先制攻撃正当化は許されない

――国際ルールは「先に手を出した方が負け」――

■隣国の結束が必要な今、なぜ
北朝鮮のミサイル発射強行以来、
我が国でにわかに「先制攻撃」論が台頭し始めている。
北朝鮮のミサイル発射は「帝国主義者の好戦的意図を粉砕」するどころか、
むしろタカ派的勢力を勢いづかせ、
深刻な財政危機の中、
彼らに軍備拡張を正当化する絶好の口実を与える結果となっている。
この意味でも、世界の平和を真摯に望む僕たち左派は、
北朝鮮の今回の不法不当なミサイル発射をまずは徹底的に糾弾し、
二度とこのようなことを起こさせないよう強く抗議しなければならない。

額賀防衛庁長官は9日、
「敵基地攻撃能力」論をぶち上げ、
麻生外務大臣にいたっては、
「被害を受けるまで何もしないわけにはいかない」と、
具体的な被害がない段階での先制攻撃の可能性まで
示唆する始末だ。

北朝鮮の無通告でのミサイル発射は、
船舶や航空機の公海上での活動に「妥当な配慮」を払うよう求める
国際諸法規に違反し、
金正日国防委員長自身が署名した「日朝平壌宣言」を無視する
極めて無法な行為である。
これに対して国際社会は国際法に立脚し、
問題を外交的に解決しようと懸命の努力を行なっている。
我が国が国連安保理などで
実効力のある北朝鮮非難のメッセージを勝ち取るためにも、
今は中国やロシアなどの関係諸国の協力が欠かせない。

そのようなときに、
それら隣国の安全保障を脅かしかねない
「敵基地攻撃」論や「先制攻撃」論を口にするのは
責任ある地位にある大臣がすることとは思えない。
実際、韓国の与党・ウリ党の金議長は、
「われわれは武力では平和を守れないと北朝鮮に言ってきたが、
 この言葉を日本の強硬派にもはっきりと伝えたい」と述べている。
日本の政治指導者の「敵基地攻撃」発言や「先制攻撃」発言は、
北朝鮮に「外敵の脅威」という絶好の口実を与え、
ミサイル発射の継続に正当性を与えかねない完全な利敵行為である。
「ミサイル発射は好ましくない」という見解でまとまっていた
周辺諸国の間に亀裂を生じさせ、
場合によっては国連安保理での外交的努力を
すべて無に帰してしまいかねない極めて無責任な発言である。

国連憲章は、
他国の侵略を受けた際の自衛行為と
国連安保理決議に基づく国際警察行動とを除く
各国の勝手な軍事行動を禁じている。
「相手が自国を攻撃する意図を持っていたから先に攻撃した」
などという言い訳は国際的には通用しない。

「先に手を出した方が負け」というのが国際的なルールである。
日本が勝手に「攻撃を受けそうだ」とみなして先制攻撃を行なったと言っても、
誰がそれを真に受けて
「はいそうですか」と うのみにすると言うのだろうか。

世界は今、
地球人類を何回も滅亡させるほどの膨大な核兵器を持ち、
互いににらみを効かせあっている。
ひとたび核戦争が始まれば、
全くどうなるかわからない。
だからこそ、
「『最初の一発』を自分の側からは打ち込まない」というルールの徹底が
何よりもまず求められているのである。

際限のない軍事的猜疑心をかきたてる「先制攻撃」正当化を許すな!
国際法に立脚し、
周辺諸国の強調で北朝鮮の無法を非難する
強い国際的メッセージを勝ち取れ!

《参考サイト》
「北朝鮮:平壌宣言に反しミサイル発射強行」
北朝鮮:「国際法には拘束されず」・「発射、今後も」
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by imadegawatuusin | 2006-07-13 16:23 | 国際