「ほっ」と。キャンペーン

僕は占いが嫌いである。
カレンダー一つ買うときも、
「三隣亡」(さんりんぼう)とか「大安」・「仏滅」……といった記載が
入っていないものを買うようにしている。
「こういう胡散臭いものは掲載しない」という、
信念のあるカレンダー屋さんを応援したいからである。

ところが実に困ったことに、
少女漫画雑誌を買うと、
大抵「星占い」の記事がついているのだ。
僕の出した金の何パーセントかが、
この記事の原稿料に化けるのかと思うと
本当に腹が立ってくる!

……という、占い嫌いの言いがかりだと思って、
以下の書評をお読みいただければ幸いである。

■「占い論」の建前と現実
僕は、本書の著者・片山こずえさんの大ファンであるが、
唯一この『信じる者は救われる!』というお話だけは
どうしても好きになれなくて困っている。
それは別に、
本作の男主人公・霧島麻苑が占い師だから、という
単純な理由ではない。

結局のところ、
僕のこの違和感は、
男主人公である霧島麻苑という人間の、
占いに対する見解と態度との間に
ある種の「偽善」が感じられてならないことに由来する。

彼はあるときは占いについて、

自分の人生は
自分で作って
いくものだから
あくまで 占いは
そのためのキーワードとして
受けとめればいい(本書30ページ)


と、一見もっともらしいことを言う。
しかし一方では、
「相性占い」を頼んだ主人公・空美に対し、

だめだ…
相性 最悪
やめなさい

この悪さは
並じゃない
ひどい……(本書12ページ)


と、
ずいぶんなことを言ったりしている。
これはどう見ても、
「占いは……キーワード」論を超えた、
他人の人生への介入行為と受けとめざるを得ない。

これが、
彼が すでに この時点で空美のことが好きだったから
他の男とくっつけたくなかったとか、
相手の男の悪いうわさを聞いていたとか
それ相応の理由があってのことなら話は別だが、
少なくとも作品を素直に読む限り
そうした事情は見当たらない。

僕はどちらかというと
霧島麻苑などよりも、
第2話の敵役として登場する
神城翔宇の方に好感を持つ。
話の流れでずいぶんと損な役回りを演じているが、
読者の間からも
「かわいそおって声が ちらほら」あるとのことである(本書91ページ)。

【関連記事】
「片山こずえ『X=LOVE』について」
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「片山こずえ『君だけを惑わせる』について」
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「片山こずえ『王子様を落とせ』について」
「片山こずえ『宝物は君のこと』について」

【本日の読了】
片山こずえ『信じる者は救われる!』集英社マーガレットコミックス(評価:2)
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by imadegawatuusin | 2006-04-29 14:58 | 漫画・アニメ

■短編の名手・片山こずえの第一作品集
僕は、「冤罪もの」が非常に苦手だ。
小さいころ、アニメ・『フランダースの犬』を
僕は見ていられなかった。

この作品についてはよく、
「ネロが死ぬシーンを見て泣いた」
というような話をよく耳にするが、
僕にとって最もショッキングだったシーンは
そこではない。

主人公・ネロが
村の風車小屋に放火した疑いをかけられ、
村八分にされるくだりである。

悔しかった。
テレビの中に怒鳴り込んで、
「お前ら、あれはな……!」と、
声を大にして泣き叫びたい思いだった。

「『フランダースの犬』のラストシーンを見て泣いた。
 感動した」とだけ安易に言う人間を、
はっきり言って僕は信用しない。
「お前らどこに目ぇ付けてんだ」と
怒鳴りつけたくなってくる。

片山こずえさんの第一作品集・『X=LOVE』の表題作は、
まさに「冤罪もの」である。
だから、読むのがキツかった。
例の「冤罪」のくだりにきたところで、
僕はページを閉じてしまった。
そして、
10分間ほどそのまま放置する。
恐る恐るページを開けて、
チラッと見てはまた閉じる。
次のページに進むのには、
相当の時間を必要とした。

もう
いーんだよ
どーだって


いわれのないカンニングの疑いをかけられ、
一時はすべてを投げ出してしまいそうになった早川を、
すんでのところで支えたのが、
主人公・沢村の愛だった。

人は、
順調に物事が進んでいるときには本当に寸暇を惜しみ、
全力を尽くしてがんばることが可能である。
だが、
本当の意味での正念場はそこにはない。
逆境にあい、つまづいてしまい、
すべてを投げ出したくなったときに、
(全力でなくてもいい)
ほんの少しでいいからがんばり続けることができるかどうかに
人生はかかっているといっていい。

