名古屋ふれあいユニオン、組合員全体会開催

――社会のひずみと向きあう医師・杉浦裕氏を招いて――
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愛知県の個人加盟制労働組合・名古屋ふれあいユニオン
(「コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク」加盟)は、
8月27日に名古屋市中区の「女性会館」で
組合員全体会を約50人の参加で開催した。
組合員全体会は、
年1回開催される大会と大会の間に、
組合の現状を組合員に報告し、
組合員同士の交流をはかる場として位置づけられている。
今回は、
名古屋の寄せ場・笹島で
日雇労働者や野宿労働者の診療にあたり、
労災・職業病患者の救済にも尽力してきた杉浦裕医師が
講師として招かれ、
「これからのユニオンにのぞむこと」という題で
講演をした。

■「マイナーでも『未来のメジャー』追求を」

杉浦医師は、
医学生時代に参加した「慈恵医大労災職業病闘争」が
その後の活動の原点になったと振り返る。
「東京東部は戦前から、
 労働者出身の日本共産党書記長・渡辺政之輔が
 出たような、
 労働運動が強い地域。
 医療現場における労災で
 解雇されてしまった労働者の支援が
 そうした伝統の中で、
 地域の労働組合や争議団を巻き込んで
 大きな共闘で取り組まれていた。
 100人とか300人とかの規模の門前集会もあったし、
 労働者が解雇された職場に出向き就労を求める
 『就労闘争』も
 週1回のペースで取り組んだ。
 最終的にはかなわなかったが、
 労使の力関係を変えて職場に戻る、
 職場に戻ってさらに職場を変えていくんだという
 『現職復帰へのこだわり』に
 学ぶところは大きかった」。

「東京に骨を埋めるつもりだった」という杉浦医師だが
1995年、
「親が病気になって
 ほっとけない状態になった」ことを受けて
名古屋に帰り、
実家の内科・小児科を継いだ。
以来、
日雇労働者や野宿労働者を支援する
「笹島診療所」の活動に参加。
名古屋ふれあいユニオンと連携しての
「名古屋労災職業病研究会」の創設にも尽力し、
今に至る。

杉浦医師は今、
重い胃ガンと闘っている。
「余命数ヶ月と医者に宣告されてもう2年。
 もうすぐ死ぬ、もうすぐ死ぬと言ってきて、
 そろそろオオカミ少年と思われている」
と笑う杉浦医師だが、
1年前と比べても明らかに頬がやせこけ、
体の衰弱は隠しようがない。

そんな杉浦医師はまた、
名古屋ふれあいユニオンを創設から現在に至るまで
物心両面で支え続けてきたサポーターでもあった。
そんな立場から杉浦医師は、
これからのユニオン運動について
注文をつけたいことがあるという。
「個人加盟制のユニオン運動は、
 どうしても『メジャー』ではないために、
 斜めに構えてものを見たり、
 被害者意識が先に立ったりしがちな欠点がある。
 自分だけが割を食っているという
 被害者意識だけから出発すると、
 運動の阻害要因になることもある」というのである。

「最初は『被害者意識』から出発するにしても、
 どこかでそれを乗り越えていかないといけない。
 自分一人だけの問題としてではなく、
 そういうものを生み出している
 全体構造に関心を向けて、
 運動をつなげていくことが必要だ」。
そう語る杉浦医師は、
自らも携わってきたアスベスト全面禁止運動の歴史を
振り返る。
杉浦医師らのグループは1980年代から、
アスベスト(石綿)が原因の労働災害患者を支援し、
アスベストの危険性を指摘して
「ノンアス社会」を提唱してきた。
1992年にはアスベスト規制法案が国会に上程されたが、
業界の圧力もあって潰されてしまう。
「それでもやっぱりノンアスが世界的な流れなんだと
 訴え続けてきた。
 私たちの仲間が
 アスベスト被害者の掘り起こしを行なう中で、
 『クボタの工場の周辺にはガンが多い』ということが
 明らかになった。
 そこから世論の論調もガラッと変わり、
 国も全面禁止に動いていく」。
2004年のいわゆる「クボタショック」である。

「そこに到るまでには、
 被害者を巻き込んだ20年以上の蓄積、
 積み上げがあった。
 それがあってはじめてクボタショックにつながった」と
杉浦医師は言う。
「最初は『アスベスト』なんて言っても
 誰も知らないところから、
 20年以上 コツコツ、コツコツやって、
 やっとメジャーになった。
 今はマイナーであっても
 自分たちの活動は理念的には正当であるし、
 5年後、10年後、50年後には多数派になって
 世界のルールになるんだという自信を持つ。
 ユニオン運動においても、
 そういった姿勢が非常に大切だ」と言うのである。

「理念だけがあっても組織がないと続かない。
 金がなければうまくいかない。
 組織とは、
 数でもあるし継続性でもある。
 かっこいいことを言ってても、
 組織をつくっていかないと継続性もないし、
 問題解決能力もつかない」という杉浦医師は、
「だからこそみなさんも、
 少なくとも仕事のある間は組合員として
 ユニオンを支え続けてほしい。
 私も以前は組合員だったが、
 (病院の)経営者だということで
 組合を辞めなければならなくなった。
 けれど、
 今は経営者を引退して再び一労働者だ。
 もう一度ユニオンの組合員にしてもらって、
 最後までみなさんと一緒にがんばらせてほしい」。
病身をおしてユニオンを叱咤激励し、
ユニオン再加入を宣言した杉浦医師に
会場からは大きな拍手が寄せられた。

■相互支援・連携強化を確認

その後、
休憩を挟んで自らの案件を解決した7人が
解決報告を行なった。
そして、
名港陸運分会や玉葉会分会をはじめ、
現在取り組みが続いている組合員らから
報告や支援要請が相次ぎ、
相互支援の大切さと連携の強化が訴えられた。

ユニオン運営委員会からは活動報告や会計報告の後、
特別報告として「脱原発」の方針が提起された。
9月19日午後1時30分から白川公園で開催される
「9.19さよなら原発
 1000万人アクションinあいち」への参加や、
大江健三郎ら文化人が呼びかける
「脱原発1000万人署名」への協力が呼びかけられ、
参加者らは拍手でこれに応えた。

すべての くにの はたらたみは、
むすがろう! 


労働組合名古屋ふれあいユニオン
雇用形態や国籍に関わりなく、
愛知県下で働くすべての労働者が一人から加盟できる
地域労働組合(コミュニティユニオン)。
「コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク」加盟。
「コミュニティ・ユニオン東海ネットワーク」事務局団体。
日ごろから組合員の学習会や交流会などを
積極的に企画しながら活動している。
現在、組合員数約200名。
組合員は組合費月額1500円。
賛助会員(サポーター)は年会費5000円。
住所:〒460‐0024
 愛知県名古屋市中区正木4-8-8 メゾン金山303号室
    (JR・地下鉄・名鉄金山駅下車 名古屋ボストン美術館の向かい)
電話番号:052‐679‐3079(午前10時~午後6時)月~金
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電子メール:fureai@abox.so-net.ne.jp
郵便振替 00800‐8‐126554
ホームページ
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by imadegawatuusin | 2011-08-30 19:44 | 労働運動