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――「動かぬ証拠」に偽装請負は明らか――

■裁判に勝ったのに、職場に入れてもらえない!?
愛知県の個人加盟制労働組合・名古屋ふれあいユニオンは、
8月2日、
トヨタグループの特殊鋼メーカー・愛知製鋼(旧豊田製鋼)を相手として、
不当労働行為の救済申し立てを
愛知県労働委員会に行なった。
(担当する労働委員会委員は、
 公益委員 :野首武 中日新聞社客員
 労働側委員:土井正幸 名古屋鉄道労働組合中央執行委員長
 経営側委員:柴山忠範 愛知県経営者協会専務理事兼事務局長)。

名古屋ふれあいユニオンは6月11日と7月11日との2度にわたって
交渉の申し入れを行なったのだが、
愛知製鋼は一切の話し合いに応じようとしない。
会社側は、
愛知製鋼の構内「下請け」労働者たちの労組である
名古屋ふれあいユニオン知多分会に属する組合員たちとの間に
直接の雇用関係がないことを交渉拒否の理由としている。
だがそれは、
愛知製鋼と下請けとが「まっとうな請負関係」にあった場合に
成立する論理だ。
実際には、構内「下請け」労働者たちは
長年 愛知製鋼の社員から指揮命令を受けて働く
偽装請負の状態にあった。
本来「請負」企業の従業員である個々の「下請け」労働者たちを、
愛知製鋼は社内文書で配置決定までしていたことが明らかになっている
(「トヨタグループ企業『偽装請負』動かぬ証拠」『週刊金曜日』8月3日号)。

職場においては労働者たちに指揮命令し、
人事の差配までしておきながら、
いざ話し合いを持ちかけられると「それはイヤだ」というのは
道理の通らない話である。

重ねて、
名古屋ふれあいユニオン知多分会の
Aさんと迫川良二さんの2人は、
直接の雇用主である構内「下請け」会社との間の解雇無効裁判に勝利し、
職場復帰の和解を勝ち取っている。
にもかかわらず愛知製鋼は、
直接の雇用主が「職場復帰」を法廷で約束した両名に対し
「入門許可証」を出さず、
いまだに2人が職場に入ることを拒否している。
2人は連日 会社に出社しているが、
愛知製鋼の社員によって工場への入場を阻まれ、
裁判前と同様、
仕事につけない状況が続いている。

名古屋ふれあいユニオンの組合員に対してここまでのことをしておきながら、
なお話し合いには応じないというのは
一体どういう了見なのか。

現在、
愛知製鋼には愛知県の労働局から偽装請負の調査が入り、
是正の指導を受けている。
しかし、
この労働局の立ち入り調査は、
愛知製鋼の偽装請負の実態を告発してきた
Aさん・迫川さんが職場にいない状態で
進行しているのである。
7月2日の立ち入り調査では、
「今日は労働局が来るけど余計なことは言うなと
 朝のミーティングでいわれた請負もいた」との証言も
飛び出している(「トヨタグループ企業『偽装請負』動かぬ証拠」『週刊金曜日』8月3日号)。

加えて、
愛知県労働局の指導を受けて、
現在 愛知製鋼では「下請け」企業の再編が進められている。
安達さん・迫川さんの勤める会社も、
9月30日をもって愛知製鋼との取引を
打ち切られることとなっている。
このまま職場に入れない事態が続いた場合、
2人はまさに愛知製鋼の手によって、
職を奪われクビを切られる可能性すら否定できない。
事態は急を要するのであって、
2人の雇用の安定のためには愛知製鋼との話し合いが不可欠であることは
あまりにも明白なのである。

名古屋ふれあいユニオン知多分会に結集した
愛知製鋼の構内「下請け」労働者たちは、
≪愛知製鋼――アイチセラテック――三築――協力会社≫
という重層的な偽装請負構造の中で、
社会保険未加入、労災隠し〔注1〕、雇用契約書がないなどの
実に劣悪な労務管理のもとで働いてきた。
こうした構造に異を唱え、
偽装請負の実体を社会に告発した労働者たちを
愛知製鋼が切り捨てることは許されない。
〔注1〕愛知製鋼の労災隠しについては、
愛知製鋼鍛造工場で働いてきたAさんが、
『週刊金曜日』8月3日号「トヨタグループ企業『偽装請負』動かぬ証拠」で
次のように証言している。
「愛知製鋼は労働災害を出しすぎで、
 これ以上労災補償を出せない状態だった。
 上の指示で
 熱中症で倒れた人間をばれないように箱にいれて
 フォークリフトで運んだこともある」。


以下は、
名古屋ふれあいユニオン機関紙『NFU ふれあい通信』92号に掲載された
本件に関する文章である。


愛知製鋼は団交に応じろ!
愛知製鋼から「偽装請負」を根絶し、
下請け労働者の雇用の安定と労働条件の向上を勝ち取ろう!


