カテゴリ:政治( 89 )

――改革の道筋――

急進的な「革命」によって社会変革の実現を目指す
共産主義と違い、
社会民主主義は一歩ずつの地道な「改革」によって
社会の変革を実現しようとする。
その担い手として第一に期待されるのは、
職場において実際に生産活動を担い、
この社会を動かす原動力となっている働く人々・
労働者である。
『社会民主党宣言』に、
「労働運動、
 そして非正規雇用や未組織労働者を含めた
 全ての働く人々は、
 『平和・自由・平等・共生』という
 社会民主主義の理念を実現する上で、
 最も重要な役割を担っています」とあるのは
そのためである。

また、
「経済を足元で支える中小企業は、
 大企業の動向によって経営は安定せず、
 地域生活に欠かせない個人商店なども、
 大店舗の進出に脅かされています」とある。
こうした、
大企業の横暴に脅かされる中小企業や個人商店などが
正当な評価を受け、
産業全体においてきちんとした地位を占めることは、
産業民主化の実現に不可欠である。
中小企業の協同組合への組織化、
個人商店の民主商工会などへの組織化を通じて
経済における中小企業・個人商店の地位向上を図り、
利益を末端労働者に還元する政策を
打ち出さなければならない。

農林水産業においても、
経営規模にかかわらず「1人1票」で運営される
協同組合の役割を強化し、
民主的な産業運営を促進してゆく必要がある。

そして、
こうした改革の手段として想定されているのは、
「議会制民主主義の機能を通じ」た
「政策」の「実現」である。
議会制民主主義がそれなりに機能し、
言論・結社の自由が
一定程度機能している社会においては、
社会民主主義者は議会を通じた民主的改革を
変革の手段とする。
意見の違いを暴力によって圧殺する手法や
暴力革命の企みには断固反対し、
民主的手法による漸進な政治改革を
推し進めなければならない。

しかしながら社会民主党は、
単に議会活動だけにその活動を集中させる
名望家政党であってはならない。
党員や支持者を巻き込んだ
「大衆的な運動」の先頭に立って
議会に大衆の意思を反映させ、
議会の内側からは
「徹底した情報公開によって
 議会制民主主義が役割を発揮できるよう
 監視」する役割を
果たさなければならない。

したがって社会民主党は、
「国会・自治体議会における党の議席増」と、
労働組合や協同組合・地域自治会や学園自治会、
そして各種大衆運動における党の影響力の強化を
二本柱として、
社会民主主義思想の普及と
社会民主主義政権の樹立とを
実現しなければならない。
単に議会で多数を掌握し、
上から政策を押し付けるだけでは
社会民主主義政権は長続きせず、
政策の実現はおぼつかない。
職場から、地域から、学園からの
「平和・自由・平等・共生」を求める声の高まりと、
政府の政策が合致するとき、
社会民主主義政権は安定的で強固な位置を
歴史の中で占めることができるだろう。
私たちは職場・地域・学園に根付いた
強く大きな社民党を建設し、
労働者の、大衆の、青年の要求を実現してゆくにあたり、
中心的役割を担ってゆかなければならない。

現状の社会民主主義勢力の議会・社会での力量からして、
「この過程において」は、
「具体的な政策課題の実現を目指す、
 緊張感ある連立政権の形成」が不可欠だ。
いきなり社会民主党が国会において
単独過半数を形成するような展開は
まず期待できないからである。

『社会民主党宣言』の第1章には、
「私たちは、
 社会民主主義こそが次代の担い手であり、
 世界史の流れであることを確信します」とある。
社会全般における民主主義の拡大・拡充を求める
社会民主主義の伸張は歴史における必然である。
私たち社会民主主義者は
こうした歴史的使命の遂行に全力をあげ、
一歩でも二歩でも歴史の進歩に貢献することを
自らの生きがいとして活動するものである。


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by imadegawatuusin | 2011-06-21 13:17 | 政治

――民意を反映する政治への改革――

「政治の民主主義を拡充する前提は、
 人々の多元的な価値観が
 議会政治の場に的確に反映されることにあります。
 そのためには、
 民意を切り捨てる小選挙区制度ではなく、
 比例得票数を議席配分の中心にすえた
 選挙制度への改革が不可欠です」。

これが、
選挙制度についての社民党の主張である。
要するに、
選挙において10パーセントの得票率のある政党には
議会においても10パーセントの議席を、
1パーセントの得票率のある政党には
議会でも1パーセントの議席をという、
実に単純な改革案である。

