相次ぐ製造業での「派遣切り」「非正規切り」に対し、
名古屋ふれあいユニオン
ユニオンみえ連合全国ユニオン加盟)、
JMIU愛知地本(全労連JMIU加盟)などが呼びかけた
「クビ切るな! 生きさせろ!」12・23緊急行動は、
最終的には200人の結集を勝ち取り、
成功を収めた。

名古屋ふれあいユニオン運営委員・小林さんの
レポートが届いたので、
以下に紹介したい。


トヨタ・ミッドランドスクエアを取り囲んで
「クビ切るな! 生きさせろ!」怒りの大行動

――12・23緊急行動に200人決起!――

☆西柳公園で熱気に溢れる集会を実現
12月23日、
わが名古屋ふれあいユニオン、
ユニオンみえ、
JMIU愛知地本、などが中心に呼びかけた
準備会の主催で
「クビ切るな! 生きさせろ!」緊急行動が行われた。

狭い公園に愛知県、三重県の各地から
外国人労働者や
派遣、請負の労働者などが続々と結集し、
テレビ局、新聞社も多数駆け付けて取材も行われる中、
午前11時、集会が始まった。

管理職ユニオン・東海の堰代委員長の司会で、
早速主催者あいさつ。
「派遣切り、非正規切りの、嵐の中で、
 所属団体の違いを超えて、
 緊急行動に立ち上がった意義は大きい」と
JMIUの平田委員長。

つづいて東海労働弁護団の連帯挨拶。
「派遣切りがここまで進むと、
 必要なのは労働組合が頑張ること、
 そして派遣法は抜本改正を超えて、
 その廃止を求めよう」と。

更に政党挨拶。
社民党平山氏は
やはり派遣法の廃止に熱弁をふるった。
続いて共産党
八田ひろ子氏は
大企業や、行政に
雇用安定を求める申し入れを行ってきたことを
訴えた。

次に決意表明に
ユニオンみえの光精工の仲間が登場すると、
集会は一気に熱気を帯びた。
演壇にリーダーが立つ。
その後ろにポルトガル語で書いた横断幕を持った
6~7人の仲間が立ったところで
リーダーが熱情あふれる決意表明をする。
ポルトガル語で訴えているが、
「ラテンの心に火がついた」かの熱情が
会場参加者に伝わってくる。
参加者は、
ブラジル人も日本人もジリジリと演壇のほうに
引き寄せられるように近づいていく。
通訳が続いて
「全員解雇攻撃にストライキを構えて団交を行い、
 半年の雇用延長を勝ち取った。
 だが再び来年4月には
 300人の解雇が迫っている。
 再び団結の力で
 それを我々は打ち砕くであろう」とつたえる。
 すごい迫力が会場をつつむ。

最後に、
我が名古屋ふれあいユニオンの
酒井委員長が
若々しい声で行政(愛知、三重の県、労働局)と
経営者協会への要請決議文を読み上げた。
そこには解雇を安易に行わないこと、
仕事が見つかるまで住居を保障すること、
諸悪の根元である労働者派遣法
廃止することが決議されている。

☆トヨタ・ミッドランドスクエアを取り囲んで
 怒りの大デモンストレーション
さあ!
いよいよトヨタビルに向けての
デモンストレーションだ。
先頭は管理職ユニオン。
ふれあいユニオンがそれに続く。
「派遣切り、非正規切りを許すな!」
「トヨタは13兆円の内部留保を吐き出せ!」
宣伝カーからは女性ユニオン名古屋委員長の
気合の入ったシュプレヒコールが響き渡り
デモの志気を挙げる。

デモ隊がミッドランドスクエアの角を曲がり
正面に差し掛かる頃、
後続のユニオンみえ・光精工のブラジル人労働者たちが
猛烈な掛け声をあげてデモをはじめた。
この掛け声には
ラテン系独特のリズムがあり
「ちゃちゃちゃー、ちゃちゃちゃー、
 ちゃちゃちゃー、ちゃ!」と
調子もいい。
わがふれあいユニオンのブラジル人分会の仲間たちも
ここに合流して喚声を上げ、
大感激だ。
送れて三重から合流した部隊も加わり
デモは次第に膨れ上がり
200名ほどに増えていった。

流れ解散後、
名古屋ふれあいユニオンの参加者は
ブラジル人分会の争議中の仲間の紹介を受け、
彼らを激励し、
その後近くの喫茶店で感想、交流会を行い
団結を強めた。
送れてきたフィリピン人組合員ら3人をふくめて
参加者は18名だった。

この日の緊急行動の意義は
とてつもなく大きい。
元気な愛知、元気な東海が
一気に派遣・非正規切り、
外国人切りのるつぼとなり、
豊橋、浜松の橋の下や
安城の公園でブラジル人労働者のホームレスが溢れ、
名古屋駅かいわいでは派遣切りにあった労働者が
ネットカフェ難民となっている。
この危機に、
所属団体の違いをこえて、
労働組合が手を握り合い、
反撃の闘いに立ち上がったのだ。
しかもその一角を
わがふれあいユニオンが
明確に になったのだ。
今後さらにこれを発展させてゆこう!


愛知労働局、愛知県、愛知県経営者協会に対する
要請決議


これまで、
「元気な愛知」をリードしてきた
自動車・電機をはじめとする製造業で今、
猛烈な「派遣切り」・「非正規切り」の嵐が
吹き荒れています。
製造業に多く見られる
仕事と寮がセットになった
「住み込み派遣」の労働者たちは、
首切りと同時に住まいも失い、
正月を目前にして寒空の中、
路上にたたき出されようとしています。

モノづくり日本一を自認する
「中部経済圏」の中心都市・愛知は、
同時に多くの外国人を含む
派遣労働者の最も集中している地域でもあり、
それだけに、
事態は他の地域と比べても
一層深刻なものがあります。

「国際競争力強化」という財界の要請に応えて
戦後日本は、
国策とも言えるかたちで
「コストダウン戦略」を推し進めてきました。
しかしその内実は、
おびただしい数の
いわゆる「非正規・不安定雇用労働者」と
下請け中小企業とを犠牲にして
成し遂げられられたものであり、
今日、
一部の大企業は不動の独占的地位を構築して、
グローバルな企業活動を展開するところとなっています。

このような中で、
一時的に不況局面を迎えたからといって
即座にこれほどの規模と速度で
労働者の雇用を奪われるような事態については、
極めて遺憾と言わざるを得ません。
貴職におかれましても上記実情についてご理解下さり、
緊急かつ思い切った
下記の対策を講じて下さいますよう、
『「クビ切るな!」、「生きさせろ!」12・23緊急行動の名において
強く要請いたします。


①行政は「整理解雇の四要件」に照らし、
 これに外れる整理は認めない立場で
 派遣元だけでなく派遣先にも指導すること。
 たとえば、
 予告手当や希望退職の上積み条件、
 有給休暇の買上げ費用等の負担、
 再就職先の創出や斡旋義務など、
 派遣先にも責任を負わせること。
②細切れ雇用だけでなく、
 様々な事情から派遣会社を転々とし、
 雇用保険に6ヶ月以上加入できていない派遣労働者が
 人員整理で解雇された場合には、
 無条件で雇用保険を適用すること。
③雇用保険をかけていない派遣会社もあり、
 職安は事情を調査し、
 もし、会社の不正な対応で
 雇用保険に未加入だったときは、
 時効の対象とせず、
 労働者負担分のみ給付金から差し引くかたちで
 全期間を遡及加入させるよう
 手続きをすすめること。
④今のように、最低3ヶ月の雇用保険では、
 結局就職を急ぐあまり
 悪徳経営者の職場に行くことにもなる。
 ただちに給付期間を大幅に延長すること。
⑤30日前の予告では求職活動に限界があります。
 予告はもちろん、
 使用者(派遣元及び派遣先)に
 「解雇手当」の支給も義務づけるよう制度化すること。
⑥有給休暇の残日数は、
 整理解雇の場合
 「買取り」を義務づけるような制度にすること。
⑦社宅(寮)は、
 次の仕事が見つかるまで(数ヶ月程度)、
 家賃の減額も含めて居住を保証すること。
⑧失業の結果、家賃が払えなくなり
 住居喪失を余儀なくされるケースが少なくない。
 「住民でない」と生活保護を避けるのではなく、
 「どうしたら保護できるか」という立場で
 制度運用をすること。
⑨この際、派遣法の趣旨に則り、
 厳密に「一時的、臨時的」ケース以外の派遣は認めず、
 派遣先に「契約社員」等という不安定雇用でなく
 正社員として雇用する義務を負わせるように
 改善をすること。
⑩日系人の就労を受け入れている国との間で、
 早急に社会保障協定を締結することと併せ、
 加入義務のある労働保険等の未加入を一掃すること。
⑪緊急対策として、
 県営・市営住宅、公団住宅の一部を
 失業し、かつ家族を抱えている労働者から
 優先して入居させるように開放すること。
⑫国、企業、行政が一体となって
 緊急雇用創出を行なうこと。
⑬継続雇用を期待できるような有期契約の場合、
 雇い止めに解雇の法理を適用すること。
⑭「雇用関連四法案」の早期成立を図ること。
⑮安全配慮義務違反による労働災害は、
 労災保険による補償だけでなく、
 交通事故などに基準に基づく「損害賠償義務」を
 使用者に義務づけるよう制度化を図るとともに、
 刑事責任も厳しく追及するよう制度化を図ること。
⑯諸悪の根源であり、
 労働者の幸せにつながらない労働者派遣法は
 廃止すること。

上記決議する。

2008年12月23日
「クビ切るな!」、「生きさせろ!」12・23緊急行動


【関連記事】
愛知:「クビ切るな!」12・23緊急行動へ!


