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ベトナム人は家賃10倍!?

――またもトヨタの足下で――

■「新手の最賃逃れ」との指摘も
愛知県稲沢市の
トヨタ自動車二次下請メーカー・ツカモト(代表取締役:塚本寿男)が、
地域最低賃金である時給714円で働くベトナム人「実習生」から
日本人の約10倍の「家賃」を取り立てていた問題で、
名古屋ふれあいユニオン組合員の
ツァン=バン=チュウさんが9月26日、
名古屋地裁に提訴した。

チュウさんらは2005年、
外国人「研修生」として来日。
ベトナムで結ばされた契約書には、
フルタイムで働いて毎月の給料が来日1年目は6万5千円、
2年目は7万円、
3年目は8万円、
さらに残業をした場合は、
3年間の全期間にわたって1時間あたり400円と、
明らかに最低賃金を下回る犯罪的な規定がなされていた。
(本来外国人「研修生」は、
 2年目以降は「技能実習生」に昇格し、
 日本の労働法規が適用される)。
しかしこの間 愛知県では、
トヨタ下請け・TMC
ベトナム人「実習生」6人が
最低賃金以下で働かされた労働実態を告発、
名古屋地裁に提訴した。
外国人「研修生」・「実習生」問題は社会問題化し、
来日2年目以降の「実習生」には
法に従い最低賃金を支払う流れが出来つつある。

ツカモトでも、
ベトナムで結ばされた違法な契約は
日本においては無効であるので、
当然にも2年目以降、地域最低賃金が支払われた。
ところがかわって、
当初のベトナムでの契約書では
「受け入れ企業から、
 日本人にとって最も必要な生活用品が
 整備されている住まいを無料で提供される」
とされていたにも関わらず、
「家賃」が徴収されだした。
しかも、
田んぼの真ん中にある築34年で2Kのアパートに、
一部屋に4人ものベトナム人を押し込めておきながら、
一人毎月4万2652円を徴収する(一部屋約17万円!)という
法外なものだ。
さらに、
その残った給料の中から、
「ケイ・インターナショナルの山田浩二」なるブローカーが
毎月やって来て、
毎月3万4千円をベトナム人「実習生」たちから
巻き上げていくのである。
(3万4千円のうち、
 3万円は強制貯金だが、
 残る4千円については「管理費」、
 あるいは「ベトナムの税金」などと、
 会社側の説明は二転三転している)。

同社で働くベトナム人「実習生」らの話によると、
同じアパートには日系フィリピン人派遣労働者
住んでいる。
彼らは『一部屋』毎月4万2652円だという。
ツカモトは、
最賃で働くベトナム人「実習生」から、
日系フィリピン人労働者の4倍の家賃を取り立てていた。
私たちはこの事実を知って、
非常に憤慨したものだ。

しかし、
驚くのはまだ早かった。
同じアパートには日本人正社員の夫婦も入居していた。
彼らは、
一部屋毎月1万7千円だったのである。
最低賃金で働くベトナム人「実習生」からは
一部屋約17万円を毎月徴収しているのであるから、
ベトナム人からは
日本人の実に約10倍の「家賃」を取っていたことになる。

外国人「研修生・実習生」制度の指導・監督機関である
「国際研修協力機構」(JITCO)のガイドラインでは、
「賃金からの不正な控除の禁止」として、
「食費や宿舎費等を賃金から控除する場合には、
 ……控除する額が実費を超えてはならないこと。
 ……宿舎費については
 ……複数の技能実習生に貸与している場合の宿舎費の額は、
 人数分で割った額を越えないこと。
 ……宿舎費の額は、
 近隣の同等程度のアパート等の相場を
 越えてはならないこと」と
明確に規定されている。

ブローカーが毎月巻き上げていった3万4千円についても、
強制貯金分の3万円は返金されたが、
4千円分については当初「管理費」と主張していたのに、
その後「ベトナムの税金」と説明を変えて返さない。
チュウさんたちの第一次受入れ機関である
「加茂技術クリエイト協同組合」(代表理事:佐伯康一郎)は、
4千円について、
「ベトナム送り出し機関と研修生との約束で
 ベトナムにおける税を研修生が送り出し機関に
 支払うというもの」などと回答しているが、
ベトナムで結んだ契約書のどこを読んでも
そのような記述は一切なく、
ベトナムの送り出し機関に支払ったとする領収書すら
見せようとしない。

そもそもチュウさんたちは、
低賃金労働者ゆえ少額ではあるが、
日本で立派に所得税を支払っているのである。
どうしてさらに
ベトナムにまで税金を払わなければならないのか。

一見、
法に則り最低賃金
(もっとも、自動車産別最賃ではなく地域最賃に過ぎないが)を
支払っているかのような顔をしながら、
その実は日本人の10倍の「家賃」や
意味不明な「管理費」・「税金」を徴収し、
結局カネを巻き上げる……。
これではつまるところ、
やはり最低賃金を支払っていないのと同じである。

ツカモトは、
名古屋ふれあいユニオンとの
1度目の団体交渉の場において
特定の団体交渉メンバーについて難癖を付け、
2度目の団体交渉にいたっては
事前に何の連絡もなくドタキャンした。
団体交渉予定会場に着いてから、
会社の人間が誰もいないので
あっけにとられたものである。

トヨタ系ツカモトは、
ベトナム人「技能実習生」にカネを返せ! 
最賃逃れは許さないぞ!


【参考記事】
ベトナム人「実習生」の労働相談を受ける
ツカモト「実習生」事件、名古屋地裁で和解成立


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by imadegawatuusin | 2008-09-26 19:04 | 労働運動
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