村上ファンド:背後にオリックス

――設立資金出資・役員派遣――

■村上F:前身はオリックス研修施設運営会社 
証券取引法違反の疑いで逮捕された村上世彰容疑者が
代表を務めていた「村上ファンド」が、
その設立当初から一貫して
大手リース会社・オリックスと密接な関係にあったことが
「しんぶん赤旗」(6月8日)にて報道された。

これによると
「村上ファンド」の中核企業・M&Aコンサルティング(M&A社)はもともと、
千葉県船橋市にあるオリックスグループの研修施設・
「セミナーハウス、クロスウェーブ」の運営を行なっていた会社で、
「クロス・ウェーブ株式会社」という商号だった。
役員には現オリックス副社長ら、
オリックスグループの役員がずらりと名をそろえていたという。

この「クロス・ウェーブ株式会社」は2000年1月に
商号を「エム・エイ・シー」(現M&A社)に変更し、
村上容疑者が代表取締役に就任、
村上ファンドの中核企業へと会社の面目を一新した。
現在、「セミナーハウス、クロスウェーブ」は、
オリックスグループのブルーウェーブという会社が運営しているという。

■オリックス:所在地提供・取締役派遣
村上容疑者が代表取締役に就任した後も、
「エム・エイ・シー」(現M&A社)は2000年12月までの約1年間、
本店所在地を「セミナーハウス、クロスウェーブ」に置き続けた。
そして、
M&A社の立ち上げにあたっては
オリックス社長室長(現「オリックス・クレジット」社長)が取締役として派遣され、
その後も先月16日まで3代にわたりオリックスから取締役が送り込まれてきた。

村上ファンドのもう一つの中核企業であり、
今回 問題となっているニッポン放送株のインサイダー取引を行なった
投資顧問会社「MACアセットマネジメント」にも、
オリックスは取締役を派遣していた。
オリックスは「MACアセットマネジメント」設立後まもなく、
現「オリックス・クレジット」社長を送り込み、
先月16日に3代目の役員が辞任するまで取締役を派遣し続けていた。

■村上Fはオリックスの出資で設立された
読売新聞(2005年11月9日)によると、
当時「MACアセットマネジメント」は
株式の45パーセントをオリックスに占められており、
決算の連結対象となる「持ち分法適用会社」として、
その業績はオリックスの決算に反映されていた。
ファンド設立時の「(元手となる)シード・マネーを出した」のも
オリックスであったとある。
村上ファンドは名実ともにオリックスの子会社だった。

オリックスは先月12日、
村上ファンドへの出資金の引き上げを表明し、
出向役員は先月16日に辞任した。
しかしこの間、
村上ファンドが一貫してオリックスと密接な関係にあったことはもはや疑いようがない。

「村上ファンド」は、
新聞広告などで不特定多数から投資を募る「公募ファンド」ではなく、
少数の投資家だけから資金を受けて運用する「私募ファンド」である。
この「私募ファンド」は、
1998年12月に施行された金融システム改革関連法で
設立できるようになったものである。

そして、
この「私募ファンド」の解禁を政府に提言したのが、
政府の規制緩和委員会であり、
その委員長を務めていたのがオリックス会長の宮内義彦氏なのである。
事の利害関係者をこのような役職につけてきた政府の責任は重大だ。

《第8号》

《参考サイト》
「村上容疑者:インサイダー目的を自供」
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by imadegawatuusin | 2006-06-08 10:38 | 経済