ユニオンにおけるインターネットの重要性

――東アカ「名誉棄損訴訟」の経験から――

■団結を全国的に勝ち取る武器に

個人加盟制労組において、
インターネットはその戦略上決定的な意味を持つ。

トヨタ自動車労組のように
職場の大多数を結集する社内労組なら、
会社の問題は機関紙や職場掲示板などを通して
全ての社員に周知徹底することができる。
しかし、
組合員が会社に一人の状態から始まるユニオンの場合、
労働組合ができた事実も、
団体交渉が開催された事実も、
どのようなことがそこで話し合われたのかも、
全国に散らばる他の労働者に伝える手段は限られている。
勤務時間内の組合活動も施設の使用も、
掲示板や組合事務所の設置も認められない中、
組合側がインターネットを広報手段として活用するのは
当然だ。

東京アカデミーから名誉棄損で訴えられた記事を
私が書いた第一の目的は、
全国で働く同社の従業員に、
労組と会社との間の団体交渉の内容を報道し、
従業員の労働組合への結集を図り
職場の民主化を進めることにあった。

そしてこうした活動は、
違う会社の労働者にもユニオンの活動と意義とを紹介し、
理解を広めて労働運動の発展を図り、
働く者の権利を社会的に守り抜くことにもつながる。

そもそも労働組合と会社とは、
対等な立場で交渉しなければならない。
しかし実際は、
雇う側の経営者と雇われる側の労働者との間では、
圧倒的な力の格差が存在する。

そこで、
社内の多数を組織している労組の場合は、
ストライキなどをかまえることで対等性を確保する。
しかし、
社内に1人しか組合員がいない場合、
「ストライキだ!」と言っても
「はい、どうぞ」と言われて、
それで終わりだ。
単に同盟罷業を背景にするだけでは
労使の対等性は一切担保されないのである。

しかし、
これは力関係を会社の中にとどめた場合だ。
私たちはこの力関係を、
「会社VS一労働者」の構図から
「会社VS地域の労働者」
さらには「会社VS全国の労働者」という関係に
押し広げていくことによって
力関係を逆転してゆく。
その手段として、
全国に情報を発信できるインターネットは
今後ますます重要になっていくはずである。

だからこそ、
経営側は今後ますます訴訟などで
これを押さえ込もうとするだろう。

今回訴訟を受けたことは私自身の教訓にもなった。
跳ね返すにあたっては
財政面でもユニオンにお世話になった。
記事の書き方や発表の仕方に
反省すべき点もあったと思う。

だが今回の件を、
決してユニオンが
インターネットの利用に消極的になったり
萎縮したりするきっかけにだけはしてほしくない。
そうなれば、
労働者・労働組合の言論活動を封殺したくてたまらない
経営側の思う壺だ。
負けることなくひるむことなく、
経営側の矛盾を暴露する大きな武器として
今後もインターネットを縦横無尽に活用することが
個人加盟制労働組合の勝利の原動力となるだろう。

すべての くにの やとわれながら はたいている 人人ひとびとよ。
こころむすんで ちからわせ、
たばになって ちあがれ! 
たがいに むすびつきあって
ひとつに まとまり たたかおう! 


【参考記事】
東京アカデミー事件・和解報告


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by imadegawatuusin | 2013-09-07 17:11 | 労働運動