トヨタグループ企業「愛知製鋼」は今、
長年の悪しき労使慣行を裁ち切り、
ふくれあがった非正規雇用労働者が安心して働くことのできる職場へと
転換すべき時を迎えている。

私たち名古屋ふれあいユニオンは、
愛知製鋼下請け労働者による「知多分会」を結成し、
愛知製鋼が働きやすい職場に生まれ変わるよう
奮闘している。
様々な有効な方法と、
多くの仲間の協力で前進しよう。

愛知製鋼の闘いは、
4月18日
愛知製鋼の下請け企業で発生した
2名の労働者解雇事件を撤回するところからはじまった。
団体交渉開催後に
ただちに地位保全仮処分裁判を提起(5月28日)し、
2ヶ月足らずで解雇撤回・復職を勝ち取った(6月27日)。

しかしその間にも
会社は偽装請負隠しに じゃまな労働者の排除を狙って、
違法な配置転換の指示を連発。
組合・弁護団は、
愛知労働局需給調整部に
偽装請負に関する違反申告を行い、
違法な配置転換指示の凍結を会社に指導させた。
同時にマスコミや地域の労働組合に対し
愛知製鋼問題について、
詳しく報告。
愛知製鋼の偽装請負問題を
社会的問題とするべく働きかけてきた。

そして7月2日、
愛知労働局は愛知製鋼に対し、
偽装請負状態の改善・解消を求め、
これに基づき7月30日
会社は愛知労働局に対し
改善計画を示すことになった。
会社は労働局に対し「きれい事」を言っているようだが、
現場で進められていることは
それとは裏腹の動きだ。

ユニオンは愛知製鋼に交渉の申し入れを行い、
雇用の安定を第一にしながら
違法請負状態の解消を労使の協力で実現しようと思っているが、
会社は雇用関係がないことを理由に
団体交渉を拒否している。
ユニオンは愛知製鋼の団交拒否に対し、
愛知県労働委員会に不当労働行為救済申立を行うことを決定し、
8月2日労働委員会に申立書を提出。
また、
4日にはトヨタの関連企業の個人加盟制組合
「全トヨタ労働組合(全トユニオン)」と交流し、
トヨタグループ全体に愛知製鋼の問題を訴えていくこととした。

ユニオンの仲間、
そして全国・地域の全ての働く仲間に対し、
愛知製鋼闘争へのご支援・ご協力を訴えます。

《追記》
「下請」企業・三築からの6月27日付の解雇撤回決定後も
愛知製鋼への入構を拒否されていた2名の組合員は、
組合・弁護団からの強力な働きかけもあり、
8月22日、ようやく現場への復帰が実現した。


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偽装請負・労災隠しもう許さない
愛知製鋼が不正告発の「派遣社員」切り捨て
9月24日、愛知県労働委員会傍聴へ!
愛知製鋼不当労働行為事件、和解成立
愛知製鋼事件和解の意義(弁護士 中谷雄二)


職場の理不尽を許さない、強く優しい地域労組の建設を!
愛知県下の未組織労働者は名古屋ふれあいユニオンに結集しよう!



労働組合名古屋ふれあいユニオン
雇用形態や国籍に関わりなく、
愛知県下で働くすべての労働者が一人から加盟できる
地域労働組合(コミュニティユニオン)。
コミュニティユニオン全国ネットワーク
コミュニティユニオン東海ネットワークにも参加。
今年3月に開かれた第9回定期大会では、
連合産別・全国ユニオンへの加盟について討議するとする活動方針を採択。
日ごろから組合員の学習会や交流会・相談会などを
積極的に企画しながら活動している。
現在、組合員数約200名。
組合員は組合費月額1500円。
賛助会員(サポーター)は年会費5000円。
住所:〒460‐0024
    名古屋市中区正木4-8-8 メゾン金山711号室
    (JR・地下鉄・名鉄金山駅下車 名古屋ボストン美術館の向かい)
電話番号:052‐679‐3079(午前10時~午後6時)月~金
ファックス:052‐679‐3080
電子メール:fureai@abox.so-net.ne.jp
郵便振替 00800‐8‐126554
ホームページ
http://homepage3.nifty.com/fureai-union/
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by imadegawatuusin | 2007-08-20 02:01 | 労働運動

――あたしは、一夜にして「ハブ」になった――

■「ココロなんて、ちょっと病気の方がいい」
重松清の作品には、
小説ならではの魅力的なフレーズが
しばしば地の文に登場する。
1人称主人公の「つぶやき」と言い換えてもいいかもしれない。

この「つぶやき」は、
評論などに登場すればただの暴論として排斥され、
論理的な説明には適さないかもしれないが、
そのストーリーの中に置かれたときに実に絶妙な効果を発揮し、
重松作品の魅力の一つとなっている。