労働組合名古屋ふれあいユニオン
雇用形態や国籍に関わりなく、
愛知県下で働くすべての労働者が一人から加盟できる
地域労働組合(コミュニティユニオン)。
コミュニティユニオン全国ネットワーク
コミュニティユニオン東海ネットワークにも参加。
今年3月に開かれた第10回定期大会では、
連合産別・全国ユニオンへの加盟について討議するとする活動方針を採択。
日ごろから組合員の学習会や交流会・相談会などを
積極的に企画しながら活動している。
現在、組合員数約200名。
組合員は組合費月額1500円。
賛助会員(サポーター)は年会費5000円。
住所:〒460‐0024
    愛知県名古屋市中区正木4-8-8 メゾン金山711号室
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by imadegawatuusin | 2008-12-29 19:37 | 労働運動

――随所で事実に反する中村社長の「陳述書」――

←その1に戻る
■警察の対応について
さて、
稲沢市の人材派遣会社・イオスの中村末広社長は、
「(酒井注:緒方さんは)申立書では、
 『警察官は納得し帰った。』と主張していますが、
 全くのでたらめです。
 以上に述べましたし、
 浅野氏の陳述書にもありますように、
 ユニオン側は警察官と少し話しをした後に、
 帰っていきました。
 『警察官が納得し帰った。』ということは
 ありません」と述べている。
この点に関して言えば、
中村社長の主張が正しく、
緒方さんの申立書の記述が誤っている。

緒方さんの申立書の記述が
誤ったものとなってしまったことに関しては、
すべての責任は私・酒井徹にある。
申し入れ行動に参加していない緒方さんは
当日の様子を知るよしもなく、
一切の責任がない。
私は緒方さんの弁護士である中谷雄二先生に、
「警察の人たちは納得してくれましたので、
 それで(私たちは)帰りました」とお話しした。
私が言葉足らずであったため、
中谷弁護士はその言葉を、
「警察官が納得し帰った」という意味に解釈し、
申立書を作成されたのだと思う。
本来なら申立書の提出の段階で
私がチェックして訂正していただくべきところを
見落としてしまい、
このような結果となってしまった。
深くお詫び申し上げる。

事実は、
浅野文秀事務局長の陳述書にあるとおり、
私たちは警察に事情を説明し、
警察より先にイオスの事務所を後にした。
そのため、
その後イオスと警察の間で
どのようなやり取りが行なわれたのかについては、
一切解らない。

ただ、中村社長の陳述書には、
警察が来るまでの経緯について、
明らかな偽りがある。
警察がイオスにやってきた経緯について中村社長は、
「そうこうしているうちに、
 警察官がパトカーで2名駆けつけてくれました。
 とにかくユニオン側は大勢で押し掛けた上、
 がなり立てましたので、
 まるで暴力団か、右翼かと思うほどでしたから、
 当社の事務員がその態度に恐怖を覚え、
 110番通報をしたということが分かりました」
などと言っている。
この書き方では、
中村社長は
警察官が駆けつけた当初は
なぜ警察官が駆けつけたのか事情が分からず、
その後、
イオスの「事務員が……
110番通報をしたということが分か」ったことに
なっている。

しかし、この記述は事実に反する。
中村社長は明らかに、
警察が到着する以前から、
事務員が110番通報したということを
知っていた。
このときの経緯については
私もはっきり言い切るまでには
自信がないのだが、
私の記憶の限りでは、
中村社長自身が事務員に
「警察呼ぼう」と言っていたような
気がするのである。
ただ、
もしかすると先に事務員が警察を呼び、
それを中村社長に報告し、
中村社長が同意して
「警察よぼう」と言っていたのかもしれない。
この部分については少し記憶があいまいなのだが、
以下の事柄については
自信を持って真実であると言い切れる。

「警察よぼう」という中村社長の言葉を聞いて
私・酒井は、
なぜ警察を呼ぶのかと中村社長に問いただした。
中村社長は
「営業妨害だ」と答えた。
団交拒否という違法行為を公然と行なおうとしながら、
なおかつ警察を呼ぼうというその発想は
一体どこから沸いて出るのか、
私は非常に不思議な感覚にとらわれた。
むしろ私たちの方が
違法行為の被害者であるとしか
私には思えなかった。

しかし、
いかに情理を尽くして説得しても、
中村社長はユニオンの主張に
まったく耳をかそうとはしない。
むしろ、
自分のやろうとする違法行為を
正当なものと思いこみ、
挙げ句の果てには
自分たちの側がまるで被害者であるかのように
勘違いしているような節さえあった。
そこで私は、
どうせ警察の方がお見えになるのなら、
双方の主張を聞いていただき、
どちらがまっとうなことを主張しており、
どちらが法違反を犯しているのか、
じっくり話を聞いていただきたいと考えた。
そこで、
イオスの側が
「被害者」として警察官を呼ぶのではなく、
私たち名古屋ふれあいユニオンの側からも
110番通報を行ない、
現場の雰囲気が相当に加熱する中、
双方の要請で
警察が間に入るという形にしたほうが
よいのではないかと思い、
事務員が110番通報をした直後、
私も自分の携帯電話で110番通報を行ない、
イオス事務所への警察官の出動を要請した。
このことは、
110番の記録にも残っているはずだし、
当日駆けつけた警察官も、
「イオスの事務員の方と
 ふれあいユニオンの酒井さんの通報で
 来た」とおっしゃったのを
私ははっきりと聞いているので、
調べればすぐに分かることだと思う。

110番通報は
イオスの事務員だけが行なったのではなく、
ほぼ同時刻に私からも行なわれたのだ。
中村社長は
「警察の方は、
 ……その後も、ときどき当社を訪問して、
 本件についての事情を聞かれています。
 当社のことも心配していただき、
 もし意に反してまた押し掛けられたら、
 警察にすぐに連絡してください、と
 言われています。
 また、
 今回の仮処分申し立てにも興味を示され、
 申立書の写しが欲しいと言われましたので、
 当社はその写しを警察に提出しています」と、
必死になって
警察との「親密ぶり」をアピールしているのであるが、
それでいてこうした基本的な事実すら
警察から伝えられていないというのは
極めて妙な話である。
中村社長は
「警察の方は、
 ユニオンの情報を集めてみえるようで」と
勝手に想像しているが、
ユニオンの情報を集めるのなら
ユニオンの事務所を訪問するのが一番である。
私たちは駆けつけた警察官の方々に、
ユニオンの住所も連絡先も
(もちろん私の住所・電話番号も)
きちんと伝えているのである。
しかし私たちは、
そのような訪問を1度も受けておらず、
逆にイオスの事務所の側が
何度も警察の訪問を受けているのである。

110番通報は、
イオスの事務員が行ない、
それとほぼ時を同じくして
私・酒井も行なったものである。
駆けつけた警察官は、
「イオスの事務員の方と
 ふれあいユニオンの酒井さんの通報で来た」と
おっしゃった。
私たちは警察の要請で
いったん事務所から退出し、
事務所前の道路で警察の事情聴取を受けた。

労働者の要求を実現すべく、
非暴力を旨とし、
正々堂々と使用者・企業と立ち向かう
私たち名古屋ふれあいユニオンは、
何らやましいところがないので、
警察を恐れる必要はどこにもない。
ユニオンは誠実に警察の事情聴取に協力し、
イオスのこの度の非常識な対応を
ありのままに説明した。
私たちは労働組合として、
会社に団体交渉の申し入れを、
非暴力の手段によって
行なっているということを警察官に説明し、
警察官は納得した。
だからこそ、
何の処罰もとがめだても説諭もなく、
私たちはイオスを後にすることができたのだ。

中村社長は警察官に、
「ワーワー言うだけで、話にならないので、
 文書で申し入れをするように言っているのに、
 聞き入れて貰えない」と説明したという。
もしこれが事実であれば、
中村社長は虚偽の事実を
警察官に対して申告したことになる。
名古屋ふれあいユニオンは前日の24日から、
FAXを使ってまさに
「文書で申し入れを」していたのであり、
そのことは中村社長自身が陳述書の中で
認めている事実だ。
中村社長はこのFAXについて、
「何が何やらさっぱり分かりません」などと
うそぶいているが、
だからこそ、
6月25日の申し入れ行動の中では
充分に趣旨説明をさせていただいたはずだ。
この上何が
「文書で申し入れをするように言っているのに、
 聞き入れて貰えない」なのか。
文書を差し出しても
マルコス副委員長の書いた
「名古屋ふれあいユニオン」の「屋」の字が
正確でないと難癖をつけ、
それを認めなかったのは
中村社長のはずである。
名古屋ふれあいユニオンは、
本来なら前日の文書による申し入れで充分なところ、
中村社長自身の要請により、
わざわざ原本を持参して事務所まで出向き、
趣旨説明までしたのである。

中村社長は、
「その方(筆者注:=中村社長を事情聴取した警察官)は
 ユニオン側に行って、
 私の要望を伝えていただきました」と言う。
私たちが
イオス側からやってきた警察官に聞いた言葉は、
「会社側が、
 なんか求めてる文書を出してほしいとか
 言ってるんですけど……」といったものだったと
記憶している。
私は、
中村社長が言っていた
「委任状」など、
緒方さんが当労組に加盟している
事実が分かる資料のことかと思い、
「分かりました」と答えた。
その後、
浅野事務局長が
最後に中村社長に会いに行き、
二言三言言葉を交わして
その場を後にしたと記憶している。

■その後の経緯
さて、
どうして私が上記のように、
すでに半年も前の出来事を
こうして克明に陳述することができたかというと、
イオス事務所から
名古屋ふれあいユニオン事務所に戻ってきた後、
私がイオス・中村社長の
その日の非常識な対応に対する
抗議文を書いていたからだ。
ところがその抗議文の執筆がようやく終わり、
印刷して封筒に入れ、
いよいよポストに投函しようかと思っていたところ、
マルコス副委員長から電話があった。
「緒方さんから電話があって、
 社長が緒方さんに、
 『解雇は撤回するから話し合いましょう。
  でもこのことはユニオンには内緒にしてほしい』と
 言ってきた」というのだ。
私はそれを聞いて、
正直いうと
労働組合の組合員として通告して
団体交渉を申し入れている人間を、
組合の頭越しに会社と個別交渉させていいものだろうかと
悩んだ。
本来ならこれは、
これ自体が組合軽視の不当労働行為、
違法行為である。
もし会社が
緒方さんと話したいことがあるのであれば、
それこそ団体交渉の席で
ユニオンが緒方さんを出席させ、
労使対等の場の中で
話し合いをするべきなのだ。
しかし、
そうして「原理・原則」ばかりを言っていると、
撤回される解雇が
撤回されなくなってしまうかもしれない。
相手はあの中村社長なのだ。
今まさに、
一人の労働者とその家族の
雇用と生活がかかっているのだ。