早川はそこで踏ん張れた。
沢村が支えてくれたからである。

人は、土壇場に追い込まれてしまったとき、
なかなか一人で踏ん張ることは難しい。
そんなとき、
自分を支えてくれる人がいた早川は幸せ者だ。
日蓮宗の宗祖である日蓮の言葉にも、

甲斐無き者なれども・
たすくる者強ければたうれず、
すこし健(けなげ)の者も
独(ひとり)なれば
悪しきみちには・たうれぬ(「三三蔵祈雨事」『新編日蓮大聖人御書全集』1468ページ)


つまり、
「不甲斐ない者であっても、
 助けるものが強ければ倒れない。
 少し壮健な者も、
 独りであれば、
 悪い道では倒れてしまう」
とある。

なお本書には、
表題作・「X=LOVE」だけでなく、
他4作の片山さんの初期短編集が収録されている。

■「ドリーム・スープ」 片山さんのデビュー作!
絵はまだまだ発展途上。
自分で描いておいて、
「いつから左ききになったの」(62ページ)と自分で突っ込んでみたりする
おちゃめな片山先生である。

なお、
本作の中で2度繰り返される次の言葉は
印象的だ。

あたしの
大好きな人は
とっても…
いい人なの


これは、
片山作品を貫く大原則である。

片山さんの『宝物は君のこと』の解説の中で僕は、
「遺産目当てのいい人」というかなり奇妙な表現を使ったが、
片山作品の主要登場人物たちは、
みんな「とってもいい人」である。
この辺に片山さんの、
キャラクターたちに対する愛情を
僕はいつも感じるのであるが。

■「彼までZOOM」 「うまいなぁ」の一言
ケンカ、カメラ、そして恋……。
最初は別々に見えた出来事が、
たった30ページの短編の中で
みごとにつながり
そして組み立てられていく。
「うまいなぁ」の一言だ。

しかし、これがデビュー後第一作とは、
さすが短編の名手・片山先生。

■「本気の君をさがしてる」 とにかく可愛い!
この作品に登場するネコ君は
何という名前なのだろう。
本当に愛嬌があって可愛いのだ。

けれど、
ヒロインのみちるちゃんは
もっともっとかわいい。
この本に収録されている5作品のヒロインの中で、
一番可愛いのはダントツみちるちゃんである。

■「ラブコンタクト」 ほれた女の顔がわからない
「ほれた女の顔がわからない」。
よくもまぁこんな設定をひねり出したものである。

高校生・坂木小伍郎はある日、
コンタクトレンズを落として困っていた。
そんなとき、通りがかった女の子が、
落としたコンタクトレンズを一緒に探し、
見つけてくれたのである。

親切な彼女に、
坂木は「一目ぼれ」(?)してしまう。
問題は、
(コンタクトレンズをしていなかったので)
この少女が誰だったのか、
彼にはわからないということだ。

普通に漫画を読むにあたっては
ほとんど気にしないような何気ないシーンが、
最後の最後で「コンタクトの少女」を特定する
重要な手がかりになっていく。
(それも、1つではない!)

そのシーンを読んだときには、
よもやこれが解決への伏線なのだとは
とうてい気づかせないような何気なさがにくい。
多分、この「何気なさ」を、
たとえば小説で表現するのは難しいだろう。
「漫画」という表現方法の長所を最大限に生かした一品だ。

【次に読むべき本】
本書を読んで楽しんだ方は、
ぜひ同じ作者の『女のコで正解!』(集英社マーガレットコミックス)に
手を伸ばしてほしい。
深い内容を持つ傑作で、
片山こずえ作品の最高峰である。

【関連記事】
「片山こずえ『信じる者は救われる!』について」
「片山こずえ『僕という名の罪と罰』について」
「片山こずえ『君だけを惑わせる』について」
「片山こずえ『女のコで正解!』について」
「片山こずえ『王子様を落とせ』について」
「片山こずえ『宝物は君のこと』について」

【本日の読了】
片山こずえ『X=LOVE』集英社マーガレットコミックス(評価:3)
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by imadegawatuusin | 2006-04-28 13:35 | 漫画・アニメ

■『読売新聞』が 報道

栃木リンチ殺人事件で
加害者と その親権者
及び 栃木県警の 属する 栃木県を 相手取って
損害賠償訴訟を 起こしている 被害者の 父親に 対し、
「血税を1億も取ったんだから出て行け」
などと 書かれた 嫌がらせの 手紙が
25日に 送りつけられたことが 明らかになった(読売新聞4月26日夕刊)。

