「ほっ」と。キャンペーン

「オールトヨタは一つ」

――多国籍企業の組合つぶし糾弾!――

■オールトヨタの一員として
トヨタ系列の経営陣がしばしば好んで使う言葉の一つに、
オールトヨタは一つ」というものがある。
「オールトヨタが一丸となって……」など、
グループの結束を協調し、誇示する目的で使われることが多い。
トヨタグループの閉鎖性・排他性を象徴する言葉だという人もいる。

けれど、
本当に「オールトヨタは一つ」なのだろうか。

フィリピンで、
トヨタ労働者が労働組合を結成した

しかし、
現地法人は交渉の席にすらつこうとしない。
第2組合にテコ入れし、
組合に留まり続ける勇気ある労働者たちの首を切る。
組合勝訴の最高裁判決も国連ILO勧告もどこ吹く風。
やりたい放題の不当労働行為を繰り返している。

これに対して本国・日本のトヨタ本社
「現地の問題は現地で」と、
ただひたすら繰り返すのみ。
「オールトヨタは一つ」ではなかったのか。

先日、
トヨタ自動車の下請け会社・TMCで働いていた〔注1〕
ベトナム人「実習生」6人が裁判闘争に立ち上がった。
〔注1〕正確には、TMCの6人は、
トヨタ系企業・東海理化系列の東海クラフトの構内で、
請負会社TMC所属の「研修生・実習生」として働いていた。

本来「研修生・実習生」とは、
日本企業の持つ高度な技術・技能を習得し、
帰国後は現地の産業発展に貢献するために来日している人々のことだ。
来日1年目は「研修生」、
その後2年間は「実習生」と呼ばれ、
合計3年間の滞日と、製造現場での「学習」とが認められている。
特に来日1年目の研修生は一種の「留学生」として、
日本の労働法規を適用除外(エグゼンプション)されている。

しかしTMCにおいては、
初年度の「研修生」のときから、
本来は禁じられている残業が常態化していた。
「彼女らは『研修生』であって『労働者』ではない」というタテマエの下で、
日本の労働法規で定められた最低賃金を
大幅に下回る「生活費」で働かせていたにもかかわらず、
その、日本に「研修」に来たはずの人に、
なぜか残業をさせていたのだ。(居残り勉強?)

そしてそのうえ、
日本の労働法規の適応を受けるものとされる「実習生」期間に達しても、
なおも彼女らを最賃以下の賃金で働かせ、
トイレに行くと1分あたり15円、
電話を使うと1万円という法外な「罰金」を徴収していた。
(彼女らのわずかな賃金においては、
 15円の罰金も痛いのだ。
 まして1万円の電話など使えるはずがない。
 これは事実上、
 彼女らの外部との連絡を完全に遮断するということに他ならない)。
彼女らはパスポートも預金通帳も取り上げられて
会社に縛り付けられており、
セクハラも横行していたという。

こうした事態が新聞などで報道された際も、
トヨタ本社は「取引先の問題」などと
冷たいコメントを寄せていた。
「オールトヨタは一つ」ではなかったのか。

日本でやって恥ずかしいことは
海外でやっても恥ずかしい。
本社で起こしていけないことは
子会社においても起こさせない。
そうあってこそ真に
「オールトヨタは一つ」と言えるのではないか。
トヨタは、クルマ作りも組合潰しも世界一」等と言われては、
オールトヨタの一員として、
僕はやっぱり恥ずかしい。

こうした問題が起きたときこそ、
僕たちトヨタ労働者は、
「オールトヨタは一つだ!」と、
声を大にして叫ばなければならない。
確かに僕たちは、
企業法人の名称は違うかもしれない。
所属する組合が違うかもしれない。
国籍が違うかもしれない。
雇用形態が違うかもしれない。
けれど、
そうした違いを乗り越えて、
やはり僕らはオールトヨタの仲間なのだ。
仲間がどこかで困っていれば、
やはり何かをしてあげたい。
それこそ真の、
オールトヨタ精神ではないか。