一人で判断する自身がなかった私は、
浅野事務局長に電話し、
話し合いの結果、
とりあえず本人の雇用の継続を第一に考え、
緒方さんには
翌日「話し合い」に行ってもらうことにしようという
結論に至った。
私はマルコス副委員長にその方針を伝え、
マルコス副委員長を通じて緒方さんに伝えられた。

だから私は、
たとえ中村社長が
「ユニオンが帰った後、
 当社の担当者から緒方さんに
 解雇予告を撤回の通知があったと
 主張していますが、
 そのようなことはありません」と言い張ったとしても、
「通知はあった」という確信を
曲げることができない。
マルコス副委員長からこの知らせがあったからこそ、
私は
今まさに印刷して封筒に入れ、
投函しようとしていた抗議文を
出しとどまったのだ。
その日のうちにその知らせがなければ、
私は遠慮なく抗議文をイオスに送付する予定だった。
それほどイオスの当日の対応は、
非常識極まるものだったのだ。
それをしなかったのは、
解雇撤回の一報が入ったからに
他ならない。

■最後に
その後、
緒方さんは中村社長が作成した、
「自称(名古屋ふれあいユニオン)運営委員長
 酒井 徹が運営する組合らしき組織を訪れ、
 ……担当者数人より強く加入を勧められ、
 そのときはその場の成り行きでよく考えず
 加入してしまいました」などとする
デタラメな「誓約書」への署名を拒絶し、
再びイオスを解雇されてしまった。

労災にあった妻を抱え、
職場復帰を強く望んでいた緒方さんは、
それでも、
真実を曲げ、仲間を裏切り、
事実でないことを事実だということで
自らの職を確保する、
姑息な道を選ぶことはなかった。
たとえ仕事を失っても、
真実を貫き、真実に生き、
労働者の大義を貫く生き方を
緒方さんは選択したのだ。
緒方さんこそまさに、
英雄的労働者と呼ぶにふさわしい。

ひるがえって中村社長のやり方は
どうだろうか。
私はその後、
緒方さんの争議については
担当のマルコス副委員長や浅野事務局長にまかせ、
直接タッチすることはほとんどなかった。
しかし、
私がこの目で見、
この耳で聞いて知っている
6月25日申し入れ行動前後に関しても、
中村社長の陳述は以上のとおり
随所で事実に反しており、
真相を歪曲していることが確認できる。

不実・不正の「誓約書」を、
「仕事」というエサをぶら下げて
緒方さんに強要しようとした中村社長のその心根と、
自らのクビを賭してでも
働く者の誇りにかけて真実を守り抜いた
緒方さんの姿とを、
公正な目で見比べてほしい。
どちらの側に道理があり、
どちらが道理にもとることをやっているのか、
答えは自ずと明らかであろう。

今回の緒方さんの解雇は、
明らかな不当労働行為だと私は確信する。
イオス・中村社長は、
ユニオンに対して
強烈な嫌悪感情を有していた人物であり、
日系ブラジル人労働者への蔑視が
はなはだしい人物だ。
そのことは、
6月25日行動で
中村社長と直接相対した
私が確かに証するものである。


【関連記事】
イオス中村末広社長、ユニオン申入れに暴言連発
イオス事件、名古屋地裁で和解成立


労働組合名古屋ふれあいユニオン
雇用形態や国籍に関わりなく、
愛知県下で働くすべての労働者が一人から加盟できる
地域労働組合(コミュニティユニオン)。
コミュニティユニオン全国ネットワーク
コミュニティユニオン東海ネットワークにも参加。
今年3月に開かれた第10回定期大会では、
連合産別・全国ユニオンへの加盟について討議するとする活動方針を採択。
日ごろから組合員の学習会や交流会・相談会などを
積極的に企画しながら活動している。
現在、組合員数約200名。
組合員は組合費月額1500円。
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by imadegawatuusin | 2008-12-25 16:06 | 労働運動

――随所で事実に反する中村社長の「陳述書」――

■はじめに
名古屋ふれあいユニオン組合員の
日系ブラジル人労働者・緒方忠行さんが
愛知県稲沢市に本社を置く派遣会社・
有限会社イオス(中村末広社長)によって解雇された事件で、
イオスの中村末広社長は12月24日、
名古屋地裁に「陳述書」を提出した。
私は緒方さんの件に関しては
担当の平良マルコス副委員長や
浅野文秀事務局長に任せていたが、
6月25日の団体交渉申し入れ行動には
参加している。
中村社長の「陳述書」はこの6月25日の行動についても
触れているが、
私がこの目で見て、この耳で聞いて知っている事実と
明らかに異なる陳述がなされている。
当日私が目にし、耳にした事実をありのままに書くことで、
以下の通り真実を明らかにしたい。

■申し入れ行動の参加者について
この日6月25日の午前、
私たち名古屋ふれあいユニオンは、
労働組合との団体交渉を引き延ばし、
あるいは明確に拒絶していた
トヨタグループの3企業
豊田スチールセンター愛知製鋼ジェイテクト
に対する抗議行動を、
コミュニティユニオン東海ネットワークに共に結集する仲間である、
管理職ユニオン東海ユニオンみえと共同で行なった。

そしてその帰り道、
ふれあいユニオン副委員長の平良マルコスさんが、
「イオスという会社があるんですけど、
 昨日FAXで団体交渉の申し入れをしたら、
 会社が『直接来い』と言ったんです」と言ったため、
「せっかく委員長や事務局長がこうしてそろっているんだから、
 それならついでにそこに寄ろう」ということになったのである。
トヨタグループ3企業への抗議行動には、
マルコス副委員長の運転するバンに乗って
多くの組合員が参加していたため、
その組合員たちもそのままバンに乗って
有限会社イオスの前に着いたのである。

中村社長はこのことをとらえ、
「当社事務所に6~7人の団体が訪れ」とか
「大勢で……押し掛け」などというのであるが、
事情は以上の通りである。
イオスに対する団体交渉申し入れのために
わざわざ6~7人を引き連れてきたわけではない。
マルコス副委員長のバンに乗ってきた組合員らは
帰りも送り届けなければならないため
そのままついでに同乗させてきただけであり、
ふれあいユニオンは無用の混乱を避けるためむしろ、
「自分も申し入れの様子が見てみたい」と言った
1名の組合員を除く全員をバンの中に残し、
私 委員長の酒井・マルコス副委員長・浅野文秀事務局長の
組合三役を代表者として
イオスの事務所におもむいたのである。
(私の記憶の限りでは、
 残る組合員はイオスの事務所には
 一歩も立ち入っていないはずだ)。

■申し入れ行動開始時について
私たちは、
前日にマルコス副委員長がFAXにて送信した
「通告兼団体交渉申入書」を中村社長に手渡し、
名古屋ふれあいユニオンと団体交渉に応じるよう
中村社長に要請した。
中村社長はこのときの様子について、
「いきなり『団交しろ』と、がなり立てました」と
陳述書の中で述べているが、
明らかに事実に反する。
たしかあのときは、
「通告兼団体交渉申入書」を中村社長に手渡し、
浅野事務局長が
「昨日マルコスがFAXで申し入れをさせていただいたんですが、
 社長の方から直接来てくださいということでしたので……」と
事情を説明するところから始まったはずだ。
いくら何でも、
まるでドラマか漫画の一シーンのように、
人の会社の玄関に入って
「いきなり『団交しろ』と、がなり立て」るはずがない。
実に荒唐無稽でバカバカしい話だ。

■社長が解雇問題についてごまかそうとした件
団体交渉事項は、
組合員である緒方さんの労働時間や休憩時間について、
本人に対する扱い、
そして、
トイレに行きたくてもそれを「ダメ」と言われる……
といった事柄であった。

ところが中村社長は、
自分が緒方さんの雇用主でありながら、
「これは派遣先の問題でうちは関係ない」と
言い出したのだ。
中村社長は陳述書の中で、
「団体交渉をするにしても、
 まずは冷静に話をすればよいことです」などと言っているが、
自分が話し合いを拒否しておいて
その言いぐさはないはずだ。
トヨタグループ3社への抗議行動からイオスに向かう途中で
緒方さんから電話で聞いた「解雇予告通知書」について
問いただしても、
「そんなことは知らない」
(あるいは中村社長のおっしゃるとおり、
 「それは知らない」という言い方だったかもしれない)と言い、
なおも追及したところ、
「その件については緒方さんともう話がついている」と
言い出した。
中村社長は陳述書の中で、
「『緒方とは話がついている』という発言はしておりません」
と言っているが、
この発言については私ははっきりと覚えている。

中村社長は、
「私はTさんに
 (筆者注:「解雇通知書」を)直接緒方さんに渡して、
 署名をもらうように指示しておきましたので、
 送られてきたと言われたので、
 それは変だなと思い、
 『それは知らない』と言いました」などと弁解しているが、
あまりにも苦しい言い訳か、
詭弁の一種であるとしか思えない。
もしそうであるならば、
「送られてきた」と私たちが言ったとき、
「解雇通知書は直接渡したはずです。
 送ってはいません」と
正直に言えばすむことだ。
しかし中村社長からはそうした発言は一切なく、
「解雇通知書が緒方さんに送られてきた」との
名古屋ふれあいユニオンの追及に対し
(追及は1度ではなかったはずだ)、
ただ「知らない」・「話がついている」というばかりで、
私たちとしては
中村社長が話をごまかそうとしているようにしか
思えなかった
(今でもそう思っている)。
繰り返すが、
私たちには
「渡したのであり、送ったのではない」というような説明は、
中村社長からは一切なかったのである。

■マルコス副委員長の言葉遣いについて
中村社長は名古屋ふれあいユニオンの
平良マルコス副委員長が
「『ただじゃおかねぇぞ』と喚き散らし」たと
陳述書の中で述べてている。
「やっぱり、またそういうことを主張するんだな」というのが
私の率直な感想である。
中村社長は6月25日の団体交渉申し入れの際にも、
前日6月24日にマルコス副委員長が
中村社長に電話したときの様子について、
私たちがそれを聞いていなかったのをいいことに、
非常に汚らしい口調でののしられたと主張していた。
(それを聞いた、
 普段は温厚な浅野事務局長がたまりかねて、
 「私たちはマルコスとずっとつきあってますけどね、
  そんな言葉使いをしてるのを聞いたことは
  一回もないですよ!」と
 憤激して中村社長に抗議していたことを
 今でも鮮明に覚えている)。

