ペシャワール会・伊藤さん拉致・殺害事件

――伊藤さんの殺害を糾弾し、その活動を称える――

アフガニスタンで水路の整備や農業の技術指導など
国土復興活動に従事していた日本の非政府組織・
「ペシャワール会」の伊藤和也さんが現地の武装組織に拉致、
殺害された。
筆者は今月17日、
名古屋イキナリ労組
名古屋ふれあいユニオンワーカーズコープ分会)のNさんと一緒に
ペシャワール会現地代表・中村哲さんの講演を
聞いてきたばかりだ。

中村さんは、
現地における食料生産の再建が
アフガン復興の全ての基礎となるとの信念から、
当初の医師としての医療支援活動から
次第に灌漑工事や農業指導などの活動に
シフトしてきた活動を語られた。

特に印象に残ったのは、
現地においては現地の文化を最大限尊重することを
何よりも重視するというその姿勢であった。
たとえば、
イスラム社会であるこの地域で子供たちに教育を授け、
孤児の面倒を見てゆくためには、
単に孤児院や学校を建設するのではなく、
イスラムの「マドラサ」(学院)を建設することの重要性を強調。
イスラム教徒はマドラサに進んで寄進をするので
資金が現地調達できるし、
イスラム法学者が教育を授ける施設とすることで
現地住民の理解も得られ、
本当の意味で学院が地域の拠点となってゆくと
話しておられた。
「本当はハコモノは作らない方針だったけど、
 これだけは別。
 他の欧米系NGOは絶対にやらないけれど」と語り、
聞いていた僕たちにはむしろ、
一般的な「NGO活動」から見ても
突出して「親イスラム」・「親タリバン」であるのではないかとすら
思えたほどだった。

その「ペシャワール会」において、
2003年以来一貫して現地で農業支援の活動に携わってきたのが
伊藤さんである。
ペシャワール会はまた、
一貫してアフガン戦争や自衛隊のインド洋派遣に
反対し続けてきた。
タリバンの一派を名乗る勢力が
犯行を認める声明を出しているというが、
徹底的に糾弾したい。

今回の事件では、
拉致された伊藤さんを捜索するため、
実に1000人を超える現地住民らが
協力したと伝えられている。
いかに伊藤さんらの活動が
現地に根を下ろしていたかを伝えるエピソードである。

ペシャワール会のスローガンは、
「誰もが行きたがらない所に行き、誰もがやりたがらないことをする」
であった。
現在のアフガンで活動する以上、
「絶対の安全」などありえないのは当然の前提である。
そのリスクをあえて引き受け、
現地の人々のための活動に飛び込んだ伊藤さんの志は
高く評価されてよい。
今後これを引き継いでどのような貢献が可能であるのか、
考えてゆかなければならない。
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by imadegawatuusin | 2008-08-28 16:35 | 国際