先月18日、
僕や、わが名古屋ふれあいユニオン浅野委員長をはじめとする
5団体および10個人は、
「TMCのベトナム人実習生6人の裁判闘争を支える会」を結成した。
フィリピントヨタ労組の組合員に対する「海を隔てた人権侵害」。
そして、
本国・日本、TMCのベトナム人実習生6人に対する
「足元における人権侵害」。
二つの問題の根は、
深いところでつながっている。
国境を超えて拡がるグローバル資本の横暴だ。
日産ネスレの問題も同様である。

これに対して僕たちは、
「海を隔てた国際連帯」と「足元における国際連帯」とを結びつけ、
対抗してゆかなければならない。

フィリピントヨタ闘争とTMCベトナム人実習生闘争。
二つの「トヨタ改善闘争」に勝利し、
「もう一つの世界」を求める国際的な潮流へと合流しよう!

オールトヨタは一つだ!
3・31「多国籍企業の組合つぶしを糾弾する東京集会」万歳! 
東京における本日の集会には所用のため参加できないが、
トヨタの本拠地・愛知県から、
心を込めた連帯の挨拶を送りたい。


≪裁判維持のため、カンパの集中を!≫
TMCのベトナム人実習生6人の裁判闘争を支える会     
連絡先:名古屋労災職業病研究会
   (愛知県名古屋市昭和区山手通5-33-1 杉浦医院4階)
郵便口座:00870-5-205553 
メール:roushokuken@oregano.ocn.ne.jp


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by imadegawatuusin | 2007-03-31 01:06 | 労働運動

職場の理不尽を許さない、
強くてやさしい地域労組の建設を!


■節目の年を振り返って
「2006年度は名古屋ふれあいユニオンにとって、
 一つの節目の年であったと思います」。
3月18日、
愛知県勤労会館で開かれた第9回定期大会で、
2006年度を総括し、浅野委員長はこのように語った。

1999年、28名で結成された名古屋ふれあいユニオンの組合員は、
この2006年度についに100人の大台を突破。
大会成立時点で143人を擁するに至った。

この「飛躍」の原動力となった2006年度の新入組合員は、
その9割がパート・派遣・契約社員などの非正規雇用労働者。
9年前に
「非正規雇用労働者の拠り所」となることを目指して結成された
名古屋ふれあいユニオンが、
小泉「構造改革」に端を発する「格差社会」の進行の中で、
その存在意義をいよいよ高めていることが実証されつつある。

しかしそれ以上に特徴的な点は、
2006年度の新入組合員の実に7割が、
日系ブラジル人をはじめとする外国人労働者であったという点である。

わが愛知県には、
自動車関連産業の下請けなどの多くの製造現場において、
従来から外国人労働者が多数働いてきた。
彼らの多くは
派遣・請負などの不安定な雇用条件の下で、
労災の絶えない劣悪な労働環境、
社会保険など労働者として当然のセーフティネットの整備すら充分でないなど、
厳しい労働状況に置かれてきた。
だが、
にもかかわらず既存の企業内組合はもちろんのこと、
われわれコミュニティユニオンもまた、
言語や文化の壁に阻まれ、
外国人労働者問題に充分な取り組みを行なうことができてこなかった。

この状況に変化をもたらしたのが、
2006年度の日系ブラジル人運営委員の誕生である。
派遣会社・ラポールサービスで通訳社員として働いていた彼は
昨年2月、
職場においてふれあいユニオンの分会を結成。
その後の会社側の不当解雇攻撃にもひるむことなく反撃し、
地位保全を求める仮処分裁判に勝利
こうした日系ブラジル人運営委員の活躍は、
愛知県下の多くの日系ブラジル人労働者を励まし、
年度前半には彼の居住する豊橋地区を中心に、
年度後半には愛知県全域から日系ブラジル人労働者が
多数ふれあいユニオンに加盟した。

そう。
2006年度は、
「性別・国籍・雇用形態に関わらず、
 すべての労働者が1人から入れるコミュニティ・ユニオン」という謳い文句が
わが名古屋ふれあいユニオンの真の性格として
定着した年であったのだ。

だが、こうした100名以上の新入組合員の誕生の一方で、
2006年度には61名のなかまたちが
ふれあいユニオンから脱退した。

こうした事態を受けて大会では、
「脱退した組合員の辞めた理由を教えてほしい」
「どこにどのような組合員がいるのかもよくわからない状況では、
 『共に頑張りましょう』と言われても実感がわかない。
 組合員名簿の配布をお願いしたい」との意見も組合員から出された。

