投票券から性別記載を削除しよう

――「性同一性障害者」に無用の躊躇を強いるな――

■性別の違う「替え玉投票」の想定など突飛
私たちの社会には、
生物学上の性別と自己意識上の性別との不一致に苦しむ
「性同一性障害者」が存在する。
その中には、
ホルモン療法などによって外見を自己意識上の性別に合わせ、
日々の生活を送っている人も少なくない。

先日、
田原市議会議員の選挙が行なわれ、
僕のもとにも選挙の投票券が送られてきた。
その投票券には有権者の男女の別が記されていた。
それは、
戸籍上の性別と生活上の性別とがごく自然に一致する人間の目には、
ごく普通の、
極めて些細な記載に映るかもしれない。

しかし例えば、
外見上女性に見える(戸籍上の)「男性」が
この投票権を受け取った場合、
投票券には「男性」と記載されているわけであるから、
非常に投票に行きづらくなる。
「もしかすると他人の投票券を不正行使していると
 勘違いされるのではないか」、
「投票所の入り口で、
 地域の人々も見ている中で、
 自分の戸籍上の性別とその外見とが異なっている理由を
 説明しなければならないのだろうか」などと悩み、
投票を躊躇する人も存在すると聞いている。
特定の立場の人々に参政を躊躇させうるようなやり方は、
選挙の公平性という観点から考えても、
極力避けるべきことである。

2003年の「性同一性障害者特例法」の公布によって、
「外性器の整形手術を受けていること」、
「結婚していないこと」、
「子がいないこと」など、
一定の要件を満たす「性同一性障害者」に対しては、
戸籍上の性別の変更が認められるようになった。
しかし言うまでもなく、
「性同一性障害者」の全てがこれらの要件を
完全に満たしているというわけではなく、
戸籍上の性別と生活上の性別とが一致しない人々は
今なお少なからず存在する。

そもそも、
「替え玉投票」の防止のためには、
生年月日の確認で充分である。
もし不審な点があった場合は、
身分証明書の提示を求めるなどの対処をすればよいだろう。
「替え玉投票」を企むものが、
あえて自分とは違う性別の人間に成りすまして投票したりするものだろうか。
立会人の記憶などにも残りやすく、
不正の発覚を容易にするだけであり、
極めて考えづらいことである。

選挙の公平性を確保し、
多様な民意を議会に反映させるためにも、
全ての有権者が投票に行きやすい環境を整えることが大切である。

僕は以上の観点から、
選挙における投票券には有権者の男女の別を記載しないこと、
また、
国や自治体において扱う他の公文書についても、
必要性の低い男女記載の削除を促進するのが望ましいと考える。

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by imadegawatuusin | 2007-02-01 03:48 | 差別問題