日研総業:新規採用 打切り後も求人広告続ける

――ホームページや求人誌で大々的に――

■「急募!!」・「NEWスタッフ100人募集!!」「10万円支給」……
大手派遣会社・日研総業が、
9月上旬には新規採用を打ち切り、
今後人員を100名以上削減してゆく計画であった作業所の求人広告を
10月に入っても なお自社ホームページや各種求人誌で続けていたことが、
愛知県の個人加盟制労働組合・名古屋ふれあいユニオンとの団体交渉の中で
明らかになった。

団体交渉の合意書における確認事項によると日研総業は、
9月上旬には
派遣先・トヨタ車体の作業所における新規採用を打ち切り、
その後トヨタ車体の作業所における人員を
100名以上削減してゆく計画であった。
にもかかわらず日研総業は、
10月に入っても自社のインターネットサイトや各種求人雑誌において、
「急募!!」・「NEWスタッフ100名大募集!!」・
「10月末までに対象現場(トヨタ車体の作業所)に入社された方に10万円支給!」・
「安定性と将来性も抜群!」などと謳って
既に新規採用を打ち切っていたトヨタ車体の作業所における求人広告を
大々的に続けてきたという。

この間、一部の派遣会社において、
実は存在しない「好条件の派遣先」を大々的に広告して登録スタッフを集め、
実際には まったく別の派遣先を紹介するという、
いわゆる「釣り広告」が社会問題化しつつある中で、
日研総業の対応の是非が問われることになりそうだ。

日研総業側は合意書の中でこの件について、
「会社(酒井注:=日研総業)は、
 上記の行き違いを遺憾に思い、
 今後このようなことが起こらないよう努力する」としている。

■筆者:トヨタ車体での仕事を雇止め
また上記のトヨタ車体における日研総業の人員削減に伴い、
今年3月の大会で名古屋ふれあいユニオン運営委員に就任し、
トヨタグループ企業での偽装請負問題
トヨタ下請企業で働く外国人「研修生・実習生」問題に取り組んできた筆者も
トヨタ車体での仕事を雇止めとなることとなった。

10月9日をもっての雇止めを
9月18日に通告された筆者は、
ただちに2日後の9月20日には団体交渉を申し入れ、
10月2日、10月10日の2回にわたり、
日研総業との団体交渉を行なった。

この交渉において筆者は、
何よりも「職と住まい」の確保を求めた。
それは、何よりもこの2点が、
実に切実な要求として筆者の前に存在していたからである。

それまで筆者はトヨタ車体の寮に住んでいた。
それ以外の不動産も、就職のあても一切ない。
それを、
9月18日から1ヶ月の猶予もなく雇止めと通告されたのでは、
最悪の場合、
筆者は10月上旬で路頭に迷う可能性すらあった。
(ただちに団体交渉の申し入れを行なってなお、
 第1回の団体交渉を設定できたのは10月2日であったのである。
 当然、
 雇用の継続を求めていた筆者は、
 それまでに別の就職先やアパートを
 探すという行動をとることはできない)。

■日研側:「派遣に安定性を求められても困る」発言
この点について筆者は、
改めて労働組合の力、
労働者の団結の力を再認識することとなった。

団体交渉の中では、
雇用の継続を求めた労働組合側に対して
日研側の交渉員が、
「派遣に安定性を求められても困る」などと
発言する一幕があった。
(団体交渉における発言の内容については、
 労使双方合意の上で録音がなされている)。

しかしそもそもトヨタ車体における仕事が
「安定性と将来性も抜群!」であると喧伝したのは
日研総業の側だったのであり、
私たちの側ではない。

当日の団体交渉に結集した
多くの非正規雇用の仲間たちが
この発言には反発し、
日研側に明確な説明を求めた。

日研側の交渉員はこの追及に対し、
「安定性とは定められた雇用期間の就業を
 きちんと保障するということだ」との旨の答弁をした。
(だが、最後までもう一つの、
 「抜群」であるはずの「将来性」については
 説明することができなかった)。