これに対して前期運営委員会からは、

1.脱退した組合員の脱退理由の公表については、
  傾向報告を行なうことを次期運営委員会の課題として
  検討すること。
2.組合員名簿の配布については、
  個人情報保護の観点などから
  即答することが難しいこと。


などが説明された。

折しも
日本航空の最大労組・JAL労組での名簿の漏洩が
社会問題となっている
ふれあいユニオンの組合員の中には
現在「非公然」の状態で活動している人も少なくないこと、
ふれあいユニオンが
組合員数100名を突破する規模にまで拡大したことなどを考えると、
組合員名簿を大量頒布することに対しては
やはり躊躇を覚えざるを得ないことも事実である。

ただ、
組合員同士が
「どこにどのような仲間がいるのか」を知り、互いに問題を共有することが
非常に重要な課題であることは間違いない。
今後、
全体会・交流会などにいかに多くの組合員の参加を勝ち取り、
交流の活発化を実現するかが課題であろう。

■専従体制確立(フルタイムスタッフの常駐)へ!
大会では、
2006年度の経過報告の後、
2007年度の活動方針(案)の討議に移る。
目玉はやはり、
「役員専従体制の確立」である。

現在ふれあいユニオンでは、
浅野運営委員長が、
自ら医院勤務の傍ら組合活動を中心的に担っている。
しかし、
組合員・交渉件数の増加、
活動範囲の三河地域への拡大の中で、
これまでの体制では
直面する問題に充分な対応を行なうことが難しくなっていた。

現在の「半専従」体制の中では、
持ち込まれてくるさまざまな問題への対応を絞り込まざるをえないのが
実情である。

現在の体制を維持しつつ、
活動の絞込みで対処するのか。
それとも、
財政的には厳しくとも、
専従態勢の確立(フルタイムスタッフの常駐)に打って出るのか。
大会は、
後者の道を選択した。

大会では、
「2007年度の収入予想が
 前年度の約1.5倍になっているが、
 これは
 (専従態勢の確立にともない)
 支出が1.5倍になることが避けられないことに合わせた
 『見込み予算』では」との質問も出された。

これに対して運営委員会からは、
「この予定収入は、
 現在の組合員数を維持できれば充分に達成できるもの。
 専従態勢を確立すれば
 2007年度はよりいっそうユニオンの活動が活発になることが期待できるし、
 決して不可能なものではない」旨が説明された。

ただ、
これはあくまで一人一人の組合員が
きちんと組合費を納入することが大前提となっている。

「組合員が組合費を払う」という当たり前の原則を維持できるかどうかに、
名古屋ふれあいユニオンの活動の活性化、
ひいては愛知県労働運動の前進がかかっているのだということを
改めて再確認したい。

大会ではその他、
組合員の加入と定着につとめ、
早期に組合員200人体制の確立を実現すること、
「コミュニティユニオン全国ネットワーク」の活動に積極的に参加するなど
全国のユニオンとの連携を強化し、
「全国ユニオン」への加入についても討議することなどが
2007年度の活動方針として採択された。

■スト権確立、新年度運営委員選出
また大会では、
今年度の年間ストライキ件の確立に関する決議が
直接・無記名投票によって採択された。
投票に先立ち組合員からは、
「賛否を投票で問う意味がわからない。
 反対する理由があるのか」との質問があった。

確かに、
個々の局面で
「今この状況でストライキをすることに
 賛成か反対か」と問われるのならともかく、
漠然と
「年間ストライキ権の確立に
 賛成か反対か」と言われても、ピンとこないという人は少なくないだろう。

これは、
日本の労働組合法上の制約に関係している。

わが国の労働組合法は
世界的にも非常に自由なものの一つであると言われている。
私たちのような「地域」を組織対象とする
「コミュニティ・ユニオン」という組織形態も、
この労働組合法の自由によるところが大きい。

だが、
それでもやはり現行の労働組合法は、基本的には
既存の「企業内組合」型の労働組合を前提にしたものであることは
事実である。
労働組合がストライキを行なうにあたっては、
組合員の直接無記名投票による、
有効投票数の過半数の賛成が必要とされている。