読売新聞の 報道によると、
「いつまで被害者を装って英雄気取りしてるんだ」
などと 印字してあったという。

■事実誤認に 基づく 短絡的な 主張で 罵倒

確かに 宇都宮地裁は 12日、
加害者に、
県と 連帯して
およそ 1億1200万円を 支払うよう
命じてはいる(産経新聞4月12日夕刊)。
(正確には、
 加害者の 支払うべき およそ 1億1200万円のうち、
およそ 9600万円分が 栃木県との 連帯負担額だ)。
しかし 栃木県警は 判決の あとも
この 結果を 受け入れようとせず、
これを 不服として 東京高裁に 控訴したため、
県の 賠償自体が (いま)だに 確定しておらず、
実は 被害者遺族は
(いま)だに 県から
1円も 賠償金を 受け取っていない(下野新聞2月26日)。
(しかも その 宇都宮地裁判決でも、
 およそ 1億1200万円は 加害者が、
 うち およそ9600万円については
県と 連帯して 支払えとされているだけだ)。
にも 係わらず、
(すで)に 被害者遺族が
「血税を1億も取った」かのように
一方的に 思い込み、
それを よりどころに
「出て行け」などと 言いがかりを つけるとは、
事実誤認の 逆恨みも はなはだしい、
まことに 短絡的な 言い分である。

■「顔中火傷の被害者」 県警、証言や防犯ビデオを無視

この 事件で 被害者の 男性は、
少年グループに 拉致・監禁され、
およそ 2カ月の あいだ 連れ回された 末に
殺された。
このあいだ 被害者は、
少年グループによって 丸坊主にされ、
眉も そり落とされて 暴行を 受け、
挙句の果てには 熱湯を 浴びせられて
木の 靴べらで 100回以上 殴られるなどの
壮絶な リンチを 受けていた(毎日新聞2000年6月4日)。
(さら)に 加害者たちは 被害者に、
サラ金や 友人 及び 知人から 金を 借りることを 強(し)い、
合計 700万円以上を 脅し取っていたのである。
顔に やけど状の けがを 負った 被害者が、
4人の 男たちに 取り囲まれながら、
銀行に 金を 下ろしに 来る 様子を 写した
防犯カメラの 映像も 残されていた(毎日新聞4月12日夕刊)。

被害者の 両親は (すで)
警察に 捜索願いを 出していたが、
銀行から、
「顔は明らかにわかる火傷をしています。
 いつでも証拠として出しますので警察に相談してください」との 連絡を 受け、
改めて 警察に 相談した↓。
http://www.tv-asahi.co.jp/hst/contents/special/060404.html

にも(かか)わらず 警察は 動かなかった。
防犯ビデオの 映像の 確認すら しなかった。

そのあとも 両親は 幾たびも 捜査を 要請し、
何度も
息子を 助け出してほしいと 求めたにも係わらず、
栃木県警は 何の手立ても 講じることは 無かった。
被害者が 殺される 2日前に、
その日も 警察を 訪れていた 両親のもとに、
被害者から 電話が かかってきた。
加害者たちに 脅されて、
金を 送るよう 頼まされたのだ。
だが、電話口に 刑事が 変わり、
「警察だ」と 名乗った すぐあとに 電話が切れた。
加害者たちは この電話によって
警察の 捜査を 察知し、
被害者の 殺害を 決意したと
刑事裁判においても 認定されている(朝日新聞2000年6月1日夕刊)。

県警は、
一時は この 経過を 認めたにも (かか)わらず、
その後、
「署員の後に被害者の母親が
 『金なんかあるか、でれすけ野郎』と怒鳴ったため、
 電話が切れた」などと 責任を 転嫁した。
しかし、
この 席に 同席していた
加害者の 母親までもが 法廷において、
「(被害者の)両親の言うことが正しい」と
証言している。
宇都宮地裁は 県警側の 主張を 退けた。

■県警の 対応こそ 文字通りの 「税金ドロボー」

事件発生後、
栃木県警は 当時の 本部長が、
「担当した署員らは、
 仕事に対する取り組み方に欠けるものがあった。
 積極的に対応していれば、
 被害者を保護できたかもしれない」と、
捜査に 不手際や 怠慢があったことを 認めていた。
ところが 裁判が 始まると
その 物腰を いきなり ガラリと 変え、
「両親の届け出からは切羽詰った危機意識を見て取れず、
 具体的な危険性を予見できなかった」などと
責任を 否定するという
まことに 見苦しい ふるまいに 出たのである。
(宇都宮地裁は 判決の 中で、
 「県警は遅くとも99年11月には、
  被害者に生命の危機が切迫していることを
  認識していたか、
  十分認識できた」と、
 警察側の 主張を 一蹴している)。

