――デモ排除で実弾連射、死者140人超――■デモ会場には女性、子供もエジプトの治安当局は8月14日に、
軍によるクーデターで排除されたムルシ大統領の
支持者たちが続けていたデモの
強制排除に踏み切った。
強制排除にあたっては実弾が連射され、
ロイター通信によると149人が死亡し
1400人以上が負傷したということである。
当時、
デモ会場には女性や子供を含む数千人がいた。
クーデターによって成立した「暫定政権」は
「非常事態」を宣言し、
治安当局による令状なしの拘束などが
可能となったという。
■「どこに人権があるのか」「選挙で選ばれた大統領を軍が排除し、
それに平和的に抗議した民衆を武力で排除する。
どこに人権があるのか」。
エジプトの中学校英語教師・
アブドラ=ムハンマドさん(32歳)の言葉である。
ロンドン在住のアラブ紙・
「アルクッズ=アルアラビ」編集長の
アブデルバリ=アトワン氏も、
「今回の流血はアラブ諸国の混乱にも拍車をかける。
国際テロ組織アルカイダや支持集団は勢いを増し、
『民主主義を信じた同胞団の政権は転覆され、
殺された。
欧米と戦う我々のやり方が一番なのだ』と
イスラム教徒に言い聞かせるだろう」と懸念する。
■「クーデター黙認が流血を招いた」アトワン氏はさらに、
「欧米の対応にも問題があった」と指摘する。
「7月のクーデター直後、
アフリカ連合(AU)は
エジプトの加盟資格を停止した」が、
「米国や欧州連合(EU)は……クーデターを黙認した。
これが軍を勢いづかせ、
流血の事態を招いた。
国際社会は、
エジプトが民主主義と人権の尊重を保障するまで、
あらゆる援助を停止すべきだ」と言っている
(朝日新聞8月15日)。
日本においても少なくとも、
博物館の建設などの不要不急の援助については
民主的政権の成立までは直ちに停止するべきだ。
■民主的プロセスに立ち戻れ私は
日本においても世界においても
政教分離の政治を求める社会民主主義者であり、
イスラム主義に基づく政治の実現を目指す
ムルシ大統領やムスリム同胞団とは政治路線を異にする。
しかし、
だからといってエジプトで起きた
軍によるクーデターや人民虐殺を許すことはできない。
私は今回のエジプト治安当局による人民虐殺に
強く抗議する。
治安当局は非常事態宣言を直ちに撤回し、
平和的なデモの権利を
どの政治勢力に対しても保障するように
強く求める。
そして、
現在拘束中のムルシ大統領を軍が直ちに釈放し、
再び彼を中心に
民主的な政治プロセスにエジプト全体が立ち戻るよう
強く求めるものである。
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