例えば、
Aという企業にA労働組合があった場合、
ストライキをするのならA労働組合の組合員が集まって話し合い、
投票をやって決めればいい。

だが、
私たちのようなコミュニティ・ユニオンにこの方式を持ち込んだ場合、
どうなるか。

名古屋ふれあいユニオンは、
名古屋ふれあいユニオン全体で単一の労働組合である。
したがって、
ふれあいユニオンの中のBという職場で働く労働者が
ストライキを起こす場合でも、
(単位はあくまで「名古屋ふれあいユニオン」であるので)
法律上、
いちいち ふれあいユニオン全体で投票を行ない、
賛否を決しなければならなくなる。
これはあまりにも非現実的であるし、
機能的でもない。

そこで全国のコミュニティ・ユニオンでは、
年に1度の大会の際に
あらかじめ組合員のみなさんに
「すべてのストライキ」に賛成しておいていただき、
ストライキ権の具体的行使については
執行部にその権限を委譲する、
という手続きを取っているところが多い。

無論、
ユニオンの運営委員会は、
「権限を委譲」されたからといって、
その権限を乱用し、
一般組合員の意思に反してストライキを強要するようなことが
あってはならない。
決議の中でも、
ストライキの際は
「その職場組合員の意思を
 適切な方法で点検」することが確認されている。

したがってこの「ストライキ権確立投票」については、
「コミュニティ・ユニオンがストライキを行なう権利を確立するにあたって
 法律上必要な手続き」であると考え、
今後の大会でもぜひとも賛成していただけるよう、
理解を求める次第である。

大会ではさらに、
2007年度の運営委員選挙が行なわれた。
対立候補者なしのため信任投票が行なわれ、
立候補者全員が信任された。

■「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために」
大会では最後に、
すべての争議・裁判の勝利に向けた決議が採択された。
決議には、
「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために」とある。
弱肉強食「構造改革」が進行し、
労働者分断、雇用破壊が強まる中、
「性別・国籍・雇用形態に関わらず、
 すべての労働者が1人から入れるコミュニティ・ユニオン」の存在意義は
ますます高まっている。

「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために」。
職場の理不尽を許さない、
強く優しい地域労組の建設に向けて、
名古屋ふれあいユニオン、団結ガンバロー!


《参考記事》
名古屋ふれあいユニオン第10回定期大会報告
名古屋ふれあいユニオン運営委員長就任のご挨拶(第10回大会)
名古屋ふれあいユニオン11回大会報告
名古屋ふれあいユニオン第12回定期大会


職場の理不尽を許さない、強く優しい地域労組の建設を!
愛知県下の未組織労働者は名古屋ふれあいユニオンに結集し、
愛知県に人権労働運動の灯をともそう!



労働組合名古屋ふれあいユニオン
雇用形態や国籍に関わりなく、
愛知県下で働くすべての労働者が一人から加盟できる
地域労働組合(コミュニティユニオン)。
コミュニティユニオン全国ネットワーク
コミュニティユニオン東海ネットワークにも参加。
日ごろから組合員の学習会や交流会・相談会などを
積極的に企画しながら活動している。
組合員は組合費月額1500円。
賛助会員(サポーター)は年会費5000円。
住所:〒460‐0024
    名古屋市中区正木4-8-8 メゾン金山711号室
    (JR・地下鉄・名鉄金山駅下車 名古屋ボストン美術館の向かい)
電話番号:052‐679‐3079
ファックス:052‐679‐3080
電子メール:fureai@abox.so-net.ne.jp
郵便振替 00800‐8‐126554
ホームページ
http://homepage3.nifty.com/fureai-union/
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by imadegawatuusin | 2007-03-18 01:24 | 労働運動

■最賃無視・人身拘束・超長時間残業
2月18日、
名古屋労災職業病研究会(以下、労職研)の主催で、
外国人「研修生・実習生」問題に関する学習会が開かれた。

この制度は本来、
発展途上国などから来た研修生・実習生に
日本企業の持つ高度な技術・技能を習得してもらい、
帰国後、現地の産業発展に貢献してもらうための国際貢献事業として誕生した。
実際、
僕が期間従業員として勤めるトヨタ自動車の工場にも、
海外のトヨタ現地法人から多くの研修生・実習生が派遣されてくる。
彼らは日本のトヨタの工場で「トヨタ生産方式」を学び、
帰国後は現地生産の中核として活躍する幹部候補生なのである。