1つの選挙区から1人しか当選しない
小選挙区制のもとでは、
どの選挙区でも最大の政党が圧倒的に優位になり、
特定政党が議会の議席を独占する傾向が強まってしまう。
これでは、
民意を代表して議論・政策を闘わせるという
議会の意味がなくなってしまう。
そして、
その最大政党の得票率も支持率も、
必ずしも議会の独占度ほどは高くないということが
小選挙区制のもとでは通例である。
議会の構成と民意とのずれも激しくなる。

また、
1つの選挙区から1人しか当選できない
小選挙区制のもとでは、
議員は当選のためには多少の政策の違いに目をつぶり、
大政党への参加を余儀なくされる。
政策の違いではなく、
選挙区の事情で党の所属を決めるものが多くなり、
政党が政党の体をなさなくなってしまうことも
この間 明らかになってきた。

さらに、
小選挙区制は必然的に「1票の格差」を生み出す。
また、
地区割りされた選挙区から政治家を選ぶ方式では、
どうしても日本全体ではなく
地元利益を優先する政治家が当選しやすくなる。
地縁・血縁・金権が
選挙結果に影響を及ぼしやすくなる。
日本の政治家を選ぶ場合は、
日本全体を一つの選挙区として選ぶべきだ。

選挙はただひたすら、
民意をできるだけ正確に議会に写し取ることに
徹するべきだと私は思う。
そのためにはやはり、
全国区比例代表制がもっとも望ましい。


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by imadegawatuusin | 2011-06-20 13:05 | 政治

――あらゆる価値観を保障した創造的文化――

文化の領域においては、
特に表現の自由・言論の自由の重視が際立っている点が
特徴的だ。
冒頭で
「生活を豊かに送るために不可欠な
 文化や芸術の分野では、
 表現の自由やあらゆる価値観が保障されるべきです」
と言明し、
さらに終わりの部分でも、
「メディアの発展は
 民主主義の根本にかかわる問題であり、
 権力や支配層の意思、考え方が
 一方的に押しつけられることがないように、
 表現および言論の自由を徹底的に擁護します」と
書かれている。

表現の自由・言論の自由は民主主義の基礎である。
人間は、
多数決で物を決める場合でも、
「あらかじめ選択肢に入っていないこと」を
決めることはできない。
全ての人々に「多数派になるチャンス」、
すなわち表現の自由・言論の自由が
認められていなければ、
民主主義社会はあらかじめ決まった結論に向けて
ただ多数を確認するだけの
「追認民主主義」でしかないことになる。

そうした意味からも、
表現の自由・言論の自由は
民主主義社会の基礎である。
したがって社会民主主義者は、
こうした表現の自由や言論の自由、
民主主義社会そのものを否定する言論・表現活動も含めて
そうした自由を徹底的に擁護しなければならない。
その一方で、
そうした『非民主的な言論・表現そのもの』に対しては
自らの言論の自由・表現の自由を徹底的に行使して
きっぱりとこれに反対しなければならない。
そうした中で
自ら民主的文化の擁護者・創造者となることこそが
社会民主主義者の文化活動の根幹である。

社会民主主義者は歴史の進歩と発展を信じる。
『社会民主党宣言』の第1章には、
「私たちは、
 社会民主主義こそが次代の担い手であり、
 世界史の流れであることを確信します」とある。
こうした「世界史の流れ」に自らを重ねて、
平和・人権・民主主義の
社会のあらゆる領域における徹底のために
献身的に奮闘し、
社会の進歩に貢献することを
自らの生きがいとする人生観が求められている。
様々な文化活動を通じて社会民主主義の理論はもちろん、
幅広い教養を身につけ、
自らを「次代の担い手」である社会民主主義者として
ふさわしい人材に育て上げることが必要だ。
暮らしの中での日々の研鑽・実践を通して
社会道義の確立・高揚に努め、
もって世界平和の実現に貢献することは、
社会民主主義者の重大な任務なのである。

個人的には筆者は、
存在する全てのものには物質的根拠があるとする
唯物論に立脚し、
科学的な思考を重視したい。
合理性を尊重して迷信を打破し、
奇跡の存在を否定する。
非科学的な「死後の魂」の存在や輪廻転生、
超自然的な神通力を持つ人格神の存在などは
信じない。
単なる物質に神秘的な力を見る偶像崇拝的傾向にも
組せず、
呪術のたぐいを自らの生活から排するように努め、
合理的精神を鼓舞する文化の創造に
自らの生活全体を通じて寄与したい。