そもそも派遣労働については労働者派遣法第30条で、

派遣元事業主は、
その雇用する派遣労働者
又は派遣労働者として雇用しようとする労働者について、
各人の希望及び能力に応じた就業の機会及び
教育訓練の機会の確保、労働条件の向上
その他
雇用の安定を図るために必要な措置を講ずることにより、
これらの者の福祉の増進を図るように努めなければならない。


と明記されているのである。
「派遣元事業主」である日研総業の側から
雇用安定責任を公然と否定するかのような発言がなされたことは
今後議論を呼びそうだ。

ともあれこうした やり取りの中で、
本来ならば10月上旬をもって寮を追い出され、
路頭に迷っていたかもしれない筆者は、
名古屋ふれあいユニオンの多くの仲間たちが参加した
会社側との団体交渉の結果、
1ヶ月間の生活保障と日研総業による寮の確保、
そして、
前職に見合う次の就業先の紹介を勝ち取ることに成功した。

■「リケン」関連7月操業停止への休業手当 勝ち取る!
そして何より画期的であったのは、
今年7月の、
部品メーカー「リケン」の新潟県中越沖地震被災による
トヨタ車体刈谷作業所での3日間の操業停止に関し、
休業手当を勝ち取ることに成功したということだ。
これは、
筆者がユニオンを通じて声を上げることがなければ
絶対に取り戻すことのできないものだったと確信している。

今回の件に関する詳細については、
名古屋ふれあいユニオンと日研総業との間で交わされた
以下の合意書を見てほしい。


合 意 書

 日研総業株式会社(以下会社という)と名古屋ふれあいユニオン(以下組合という)及び組合員・酒井徹(以下酒井)は、酒井の契約更新に関する団体交渉を行なった結果、以下の通り合意する。



一、会社、組合及び酒井は下記の事実を確認する。
 会社は、9月上旬には派遣先・トヨタ車体の作業所における新規採用を打ち切り、今後同社の作業所における人員を100名以上削減してゆく計画であった。にもかかわらず会社は、10月に入っても自社のインターネットサイトや各種求人雑誌において、「急募!!」・「NEWスタッフ100名大募集!!」・「10月末までに対象現場(トヨタ車体の作業所)に入社された方に10万円支給!」・「安定性と将来性も抜群!」などと謳って既に新規採用を打ち切っていたトヨタ車体の作業所における求人広告を大々的に続けてきた。このことは、10月9日をもってトヨタ車体刈谷作業所での就業を期間満了を理由に終了とすることを通告されていた酒井に疑念を抱かせる結果となった。
二、酒井は、2007年10月9日をもってトヨタ車体刈谷作業所における雇用期間が満了したことを確認する。
三、会社は、上記の行き違いを遺憾に思い、今後このようなことが起こらないよう努力する。
四、2007年7月の、部品メーカー「リケン」の新潟県中越沖地震被災によるトヨタ車体刈谷作業所での3日間の操業停止に関し、会社は酒井に、労働基準法第26条に基づく休業手当として、過去3ヶ月の平均賃金の60パーセントを支払う。
五、会社はできるだけ早期に、前職(寮付・愛知県下・原則土日休み・時給1270円)に見合う就業先を酒井に紹介する。
 酒井が次の仕事に就業するまでの間、会社は2007年10月10日から当初 30日間、酒井に契約社員としての地位を引き続き認め、前職規定の賃金(深夜手当を含む。残業手当は含まない)を酒井に支払う。ただし、10月27日は休業の扱いとし、賃金計算の対象としない。30日間を経過した後も酒井の就業先が決定しない場合は、会社と組合とは再度団体交渉を行なう。
六、会社はできるだけ早期に、酒井に寮を用意する。寮の用意がされ次第、酒井はトヨタ車体(株)第1新林寮から速やかに退去する。新たに用意された寮における寮費、備・光熱費等については、トヨタ車体(株)第1新林寮における現状を維持する。
以上

2007年10月10日

東京都大田区西蒲田7-23-3 日研第一ビル    
日研総業株式会社
 代表取締役社長  清水 真一

名古屋市中区正木4-8-8 メゾン金山711     
名古屋ふれあいユニオン
   運営委員長 浅野 文秀
   組合員   酒井 徹


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by imadegawatuusin | 2007-10-19 22:40 | 労働運動