警察の 怠慢や 適切でない 対応によって
息子を 殺された 被害者の 遺族が、
その 非を 訴え、
損害賠償を 求めることは
まことに 当たり前の事である。
栃木県警の こうした 捜査の あり方が
これからも 変わっていかなければ、
栃木県民全員が 損害を こうむるというものである。
被害者遺族は、
こうした 警察の 対応が
間違ったものであるということを
判例というかたちで (おおやけ)に 残し、
再び こうした 過ちが 繰り返されることが 無いように、
いわば そうした
「税金ドロボー」的な 行政の 在り方を
正す 意義も 含めて
損害賠償訴訟に 立ち上がったのだ。

それを、
「血税を1億も取ったんだから出て行け」などと、
あたかも 被害者遺族の 側が 税金を 掠め取る、
いわば
「県民の 敵」であるかのように 主張する
短絡的な 物言いには、
疑問を 通り越して 憤りすら 覚える。

被害者の 父親は 立派である。
息子を 殺され、
妻も 心労で 亡くし、
卑劣な 嫌がらせを 受けてなお
堂々と 闘っている。
自分の 顔・名前・住所……といった 個人情報を
全国に さらしながら、
正々堂々と 闘っている。
この人を、
どうして 栃木県民は
追い出すことが 出来るだろうか。
彼こそ、
栃木県民の誇りである。

■安易な 「被害者バッシング」の 風潮 許すな

わたしは 今回の 嫌がらせの 主に 対し、
(ただ)ちに このような 短絡的な 見解を 撤回し、
被害者遺族に 対して その 罪を 詫びることを 求める。
わたしたち 言論に 携わる 者は、
安易な 「被害者バッシング」の 風潮を 決して 許さず、
断固たる 物腰を もって
これに 立ち向かってゆくことが 求められる。しかり。

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by imadegawatuusin | 2006-04-26 15:19 | その他

JR事故1年

――本学:学友3名死亡――

■「冥福」を祈ることはできないけれど
昨年4月25日に発生したJR宝塚線脱線事故(「尼崎事故」)から
今日で1年が経過した。
この事故で本学は、
社会学部1年生の榊原怜子さん・
文学部1年生の仙木敦子さん・
法学部2年生の長浜彩恵さんという3人の学友を失った。

霊魂の不滅も死後の世界も信じることのできない僕は、
3人の「冥福」(=冥界での幸福)を祈ることはできない。
しかし、
このような悲しみ・苦しみ、そして痛みを2度と繰り返さないために、
今 生きている僕たちができることを懸命に考え、
そして今後も絶えず訴え続けることは可能である。

■事故の原因とその背景
事故の直接の原因は、
どうやら死亡した運転手の速度超過にあったようだ。
しかしそもそも、
なぜ運転手が無謀な速度超過をするに至ったのか、
さらに言えば、
なぜこのような速度超過がまかり通ってしまったのかを問題としなければ、
同様の事故は形を変えて
何度でも再発するだろう。

JR西日本は民営化以来 増収のため、
増発とスピードアップを重ねてきた。
今回の事故後ようやく改定されたとはいえ、
JR西日本の旧「経営理念」は、
「基幹事業としての鉄道の活性化」や「繁栄」は謳うが、
人命を預かる交通事業の本懐とも言うべき安全性に一言も触れないという
実にえげつない内容だった。

「イジメ・見せしめ・嫌がらせ」と恐れられた
屈辱的な「日勤教育」のあり方が、
運転手にどのような影響を与えたのかも
考えなければならないだろう。

■運転手個人に責任を帰するのは簡単。だが…
今回の事故を、
運転手個人の資質や心構えに帰することは簡単だ。
だが、
人間は必ず失敗を犯すのだということを大前提とし、
2重3重の処置を施すことで、
「1人の失敗」が大事故に直結することはなくなってゆく。
例えば、
列車の速度を常にチェックし、スピードオーバーしてもブレーキをかける
ATS-P型などのバックアップシステムを
積極的に導入する。
あるいは、
必要人員の配置によるダブルチェック体制を確立する。
無論、
このような直接儲けにはつながらない「安全への投資」に対しては、
人命を預かる公共輸送機関にふさわしい、
国による一定の財政支援がなされなければならない。

■僕たち1人1人に問われていること
今回の事故の責任が、
JR西日本という一民間企業に頭を下げさせ
溜飲を下げるということのみに終わってはならない。
究極的に言えば今回の事故は、
「より速く・定刻通りに」という面のみを求めてきた、
僕たち一般利用者のあり方にも反省を迫るものなのだ。

中曽根内閣から現在の小泉内閣にいたる「構造改革」路線の下で、
さまざまな規制が緩和されてきた。
鉄道事業もまた、例外ではない。
しかし、
鉄道における安全問題は多数の人命に関わるものであり、
市場原理に安易に委ねることは許されない。
今回の事故は
僕たち国民一人一人の生き方と、
国家そのもののあり方とに突きつけられた
鋭く重い疑問符なのだ。

榊原さん・仙木さん・長浜さんはもういない。
けれど、
僕たちはまだ生きている。
だからこそ、
僕たちにはまだ、
「出来ること」がたくさんあるのだ。

僕たちは生きる。
生きて、世の中を変革する。
二度と尼崎事故を繰り返すな!

