安倍いじめ発言:親の命名にいじめの責任!?

「子どもに『光宙』と書いて
 『ピカチュウ』と読む名前を付ける親がいる。
 これ『キラキラネーム』っていうんですよ。
 付けられた子の多くはいじめられています」。
自民党の安倍晋三総裁は昨年11月15日に
東京都内の講演でこう問題を提起した後、
「そういう親も指導しなければいけない時代に、
 もう来ているのかなと思う」と結論付けた
(朝日新聞2012年11月16日)。

「光る」は、
室町時代ごろには「フィカる」、
上代には「ピカる」と発音されていたとされており、
光が「ピカ」と輝くことが語源という。
だから
「光」を「ピカ」と読むことは
歴史的には全く考えられないことではないが、
現代的な読み方からは
著しく逸脱しているのは間違いない。
人気アニメに登場する
モンスターの名前であることも考えれば、
正直 私も親のセンスを疑ってしまう。
わが国の文化的常識とは全く合致しない命名であり、
「保守主義者」をもって任じる安倍氏が
これを問題にすること自体は
極めて自然なことだろう。

だが、
そうした名前を「付けられた子の多く」が
「いじめられてい」るというのであれば、
名前を付けた子の親に
その問題の責任を転嫁する発想には
大いに違和感を覚えるのである。
それは単なる話のすりかえにすぎず、
いじめ問題の本質を完全に見誤った
筋違いな ものの見方ではないだろうか。
人の名前は親から与えられるものである。
子供本人の努力では動かしようのないものである。
そしてどんな名前であっても、
名前は親から子供への「最初の贈り物」なのであり、
そこにはその子に対する親の思いが込められている。
「名前」を理由に他人をいじめてよい道理など
どこにもあろうはずがない。
もしそのような事実があるのであれば、
真っ先に問題とされるべきは
他人の名前を理由にいじめを行なう側であり、
それは
親の命名センスの是非とは
全く区別されるべき問題である。

いじめはれっきとした人権侵害であり、
内容によっては犯罪である。
まして本人に何の責任もない「名前」を理由に
他人をいじめるのであれば、
それは極めて悪質な差別以外の何ものでもない。
大人は、
特に指導的立場にある政治家は、
断固として差別や人権侵害を許さないとの視点に立ち、
いじめを防止する具体的施策を
講じなければならないはずだ。
その政治家が、
いじめの原因を
親の命名センスなどということに求めて
いじめた側の責任を問おうとしない発想に立つなら、
私は大いに危惧を覚える。

「いじめられる側」がどんな名前であったとしても、
「いじめる側」がいじめない限り
いじめは絶対に起こらない。
再び総理大臣として国の舵取りを担うこととなった
安倍氏には
いじめ問題に関する正しい認識を
ぜひとも持ってもらいたい。


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by imadegawatuusin | 2013-02-09 17:59 | 政治