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by imadegawatuusin | 2011-06-19 12:53 | 政治

――1人ひとりを大切にする教育の実現――

「子どもたちが、
 生き生きとすこやかに、
 そして個性豊かに学び、遊び、生活できる条件を
 社会の責任で保障します。
 全ての子どもが、
 性差や個性、家庭の所得状況にとらわれず、
 どこでも等しく教育を受けられるように、
 教育基本法の理念、子どもの権利条約の原則を
 具体化します」。
これが社会民主党の子供の教育の基本原則だ。

教育は人生の一大基盤である。
そこに、
親の世代の格差が持ち込まれ、
ひいては子供たちの未来に格差が生まれることは
社会の責任で防がなければならない。

「世界一高い」と言われる大学の学費は
親の経済格差を子供の世代に持ち込むものである。
生活保護世帯の子供が大学に行けない現状も
改善が急務だ。
社会民主党は子供たちの「勉学の権利」を護るため、
学費の値下げや奨学金制度の充実などに、
全国の学生自治会などと連携して
取り組まなければならない。

またその前提として、
全ての大学に民主的な学生自治会を、
高校・中学に生徒会を、
小学校には児童会を組織し、
子供たち・青年たちが学園の問題を自ら討議し、
自ら決定し、
自ら執行する民主主義を
一歩一歩拡大してゆく必要がある。
学園自治組織は子供たち・青年たちが実践を通じて
民主主義を自らのものとする、
「民主主義の学校」である。
子供たち・青年たちにその発達の度合いに合わせて
学園全体の方針決定に参画させる基礎組織として、
少年・青年の自治組織の権能を
いっそう高めてゆくことが求められる。
特に大学においては
総長選挙や学部長選挙への学生の参加、
大学全体の意思決定機関への学生自治会代表の出席、
学生自治会による総長・学部長リコール提起権、
理事会との団体交渉権やストライキ権の確立などを
勝ち取ってゆくことが求められる。

内ゲバ主義的暴力集団に牛耳られた
一部の大学自治会においては、
民主的学生の手に自治会を奪還しなければならない。

また、
「教育」というと子供の問題と捉えられがちであるが、
学ぶことは人間の生涯にわたる課題である。
「生涯のあらゆる段階で人々が
 自らの能力と存在感を高めていけるよう、
 職業および技術教育の機会を公正に保障します」と
『宣言』にはある。

職業教育における課題は多い。
特に、
失業保険を受給中に受講できる公共職業訓練に関しては、
現状では実際の就職に結びつかないものが
少なくないと言われている。

「自動車免許」など、
あるのとないのとでは
就職の幅が大きく違ってくるものがあるのに、
どうしたことか職業訓練のメニューにない。
また、
外国人労働者の日本語能力の向上は、
単に就職に結びつくだけでなく、
そうした人々の社会統合にも
大いに役立つにもかかわらず、
「日本語教室」は
「日本人が受けられず、差別になる」という
わけのわからない理由で
職業訓練の課題となっていない。

こうした現状をきっぱりと改め、
実践的で豊かな職業訓練を充実させることで、
生産性の向上を図るのも
社会民主党の使命であろう。


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by imadegawatuusin | 2011-06-18 12:47 | 政治

――食と生命の安全を担う農林水産業――

言うまでもなく農林水産業は、
全ての産業の基本である。
『社会民主党宣言』では、
「食糧生産や生産手段・
 生活資源の供給源としてだけではなく、
 社会の経済活動の基本に位置し、
 地域の自然や文化を育んできました」とあり、
また、
「国土の保全や雇用を生み出す力を秘めている
 農林水産業」とも評価されている。

農業で、
あるいは林業・水産業では
食べていけないという状況自体をまず、
改めてゆく必要がある。

こうした農林水産業に従事する人々に対する
直接所得保障制度は
「農林水産業の担い手確保」のためだけでなく、
上記のような「多面的な機能の対価」として
位置づけられなければならないと
『社会民主党宣言』は言う。
逆に言えば、
「機能の対価」である以上、
各農家一律「一戸いくら」のバラマキ的個別補償は
認められるべきではない。
「地域の自然や文化」の育成にどの程度貢献したか、
どの程度「国土の保全」の役に立ち、
どの程度の「雇用を生み出」したか、
客観的な指標を設け、
その貢献度に応じた真に公正な「所得保障」が
行なわれるべきではないだろうか。


