エジプト新博物館援助は凍結を

民主的選挙で選ばれた大統領を
軍部が拘束して政権を奪うクーデターのあった
エジプトで、
治安の悪化が文化事業に影を落としているという。
日本の援助で進んできた新博物館の建設も
観光収入の激減で資金難に陥っているといい、
完成予定も遅れる見込みだ。

暫定政権の考古相は新博物館の建設について、
「5千人がこのプロジェクトで働いており、
 重要なのは中止しないことだ」と述べ、
「日本からの追加融資が頼りだ」と
期待を示しているという(朝日新聞10月22日)。

だが、
同国初の自由な選挙で選ばれた政権を
武力で打倒した軍部が実権を握る現在の政権に
これ以上融資を行なうことは、
民主主義の破壊を容認することにつながる。
新博物館の建設は不要不急のハコ物事業に他ならない。
飢えに苦しむ人々への食糧援助や医療援助などは
軍事政権下でも続けなければならないが、
文化事業はそうしたものとは性質が違う。

確かに文化財も大切だろう。
だがそれ以上に大切なのは、
国民の意思が国家を統治するという
民主主義の理念である。
国家が国民のものでなければ
博物館も国民のものにはなりえず、
軍政の悪を覆い隠す
権威装置としての役割しか果たさない。
エジプトの民主主義の回復までは
わが国も不要不急の援助を凍結するべきであり、
新博物館への追加援助要請には応じるべきでない。

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by imadegawatuusin | 2013-11-08 16:05 | 国際