《第6号》
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by imadegawatuusin | 2006-04-25 03:17

――東京都鹿縞市に宇宙船墜落――

■巻き込まれた少年が少女に性転換
200×年6月某日夜、
東京都鹿縞市鹿縞山に、
大きさ約2000メートルの宇宙船が墜落した。
この事故で、
鹿縞高校3年の大仏はずむ君(17)が巻き込まれて怪我を負い、
宇宙人による組織再生治療を受けた。
その結果、
怪我については全快したが、
遺伝子レベルで性別が反転し、
大仏はずむ君は女の子になってしまった。

■宇宙船、地球人類行動心理学調査過程で事故
墜落した宇宙船は「ジャン・プウ」。
「第五段階進化生物における行動心理学」の調査のために
地球を訪れていたが、
その過程で船に故障が起き、墜落した。
宇宙人側は、
墜落事故に地球人が巻き込まれたことを受けて、
「惑星間生命保護法」にのっとり、
地球人側にその存在を明かして謝罪した。
宇宙人側は大仏はずむ君の観察のため、
大仏君の自宅にしばらく滞在する意向であるという。

■元少年、当日夕に失恋、鹿縞山に
宇宙船墜落事故に巻き込まれて性転換した
大仏はずむ君は当日夕方、
同級生の神泉やす菜さんに告白して失恋、
その痛手を癒すために、
多くの緑の残る鹿縞山にたたずんでいた。

■内向的な植物好き 同級生「もともと女の子みたい」
大仏君はガーデニング部に所属し、
植物が非常に好きだったようだ。
よく植物に話しかけ、
『君たちといると気が休まる』などと語っている。
大仏君の告白を断った神泉やす菜さんによると、
大仏君は以前、
『じっと耳をかたむけていると、
 植物の気持ちが心に伝わってくる』と語っていたという。
同級生の中には、
『大仏君は女顔だったので、
 もともと女の子だった気がする』などと語る声もある。
幼馴染の来栖とまりさんによると、
小さいころには「とまりちゃんのおヨメさんになる」と
語ったこともあるという。

■父「何があろうと前向きに」 母「実は女の子ほしかった」
事故に巻き込まれて性転換したことについて大仏君の父親は、
『今回のことは災難だったけど、
 人間、何があろうと前を向いて生きていかなきゃならない。
 というわけで、
 今晩は一緒にお風呂に入ろう。
 お父さん、
 娘と一緒にお風呂に入るの夢だったんだ』などと語った。
大仏君の母親は大量の女の子服を買い込み、
『実は女の子がほしかった。
 はずむは何を着せても似合う』などと語っている。

【作品批評】
あかほりさとる×桂 遊生丸『かしまし ~ガール・ミーツ・ガール~』メディアワークス(評価:4)
主人公の「植物好き」という属性が、
実に巧みな形で生かされている作品である。
単に主人公の内向性や優しさを示すだけでなく、
「あの日、彼がなぜ鹿縞山にいたのか」という、
物語り全体を支配する重要なポイントにも
きちんとつながっているのである。

《次に読むべき本》
この本が気に入った人は、
なんと言っても女装漫画の最高傑作・
やぶうち優『少女少年』シリーズ(小学館てんとう虫コミックススペシャル)に
手をのばしてみるべきだろう。
男の子も女の子も読む、小学館の学習雑誌に連載されていたためか、
男性にも非常にとっつきやすい内容となっている。
「少女漫画」というジャンルそのものへの入門書としても最適だ。

《そのうちに読むべき本》
美女装漫画の代名詞とも言うべき
吉住渉『ミントな僕ら』(りぼんマスコットコミックス)や、
読んでいて楽しく ほほえましいエピソードが満載の、
なるもみずほ『少年ヴィーナス』(角川書店)もお薦めだ。


酒井徹お薦めの女装漫画》
1.やぶうち優『少女少年』シリーズ(Ⅰ~Ⅶ)、小学館てんとう虫コミックススペシャル
2.吉住渉『ミントな僕ら』全6巻、集英社リボンマスコットコミックス
3.志村貴子『放浪息子』エンターブレイン
4.なるもみずほ『少年ヴィーナス』全4巻、角川書店あすかコミックス
5.松本トモキ『プラナス・ガール』ガンガンコミックスJOKER