ところが、
こうした本来の研修生・実習生制度の趣旨に反する運用が
各地で行なわれている。
発展途上国の労働者を「研修生・実習生」の名目で受け入れ、
実際には下請け・中小零細企業で、
技能習得もへったくれもない「単純作業」に従事させる。
それでいながら、
「彼らは『研修生』であって『労働者』ではない」などと称し、
日本の労働法規で義務付けられた最低賃金すら支払わず、
罰金まで取る。
超長時間残業をさせながら正当な残業割増も支払わない。
(そもそも、
技術の「研修」に来たはずの人がなぜか残業をしているということ自体、
制度運用の欺瞞を表しているのだが)。
要するに、
海外の労働者を安価な労働力として使用するための隠れ蓑として、
この「研修生・実習生」制度が悪用されているのである。

学習会ではまず、
労職研の名嶋弁護士が制度の概要について説明した後、
主に中国人「研修生・実習生」の組織化に取り組んでいる
岐阜一般労働組合(コミュニティユニオン東海ネット参加)の本間委員長が現状報告を行なった。

岐阜の中国人「研修生・実習生」は、
通信の自由も移動の自由も剥奪された、
一種の「人身拘束」状態に置かれている。
使用者側は「実習生・研修生」の日本人との接触を極度に警戒しているようだ。
彼ら/彼女らは会社に無断での外出を禁じられているのはもちろん、
たとえ外出許可を得ても単独外出は許されない。
パスポートも預金通帳も社長に取り上げられている。
本国では、
日本で「問題」を起こせば没収される何十万円もの「保証金」を取られている。
電話は、
相手先と目的とを事前に会社に報告し、
了解を得なければ使えない。
それも電話の相手は、
原則的に本国の両親・兄弟のみと制限されている。
(頻度は2週間に1回、1回につき10分程度、との「目安」まである)。
無論、携帯電話の所持は御法度である。

■残業は「内職」、労働条件は「口外禁止」、規則違反は「連帯責任」
学習会では、
実際に「研修生・実習生」が日本企業に派遣される際の
「就労条件、確認書」のコピーが
レジュメとして配布された。
それによると、
この確認書は「日本の法律に関係なく(!)……全てに優先する」ものであり、
「内容に疑問や不満がある研修生・実習生は
 速やかに帰国させる」とのことなのだ。
そしてご丁寧にも、
「この確認書および内容について、
社外はもちろん社員・パート・内職者へも口外厳禁」と
口止めまでなされている。
内容としては、
上に書いた「無断外出・単独外出の禁止」や
「電話の事前報告・利用制限」の他、
「××株式会社のどのような罰則・罰金にも従う」という
一方的で無制限な罰則規定や、
「他の研修・実習生が規則に反する行動・行為をする、
 もしくは予測される場合は……
 総務へ報告する。
 場合によっては連帯責任となる」といった密告強要規定がある。

よって、
外国人「研修生・実習生」の組織化は、
こうした悪条件をかいくぐってのものとなる。
使用者側の監視網を潜り抜けて何とか連絡を取り付け、
夜闇にまぎれて打ち合わせを行なう。
しかし、
そうした動きが使用者側に察知されれば、
「強制帰国」が待っている。
男数人が押し寄せてきて、
(場合によっては手にした木刀で机をバンバンぶったたくといった威嚇のもとに)
「研修生・実習生」を拉致し、
車で空港に連行する。
(先述の「確認書」によれば、強制帰国の「帰国費用は全額本人負担」だ)。
それを知った組合側は急遽 空港税関に連絡、
強制帰国を水際で阻止し、身柄を組合に奪還する。
しかし、
寮を追い出された彼らにはもはや住む所がない。
彼らを受け入れてくれる支援者を求めて、
場合によっては東京にまで奔走することになるという。
団体交渉を始めても、
「残業は会社が命じたものではなく、
 自発的に行なわれたもの」と言い張ったり、
それが通らないとみると今度は
「勤務時間外の仕事は全て内職だった」と詭弁を弄するなど、
なかなか一筋縄ではいかないようだ。
(これは究極の「偽装請負」ではないか!
 「内職」中に労災が起きたら、当然すべて「自己責任」となるのだろうか)。