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by imadegawatuusin | 2011-06-16 12:35 | 政治

――豊かな自然環境を次世代に――

東日本大震災と、
それにともなう福島第一原子力発電所事故が
起こる以前から
「脱原発」を党の綱領で明確に主張していた議会政党は
日本にただ一つ、
社会民主党だけである。
日本共産党なども最近では「脱原発」を唱え、
「わが党は一貫して危険な原発に反対してきました」と
言っている。
ウソではないが、
紛らわしい言い方ではある。
日本共産党が一貫して、
浜岡原発などの「危険な原発」に反対してきたことは
事実ではあるが、
原発そのものに反対してきたわけではない。
2005年に作られた日本共産党の綱領にも、
脱原発の文字はない。

それに対して社民党は、
党綱領である『社会民主党宣言』に堂々と
脱原発をうたっている。
「あらゆる核を否定する立場から、
 脱原発を積極的に推進し、
 エネルギー利用の抑制を図りながら
 自然エネルギーの開発・定着に取り組みます」。

この文言の意味するところは明確である。
社会民主党が「脱原発を積極的に推進」する背景には、
「あらゆる核を否定する立場」がある。

かつて革新勢力の中にも、
「帝国主義国(アメリカなど)が
 核兵器を持つのはいけないが、
 社会主義国(ソ連など)が持つのは仕方がない」
などという ものすごい主張があった。
当時、
こうした主張にきっぱり反対し、
「あらゆる核を否定する立場」を堅持したのが、
社会民主党の前身である社会党であったのだ。
その原則的姿勢が今日もなお、
『社会民主党宣言』の中に生き続けているのである。

「核と人類は共存できない。
 反原発の運動は人間が核を否定するか、
 核に人間が否定されるかの戦いだ」。
原水爆禁止日本国民会議初代議長の
森滝市郎はこう言った(「朝日新聞」2011年7月24日)。
人類は生きなければならない。
社会民主党の「あらゆる核を否定する立場」と響きあう
この言葉を、
強く心に刻み込みたい。


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by imadegawatuusin | 2011-06-15 12:05 | 政治

――両性平等社会の実現――

「性によって
 生き方の選択肢が狭められるようなことが
 あってはなりません」。
『社会民主党宣言』のこの言葉が、
ある意味では全てを
言い尽くしているのではないだろうか。

男だから、こうあらねばならない。
女だから、こうあらねばならない。
はっきり言って余計なお世話としか言いようがない。

私たちは、
「男だから」・「女だから」ということで
特定の生き方を押し付けられない、
選択肢の広い社会を目指したい。
だからこそ、
男女差別には強く反対し、
男女共同参画社会づくりを積極的に進めてゆかなければ
ならないのである。

昔と比べれば改善が見られるとはいえ、
いまなお職場の昇進などにおける
女性への差別は根強いものがある。
まずは「女性に対するあらゆる差別を禁止するなどの
環境整備に努め、
クオーター制度の導入・定着を図」ってゆくことが
必要であろう。

女性にだけ課せられている
離婚後の結婚禁止期間の廃止や
婚外子差別の撤廃、
夫婦別姓の選択が可能となるよう、
現民法の改正も実現したい。

さらに言えば、
「男だから男性とは結婚できない」、
「女だから女性とは結婚させない」といった
現在のあり方は、
国家が個人の「生き方の選択肢」を
狭めている典型例だとはいえないだろうか。

こうした考え方を徹底させたとき、
一般には男女平等の法源とされている
憲法第24条
「婚姻は、
 両性の合意のみに基づいて成立し……」という
条文そのものも、
再検討にさらされる可能性が生まれてくる。
「両性の合意のみに基づいて成立」するということは、
同性間の合意によっては成立しないと読めるからだ。
こうした差別的な取り扱いを、
社会のあらゆる領域で
少しずつ、少しずつ、粘り強くなくしてゆきたい。

これは性別や性的指向だけに限ったことではない。
出身地や肌の色などで
「生き方の選択肢が狭められるような」ことのない社会。
一人ひとりの個性と人間の多様性が
尊重される社会。
それが、
私たち社会民主主義者の目指す社会である。

そうした観点から、
「性同一性障害者」・半陰陽者(インターセックス)などの
性的少数者に対する差別・偏見と闘い、
理解を広げ、深めるためにも奮闘したい。


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by imadegawatuusin | 2011-06-14 11:58 | 政治

