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栃木リンチ殺人:被害者遺族に嫌がらせの手紙

■『読売新聞』が 報道

栃木リンチ殺人事件で
加害者と その親権者
及び 栃木県警の 属する 栃木県を 相手取って
損害賠償訴訟を 起こしている 被害者の 父親に 対し、
「血税を1億も取ったんだから出て行け」
などと 書かれた 嫌がらせの 手紙が
25日に 送りつけられたことが 明らかになった(読売新聞4月26日夕刊)。

読売新聞の 報道によると、
「いつまで被害者を装って英雄気取りしてるんだ」
などと 印字してあったという。

■事実誤認に 基づく 短絡的な 主張で 罵倒

確かに 宇都宮地裁は 12日、
加害者に、
県と 連帯して
およそ 1億1200万円を 支払うよう
命じてはいる(産経新聞4月12日夕刊)。
(正確には、
 加害者の 支払うべき およそ 1億1200万円のうち、
およそ 9600万円分が 栃木県との 連帯負担額だ)。
しかし 栃木県警は 判決の あとも
この 結果を 受け入れようとせず、
これを 不服として 東京高裁に 控訴したため、
県の 賠償自体が (いま)だに 確定しておらず、
実は 被害者遺族は
(いま)だに 県から
1円も 賠償金を 受け取っていない(下野新聞2月26日)。
(しかも その 宇都宮地裁判決でも、
 およそ 1億1200万円は 加害者が、
 うち およそ9600万円については
県と 連帯して 支払えとされているだけだ)。
にも 係わらず、
(すで)に 被害者遺族が
「血税を1億も取った」かのように
一方的に 思い込み、
それを よりどころに
「出て行け」などと 言いがかりを つけるとは、
事実誤認の 逆恨みも はなはだしい、
まことに 短絡的な 言い分である。

■「顔中火傷の被害者」 県警、証言や防犯ビデオを無視

この 事件で 被害者の 男性は、
少年グループに 拉致・監禁され、
およそ 2カ月の あいだ 連れ回された 末に
殺された。
このあいだ 被害者は、
少年グループによって 丸坊主にされ、
眉も そり落とされて 暴行を 受け、
挙句の果てには 熱湯を 浴びせられて
木の 靴べらで 100回以上 殴られるなどの
壮絶な リンチを 受けていた(毎日新聞2000年6月4日)。
(さら)に 加害者たちは 被害者に、
サラ金や 友人 及び 知人から 金を 借りることを 強(し)い、
合計 700万円以上を 脅し取っていたのである。
顔に やけど状の けがを 負った 被害者が、
4人の 男たちに 取り囲まれながら、
銀行に 金を 下ろしに 来る 様子を 写した
防犯カメラの 映像も 残されていた(毎日新聞4月12日夕刊)。

被害者の 両親は (すで)
警察に 捜索願いを 出していたが、
銀行から、
「顔は明らかにわかる火傷をしています。
 いつでも証拠として出しますので警察に相談してください」との 連絡を 受け、
改めて 警察に 相談した↓。
http://www.tv-asahi.co.jp/hst/contents/special/060404.html

にも(かか)わらず 警察は 動かなかった。
防犯ビデオの 映像の 確認すら しなかった。

そのあとも 両親は 幾たびも 捜査を 要請し、
何度も
息子を 助け出してほしいと 求めたにも係わらず、
栃木県警は 何の手立ても 講じることは 無かった。
被害者が 殺される 2日前に、
その日も 警察を 訪れていた 両親のもとに、
被害者から 電話が かかってきた。
加害者たちに 脅されて、
金を 送るよう 頼まされたのだ。
だが、電話口に 刑事が 変わり、
「警察だ」と 名乗った すぐあとに 電話が切れた。
加害者たちは この電話によって
警察の 捜査を 察知し、
被害者の 殺害を 決意したと
刑事裁判においても 認定されている(朝日新聞2000年6月1日夕刊)。

県警は、
一時は この 経過を 認めたにも (かか)わらず、
その後、
「署員の後に被害者の母親が
 『金なんかあるか、でれすけ野郎』と怒鳴ったため、
 電話が切れた」などと 責任を 転嫁した。
しかし、
この 席に 同席していた
加害者の 母親までもが 法廷において、
「(被害者の)両親の言うことが正しい」と
証言している。
宇都宮地裁は 県警側の 主張を 退けた。

■県警の 対応こそ 文字通りの 「税金ドロボー」

事件発生後、
栃木県警は 当時の 本部長が、
「担当した署員らは、
 仕事に対する取り組み方に欠けるものがあった。
 積極的に対応していれば、
 被害者を保護できたかもしれない」と、
捜査に 不手際や 怠慢があったことを 認めていた。
ところが 裁判が 始まると
その 物腰を いきなり ガラリと 変え、
「両親の届け出からは切羽詰った危機意識を見て取れず、
 具体的な危険性を予見できなかった」などと
責任を 否定するという
まことに 見苦しい ふるまいに 出たのである。
(宇都宮地裁は 判決の 中で、
 「県警は遅くとも99年11月には、
  被害者に生命の危機が切迫していることを
  認識していたか、
  十分認識できた」と、
 警察側の 主張を 一蹴している)。

警察の 怠慢や 適切でない 対応によって
息子を 殺された 被害者の 遺族が、
その 非を 訴え、
損害賠償を 求めることは
まことに 当たり前の事である。
栃木県警の こうした 捜査の あり方が
これからも 変わっていかなければ、
栃木県民全員が 損害を こうむるというものである。
被害者遺族は、
こうした 警察の 対応が
間違ったものであるということを
判例というかたちで (おおやけ)に 残し、
再び こうした 過ちが 繰り返されることが 無いように、
いわば そうした
「税金ドロボー」的な 行政の 在り方を
正す 意義も 含めて
損害賠償訴訟に 立ち上がったのだ。

それを、
「血税を1億も取ったんだから出て行け」などと、
あたかも 被害者遺族の 側が 税金を 掠め取る、
いわば
「県民の 敵」であるかのように 主張する
短絡的な 物言いには、
疑問を 通り越して 憤りすら 覚える。

被害者の 父親は 立派である。
息子を 殺され、
妻も 心労で 亡くし、
卑劣な 嫌がらせを 受けてなお
堂々と 闘っている。
自分の 顔・名前・住所……といった 個人情報を
全国に さらしながら、
正々堂々と 闘っている。
この人を、
どうして 栃木県民は
追い出すことが 出来るだろうか。
彼こそ、
栃木県民の誇りである。

■安易な 「被害者バッシング」の 風潮 許すな

わたしは 今回の 嫌がらせの 主に 対し、
(ただ)ちに このような 短絡的な 見解を 撤回し、
被害者遺族に 対して その 罪を 詫びることを 求める。
わたしたち 言論に 携わる 者は、
安易な 「被害者バッシング」の 風潮を 決して 許さず、
断固たる 物腰を もって
これに 立ち向かってゆくことが 求められる。しかり。

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by imadegawatuusin | 2006-04-26 15:19 | その他