女装漫画に関する関連記事
「マンガ・アニメに女装少年」 『朝日新聞』が報道
やぶうち優『少女少年』第一期解説
やぶうち優『少女少年II―KAZUKI―』解説
『アイドルマスター Neue Green』(黒瀬浩介)について
片山こずえ『女のコで正解!』について
筒井旭『CHERRY』について
篠塚ひろむ『ちぇんじ!』について
林みかせ『君とひみつの花園』について
富所和子『ないしょのココナッツ』について
水内繭子『恋する子どもたち』について



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by imadegawatuusin | 2006-04-19 17:32 | 漫画・アニメ

アイフルに業務停止命令

――どうする? アイフル――

■全国約1900店舗に、最長25日間
金融庁は14日、
消費者金融大手のアイフル(本社京都市)に対し、
強引な取り立てなど違法行為が相次いだとして、
全国約1900の全店舗の業務を停止するよう命令した。
業務停止期間は、
違法行為が明らかになった
新居浜店など3店舗が5月8日から25日間、
諫早店など2店舗が20日間、
その他のアイフル全店舗が3日間となっている。

■顧客の委任状を偽造し、公的証明書無断取得
今回 金融庁の認定したアイフルの違法行為は全部で5件。
長崎県の諫早店では、
貸金業務の主任が顧客名義の委任状を偽造し、
顧客の戸籍謄本や所得証明を無断で取得していたという。
五稜郭店では、
判断力の不十分な債務者に、
家裁が付けた補助人からの「契約取り消し」通知を無視して取り立てを続けた。

■勤務先へも電話、第三者からの資金調達要求
またアイフル「カウンセリングセンター九州」は2004年6月、
債務者の勤務先にまで正当な理由なく電話をかけ、
勤務先への電話はやめてほしいと本人から申し出を受けた後も、
執拗に勤務先への電話を繰り返したという。
さらに新居浜店では、
第三者から返済資金を調達するよう、
執拗に求めたという(4月15日「産経新聞」・「毎日新聞」)。
ただでさえ利息制限法の上限(違反しても罰則はない)を超える金利で貸し付けを行なっている
アイフルへの返済ができないということは、
すなわちその債務者には借金返済能力がないということである。
自社で借金の取り立てができない、
つまり借金返済能力がないことが最初から分かりきっている債務者に、
他者から借金して自社の返済に回すように要求するのは、
極めて身勝手で無責任な態度である。
この会社は、
自社の借金の取り立てさえできれば、
その先 他人がどうなるのかなどみじんも考えてはいないのだ。
返済能力のない債務者に、
合法的に貸金業を営む第三者が、
進んで融資を行なうとは考えにくい。
アイフルの要求は事実上、
利息制限法はおろか、
出資法の上限(違反すれば罰則あり)をも超える金利で貸し付けを行なう
違法金融・「ヤミ金」からの借り入れの強要し、
債務者をさらに過酷な借金地獄の世界へと陥れようとするものに他ならない。
そうでなければ、
本件とは無関係の親族・知人を自社への返済に巻き込もうとする
極めて悪質なものである。

■利息制限法を超える高利取りたてには罰則を
生活上の困窮からお金が必要な人がいる場合、
本来は行政が生活保護など適切な措置を講じるべきだ。
利息制限法の上限を超える高利業者から金を借りれば更なる借金地獄に陥り、
最終的には親族・知人の生活をも破壊することになりかねない。
こうした事態を避けるため国会は、
罰則のある出資法の上限金利を
利息制限法の規定水準まで引き下げ一本化すべきだ。
また、
銀行や証券会社など他の金融機関と同様に、
貸金業者にも業務改善命令を発動できるよう、
制度を改正する必要がある。
複数業者からの借り入れにも上限額を設けるべきだ。

《第5号》
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by imadegawatuusin | 2006-04-15 16:25 | 経済

「イラクに大量破壊兵器」の
偽情報(=ガセネタ)に騙されて
アメリカの対イラク先制攻撃を支持した小泉首相の責任は、
偽メール事件で辞任した
前原前民主党代表よりも
はるかに重い!


