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愛知製鋼問題:二次「下請」を解雇不当で提訴

――勝利和解・復職の2名も再び解雇――

■財務状況の開示なく、一方的に「廃業」宣言
トヨタグループの特殊鋼メーカー・愛知製鋼(旧豊田製鋼)の
構内「下請」労働者たちでつくる労働組合、
名古屋ふれあいユニオン知多分会の闘いが
いよいよ正念場を迎えている。

知多分会の労働者たちが所属してきた
二次「下請」の三築(代表取締役:大久保文和)が、
愛知製鋼の子会社・アイチセラテックからの契約打ち切りにともない、
9月30日をもって「自主廃業」を宣言しているからである。

6月27日に解雇無効裁判に勝利和解し、
1ヶ月あまりにわたる愛知製鋼の入門拒否を跳ね除けて
ようやく職場復帰を果たした ばかりの
Aさんと迫川良二さんの二人も、
この日をもって再び解雇されることとなっている。

これに対し、
二人を含む知多分会の組合員ら5人が26日、
三築に対し、
解雇を不当として地位保全と給与の支払いとを求める訴えを
名古屋地裁に起した(中日新聞9月27日)。

そもそも三築では、
以前から不明朗な会計処理や
莫大な中間搾取・蓄財が指摘されており、
「純資産が一億八千万円以上ある」と見られているにもかかわらず、
「自主廃業」に ともない職を失う労働者らに
財務状況を一切明らかにしようとしていない〔注1〕。
それでいながら、
4年間働き続けた社員に対して退職金3万円、
3年以下の社員には びた一文払わないという退職条件を
一方的に押し付けようというのである。

正確な財務状況の開示もない中、
このような退職条件を妥当なものと判断するのは不可能だ。

以下は、
名古屋ふれあいユニオン機関紙・『NFUふれあい通信93号』に
掲載された記事である。
〔注1〕三築は財務状況を労働者側に一切開示していないが、
今年3月時点で1億7千万円を超える剰余金が存在したことが
現時点で確認されている。

愛知製鋼関連非正規雇用労働者に、
安定した雇用と労働条件を!


トヨタグループ企業「愛知製鋼」(愛知県東海市)で働いてきた
下請企業の労働者は、
二次下請企業「三築」が
一次下請「アイチセラテック」との契約をうち切られることによって、
深刻な雇用不安と労働条件の悪化にさらされている。

問題解決のためには、
愛知製鋼が長年行ってきた偽装請負の解消や、
これまで中間搾取でぼろもうけをしてきながら、
ここに至って労働者に対する雇用責任を放棄して
「廃業」を宣言した「三築」経営者の責任追及が不可欠である。
闘いの先頭に立つ当該組合員を、
みんなで支えていこう。

■愛知製鋼の団交拒否に関し、
 愛知県労働委員会に不当労働行為救済の申立
愛知製鋼から「偽装請負」を根絶し、
下請け労働者の雇用の安定と労働条件の向上をかちとる闘いは、
愛知県労働局に対する行政指導申立て、
9月30日で請負契約を打ち切られることを理由に
「廃業」を宣言している二次下請企業「三築」
(その下に三次下請けとして十数社の協力会社が
 愛知製鋼に入っている)への責任追及と共に、
愛知製鋼との直接交渉が不可欠だ。

しかしながら、
愛知製鋼は下請け労働者との雇用関係がないことを理由に
団体交渉を拒否しつつ、
労働局からの指導を免れるための
職場再編を行っている現状である。
また、
労働局に対しては
偽装請負の対象となっていた労働者の雇用については
保障すると報告しているようだが、
誰によるどのような労働条件の雇用であるのか、は
まったく明らかにされていない。

私たちは
愛知製鋼が組合との交渉を拒否していることに対し、
8月2日、
愛知県労働委員会に対し
不当労働行為救済の申立を行った。
これに対し会社側から8月13日付で答弁書が出され、
9月21日午前10時から第1回調査が行われることが決定した。

私たちは、
三築およびその協力会社の従業員が愛知製鋼に派遣された期間は
労働派遣法の派遣可能期間を越えており、
会社は直接雇用する義務を負っていること、
労働者の雇用確保と会社で頻発している労災問題などを解決するには、
三築及びその協力会社の従業員を指揮命令し
実態として使用者の立場にある会社との間で
団体交渉を行う必要及び義務があること、を主張している。

今後労働委員会の場で会社の使用者性を明らかにし、
会社に組合との団体交渉を受け入れさせ、
労働者の要求に基づいた職場再編を実現するよう、
頑張っていきたい。

■一方的に「廃業」を宣言する「三築」は
 経営者の責任を果たせ
愛知製鋼内の再編の一方で、
9月30日付の請負契約がうち切られることを理由に、
長年雇用してきた労働者に対し一片の解雇通知で済ませ、
一切の雇用責任をとろうとしない
三築・大久保社長に対しては、
経営者としての最大限の責任を求めていく必要がある。

8月31日に行った団体交渉では、
請負契約の一切の責任が会社にあることを確認し、
会社の財務状況の開示、
退職条件の提示(退職金、有給休暇未消化分の買い上げ等)を要求し、
一週間後の回答を約束させた。

一方で、
三築との請負契約をうち切った
愛知製鋼一次下請の「アイチセラテック」が、
三築の労働者を「期間工」として雇う提案を行っている。
その内容は
不安定雇用と労働条件の著しい低下をもたらすものだ。
したがって今後は
アイチセラテックとの交渉も大切になってくるだろう。

二重三重にからんだ労使関係のため、
交渉する相手も多く、
できるところから一歩一歩進めていくしかない。
様々な手段を駆使して、
ねばり強く闘いを進めていこう。

■愛知製鋼闘争の勝利に向け、カンパを訴えます!
愛知製鋼に対して交渉を求め、
偽装請負のない安定した労使関係を築く闘いは、
多くの下請労働者の雇用と生活を守るために不可欠な闘いです。
そのための愛知県労働委員会に対する救済申立は、
名古屋共同法律事務所所属の全弁護士で弁護団を結成していただき、
組合ともども全力で取り組んでいます。
ついては、闘争の勝利に向け、
カンパを要請します。
いくらからでも結構ですので、
組合の郵便振替口座への振込、
または事務所への持参等で、
ご協力をお願いします。
(酒井注:酒井徹もまずは9月分カンパとして、
 5000円を協力させていただきました)。


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職場の理不尽を許さない、強く優しい地域労組の建設を!
愛知県下の未組織労働者は名古屋ふれあいユニオンに結集しよう!



労働組合名古屋ふれあいユニオン
雇用形態や国籍に関わりなく、
愛知県下で働くすべての労働者が一人から加盟できる
地域労働組合(コミュニティユニオン)。
コミュニティユニオン全国ネットワーク
コミュニティユニオン東海ネットワークにも参加。
今年3月に開かれた第9回定期大会では、
連合産別・全国ユニオンへの加盟について討議するとする活動方針を採択。
日ごろから組合員の学習会や交流会・相談会などを
積極的に企画しながら活動している。
現在、組合員数約200名。
組合員は組合費月額1500円。
賛助会員(サポーター)は年会費5000円。
住所:〒460‐0024
    名古屋市中区正木4-8-8 メゾン金山711号室
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by imadegawatuusin | 2007-09-27 07:59 | 労働運動
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