いいじゃない、ココロなんて、ちょっとぐらい病気の方が。


も、そんなフレーズの一つである。

主人公の「ミキ」は14歳、
中学2年生の女の子。
彼女はある日、突然「ハブ」になった。
蛇になったのではない。
「ハブ」――「村八分」の省略形。
要するに、クラス全員から無視される存在になったということだ。

無視されるようになったことに、
特別の理由はない。
ミキがみんなに嫌われていたというわけでもない。
むしろ彼女は、
元気で明るく、
とても活発なクラスの人気者だった。
そんな彼女を、
クラスでいっせいに無視したらどうなるか……。
そんなささやきに、
クラスの全員が乗せられ、
あるいはその大勢に抗うことができなかった。
ただ、それだけのことなのだ。

けれど、
一度始まった「ハブ」はもう誰にも止められない。
ミキに話しかければ、
今度は自分が「ハブ」の対象になってしまう……。

そうしてミキを無視した子供たちは、
みんな「普通」の、どこにでもいる中学生たちだった。

そんなある日、
ワニが住むとされる「ひょうたん池」で、
ミキはある「おばさん」と出会う。

「おばさん」の夫は不倫をしている。
だが「おばさん」は、
夫が不倫をしているのが悔しいのではない。
不倫をしているのがバレバレなのに、
本気で隠し通せていると信じて疑わない夫が、
いかにも自分をあなどっているようで許せない。

「おばさん」は、
ワニを餌付けして
いつか夫を食い殺してもらおうと、
いつも夫の髪の毛や爪を混ぜ込んだ肉を、
本当にワニがいるのかどうかもわからない
ひょうたん池に投げ込んでいる。

この「おばさん」はココロを病んでいる。
そう読んだ「ミキ」の診立ては、
あながち間違ってはいないだろう。
……が、
だからといってこの「おばさん」は、
何かとてつもなく困ったことを
しでかしているというわけではない。
ただいつも、
池に肉を投げ込んでいるというだけだ。

毎日学校で
「普通」の子供たちの仕打ちに苦しめられているミキにとって、
「ココロを病んだ おばさん」は、
安らぎの場として機能する。
そして、ミキは思うのだ。
「いいじゃない、ココロなんて、ちょっとぐらい病気の方が」と。

■あまりにリアルな「イジメられる側」の心情描写
「イジメ」のような社会的な問題を、
等身大の中学生の視点から描ける作家は本当に稀少だ。
その理不尽の中に生きる中学生のリアルな心理を描き出せる作家は
極少数だ。

そして、
この人こそ そんな数少ない作家の一人なのだと、
自分が中学生だったころに感じた作家が
重松清だったのだ。
重松さんのあまりにリアルな「イジメられる側」の心情描写に、
僕は当時、何度も驚かされたものである。

本作・「ワニとハブとひょうたん池で」は、
そんな重松清の短編の中で、
僕の最も好きな話だ。
重く苦しい問題を取り扱っているにもかかわらず、
「ひょうたん池のワニ」に自分を重ねて力強く生き抜くミキと
文体の明るさとがあいまって、
読者に過度の重苦しさを強制しない。
最終的にはさわやかな青春小説(?)として仕上がっている。


【本日の読了】
重松清「ワニとハブとひょうたん池で」(評価:5)
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by imadegawatuusin | 2007-08-14 17:15 | 文芸

――加害者4人降格、上司減給――

■「社の名誉傷つけ、親会社に迷惑」
トヨタグループの車体メーカー・トヨタ車体は、
いなべ工場車体部の職制懇親会において
コンパニオンの女性に対するセクハラがあったと報じられていた件で
8月3日、
加害者4人を降格、
その場に居合わせた上司を減給とする懲戒処分を公示した。

懲戒処分の理由について降格となった4人については、
「いなべ工場車体部の職制懇親会の席で不適切な行為を行い、
 社員としての体面を汚した。
 その結果、
 当事者4名の行為および会社名が雑誌に掲載され、
 広く事件が世間に知られた。
 また、
 会社が親会社からの表彰を辞退するに至るとともに、
 親会社に対しても事件への対応を余儀なくさせるなど迷惑をかけ、
 会社の名誉・信用を著しく傷つけることとなった」ことをあげている。

また、減給となった上司については、
「懇親会に出席していたが、
 当事者4名の不適切な行為の防止に
 十分な対応をしなかった」としている。

この事件をめぐっては、
写真週刊誌『FRIDAY』が
「トヨタ【グループ企業】が犯した『セクハラ大宴会』の【ひどすぎる】真相」
などと報道し、
「北米トヨタセクハラ訴訟や
 フィリピントヨタでの職務時間中ストリップ事件から間もないというのに、
 トヨタでは反省が生かされていないのではないか」などの声が上がっていた。
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by imadegawatuusin | 2007-08-03 13:23 | 労働運動