6月25日の申し入れの際、
団体交渉の開催を拒絶する中村社長を
マルコス副委員長が強い口調で追及したのは事実だし、
それに比べて浅野事務局長が
少しでも話を前に進めようと
懇切丁寧に中村社長を説得しようとしていたことは
事実である。
しかしマルコス副委員長は、
「ただじゃおかねぇぞ」というような、
まるでやくざの脅し文句かと思うような発言は
していない。
特に、
「~しねぇぞ」というような語尾は、
マルコス副委員長の使う日本語の中にはない。
「~じゃないですよ」というのが
マルコス副委員長の口癖である。

私たちはマルコス副委員長が書いた、
「下記の通り団体交渉を申し入れますので、
 応諾願います。
 1.日時 7月1日10時00分
 2.場所 名古屋ふれあいユニオン」と書かれた
「通告兼団体交渉申入書」を示し、
労働組合法に基づき、
団体交渉の開催を応諾するよう
イオス中村社長に迫ったが、
中村社長はブラジル人であるマルコス副委員長が書いた
「名古屋ふれあいユニオン」の「屋」の字が
正確でなかったことをあげつらって
「ここは日本だ」とマルコス副委員長を罵倒するなど、
非常識な対応に終始した。

■その場での団交など求めていないことについて
中村社長は陳述書の中で、
あたかも名古屋ふれあいユニオンがその場で会社と
団体交渉を行なえと迫っていたかのように
書いているが、
単に事実に反するだけでなく、
物証に照らしても、
ユニオンの原則に照らしても
全くありえないことである。
そもそも中村社長はこのとき、
「下記の通り団体交渉を申し入れますので、
 応諾願います。
 1.日時 7月1日10時00分
 2.場所 名古屋ふれあいユニオン」と書かれた
「通告兼団体交渉申入書」を見ていたはずで
(だからこそ「屋」の字が正確でない、
 ここは日本だなどとマルコス副委員長を罵倒できたのだ)、
この点について中村社長は明らかに嘘を言っている。
名古屋ふれあいユニオンは、
有限会社イオスに対して
団体交渉開催の応諾を求めていたのであって、
この場で団体交渉をすぐ開けなどと
求めていたわけではない。
重ねて言うが、
中村社長に渡された「通告兼団体交渉申入書」には、
「下記の通り団体交渉を申し入れますので、
 応諾願います
 1.日時 7月1日10時00分
 2.場所 名古屋ふれあいユニオン」と
はっきり書いてあったはずなのだ。

大体、
この場で団体交渉を開かれても、
当日、申し入れ行動には
当事者である緒方忠行さんが参加していなかったし、
そのような状況で団体交渉が開催されても、
まともな議論が成り立つはずがない。

その場で当事者である緒方さんを抜きにして
「話し合い」(「団体交渉」ではない!)を行なおうとしたのは、
むしろ中村社長の方だった。
自ら陳述書の中で述べているとおり、
中村社長は
「押し問答の末、
 ……事務局長の浅野氏なら冷静に話ができるかと思い、
 浅野氏となら話し合いに応じてもよい、と言」い出したのだ。

しかし、
そこからの先の展開については
中村社長の陳述書は事実と若干違っている。
私・酒井の発言内容と、
浅野事務局長の発言内容とが、
正反対になっているのだ。

中村社長は浅野事務局長との
二人だけの「話し合い」提案後のやりとりについて、
「浅野氏が私の提案に応じ、
 二人の話し合いに入ろうとしましたところ、
 隣にいた委員長の酒井氏が
 『それはダメだ。
  全員との団交でなければダメだ。』と言って、
二人の話し合いを拒否しました」と述べている。

実は、
中村社長が浅野事務局長と
二人だけの(「団体交渉」ではない)「話し合い」を提案してきた際、
それに危うく飛びつきかけてしまったのは、
恥ずかしながら私・酒井の方であり、
これをきっぱりと拒絶したのが
浅野事務局長の方だったのだ。
運営委員長の立場にありながら、
私は労働組合員としての活動歴も極めて短く、
万事において非常に未熟であった。
目の前にいる中村社長が
あまりにも頑強に「団体交渉」の開催に抵抗するため、
とりあえず糸口だけでもつかめればと、
ついつい中村社長の提案に
乗せられそうになってしまったのだ。
しかし
長年にわたり労働組合活動に携わってきた
浅野事務局長の判断は違っていた。
そもそも当事者である緒方さんもいないのに、
この場でいきなり話し合いなどできるはずがない。
当事者である緒方さんを含め、
労働組合として会社と団体交渉を行なうことが筋であると、
浅野事務局長はあくまで主張したのである。
私はそれを聞き、
性急にことを進めようとするあまり、
当事者抜きの「ボス交」で話を進めようとしかけてしまった
自分の未熟さ・愚かさを本当に痛感させられた。
このことは今でも、
自分の中での反省点として
非常に貴重な教訓となっている。
だから中村社長の言う、
「浅野氏が私の提案に応じ、
 二人の話し合いに入ろうとしましたところ、
 隣にいた委員長の酒井氏が
 『それはダメだ。全員との団交でなければダメだ。』と言って、
 二人の話し合いを拒否しました」というのは
明らかに事実に反する。
中村社長の提案した
当事者抜きの「話し合い」に私・酒井が同意しかけたのを、
浅野事務局長が反対し、
止めたというのが事実である。
この日のやりとり全体としては、
温厚な浅野事務局長は中村社長に
丁寧な物腰で接していたのに対し、
頭に血が上りやすい私は
中村社長の不誠実な姿勢を厳しく責め立てていたため、
中村社長の頭の中ではこのときのやりとりも
「浅野事務局長が応じそうになったのを、
 酒井が止めた」という記憶に
すり替わってしまったのかもしれない。
しかし、真相は全くの逆であったのである。

■団体交渉を求めた正当性について
中村社長は陳述書の中で、
「私は、
 こんなことでは話もできませんので、
 文書で申し入れをしてくれ、と言いましたが、
 『団交が先だ。』と言って、
 何ともなりませんでした」と述べている。
しかし名古屋ふれあいユニオンは、
その前日の6月24日にすでにマルコス副委員長が
文書による申し入れをFAXで行なっている。
当日6月25日もその原本を中村社長に手渡して
団体交渉の応諾を求めていたのであり、
「この場で話し合いをしろ」などと
主張していたわけではない。
(前述したとおり、
 それを求めたのはむしろ中村社長の方であった)。
すでに文書による申し入れを
行なっているのだから、
次はイオス側の団交応諾が「先だ」と
私たちが主張するのは
実に当然の道理というものだ。
私たちが団体交渉の申し入れを
文書で行なっている
(そしてその趣旨説明はその場で行なっている)
にもかかわらず、
「名古屋ふれあいユニオン」の「屋」の字が
正確でなかったことをあげつらい、
それを正式な文書と かたくなに認めなかったのは、
中村社長の側に他ならない。
中村社長は、
労働組合法に基づいて
団体交渉の開催を求める当労組の当然の要求に対し、
「団体交渉は暴力だ」、
「おたくらのやっていることは洗脳だ」など
あらん限りの暴言を繰り返した上、
労働組合を弁護士か何かと勘違いしたのか、
「緒方さんの委任状がないから」などと称して
団体交渉を拒絶する意思を
繰り返し表明していた。
仕方がないので私たちが、
「緒方さんの加入届をそちらに示せば、
 団体交渉に応じてくれるのですか」とたずねても、
「加入届ではなく委任状を出してほしい」と言い、
「委任状を出せば
 団体交渉に応じてくれるのですか」と聞くと、
「団体交渉などの形ではなく、
 裁判とか、そういう方法でやる」と言ったのだ。
私・酒井が思わず、
「普通の会社なら、
 すぐに団体交渉に応じますよ」と言ったことに対し
中村社長は、
「それはおたくの脅迫・威圧に
 屈したところだけだ」などと、
あたかも私たち名古屋ふれあいユニオンを、
脅し・たかりを生業とする暴力集団などと
同列視するかのような暴言に及ぶにいたっては、
本当に唖然としたことを覚えている。
そして中村社長は今回の陳述書においても、
さらにこのような主張をエスカレートさせている。

中村社長は陳述書の中で、
私の記憶している
「まともな労働組合かどうか判らない」・
「団体交渉は暴力だ。」・
「おたくらのやっていることは洗脳だ。」などといった
発言について、
「正確な言葉は記憶にないですが、
 これに近い発言はしています」と認めた上で、
「何しろ大勢でいきなり押し掛け、
 事務所に大声で
 『団交しろ』『団交しろ』とがなり立てられましたので、
 完全に業務妨害行為です。
 最近は暴力団でもこんなことはしません。
 右翼も街宣車でがなり立てることはあっても、
 事務所に押し掛け、
 事務所内でがなり立てるなどということまでは
 普通はしません」と述べている。

まず話の前提としてはっきりさせなければならないことは、
私たちは好きこのんで
イオスの事務所を訪れたわけではない
ということだ。
マルコス副委員長はFAXにより、
「通告兼団体交渉申入書」を
イオスに送っていたのである。
ところが中村社長は
日系ブラジル人であるマルコス副委員長の
言葉遣いに難癖を付け、
「どこの誰か知らない相手に
 電話で答える必要はない」などと
回答を拒否したため
(「通告兼団体交渉申入書」には、
 「担当役員」が
 「名古屋ふれあいユニオン」の
 「副委員長 平良マルコス」であることが明記され、
 ユニオンの事務所の所在地も
 きちんと書いてあったのであるが)、
マルコス副委員長の側が
「申入書を持参すればよいか」と譲り、
中村社長が「それでよい」と言ったのである。
私たちは事前に中村社長の了承を取り付け、
中村社長の求めによって
渋々イオスにおもむいたのだ。
それを、
「大勢でいきなり押し掛け」たと表現するのは
いかがなものであろうか。
中村社長がFAXを受け、
労働組合法に基づき団体交渉の開催を応諾すれば、
私たちは何もわざわざ
「大勢でいきなり押し掛け」る必要は
なかったのである。
(そもそも、「大勢」と言っても前述のとおり、
 イオスの事務所に立ち入ったのは
 わずかに4名。
 混乱を避けるため私たちは、
 その他の組合員を
 マルコス副委員長のバンの中に
 待機させていた。
 イオスの事務所には当時、
 社長・事務員も含め4人程度はいたはずで、
 「大勢」おしかけたというのも
 ためにする批判だと言わざるをえない)。
自分で来いと呼びつけておきながら、
行ったら行ったで
「暴力団でもこんなことはしません」と
まるで自分が被害者であるかのような顔を
されるのではたまったものではない。