報告を聞いて、
僕は岐阜一般労組の行動力に圧倒された。
しかし、
この問題は他人事ではない。
ここ愛知県でも、
トヨタ自動車の下請け会社・TMCで働いていたベトナム人実習生が、
裁判闘争に立ち上がっている。
学習会では最後に、
労職研の杉浦代表の呼びかけで
「TMCのベトナム人実習生6人の裁判闘争を支える会」が結成され、
会への参加が呼びかけられた。
連絡は
名古屋労災職業病研究会(電話・FAX:052‐838‐7420、メール:roushokuken@be.to)まで。


【参考資料】
「TMCのベトナム人実習生6人の裁判闘争を支える会」を
結成しました。(2007年2月18日)
・・・・・多くの方々のご参加をお願いいたします!!・・・・・


(有)ティエムシー(愛知県豊田市渡刈町3‐138‐1、森平勝取締役会長、以下TMCという)で働く
ベトナム人女性実習生6人は、
2003年から2004年にかけて来日し、
トヨタ社のヘッドレストやアームレストの縫製の仕事をしてきました。

しかしTMCでは、
初年度の研修期間から、
本来は禁じられている残業が常態化し、
同時にパスポートや預金通帳の取り上げなどの人権侵害も
行われてきました。
また、
作業中の彼女らのトイレ時間をはかり、
罰金と称して1分当たり15円を賃金から一方的に控除したのでした。
その他にも、
携帯電話の所持を禁止したうえで、
会社の電話を使用すると1回につき1万円、
就業後の掃除を忘れた場合は1回につき2,000円を、
やはり罰金として徴収していたのです。

これらTMCの横暴に対して彼女らが抗議すると、
森平会長の息子は彼女らを自動車で追い回し、
その中の一人が転んでケガをするという事態も起きました。
セクシャルハラスメントの言動なども
日常的に行われていました。

TMCの基本給は愛知県の地域別最低賃金688円を下回っていたため、
彼女らは豊田労働基準監督署に申告し、
同監督署は、一次受け入れ機関である
豊田技術交流事業協同組合(愛知県豊田市中町中前43-1、伊藤和彦理事長、以下協同組合という)傘下22社に対して、
総額5,000万円(約200人分)を支払うよう
是正指導を行いました。

ところがこれを逆恨みしたTMC経営陣は、
彼女らの技能実習契約更新に当たり、
彼女らの実質的「収入」の引き下げをねらい、
それまでの日給月給制から完全時給制への改悪を強要し、
彼女らが契約更新を留保するや、
「即刻ベトナムに帰れ」と罵倒したのでした。

TMCや協同組合に対して、
これまでの人権侵害や労働法令違反について、
謝罪と補償を求めました。
しかし
TMC、協同組合の姿勢は極めて不誠実であり、
6人は訴訟提起を決心しました。

わたしたちはここに、
「TMCのベトナム人実習生6人の裁判闘争を支える会」結成ならびに
同会への参加を呼びかけます。

世界企業トヨタの製造現場で行われている人権侵害、労働法令違反を許さず、
彼女らの権利救済のため、
皆さんのご支援を心からお願い申し上げます。
ご賛同頂いた方には
裁判闘争の予定や経過を随時、ご報告致します。
現在、
裁判を維持するための諸費用が全くありません。
彼女たちの裁判を支えるために、
是非下記までカンパをお願い致します。

郵便講座番号:00870-5-205553
口座名称:TMCのベトナム人実習生6人の裁判闘争を支える会

2007年3月7日
「TMCのベトナム人実習生6人の裁判闘争を支える会」
呼びかけ人  名古屋労災職業病研究会 代表 杉浦 裕
(名古屋市昭和区山手通5-33 杉浦医院4F)


【関連記事】
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豊田協同組合・TMC、ベトナム人実習生らに和解金
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by imadegawatuusin | 2007-03-07 13:55 | 労働運動