北朝鮮の核先制攻撃論に抗議

(2013年8月29日掲載)

北朝鮮の政権党である朝鮮労働党の機関紙・労働新聞が
3月17日の論説で
自国への経済制裁の強化に反発し、
「米国が核戦争の導火線に火をつければ、
 ただちに侵略者らの本拠地に
 核の先制打撃権を行使する」と主張した。
論説は、
「米帝(米国)に土地を丸ごと差し出し、
 再侵略を狙う日本も決して例外ではない」と、
米軍基地のある日本も
核攻撃の対象に含むとしている(朝日新聞3月18日)。

自国がいまだ武力攻撃を受けたわけでもないのに
他国に先制攻撃をしかけることは
国際法に違反する侵略行為にほかならない。
そのようなことが許されてしまえば、
世界中で国と国との争いが
たやすく戦争に発展してしまうことになるだろう。
相手の国に攻め込んだわけでもない国に
一方的に攻撃を加える
先制攻撃を正当化するような論理は
国際秩序のルールを破壊する。
専守防衛を国是とするわが国の立場も
脅かしかねない恐ろしい主張だ。

まして核兵器は、
あまりにもすさまじい破壊力を持つものであり、
攻撃の対象を軍事施設に限ることが難しい。
ひとたび核兵器が使われてしまえば、
多くの民間人が巻き添えになって殺されてしまう。
また生き残った人々も放射能に被ばくし、
子々孫々まで原爆症で苦しむことになるだろう。
福島第一原発の事故でも明らかになった通り、
核の放射能は大地を広範囲に汚染し、
多くの人々からふるさとを奪いかねない。
核兵器は人類史上最悪の
非人道兵器に他ならないのである。
どのような理由があっても核兵器の使用は許されない。
ましてや、
その核兵器で他国に先制攻撃をしかけるなど
もっての他である。

北朝鮮がわが国に核兵器で攻撃を行なった場合、
日本と軍事同盟関係にあるアメリカが
核兵器による報復攻撃を行なうことも予想される。
そうなれば世界は、
人類がいまだかつて経験したことのない
核戦争のただ中に投げ込まれることになってしまう。

私は
日米軍事同盟には明確に反対の立場であり、
国連と自衛隊とを中心とした安全保障体制を
確立すべきだと考えている。
しかし
北朝鮮がこのような
日朝間の緊張を高める発言を行なえば、
日米軍事同盟の強化や、
場合によっては日本独自の核武装さえ主張する
タカ派的な勢力が勢いを増すことになるだけだ。
 
そもそも日本には
多くの在日朝鮮人が暮らしている。
日本に対して核攻撃を行なえば、
そうした在日朝鮮人も
巻き添えを食って被爆することになることだろう。
現に、
広島や長崎への原爆投下のときには
多くの朝鮮半島出身者が犠牲になっているのである。

わが国と国交のない北朝鮮の
日本における在外公館的機能を事実上果たしているのは
朝鮮総連だ。
だがこの朝鮮総連の本来の目的は、
在日同胞の権利擁護にこそあるはずだ。
朝鮮総連が真に在日同胞を守る組織であるならば、
在日同胞の命を脅かし、
わが国の排外主義を助長する北朝鮮の核先制攻撃論には
きっぱりと反対の意思を表わすべきではないだろうか。


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by imadegawatuusin | 2013-03-19 15:09 | 国際