「事務所に大声で
 『団交しろ』『団交しろ』とがなり立てられました」
というのもひどい言い分だ。
中村社長が労働組合法に反し、
かたくなに団体交渉の開催を応諾しなかったため、
確かに私も声は大きくなった。
マルコス副委員長に関してもそうだった。
その点は率直に私たちも認めるところだ。
しかし、
「『団交しろ』『団交しろ』」などと、
ただひたすら特定のせりふを
がなり立て連呼するような
幼稚な抗議手段をとるような流儀は
名古屋ふれあいユニオンにはない。
(屋外から会社に向けての
 シュプレヒコールならともかく、
 屋内で、
 まさに目の前に相手がいるというのに
 そのような非生産的なことを
 するわけがない)。
中村社長の頭にきちんと入ったのかどうかは
やや不安な部分もあるところだが、
私たちは、
団体交渉は憲法・労働組合法で認められた
労働組合の基本的な権利であること、
団体交渉拒絶は明確な法律違反であることを
懇切丁寧に
何度も何度も中村社長に説明した。
中村社長がそれを受け、
「わかりました。
 団体交渉をやりましょう。
 日取りと場所はあとで電話で相談しましょう」
とでも一言言えば
(別に私たちは
 「7月1日・名古屋ふれあいユニオン事務所」に
 特別拘泥していたわけではないし、
 当日もそのような発言は一切していない)、
私たちは
「それじゃぁ、よろしくお願いします」と、
即刻イオスの事務所から引き上げることができたのだ。

そもそも中村社長の言い分には、
自分たちが団体交渉拒否という
法律違反を犯そうとしていたという認識が
決定的に欠けている。
もしもある人が
ファミリーマートで万引きをしたことが
店員に発覚した場合、
その人はファミリーマートの店員から、金を払うよう
厳しい口調で何度も何度も求められることだろう。
なぜなら万引きは法律違反であり、
その人にはファミリーマートにお金を払う
義務というものがあるからである。
法律違反をした人間が、
その被害者から大きな声で責められるのは
当然である。
それを、
「業務妨害行為」とか
「最近は暴力団でもこんなことはしません」などと
被害者づらしてファミリーマートに食ってかかれば、
それこそ「逆ギレ」と言うものではないか。

団体交渉の拒絶も同じである。
労働組合法は第7条にて、
「使用者が雇用する労働者の代表者と
 団体交渉をすることを
 正当な理由がなくて拒」むことを
明確に禁じているのであり、
使用者には
「雇用する労働者の代表者と
 団体交渉をする」義務がある。
労働者を雇っておきながら団体交渉に応じたくないというのは、
店で商品を買いながらお金を払いたくないというのと同様、
実に図々しい言い分なのだ。

穏便にFAXで文章を送っても直接来いと言い、
行ったら行ったで団体交渉を拒絶し、
労働組合がそれに抗議すると
「押し掛け」られた、
「がなり立てられ」た、
「完全に業務妨害行為」だ、
「最近は暴力団でもこんなことはし」ない
などと言い立てる中村社長に、
私は、
それが「まともな会社」のすることなのかと
問うてみたい。
(中村社長は名古屋ふれあいユニオンを、
 陳述書の中でもなお
 「まともな労働組合とは到底思えません」と
 述べている。
 しかし、
 団体交渉を拒絶されて
 抗議のひとつもしないようでは、
 それこそ「まともな労働組合ではない」
 御用組合というものである。
 名古屋ふれあいユニオンは、
 集団的労使関係の確立を通じて
 労使紛争を解決させることをもって
 本分としており、
 それだけに、
 その基本中の基本である
 団体交渉を拒絶する企業に対しては
 厳しい姿勢で臨んでいる)。
その2に続く→
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by imadegawatuusin | 2008-12-25 05:59 | 労働運動

――「クビ切るな!」「生きさせろ!」――
名古屋ふれあいユニオン 三河支部・トゥエンティファースト分会

■解雇攻撃のラッシュ
トヨタデンソーグループの部品会社・アンデン
岡崎工場内の「請負」会社
トゥエンティファースト(代表取締役:小泉一秀)

11月3日に4名、
12月1日に10名の労働者に解雇を通告した。
さらに今後、
アンデン岡崎工場で親会社と
トゥエンティファーストを含む
2つの「請負会社」計3社で
83名の解雇計画が予定されている。

ブラジル人組合員40名がいる
トゥエンティファースト分会は、
これまで有給取得の闘いなどで
団結を強めてきた力を基礎に
これに対する反撃に立ち上がった。

トヨタ・ホンダソニーなど大資本が
非正規切りのラッシュをかける中、
豊橋や浜松の橋の下・安城の公園では
ブラジル人労働者がホームレスとなっている。
名古屋ふれあいユニオン組合員は、
こうした外国人労働者に炊き出しをと、
豊橋国際交流センターに訴えている状況だ。

■大衆団交で反撃の声を上げる
12月18日、
岡崎勤労会館に会社当局5名、
組合側役員5名と分会員6名で
大衆団交を実現した。

会社側取締役は何と、
現場従業員は契約社員で(いつからいつまでの?)、
事務所のブラジル人だけが正社員であると
暴論を述べた。
期間の定めなく、
長年「請負」会社の社員として働いてきた
組合員と役員全員がこれに怒った。
そして当該分会員も、
「9年も常用で働いてきたのに何故クビなのだ!」とか、
「自分のラインの仕事が減るから解雇と言ったが
 そのラインに他から人を連れてきて
 働いているではないか」とか、
「他のラインで人手不足のところがあるのだから、
 クビにしないでそこに回せ!」と
口々に怒りをたたきつけた。
そしてもし解雇を撤回しなければ
裁判も準備している旨突きつけると、
会社は通告を持って帰って検討しなおす、と
答えざるをえなかった。

■組合に結集し団結して闘おう!
全ての労働者はブラジル人も日本人も
労働組合・名古屋ふれあいユニオンに結集して闘おう!

私たちトゥエンティファースト分会は
ユニオンみえの「光精工の仲間のように闘おう」を
合い言葉にしています。
また、
京品ホテルの自主営業闘争に連帯して
ポルトガル語で書いた檄布を送っています。

ホームレス化しているブラジル人の仲間を救え!

トヨタ・ソニーなど大資本による
派遣・非正規切りを許すな!


【関連記事】
トヨタ下請けで働く日系ブラジル人の実態
トヨタ系アンデンで直接雇用求め提訴へ


職場の理不尽を許さない、強く優しい地域労組の建設を!
愛知県下の未組織労働者は名古屋ふれあいユニオンに結集し、
愛知県に人権労働運動の灯をともそう!



労働組合名古屋ふれあいユニオン
雇用形態や国籍に関わりなく、
愛知県下で働くすべての労働者が一人から加盟できる
地域労働組合(コミュニティユニオン)。
コミュニティユニオン全国ネットワーク
コミュニティユニオン東海ネットワークにも参加。
今年3月に開かれた第10回定期大会では、
連合産別・全国ユニオンへの加盟について討議するとする活動方針を採択。
日ごろから組合員の学習会や交流会・相談会などを
積極的に企画しながら活動している。
現在、組合員数約200名。
組合員は組合費月額1500円。
賛助会員(サポーター)は年会費5000円。
住所:〒460‐0024
    愛知県名古屋市中区正木4-8-8 メゾン金山711号室
    (JR・地下鉄・名鉄金山駅下車 名古屋ボストン美術館の向かい)
電話番号:052‐679‐3079(午前10時~午後6時)月~金
ファックス:052‐679‐3080
電子メール:fureai@abox.so-net.ne.jp
郵便振替 00800‐8‐126554
ホームページ
http://homepage3.nifty.com/fureai-union/
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by imadegawatuusin | 2008-12-23 17:53 | 労働運動

――トヨタグループ鋼材メーカーのお粗末な主張――

■槻本分会長が「職場の責任者」!?
愛知県の個人加盟制労働組合名古屋ふれあいユニオンが、
トヨタグループの鋼材メーカー・愛知製鋼の偽装請負を
追及してきた問題で、
愛知製鋼側は何と、
一現場作業者であった
槻本力也分会長(名古屋ふれあいユニオン知多分会)を
「職場の責任者」であったと強弁し、
槻本分会長に対する指揮命令を、
下請会社の責任者に対する業務指示であったと居直る書面を
愛知県労働委員会に提出した。

愛知製鋼は
愛知県労働委員会に提出した「準備書面(4)」において、
「槻本は炉整職場の責任者であり、
 被申立人(筆者注:=愛知製鋼)は槻本を通じて
 炉整に関する指示・連絡等をしていた」と主張、
それを前提に
「炉整において
 いわゆる偽装請負という実態はなかったのである」
との結論を導き出している。

しかし、
槻本さんが炉整職場の責任者であった事実は
一切ない。
ただ、
炉整職場に長く働いていただけである。
そもそも槻本さんは、
愛知製鋼の一次「下請」である
アイチセラテック(アイセラ)の社員でもなければ、
二次「下請」である三築の社員ですらない。
その「下請」であるH工業の社員であった。

当時、炉整職場では、
Mさん(当時:三築、現在:H工業)・槻本さん(H工業)・
Tさん(当時:A工業、現在:H工業)・Iさん(A工業)の
4人の「下請」社員が、
愛知製鋼社員の指揮命令のもとで混在しながら働いていた。
槻本さんの日当は当時1万3千円であり、
通常職場の責任者であれば付くはずの
「責任者手当」なども一切付いていなかった。
ちなみに、
同じ職場で働いていた「下請」社員であるMさんの
当時の日当は1万2千円、
軽作業である「テープ巻き」に従事していたIさんは
日当1万円、
そして、
Tさんの日当は1万6千円であり、
愛知製鋼が「責任者」と称するところの槻本さんより、
Tさんの方が同じ「下請」社員でありながら
日当が3千円も高かった。
このこと一つを取ってみても、
槻本さんが炉整職場の責任者でなかったことは
一目瞭然である。