■民主党新代表に小沢一郎氏
民主党は7日、
偽メール問題をめぐって前原前代表が辞任したことを受け、
両院議員総会を開き、
党代表の選出を行なった。
投票の結果、
民主党前副代表の小沢一郎氏が同党元代表の菅直人氏を破り、
新代表に選出された。

■国民を欺き続けた前原前代表
偽メール問題においては、
民主党の永田前衆議院議員が国会質問の中で、
偽情報(=ガセネタ)を根拠として特定個人を誹謗中傷するという、
許しがたい行為を行なった。
永田前議員のこの国会質問を了承し、
その後もこの偽情報について「根拠はある」などと言い続けて
国民を欺き続けてきたのが前原前代表である。
前原前代表の責任は非常に重いと言わざるを得ない。
日本最大の労働組合中央組織・連合(日本労働組合総連合会)
古賀伸明事務局長は、
「ここまで1ヶ月半もの間、
 事件の真相を明らかにすることができず、
 国会を混乱させ、
 国民の信頼を失墜させた民主党の責任は極めて重大であり、
 その対応も遅きに失したと指摘せざるを得ない」と厳しく批判している↓。
http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/danwa/2006/20060331_1143803676.html
前原代表の辞任は当然だ。
古賀事務局長はまた、
民主党の小沢一郎新代表に対し、
「格差と二極化が拡大する社会のなかで、
 勤労者・国民が、野党第一党たる民主党に真に期待しているものは何かを
 的確にとらえ、
 小泉構造改革路線との対抗軸を明確にした、
 後半国会におけるダイナミックな論戦に挑むことを求める」
との談話を発表した↓。
http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/danwa/2006/20060407_1144400745.html

■米偽情報に騙され居直る小泉首相
偽情報に騙され、
国民を欺き続けた前原民主党前代表は辞任した。
しかし、
「イラクが大量破壊兵器を保有している」というアメリカの偽情報に踊らされ、
米英軍による対イラク先制攻撃を真っ先に支持した小泉首相は、
いまだに何の謝罪も反省もしていない。
国連決議も得ないままに開始された対イラク侵略戦争の正当化に
我が国の首相が加担してしまった責任は、
ことが一国内の問題に留まらず、国際法秩序にも関わるだけに、
前原前代表の「偽メール」責任よりも実ははるかに重大なのではないだろうか。
今こそ、「戦争支持・対米追随」の小泉政権を打ち倒そう!

(第4号)
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by imadegawatuusin | 2006-04-10 19:49 | 政治

――イラク撤兵要求へ――

■大激戦を制し、同市初の女性市長誕生!
中米エルサルバドルの首都サンサルバドルの市長に、
女性がはじめて選出された。
左派「民族解放のためのファラブンド・マルティ戦線(FMLN)」の
ビオレッタ・メンヒバールさん。
(『今出川通信』注:3月)12日に自治体首長選挙が実施され、
サンサルバドルでは得票数が拮抗(きっこう)し、
最高選挙委員会による裁定に委ねられ、
投票から5日目の16日にメンヒバールさんの当選が確定した。
同時に行なわれた国会議員選挙でも、
FMLNは右派の与党・国家共和同盟(ARENA)の34議席に迫る
32議席を獲得した。

■米大陸唯一のイラク派兵政策に批判
同国は、
親米派のエリアス・アントニオ・サカ大統領(ARENA)の下で
米国の要請によりイラク派兵を続ける南北米大陸で唯一の国である。
すでに戦死者も出ており、
国民の与党に対する批判は以前から強かった。
首都市長選の勝利ばかりでなく、
国会でも僅差(きんさ)の第2党となったことでFMLNは与党批判を加速させ、
早期の撤兵を求めていくことは確かだ。

■国会選挙でも政権与党に迫る勢い
サカ大統領は、
「ARENAが国民から一番、多くの支持を得たことは変わりない」と
政策の継続を表明しているが、
選挙で示された民意は無視できないだろう。
そして、
今回の選挙結果を最も深刻に受け止めているのは米国だろう。
もしエルサルバドルまで撤兵となれば、
イラク戦争の米国の“大義”は
米大陸の諸国からすべて「NO」を出されたことになるからだ。
(上野清士さん・『社会新報』元中米通信員)
『社会新報』2006年3月29日号より

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■目指せ、1日100部、週5日刊行!
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(第3号)
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by imadegawatuusin | 2006-04-07 17:03 | 国際

マリ共和国の首都バマコで開催された世界社会フォーラムに参加した
アフリカ日本協議会の茂住衛(もずみまもる)さんが
週刊『かけはし』(2006年4月3日号)のインタビューに答え、
モロッコによる西サハラ占領を批判した。
この中で茂住さんは、
モロッコによる西サハラ占領とイスラエルによるパレスチナ占領との類似性を指摘し、
西サハラ問題への国際的な注目を訴えた。

