読む

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by imadegawatuusin | 2011-06-21 13:17 | 政治