なお、
愛知製鋼が作成した「請負チェックリスト」の中で、
槻本さんは「安全担当員」とされている。
しかしこれは、
「請負チェックリスト」作成者が
一方的に名付けただけのことであり、
職場内での実態を伴ったものではなかった。
愛知製鋼構内では
安全担当者は「安全衛生」と書かれた腕章を
つけることが義務づけられているが、
槻本さんはこれをもらったことがなく、
付けていないことを注意されたこともない。

また愛知製鋼は、
槻本さんのみならず、
炉整職場で働いていた三築(当時)のMさん、
A工業(当時)のTさん、
A工業のIさんにも日常的に直接指示を行なっていた。

■「下請」社員が愛知製鋼社員を「指揮命令」!?
また愛知製鋼は、
平成19年5月15日から炉整職場でKという愛知製鋼社員が
槻本さんらと混在して働いていたことについて、
「準備書面(4)」において次のように主張している。

被申立人(筆者注:=愛知製鋼)従業員が配属されたのは、
炉整職場の下請企業の従業員が無断欠勤を継続し
作業者が足らなくなり、
作業者を補充しなければならなくなったところ、
既に炉整の内製化が決定されていたので、
(筆者注:平成19年5月15日から)
下請企業の従業員ではなく被申立人従業員を配属した


確かに当時、
「炉整職場の下請企業の従業員」である
A工業のIさんが
「無断欠勤を継続し作業者が足らなくなり、
 作業者を補充しなければならなくなった」ことは
事実である。
しかし、
愛知製鋼は「下請企業」からの要請を受けて
従業員を炉整職場に送り込んだわけではない。
当時、
愛知製鋼社員のKが足にケガをして骨折しており、
従来受け持っていた炉整備の現場作業ができず、
愛知製鋼産業医が
Kに軽作業しか認めなかったという事情があった。
ちょうど、
Iさんのやっていた「テープ巻き」は、
いすに座ったままの軽作業で足に負担がかからないため、
愛知製鋼の側の都合で送り込まれてきたものであった。

Iさんが従来行なっていた「テープ巻き」は、
やり方の指導をするものさえいれば
座ったままでできる軽易な作業のため、
「下請企業」側には替わりの人員はいくらでもいた。
結局 労働者の入れ替えは愛知製鋼の決定事項であり、
「下請」側が勝手に労働者の入れ替えを行なおうとしても、
愛知製鋼設備課の島田室長が認めないと行なえない。
Kの炉整職場での就労は、
愛知製鋼が事実上、
炉整職場における人事権を実質的に掌握しており、
「下請企業」側は被申立人の要請を
断ることが難しかった事実を鮮やかに示すものである。

さすがに愛知製鋼は、
この社員Kが槻本さんらと混在しながら働いていた事実は
認めざるをえなかった。
ところが何と愛知製鋼は、
この社員Kが「槻本の指揮命令のもとで就業していた」と
主張しだしたのである。

愛知製鋼の三次「下請」の従業員である槻本さんが、
愛知製鋼の従業員を指揮命令することなどあり得ない。
槻本さんは愛知製鋼の島田室長から、
「Kにテープ巻きを教えてくれ」と命じられたため、
Kにそのやり方を教えていたまでである。

社員Kは槻本さんと違い、
テープ巻きの作業に従事したことがなかった。
当時、テープ巻きについては
愛知製鋼の社員でわかるものがなかった。

とはいえ、この作業は
以前は愛知製鋼の女性社員が
受け持っていたものであった。
槻本さんはこの女性社員から
「テープ巻き」のやり方を教えてもらったのである。

そもそも槻本さんには
「テープ巻き」の技術は一切なく、
愛知製鋼の女性社員からやり方を教わらない限り、
槻本さんがこれを習得することはできなかった。
槻本さんが社員Kに対してなしていたことが
「指揮命令」というのであれば、
槻本さんも愛知製鋼女性社員から
指揮命令を受けていたことになる。

その他、
槻本さんが炉整職場で受け持っていたコイルの整備作業も、
社員Kを含む複数の愛知製鋼社員から教わったものである。
槻本さんは愛知製鋼社員から教えてもらうまで、
コイルの整備については一切の技術を持っていなかった。
槻本さんが社員Kに対して行なったことが
「指揮命令」というのであれば、
槻本はコイルの整備について、
社員Kを含む複数の愛知製鋼社員から
指揮命令を受けていたことになる。

なお、
社員Kの炉整職場における「テープ巻き」作業への従事は、
あくまでKが足をケガし、
愛知製鋼が社員Kを
軽作業に従事させなければならないという必要性から
させたものであり、
「既に炉製の内製化が決定されていた」ことは
関係のないことである。
その証拠に社員Kは、
足のケガが治ると、
炉整の内製化計画とは無関係に
従来の炉整備の現場作業に復帰していった。
そして、
現在もなお、
「炉整の内製化」など実施されていないのである。

■愛知製鋼内リフト事故の真相
愛知製鋼は「準備書面(4)」において、
三次「下請」・Kシステムの従業員・Yさんが
リフトの運転免許を持っていなかったにもかかわらず
リフトの運転をさせられ、
事故にあったことについて、
次のように主張している。

Yは偽造したリフト運転免許証を使用して
リフトの運転をしていたものであり、
その点で
「Y・・はリフトの免許を持っていないにもかかわらず、
 リフトに乗って作業してい・・た」のである。


しかしこれは、
Yさんが望んでやったものではなく、
三築の大久保文和社長の指示によるものであった。
そもそもYさんには、
運転免許証を偽造する技術などはない。
Yさんは一般の現場作業員の募集に応じて
面接を受けたにもかかわらず、
「リフト作業の空きがあるから」として、
三築・大久保社長により
強引にリフト作業をやらされていたのである。
Yさんに免許がないことは、
Kシステムの社長や三築の大久保社長も知っていた。
Yさんの履歴書には
免許証については持っていないと書いてある。
現場でも、
Yさんは免許証を「持っていない」と認識されていた。
「偽造したリフト運転免許証」を持っていたという事実はなかったか、
あるいは
三築の大久保社長かKシステムの社長が
免許証の顔写真部分だけを変えたコピーを取り、
愛知製鋼に報告していたものと思われる。

そもそもYさんが自らそのようなことをするメリットは全くなく、
三築やKシステムにおいては当時、
リフト運転免許証を持っていることによって
日当が上がるといったことも一切なかったのである。

■五針縫うケガは『大したことがない』!?
愛知製鋼は「準備書面(4)」において、
KシステムのNさんが労災にあったことについて、
「Nの受傷状態は、
 直ちに病院で治療を受けなければならないようなものでは
 なかった」と主張している。
しかし、
Nさんの受傷が、
5針縫うものであったことはまちがいない。
愛知製鋼においては、
受傷者が自社の従業員であった場合、
指を切断したり足が骨折して歩けなくなっても、
「休むと休業災害になる」として
「何もしなくてもいいから出勤しろ」・
「事務所に座っているだけでいいから」などという指導が
なされている。
そうした実態を基準に考えるならば、
なるほどNさんの受傷状態は愛知製鋼ににとって
『大したことがない』ものであったかもしれない。

愛知製鋼においては管理者が、
ケガをした社員の自宅まで行って、
受傷者を職場につれてくる。
受傷者は松葉杖をついてでも、
「休業災害」の発生を防ぐため、
職場に出勤しなければならない。

保全職場の愛知製鋼従業員・Yさんは
3年ほど前、旋盤に指を巻き込まれ、
指の神経が切れるくらいの大けがを負った。
完治するのに1年以上かかったが、
休業災害にはなっていない。
必ず毎日出勤していたのを
槻本さんは確認している。

また、
2調のシャフト炉の積み込み作業に従事していた
愛知製鋼従業員が2年ほど前、
「休業災害」を出さないために松葉杖をついて、
管理者の送り迎えで毎日出勤させられていたのを、
H工業社員が
「気の毒だなあ。
 大変だなあ。
 仕事もできないのに会社にだけは来さされる」と
槻本さんに報告している。

さらに5年ほど前、
H工業の「下請企業」であるN社のBさんという男性社員は、
五鍛工場の検査ラインで指を巻き込まれ、
何日も休む大けがをした。
しかし愛知製鋼構内においては労災が使えないため、
治療費や休業補償を
N社が全て負担せざるを得ず、
その後もBさんの生活保障のため、
N社はBさんを同社の電話番として使用し続けている。
こうしたことはすべて、
愛知製鋼が自社内における労働災害を
見せかけ上出さないようにするため、
労災保険の使用を厳しく制限しているためである。
愛知製鋼構内における労働災害について
労災保険を適用すると、
「下請企業」は愛知製鋼から仕事を減らされるため、
「労災は隠す」風土が慣例となってきたのである。

■「偽装請負はなくなった」のか
愛知製鋼は「準備書面(4)」において、
「愛知労働局の指導後は、
 偽装請負と評価される疑いのある偽装形態はない」と
主張している。

愛知労働局の指導後、
ユニオン分会長である槻本さんの就業する
炉整職場についてだけいえば、
確かに偽装請負はかなり改善されたようである
(これ自体がユニオン活動の成果であるが)。
しかし他の現場は、
労働局指導の以前も以後も
ほとんど変わることがなかったという。

1年前の愛知労働局の指導後、
アイセラの「請負」から、
急きょ各「下請」企業直轄の「請負」に
切り替えられていた現場が、
ついに適正な「請負」形態にすることができず、
今年12月から結局「派遣」に切り替えられた。
具体的には、
H工業の「請け負っていた」工機、
M社の「請け負っていた」全現場、
B社の「請け負っていた」六鍛の大部分が
「請負」から「派遣」に切り替えられた。

旧三築関連以外では、
愛知製鋼構内におけるリフト作業が
今年12月から全て派遣に切り替えられた。
リフト作業は結局の所、
愛知製鋼の指揮命令と無関係に就業することが
困難であることを愛知製鋼自らが認めた形である。

愛知労働局の指導後もこれまで、
これらの現場においては実態として、
偽装請負が継続していたのだと考えるのが自然である。
これらの現場では、
契約形態こそ切り替えられても、
実態としてはほとんど変わらない就業形態の中、
4年から5年にわたり働いている労働者が多い。

■孫請け会社に直接「業務指示」をしていないのか
愛知製鋼の子会社であるアイセラは、
愛知製鋼から請け負った業務を
Kシステム・F工業・T産業などに孫請けさせている。
愛知製鋼は「準備書面(4)」において、
「アイセラに請負わせた業務指示等は全て
 アイセラに対して行っており、
 Kシステム、F工業、T産業に対して行ったり、
 また直接作業者に対して行ったりしてはいない」と
主張している。