――公正な国際経済と平和を基調にしたアジア経済圏――

情報技術の進歩や交通手段の発達で、
世界経済市場は
「国境を越えた経済の相互依存関係を拡大させ」ている。
市場はますます単一化される一方、
経済のルールを定める政府は
各国によってばらばらである。

多国籍企業は、
税金の安い国・規制の少ない国に進出しようとするため、
各国はこれに迎合し、
税率引き下げ競争・規制緩和競争を
強いられる結果となっている。

おのおのの国にとっては税金を下げ、
規制を弱めることで多国籍企業の進出があり、
雇用が自国に生まれるように見えるのであるが、
より税金の安い国・より規制の弱い国を見つけると
多国籍企業はたちまちその国から撤退してしまう。

税金が少なくなれば
福祉や教育といった分野にかけるお金がなくなるし、
規制が弱くなれば
企業のやりたい放題がまかり通るようになる。

もはや世界は、
おのおのの国が自国のことだけを考えての
税率引き下げ・規制緩和競争を続けるこの構造から
脱却しなければならない。
世界各国が協同・協調して
多国籍企業に応分の負担を求め、
大企業に社会的規制を課すことが
今こそ求められている。

そのために世界中で必要とされているのが、
自国優先主義の政党でなく、
世界全体の利益を第一に考え、
その観点から
自国においてなすべきことをなす党である。
国際組織・社会主義インターナショナルに加入し、
国際組織の一員として日本の政治に責任を負う
全国政党・社会民主党は
まさにそうした使命をおびた党なのだ。

『社会民主党宣言』では、
「通貨・貿易・信用取引きの公正なルール、
 国際的な自然環境の保護基準、
 国境を越えた労働者の権利保障、
 多国籍企業の活動に対する
 国際的な規制を実現します」とうたわれている。
いうまでもなくこうしたことは、
日本一国で実現可能なものではない。
社会民主党が全世界の同じ志を持った仲間たちと
力をあわせて各国政府に要求を突きつけてゆくことで
実現を図るしかないのである。
特に、
国際通貨取引に超低率の税金を課すことで
まっとうな投資活動に負担をかけることなく
投機的な金融取引を規制する、
国際連帯税の導入は急務である。

そうした地道な努力の中で、
最終的には世界連邦の実現も展望されることだろう。


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by imadegawatuusin | 2011-06-14 11:45 | 政治

――世界の人々と共生する平和な日本――

この章では、
おそらく『社会民主党宣言』の中で世間的に最も知られ、
かつ最も誤解の多いフレーズが登場する。
「社民党は綱領で
 自衛隊が違憲だと言っている」と勘違いされるのも
この文言のためである。

正確には、
そのくだりは次のようになっている。

「現状、
 明らかに違憲状態にある自衛隊は縮小を図り、
 国境警備・災害救助・国際協力などの任務別組織に
 改編・解消して
 非武装の日本を目指します」。

まず注目すべきは、
自衛隊について、
「現状、明らかに違憲状態にある」という表現を
用いている点である。
具体的政策として明示されているのは
「自衛隊の縮小や任務べき組織への
 改編・解消」までであり、
「非武装の日本」は将来的な課題として
「目指」すとされているだけである〔注1〕。
「自衛隊という存在そのものが
 違憲である」という考え方とは
かなりニュアンスが違う点に気づいてほしい。

厳密に言うと、
自衛隊が違憲だと言っているのではない。
自衛隊の「現状」が
「明らかに違憲状態にある」と言っているのだ。

もし自衛隊そのものが違憲なのであれば、
自衛隊についての当面の方針が
「縮小を図」るなどというものであることはありえない。
自衛隊そのものが違憲であれば、
即時廃止以外の選択肢はありえない。

だが、
『社会民主党宣言』の自衛隊についての当面の方策は
「縮小を図」ることなのだ。
つまり、
自衛隊の規模・活動実態・
米軍との一体化などの「現状」を総合的に考えて
「明らかに違憲状態」であると言っているのであり、
さしあたっては「縮小を図」ることで、
そして将来的には
「国境警備・災害救助・国際協力などの任務別組織に
 改編・解消」することで
「違憲状態」は解消しうると言っているのだ。

戦後65年もたつというのに、
日米安保条約のもと、
日本にはいまだにアメリカ軍が駐留し、
100ヶ所を超える基地がある。
日本の自衛隊は米軍の国際戦略に事実上組み込まれ、
イラクでは武装米兵の輸送まで行なっていた。
こうした自衛隊の「現状」は、
やはり「違憲」であるとしか言いようがない。

