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ブログで「知を耕す」

■ブログはストックノートだ 
『出口の現代文革命』(東進ブックス)の中で
予備校教師の出口汪先生が、
「ストックノート」というものを提唱していた(229ページ)。

僕にとってはこの「日記帳」こそ、
出口先生の言う、
「知を耕す」ための「ストックノート」なのだと思う。

出口先生は言う。

ものを考えるとはどういうことか。
僕は、
いい文章を理解することだと思います。

哲学者は、
何もないところでボーッと宙をにらんでものを考えてはいません。
先人の哲学の書物を読んで理解したときに、
それについて考えるんだ。
だから、
文章を読んで完全に理解したときに、
自然とそれについて、
いろんなことを人間は考えます。(『出口の現代文革命』234~235ページ)


哲学者もそうなのであれば、
まして僕のような凡人は、
何もないところで宙をにらんで
「ただ考える」ということはできない〔注1〕。
少なくとも僕は、
何かを読むことではじめて何かを考え、
それを書くことではじめて考えをまとめることができる。

そうした「考え」の集積が
このブログなのである。
僕は日々 本を読み、
あるいは新聞を読み、
雑誌を読み、
問題集を解く中でさまざまなことを考える。
しかし、せっかく考えたことも
放っておけば消えてしまう。
そこで、ブログに書くのである。
考えは書くことで、
まとめられ、また定着する。

個々の文章は初めは、
「ちょっとした感想」でしかない。
しかし、その「ちょっとした感想」が積み重なってくると、
その個々の「感想」がだんだん有機的につながっていく。
先月読んだあの本のあの部分と、
おととい書いたあの文章と、
今日やったこの問題の主題との関係が
次第に見えてきたりするのだ。

そうすると、それぞれの文章をリンクでつないでいく。
あるいは、
それぞれの文章に注を入れて、
どんどん解説を付け加えていく。
ブログでは、
こうして一度書いた記事を後からどんどん
「成長」・「拡充」させていくことも可能だ。

最初は本や新聞の「感想」にすぎなかったものも、
積み重なり、有機的につながっていく中で、
次第に独立した「生命」を持つようになってゆく。
「考えを記すだけだったブログ」が、
やがて自ら「考えを生み出すブログ」へと成長していく。
そうした中でおそらく、
「独創」というものも生まれてくるのではないだろうか。

〔注1〕孔子の教えを記した『論語』にも、

吾れ嘗(かつ)て
終日食らわず、終夜寝ねずして、
以って思うも益なし。
学ぶに如かざるなり。(『論語』通番409章、「衛霊公篇」30章)


つまり、
「私はかつて、
 一日中何も食べず、
 夜も寝ないで ものを考えたことがあるが、
 得るものはなかった。
 その事柄について勉強するのに越したことはない」
とある。

《参考サイト》
「『出口汪の大人のための超スピード勉強法』について」
by imadegawatuusin | 2005-12-09 17:30 | 暮らし家庭
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