しかしKシステム・F工業・T産業などの「請負」現場は、
現場の境界が不明瞭であり、
同じ建屋の中によその会社もいる状況の下、
アイセラにその実力がないため、
業務指示も愛知製鋼社員が
直接行なわなければならないことが
多々あるというのが実態である。

これらの現場を受け持つアイセラの従業員は、
全て合わせても5・6名しかおらず、
その中で現場で実際に業務指示が行なえる実力を持った従業員は
一人しかいないと槻本さんは証言する。
例えば、
その社員が昼勤に回った場合、
「下請」企業に対して業務指示等が行なえる従業員が
夜勤にはいなくなる。
このような中、
愛知製鋼社員が直接、
「孫請け」に当たるはずのKシステム・F工業・T産業各社に対し
業務指示を行なうことが不可避な状況にあるというのだ。

■「出向」と告げられた派遣社員Kさん
名古屋ふれあいユニオン組合員・Kさんは、
当初「出向」と告げられていたにもかかわらず、
名古屋ふれあいユニオンが
不当労働行為救済申立を行なうと、
愛知製鋼への「派遣社員」であると突如説明を変えられた。

これについて愛知製鋼は、
「準備書面(4)」の中で
次のように主張している。

被申立人(筆者注:=愛知製鋼)が、
他企業から鍛造工場作業従事者を
出向者として受け入れた事実など全くない。
Kについては、
・・・…被申立人は、S社から、
平成19年4月26日以降派遣法に基づく派遣社員として
受け入れているものである


これは明らかにデタラメな主張である。
そもそもKさんは
「平成19年4月26日以降
 派遣法に基づく派遣社員」になったなどという説明を
受けたこともないし、
派遣法で交付が義務づけられている
派遣労働者用の労働条件通知書なども、
一切受け取った事実がない。

Kさんは平成18年11月半ば、
愛知製鋼の元従業員で当時はS社の部長であった
N氏(現在S社の所長)から、
「11月から君はアイセラに出向になっている」と聞かされた。
しかし実態は、
11月の以前と以後で
Kさんの就業形態は
特に変わるところがなかったことから、
KさんはS社の社長に問いただした。
S社の社長はこれに対し、
「アイセラに出向にしているのは契約上だけだから、
 給料は今まで通りで変わらない」との回答した。
KさんはS社社長から、
「形だけのことだから、
 給料は変わらないがそういうことにしておいてくれ」と、
何度も念を押すようにそのように言われたという。
ちなみにKさんは
平成17年5月30日から現在に至るまで3年以上、
同一現場で同一作業に従事しており、
愛知製鋼社員から指揮命令を受ける就業形態も
就業開始時から全く変わっていないのである。

■現場労働者の声を安全衛生対策に生かせ!
愛知製鋼は、構内で労災事故が多発しているとの
名古屋ふれあいユニオンの主張に対し、
次のように主張している。

確かに申立人(筆者注:名古屋ふれあいユニオン)主張のように
平成18年1月に3件の災害が発生したが、
死亡事故はない。
過去に被申立人(筆者注:名古屋ふれあいユニオン)内で
死亡事故(構内での死亡事故である)が発生したことは
申立人主張のとおりである。
この事故につき、被申立人は、
被災者名は個人情報保護法により仮名としているが、
事故原因等は安全ニュース等をもって明らかにしているし、
安全衛生委員会や下請企業を含む工場全体の活動を通じて
事故防止活動に努めている


愛知製鋼は、
「平成18年1月に3件の災害が発生したが、死亡事故はない」
と主張している。
しかし、
ユニオンの主張する3件の災害は
平成20年1月に発生したものであり、
平成18年1月ではない
(単純な誤植だと思うが)。
また愛知製鋼は、
「過去に被申立人内で
 死亡事故(構内での死亡事故である)が
 発生したことがあることは
 申立人主張のとおりである」と、
あたかもそれより「過去」に
死亡事故が発生したかのように主張しているが、
この事故が起きたのは、
平成20年1月のわずか1ヶ月前である
平成19年12月のことであり、
事故も単純な交通事故ではない。
この際、
愛知製鋼構内で発生した死亡事故は、
轢き逃げであったとのことである。
事故を起こした車もサイドフォークという作業車であり、
一般車両ではなかった。

愛知製鋼では、
死亡事故が発生したにもかかわらず、
当日 朝礼などでも一切報告はなかった。
知多分会の分会長である槻本さんは、
「自分は過去に新日鐵でも働いていたけど、
 新日鐵では死亡事故が起きたときには
 ラインを全部止めて、
 各職場ですぐに安全ミーティングをした経験がある。
 愛知製鋼は『安全第一』とか書いているわりに、
 人が死んでも淡々と作業が進んでいく。
 異常な感じがした」と語っている。

愛知製鋼は
「安全衛生委員会や下請企業を含む工場全体の活動を通じて
 事故防止活動に努めている」としているが、
安全衛生委員会に参加できない
名古屋ふれあいユニオンの組合員の声は、
こうした活動に一切反映されることがない。


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「クビ切るな!」「生きさせろ!」12・23緊急行動へ!
主催:同準備会
(呼びかけ:名古屋ふれあいユニオン・ユニオンみえ・JMIU愛知地本ほか)
日時:12月23日11時から集会 11時45分ごろからデモ
場所:西柳公園(名古屋駅下車)



労働組合名古屋ふれあいユニオン
雇用形態や国籍に関わりなく、
愛知県下で働くすべての労働者が一人から加盟できる
地域労働組合(コミュニティユニオン)。
コミュニティユニオン全国ネットワーク
コミュニティユニオン東海ネットワークにも参加。
今年3月に開かれた第10回定期大会では、
連合産別・全国ユニオンへの加盟について討議するとする活動方針を採択。
日ごろから組合員の学習会や交流会・相談会などを
積極的に企画しながら活動している。
現在、組合員数約200名。
組合員は組合費月額1500円。
賛助会員(サポーター)は年会費5000円。
住所:〒460‐0024
    愛知県名古屋市中区正木4-8-8 メゾン金山711号室
    (JR・地下鉄・名鉄金山駅下車 名古屋ボストン美術館の向かい)
電話番号:052‐679‐3079(午前10時~午後6時)月~金
ファックス:052‐679‐3080
電子メール:fureai@abox.so-net.ne.jp
郵便振替 00800‐8‐126554
ホームページ
http://homepage3.nifty.com/fureai-union/
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by imadegawatuusin | 2008-12-21 23:18 | 労働運動

――11時から西柳公園で集会・デモ――

■所属団体の違い越え、ミッドランドにデモ行進!
トヨタ関連企業など製造業を中心に、
今、猛烈な「派遣切り」・「非正規切り」の嵐が
吹き荒れています。
製造業に多く見られる
仕事と寮がセットになった
「住み込み派遣」の労働者たちは、
クビ切りと同時に住まいも失い、
まさに路上にたたき出されようとしています。

外国人労働者を含むほとんどの派遣労働者が
関連下請け企業において、
不安定な雇用形態を強いられてきた事実も
見逃せません。
豊田鉄工では210人にも及ぶ派遣社員の、
トヨタ下請け光精工では320人の「期間従業員」の、
デンソーグループのアンデンでも
「請負」労働者の大量解雇が目論まれています。
最低賃金以下の給料で朝から晩まで働かされ、
経営者の一存で強制帰国させられてしまう
外国人「研修生・実習生」にも
不況の波が押し寄せてきました。

トヨタに象徴される大企業はこれまで、
低賃金で過酷な労働に従事してきた
非正規労働者の上前をはね、
膨大な内部留保を溜め込んできました。
「大幅減益」が叫ばれる今期も、
トータルすればトヨタ自動車は
5100億円もの利益を見込んでいます。

トヨタは今こそ
13兆円の内部留保の一部を取り崩すなど
これまでのぼろもうけをはき出し、
今まで成長を下支えしてきた
下請け・非正規雇用労働者たちの雇用と生活を
守るべきです。

東海地方で
非正規雇用労働者の権利確立に取り組んできた
名古屋ふれあいユニオン
ユニオンみえ連合全国ユニオン加盟)、
JMIU愛知地本(全労連JMIU加盟)の三労組は、
所属労働団体の違いを超えて共同し、
「クビ切るな!」「生きさせろ!」12・23緊急行動を
呼びかけました。
12月23日午前11時、
名古屋駅前西柳公園(通称:オケラ公園)で集会を行ない、
トヨタ・ミッドランドスクエアに向けてデモ行進を行ないます。
呼びかけに応えた労働組合・民主団体によって構成される
準備会が主催します。

12・23緊急行動に結集し、
「派遣切り」・「非正規切り」を跳ね返そう!


「クビ切るな!」「生きさせろ!」12・23緊急行動
主催:同準備会
(呼びかけ:名古屋ふれあいユニオン・ユニオンみえ・JMIU愛知地本)
日時:12月23日11時から集会 11時45分ごろからデモ
場所:西柳公園(名古屋駅下車)



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労働組合名古屋ふれあいユニオン
雇用形態や国籍に関わりなく、
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地域労働組合(コミュニティユニオン)。
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今年3月に開かれた第10回定期大会では、
連合産別・全国ユニオンへの加盟について討議するとする活動方針を採択。
日ごろから組合員の学習会や交流会・相談会などを
積極的に企画しながら活動している。
現在、組合員数約200名。
組合員は組合費月額1500円。
賛助会員(サポーター)は年会費5000円。
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by imadegawatuusin | 2008-12-19 10:24 | 労働運動

――クビ切るな! 住まわせろ!――

■「住み込み派遣」の労働者がピンチ!
愛知ではトヨタ関連企業など製造業を中心に、
猛烈な勢いで「派遣切り」の嵐が吹き荒れています。
製造業に多く見られる
仕事と寮がセットになった「住み込み派遣」の労働者たちは、
首切りと同時に住まいも失い、
まさに路頭に迷おうとしています。

■寮を出されて行くあてがない
先日、当労組事務所を訪れた29歳の青年は、
2週間、駅や公園で寝泊まりしていると言いました。
聞けば、
製造業派遣大手・日研総業から
三重県のトヨタ車体いなべ工場に
派遣されていたにもかかわらず、
期間途中で解雇され、
寮も出されて行くあてなしとの事でした。