『社会民主党宣言』には、
「日米安全保障条約は、
 最終的に平和友好条約へと転換させ、
 在日米軍基地の整理・縮小・撤去を進めます」とある。
外国軍の駐留を終わらせ、
いかなる特定の国とも軍事同盟を結ばない、
国連中心の非同盟・中立の外交方針こそが
日本のとるべき道である。

外交においては、
民主的手続きによって議会や政府が選出され、
台湾本島および澎湖・金門・馬祖などにおいて
国家的実態を有する台湾や、
パレスチナの独立・国連加盟を支持し、
イスラエルによるパレスチナ占領に終止符を打つよう
力を尽くすべきである。

北朝鮮や中国・ビルマなど非民主的国家においては
民主化勢力を支持し、
社会主義インターナショナルの一員として
全世界に民主主義を定着させるべく、
奮闘しなければならない。

なお付言すると、
『社会民主党宣言』はここでも、
一語一句日本国憲法を護持するという
かたくなな「護憲路線」はとっていない。
憲法と外交方針の関係については、
「国連憲章の精神、憲法の前文と9条を指針にした
 平和外交と非軍事・文民・民生を基本とする
 積極的な国際貢献で、
 世界の人々とともに生きる日本を目指します。
 核兵器の廃絶、
 対話による紛争予防を具体化するため、
 北東アジア地域の非核化と
 多国間の総合的な安全保障機構の創設に
 積極的に取り組み、
 『緊張のアジア』を
 『平和と協力のアジア』に転換します」と
あるだけだ。

社民党にとって憲法9条は「指針」なのであって、
決して教条ではない。

個人的には、
国の自衛権を明記した上で、
国連安保理決議に基づく国際警察行動への参加を除く
集団的自衛権の放棄と
専守防衛・非核三原則を憲法に明記するなど、
より平和主義的方向での「加憲」は
『社会民主党宣言』の理念を踏み外すものではないと
考える。
将来的には、
『社会民主党宣言』にある
自衛隊の
「国境警備・災害救助・国際協力などの任務別組織」への
「改編・解消」の後、
国境警備部隊と国際協力部隊を
国連の指揮下に完全に委譲することで、
世界連邦実現時の世界警察軍の礎としたい。
もちろん、
国家主義傾向を強化する方向での憲法改悪には
断固反対である。

〔注1〕世界連邦が実現し、
世界警察軍が設置されたあかつきには、
「非武装の日本」は実現するであろうし、
困難ではあるがこのような理想の実現のために
日本は力を尽くすべきであろう。
なお日本の衆議院は2005年8月2日に決議した
「国連創設及びわが国の終戦・被爆60周年に当たり
 更なる国際平和の構築への貢献を誓約する決議」の中で、
「政府は、
 日本国憲法の掲げる恒久平和の理念のもと、
 唯一の被爆国として、
 世界のすべての人々と手を携え、
 核兵器等の廃絶、あらゆる戦争の回避、
 世界連邦実現への道の探究など、
 持続可能な人類共生の未来を切り開くための
 最大限の努力をすべきである」と明記し、
すでに世界連邦国会決議をあげている。


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by imadegawatuusin | 2011-06-13 10:41 | 政治

――豊かで多様な自治の展開――

自治体を「民主主義の拠点に」! 
これが『社会民主党』の自治体政策の根本である。

現状を言うと、
地方議会の中には国会とは比べ物にならないくらい
無風・シャンシャン・予定調和的なものが少なくない。
これは、
国会と比べて注目度が高くなく、
マスコミや市民による監視が働きにくいという側面が
あるからではないか。

だが、
現状では少数政党である社会民主党は、
まず地方議会に足場を築き、
そこで議論をリードして
地域における政治の主導権を握るところから
勢力回復を図るしかない。

そのためにも、
地方議会の議論の内容と対立構図を
わかりやすく市民に伝え、
「政治は国会だけじゃない」ことを
周知する必要がある。
地方議会に注目・関心が集まらなければ
地域=足もとにおける代議制民主主義は形骸化し、
「名望家政治」に堕してしまう。

地方議員がホームページやブログなどを通じて
積極的に自らの立場や考え・仕事などを公開し、
地域における情宣活動を強化することが
必要だ。


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by imadegawatuusin | 2011-06-10 20:48 | 政治