《週刊『かけはし』に掲載された茂住衛さんの西サハラ問題への言及要旨》
■アフリカ連合が承認する独立国・西サハラ
もともとスペインの植民地だった西サハラをスペインが放棄した時、
モロッコが西サハラを占領し、
またモーリタニアも西サハラの一部を自国の領土だとして占領しました。
その後モーリタニアが撤退したので、
現在西サハラは基本的にモロッコ軍の占領下にあります。
一方、AU(『今出川通信』注:=アフリカ連合)はOAU(『今出川通信』注:=アフリカ統一機構)の時代に
西サハラ(サハラ・アラブ民主共和国)を独立国として承認、
そのことに抗議してモロッコはOAUを脱退します。
つまり、現在のAU加盟53カ国の中にモロッコは含まれていません。

■モロッコ:西サハラ領内に長大な壁を建設
現在モロッコは、
西サハラ領内の砂漠の中に延々と長大な壁を作り、
監視所には軍が駐留。
西サハラの独立運動を主導しているポリサリオ解放戦線の支配地域もありますが、
多くの人びとはアルジェリアの難民キャンプに逃れています。
モロッコにとっては、
西サハラ領内に燐鉱石などの鉱物資源が豊富にあり、
さらに領海内の海洋資源(タコの漁場などがある)も収奪できるので、
西サハラの占領を止めようとはしません。

■西サハラの主権は国際的常識
(『今出川通信』注:世界社会フォーラムの)参加者にとっては、
西サハラが独立した国家主権を持つことは前提になっています。
AUも西サハラを主権国として認めているのですから。
日本で発行される世界地図には西サハラが表記されていないこともありますが、
欧州で発行されている地図であればちゃんと国名と国境線が描かれている。
そのことは、ある意味で国際的常識になっています。

■アフリカ最大の植民地問題、西サハラ
西サハラ問題は、
アフリカに残された植民地問題でも最大のものです。
しかも宗主国がアフリカの国だという非常に複雑な問題になっている。
さらにこの問題は、
宗教的な対立を背景にしたものであるとも言えません。
モロッコと同様に西サハラの住民の大部分はイスラム教徒で、
「サハラ・アラブ民主共和国」という国名からもわかるように、
自らがアラブ世界の一員であるという意識が強い。
1973年から独立運動を担っているポリサリオ解放戦線は、
西サハラ地域の旧来からのエスニックグループの連合が中心になっているようです。
さらにイスラム教徒であっても、
女性が先頭になってしゃべるというようなオープンスペースもあります。

■西サハラ問題に国際的な注目を
西サハラ問題は、
モロッコの占領地へのモロッコ人の入植やモロッコが長大な壁を建設、
さらにアルジェリアにおける難民キャンプの存在という現状からすると、
パレスチナ問題と類似した問題として捉えることができます。
また歴史的な経緯からすると、
独立を達成しましたが、
東チモール問題と重ね合わせてみることもできます。
ただしこの問題は、
パレスチナ問題と比べても、国際的に注目されているとは言えません。

(第2号)
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by imadegawatuusin | 2006-04-06 18:35 | 国際

――「乗客の乗り降りのたび気を使う」――

■乗客一人一人にできるちょっとした配慮
地下鉄に乗っていると、
車椅子(くるまいす)に乗った人が乗車してきた。
その人はドアの前で、
列車が駅に着くたびに、
車椅子の向きを変えたり位置を微調整したりして、
乗り降りする他の乗客にずいぶんと気を使っているようだった。

やがてある駅で、
一人の男性が電車を下りた。
すると車椅子の人はほっとしたように、
その男性の乗っていたスペースに移動した。

そこは、
列車の一角に設けられた、
あの「座席のないスペース」だった。

僕は今まであまり気にしたことがなかったのだが、
よく見るとそのスペースには手すりもついており、
車椅子マークのシールまで貼ってある。

僕も今まで座席が埋まっているときは、
「あのスペース」にもたれかかってボーッとしていたことがある。
もしそこに車椅子の人が乗ってきても、
何も気付かずそのままでいたことがあるかもしれない。

「お年寄りや体の不自由な人に座席を譲ろう」ということは
よく言われる。
しかし、
「車椅子の人に『座席のないスペース』を譲ろう」というマナーは、
あまり広くは知られていない。
だがこれは、
実に気軽に実行できる思いやりなのである。
いま座っている座席をわざわざ譲るまでもなく、
立っている位置をほんのちょっと移動するだけでいいのだから。

車椅子に乗る人に列車の中で余計な心理的負担を負わせずにすむよう、
このマナーの確立・定着を望みたい。


■目指せ、1日100部、週5日刊行!
 平和・人権・民主主義に立脚した学園言論通信の「ほぼ日刊」体制の確立を!

(第1号)
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by imadegawatuusin | 2006-04-01 17:34 | 暮らし家庭