■筆者も1年前ホームレスに
私は、
一年前の自分を
その青年に重ね合わせずにはいられませんでした。
こうしてユニオンの委員長をしている私自身、
一年前、
日研総業からトヨタ車体刈谷工場に派遣され、
突然の雇い止めで寮を追われ、
ホームレス一時保護所に収容されたことがあるからです。

■またも「日研総業」!
またも「日研総業→トヨタ車体→ホームレス」! 
私は青年をとても他人とは思えませんでした。
その日は一晩自宅に泊め、
翌日、
一時保護所への即日入所を行政交渉で勝ち取りました。
しかし、
この施設そのものが、
12月末に予想される「派遣社員の一斉大解雇」を前にして、
すでに満員状態になってしまったというのです。
この厳冬の中、
多くの「住み込み派遣」労働者たちが、
今この瞬間にも路上にたたき出され続けています。

■日研:「派遣に安定性はない」
一年前、
日研総業の団体交渉員は、
まさに路頭に迷おうとしている私を前にして、
「派遣に安定性を求められても困る!」と
言い放ちました。
そして今、
私は日研総業のこの言葉が、
実に「正しかった」のだということを
身にしみて痛感しています。
「派遣先がないから仕方がない」の一言で
いとも簡単に切り捨てられる派遣労働者は、
登録型・常用型の別を問いません。
まさに、「派遣に安定性はない」のです。

■「住み込み派遣」には特別な保護を
雇用促進住宅の利用やシェルターの増設など
公的な支援はもちろんですが、
これまで派遣労働者の上前をはねて大もうけをしてきた
派遣会社も応分の負担を負うべきです。
特に、
「住み込み派遣」の労働者には、
普通の派遣労働者の場合より首切りに際し
一層の保護が求められます。
具体的には、
「住み込み派遣」の場合には
雇い止めをするときにも必ず1ヶ月前には言うようにするとか、
あるいは借地借家法のように、
寮費さえ払えば
6ヶ月は居られるようにするなどの対策が必要でしょう。


職場の理不尽を許さない、強く優しい地域労組の建設を!
愛知県下の未組織労働者は名古屋ふれあいユニオンに結集し、
愛知県に人権労働運動の灯をともそう!



労働組合名古屋ふれあいユニオン
雇用形態や国籍に関わりなく、
愛知県下で働くすべての労働者が一人から加盟できる
地域労働組合(コミュニティユニオン)。
コミュニティユニオン全国ネットワーク
コミュニティユニオン東海ネットワークにも参加。
今年3月に開かれた第10回定期大会では、
連合産別・全国ユニオンへの加盟について討議するとする活動方針を採択。
日ごろから組合員の学習会や交流会・相談会などを
積極的に企画しながら活動している。
現在、組合員数約200名。
組合員は組合費月額1500円。
賛助会員(サポーター)は年会費5000円。
住所:〒460‐0024
    愛知県名古屋市中区正木4-8-8 メゾン金山711号室
    (JR・地下鉄・名鉄金山駅下車 名古屋ボストン美術館の向かい)
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ファックス:052‐679‐3080
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by imadegawatuusin | 2008-12-15 18:56 | 労働運動

――仮面は「顔」=「個性」を消去する――

■モザイクは「顔」を隠す
本書26ページから27ページの「仮面」の項は、
本書の最も難解な部分だ。
何度読み返しても意味がわからない。

まずのっけから、
「仮面=ペルソナ」の存在価値を論じることは、
とりもなおさず
近代的「自我」について論じることになる。(本書26ページ)

とくる。
何で?

次はこうだ。

「仮面」のもつ逆説的意味としては、
一件無表情に見える「仮面」の裏側にある
「有機的宇宙」の存在にある。(本書26ページ)


「意味としては
 ……存在にある」って、
文法的に係り結びがおかしくないか。

そもそも「仮面」の裏側に
何で「有機的宇宙」があったりするのか。

まず整理してみよう。
本書は仮面の裏側に
「有機的宇宙の存在」があるという。
これは、
おそらく何かの比喩なのだろう。
では、
仮面の裏側には何があるのかを考えてみれば、
答えは以外に簡単だ。
仮面の裏側には「人間」があるのである。
「有機的宇宙」とは、
究極の有機生命体である「人間」の世界を
象徴しているのだ。
それは「かつて人間がまだ
『近代的自我』をもつ前にあった世界のことで」あると
本書は述べている(本書26ページ)。
しかし
「近代に入ってからの人間は、
 自由という名の孤独にさらされた『自我』を
 もってしまい、
 かつての共同的な存在から
 個々に分断された存在へと変化した」(本書27ページ)。

仮面は人間の顔を隠す。
顔は人間の最も個性的な部分である。
その証拠に、
テレビなどで個人の特定を避けたいときには
必ず「顔」にモザイクをかける。
顔を映しながら
手にモザイクをかけたりすることはない。
人間の個性を最もよく表すのは顔であり、
手ではないからだ。
言い換えると、
顔は「孤独にさらされた『自我』」=近代的自我の
象徴である。

「その近代的自我を覆い隠し、
 再び人間を有機的宇宙へとつなげるものとして
 『仮面』はある」と本書は説く。
「人間のもっとも重要な(筆者注:個性的な)部分である
 顔を覆い隠すことで」(本書27ページ)、
人は「顔」を失い、
「個人」ではありえなくなる。

「個性」=近代的自我を消去し、
人を近代以前の共同体的存在へと誘う
象徴として、
仮面が捉えられているのである。
(そんな大層なものなのだろうか、
 仮面って……)。


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by imadegawatuusin | 2008-12-05 17:46 | 日本語論

――「型」がないとはじまらない――

■「型」があっての「型破り」
「人間は環境の動物なので、
 結局何をどう『まねる』かが、
 その人を大きく決定していることになる」。
「『型』がないと
 はじまらない」(本書22ページ)。

無から有を生み出せる人はいない。
人間の活動はすべて、
あらかじめあるものを我が物とし、
加工し、改良を加えることによって
発達・発展してきたのである。

「『型』があってこその
 『型破り』」であり、
「『基本』があって
 こその
 『応用』」なのだ(本書23ページ)。

「『学ぶ』とは『まねる』こと」である(本書22ページ)。
何ごとに付けても、
まずは基本の習得・定型の習得から
はじめたい。


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by imadegawatuusin | 2008-12-05 09:11 | 日本語論

――ぐいぐい「読ませる」文学史――

■文学をネタに近代史を語る!
明治時代以降の日本の文学史を、
社会の動きと関連づけながら
ぐいぐい「読ませる」文学史である。

筆者・出口汪(ひろし)さんは
日本の近代文学史を「西洋化の流れ」と位置づける(本書2ページ)。
「どうやって日本が西洋化していくかということは、
 文学史の流れをおさえると
 非常に理解しやすくなる」(本書2~3ページ)との考えの下、
むしろ文学をネタに近代史を語ろうとしているかのような
おもむきすらある。

第一次世界大戦後の世界恐慌の中、
マルクス主義を基盤とするプロレタリア文学
隆盛したことについて、
「マルクス主義というのは、
 こういう時に入ってくると『思想』ではなく、
 現実的な『生活』そのものなのです」と捉え、
「例えばロシア革命でも中国の革命でも、
 あれは僕は『生活』の必要から
 起こったのだと思うよ。
 要は革命を起こさないと食えない。
 そこに、
 共産主義思想が生まれてきます。
 結局は人間を動かしているのは
 『生活』なんですよ」と記す出口さんの視点は
極めて鋭い(本書168ページ)〔注1〕。
〔注1〕実はこれこそが、
まさにここで話題に上っている
共産主義の根底にある、
唯物史観の考え方だ。
人間生活のあり方が、
その人の意識を規定する。
歴史や政治といった「上部構造」を動かしているのは、
下部構造=人々の生活のあり方だ……
と考えるのが、
唯物史観の基本的な立場であるからだ。


一方で、受験参考書らしく、
受験生を鼓舞することも忘れない。
小倉に左遷された森鴎外が
軍部上層部の圧力で文学活動を停止させられる中、
それでも密かに小説の構想を練り続けたことを挙げ、
「挫折の時期にどう生きたかで、
 その人の価値が決まってくる」(本書135ページ)
と説く本書は、
下手な人生論を読むよりずっと
人生にハリを与えてくれる。

恋愛論もなかなか鋭い。
尾崎紅葉の『金色夜叉』をネタにしつつ、
「お互いに、好きな者同士が、
 別れて別の人と結婚する時、
 相手を本当に嫌いになってから結婚をするなら
 うまくいくのですよ。
 でも好きなまま別れて、
 別の好きでもない人と結婚するときは
 必ず失敗すると僕は思います。

 好きな人とはもう会えない。
 なのに好きでもない人と
 一緒に暮らさなければいけないのでしょう。
 となったら無意識に
 女の人は比べるのですよ、
 好きな人と実際一緒にいる人と。

 そうやって好きな人というのは、
 どんどん頭の中で理想化されていくんです。
 良いところばかり頭に残って、
 会わないものだから
 どんどん理想化されていくのです。
 相手が死んでいれば
 もっとそれが美化されてしまうわけでしょう」と、
実にクール。
(このパターンは
 実は「女の人」ばかりではないとおもう。
 男も以外に未練がましい。
 古くは『源氏物語』で、
 光源氏が藤壺と別れて葵の上と結婚させられたときも
 こうであったといえる)。

野村美月の傑作ライトノベル「文学少女」シリーズ
第一作を読む前などにも
ぜひ目を通しておきたい一書である。

なお、
出口汪さんは、
本書読了後に
「薄い文学史の問題集を
 一冊解いてみることをおすすめする」
としているが(本書ivページ)、
受験技術研究家の和田秀樹さんが
『受験本番に強くなる本』(PHP)文庫で薦めている、
柿崎広幸『ぶっつけ日本史』(文英堂)がいいだろう。
文学史短期完成の決定版だ。


《本文校訂》
「付録」の190ページで、
佐藤春夫が「新思潮派」に分類されているが、
佐藤春夫は「耽美派」である。
本文でも佐藤春夫は、
「その他の耽美派の作家といえば、
 佐藤春夫」とされ(本書106ページ)、
本書1127ページの「ミニマム記憶事項(6)」でも
耽美派に分類されている。
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by imadegawatuusin | 2008-12-05 08:42 | 文芸