ケリー氏のクーデター肯定発言を憂慮

エジプト初の民主的選挙で大統領に選ばれたムルシ氏を
軍部が拘束して政権を奪った政変について、
アメリカのケリー国務長官が
「民主主義を取り戻した」と述べ、
肯定的に評価した。
政変の直後はアメリカ政府も、
軍によるムルシ氏排除と憲法停止を
「深く懸念する」とする声明を
発表していたにもかかわらず、
ケリー氏は8月1日のテレビインタビューで、
「軍は何百万人もの要請に応じた」と述べたのである
(朝日新聞8月3日)。

確かにムルシ政権は政変前、
稚拙な政権運営などで
エジプト国民の支持が低下しており、
退陣を求める大規模なデモも起っていた。
しかし、
民意は常に揺れ動くものだ。
前回の選挙結果と直近の民意との間に
ずれが生じることは
民主主義の想定内の事態でしかない。
そうした場合に容認される対抗手段は、
署名活動や集会・デモ・ゼネラルストライキなどの
平和的で大衆的な圧力で
退陣を迫るやり方に限られるだろう。
民主的選挙という手続きを経て選ばれている政府を
軍部が武力で恣意的に打倒し政権を奪うような事態を
認めていいということにはならない。
日本でも、
末期の民主党政権は国民からの支持が低落していた。
けれども、
だからと言って自衛隊が反乱を起こして
政権をすげ替えることを
「民主主義を取り戻した」などとは絶対に言わない。

軍による民主的政権の転覆は
どう言いつくろってもクーデターである。
アメリカ政府の態度は、
親米勢力が主導権を握る民主化は支持するが、
ムルシ氏などのイスラム勢力が主導権を握る民主主義は
破壊してもかまわないという
身勝手なものにしか映らない。

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by imadegawatuusin | 2013-08-05 17:19 | 国際