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『出口汪の大人のための超スピード勉強法』

■勉強は「どれだけ持続し続けたか」が肝心だ
僕の尊敬する予備校講師・出口汪先生は、
「人間の能力は、
 人が思っているよりもすごいものである。
 自分が不可能だと思ったことも、
 いざやってみれば何とかなることが多い」と主張する(出口汪『出口汪の大人のための超スピード勉強法』青春出版社 30ページ)。
しかし、
それを可能にするためには、
「生涯にわたって勉強しなければならない」のだという(本書31ページ)。
それも、
「毎日」することが必要なのだ(本書128ページ)。
「勉強のコツは、
 どれだけ毎日持続し続けたか、である」(本書138ページ)。

■締め切りを作れ
ただし、
漫然と続けるだけでは効率が悪い。
勉強には、
「締め切りを作る」必要がある(本書135ページ)。
そして、
「一度決めたことは、
 どれほど苦しくても絶対に逃げてはいけない」(本書136ページ)。
勉強も仕事も
「期限を設定し、
 逃げないと覚悟すること」が大切なのだ(本書137ページ)。

■知的生産に必要な3つの力
僕は人生の指針の一つに、
「生活のあらゆる局面における自己表現」を掲げている。
中でも、
このブログの執筆を中心とする知的生産活動は、
自己表現の最も重要な手段の一つである。
出口汪先生は
「知的生産を可能にするために、
 どうしても必要」なのは、
言語力・論理力・想像力の3つの力であるという。
「この三つさえ身につければ、
 この現代社会の状況、
 さらには人間の奥深いところや文学、芸術に至るまで、
 深く認識し、考え、
 表現することができる」ようになるそうだ(本書43ページ)。

■言語力が全ての基本
そしてこの3つの能力のうちでも、
言語力こそが、
全ての能力の基本となる。
なぜなら私たちは、
「『言語』を通してしか……この世界をとらえることができない」からだ(『ことばはちからダ! 現代文キーワード―入試現代文最重要キーワード20―』河合出版 63ページ)。
「人間を取り巻いているこの世界は、
 言葉を与えられる前は混沌……とした、
 漠然としたものである。
 そして、
 人間はこの世界に言葉を与えることで、
 分節化……し、整理し、
 秩序あるものと」して把握するのである(前掲書61ページ)。
言い換えると、
自然という連続の世界を私たちは、
「言語という文化装置によって、
 不連続なものに」区切って意味を与えていくことで、
はじめて認識しているのである(前掲書62ページ)。
「私たちが言語でものを理解し、
 言語でものを考えている限り、
 言語と思考は切り離すことができない」(出口汪『出口のシステム現代文「ベーシック編」』水王舎 2ページ)。
「私たちは……、
 無意識のうちに言葉を使って、
 ものを考え、感じているのだ」(前掲書12ページ)。
よって、
「論理も感性も、
 言語力で鍛えられる」(出口汪『出口汪の大人のための超スピード勉強法』青春出版社 75ページ)。
「言葉を……漠然と使ってい」る人は、
「漠然としかものを考えることができない。
 曖昧な言葉の使い方をしている人は、
 曖昧にしか考えることができないのだ」(出口汪『出口のシステム現代文「ベーシック編」』水王舎 13ページ)。 
要するに「言葉の扱い方は、そのまま
私たちの世界に対する整理の仕方、認識の仕方を表わしている」のである(前掲書14ページ)。

■言語力……毎日評論を読もう
言語力を身につけるには、
評論文を、
「ほんの少しの時間でいいから毎日読むこと」だという(出口汪『出口汪の大人のための超スピード勉強法』青春出版社 102ページページ)。
「毎日十分でもいいから、
 評論文を読むことを習慣づけ」ることで
「論文の用語(特に抽象語)や文体を手に入れる」ことができ、
これが
「生涯有益な勉強の第一歩」になる(本書105ページ)。

■論理力……主張の論証法をつかみ取れ
次に論理力を身につけるには、
評論を読むにあたって、
「著者の主張の部分にアンダーラインを引きながら読む」ことだという(本書107ページ)。
「一つのパラグラフごとに筆者の主張をつかみ取」り、
「それがどのように論証されているかを考え」ながら読むのである(本書110ページ)。
こうすることで「論理脳」が鍛えられ、
論理力を養成する第一歩となるそうだ(本書108ページ)。

新聞を読むにあたっても、
毎日、コラム、社説などに目を通すことが大切だ。
「その際、
 筆者のたった一つの主張は何か、
 それがどのように論証されているのかを考え」ながら読むといいという(本書109ページ)。

■想像力……文学的文章を毎日読もう
最後に想像力を養成するためには、
「文学的文章を絶えず読み込むしかない」という(本書118ページ)。
特に小説をその描写から、
登場人物の心情を正確に把握・分析してゆくことで、
人間理解を深めることができるという(本書112~117ページ)。
文学的文章を毎日読むことで、
「豊かな想像力が身につき、
 現実の人間関係が驚くほど円滑になることは、
 何万人もの生徒を見ながら
 私自身が実践してきて確信することだ」と出口汪先生は言う。

■ブログで「話し言葉禁止の日記」を
知的生産にあたっては、
「一日一つ、得た知識を人に説明する」ことを
出口先生は薦めている(本書153ページ)。
そのためには、
ブログで「『話し言葉禁止の日記』を書いてみる」のがいいという。
「意識して論理的な用語を使って論理的な文章を」書くことで、
「冗漫な日常を綴る日記群の中で、
 うまくすればそれは
 異彩を放つ存在になるだろう」と出口先生は教えている(本書155~157ページ)。

話をするにあたっても、
「相手に正確に伝えるためには、
 どのように話せばいいのか」ということを
「絶えず意識する」ことが大切だ。
「ただ思うがままに垂れ流すように喋らない」ことである(本書155ページ)。

■毎日、必ず決まった時間に起きること
なお、
その他本書では、
「頭がよくなる睡眠時間のとり方」として、
「起床時間を一定にする」ことが提言されている。
「夜遅くなっても、
 必ず決まった時間に起きる」ことで、
規則正しい生活を送ることが可能となるのだ(本書171~172ページ)。

■今や本はすぐ消える
また本は、
「欲しいと思ったら躊躇することなくすぐに買う」のがよいとされている。
「今や書店では数多くの本が山積みとなり、
 売れない本はすぐに姿を消してしまう」からである(本書151ページ)。


《参考サイト》
「ブログで『知を耕す』」
by imadegawatuusin | 2006-05-01 12:25 | 暮らし家庭
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