「ほっ」と。キャンペーン

――なぜ速やかに話し合いのテーブルに着けないのか――

■目に余る露骨な「いちゃもん付け」
トヨタ自動車グループ
機械・自動車メーカーであるジェイテクトは、
期間従業員の雇用継続などを求める
三重県の個人加盟制労働組合
「ユニオンみえ」(三重一般労働組合)の
団体交渉要求を3たび引き延ばす「連絡書」を
4月16日付で送付した。
ユニオンみえは4月21日、
ジェイテクトに対し、
改めて、
期間従業員の雇用継続などについての
団体交渉に速やかに応じるよう、
実に4度目の団体交渉申し入れを行なった。

ジェイテクトはユニオンみえが提起した議題、
(1)「ユニオンみえ組合員
   Fさん・Sさん・Tさん・Iさんの雇用継続」について、
「議題(1)についての事実関係及び
 当社の考えは、先般ご連絡したとおりです」
とのみ回答し、
新たな論点を持ち出すことができなかった。

ジェイテクトの認識する
「事実関係」及びジェイテクトの「考え」は
これまでも報道してきたとおりであり、
ユニオン側も充分に把握している。
ユニオン側はそれを踏まえた上で、
4月8日の3回目の団体交渉申し入れの中で、
ユニオン側の認識する事実関係及び
ユニオン側の考えを明確に連絡した。
そして、
労使双方が同じテーブルにつき、
互いの証言や証拠を付き合わす中で
事実認識の差や主張の差を埋める作業に
移りたいと要求したのである。

本件については、
これまでの2ヶ月近くにも及ぶ
文書のやりとりの中ですでに
交渉議題は明確になっており、
これ以上「事前折衝」を必要とする余地は考えられない。

仮にジェイテクトの主張するとおり、
本件が「適正な雇止めであり解雇ではない」のだとしても、
ジェイテクトは労働組合との団交義務を
免れることはできない。
ユニオンみえ4名の雇用契約は、
確かに形式上は有期労働契約ではあったが、
あらかじめ契約を更新しない旨の明示が
なされていたものではなかった。

契約の「更新」・雇用の維持は
ジェイテクトの裁量によって行ない、
あるいは行なわないことのできる事項とされており、
ジェイテクトが使用者として決定可能な事項である。
雇用継続の有無は労働者にとって
重大な「労働条件その他の待遇」そのものであり、
これが労働組合と会社との間の
「義務的団交事項」であることは疑いの余地がない。

またジェイテクトは、
ユニオンみえが提示した議題、
(2)「ユニオンみえ組合員・Iさんの
   会社寮に関する問題」について、
「議題(2)については、
 住居に関しての要求内容
 『時期は何時まで、
  どのような条件で引き続き住みたいのか』に関し
 具体的に明確化していただくことを
 要請いたします」と回答している。

この回答は、
議題(1)がどのような結論に落ち着くかによって
当然変化する。
Iさんがすでにジェイテクトでの就労の意志を喪失し、
別の会社での就労で生計を立てる決断を
したのであれば、
「○月○日まで会社寮を追い出すのを待ってくれ」
という要求の仕方になるのだろうが、
Iさんはジェイテクトでの雇用継続を希望しているのであり、
そのような要求ができるはずがない。
ジェイテクトは、
団体交渉を始める前からすでに
Iさんが今後
ジェイテクトで就労を継続しないことを前提に
このような質問をしているのだろうか。
非常に誠実さに欠ける行為である。

とはいえ、
ジェイテクトが
「時期は何時まで、
 どのような条件で引き続き住みたいのか」
という問にユニオンみえが回答することが
団体交渉開催の条件であると
あくまで強弁するようなので、
ユニオンみえはさしあたり、
Iさんがジェイテクトにより「雇い止め」された
3月15日の翌日から6ヶ月間(すなわち9月15日まで)、
ジェイテクト会社寮に居住できるよう要求した。

6ヶ月後、
Iさんがジェイテクトでの就労を継続できるなら、
それ以降の居住を改めて要求するとしている。
条件については、
ジェイテクトがIさんの雇用を継続するならば
それまでの条件で、
あくまで「雇い止め」を強行するなら、
無料で居住させるよう要求している。
また、
同様のケースについても
速やかに離職者住居支援給付金を申請し、
同様の措置を執るよう要請した。

さらにジェイテクトは、
ユニオンみえが提示した議題、
(3)「血友病患者であるTさんに
   切傷危険作業をさせた問題」について、
「議題(3)については、
 貴労働組合が弊社に
 事実説明以外の
 何を要求なされようとしているのかが
 不明瞭であり対応に苦慮しております。
 要求書には議題提起はあるものの、
 『それをもって具体的に、
  どういった根拠で、何を要求されているのか』が
 把握できません」という。

ユニオンみえのジェイテクトに対する要求は、
第1に本件真相の究明であり、
第2にそれを踏まえてTさんに文書で謝罪することであり、
第3に再発防止策を策定することである。
ジェイテクトが速やかに真相の究明に取り組み、
Tさんに誠実に謝罪し、
再発防止に取り組むならば、
ユニオンみえはそれ以上の要求をするつもりはないという。

ユニオンみえは
小なりといえど、
ジェイテクトの現役従業員も組織している
れっきとした労働組合である。
労組にとって職場の安全衛生問題は
労働者の命に関わる問題であり、
断じておざなりにすることはできない。
その思いはジェイテクトの正社員労組・
ジェイテクト労働組合等と何ら変わるところはない。
ひとりの問題を職場全体の問題として共有し、
会社に対して真相究明を迫り、
労使共同して再発防止に取り組んで
労働者の命を守るのは
労働組合として当然の責務である。

また、
ユニオンみえが申し入れている議題、
(4)「1月17日以降の会社都合による
   休業について、
   会社が休業手当金を支払うことに
   よってではなく、
   個人の有休を消化させて対応させている件」
についても、
ジェイテクトは、4月17日付の「連絡書」で、
ユニオンみえ組合員で
ジェイテクト現職従業員のMさんに関しては
この問題についての団体交渉を受けるとしてきたが、
すでに職場を追われた
Fさん・Sさん・Tさん・Iさんについては
受けないとしている。

しかし、
すでに「雇い止め」された
Fさん・Sさん・Tさん・Iさんも、
在職中のMさんと同様、
1月17日には年次有給休暇を一方的に
「計画的付与」され、
会社が休業手当金を支払うことによってではなく、
個人の有休を消化させて対応させられた点は
何ら変わらない。
ユニオンみえがこの件について
はじめて申し入れた3月6日の時点では
Fさん・Sさん・Tさん・Iさんも、
在職中のMさんと同じく
ジェイテクト従業員であった。
ジェイテクトがMさんに関してだけ
団体交渉に応じておきながら、
自ら団交開催を引き延ばして
「時間切れ」に持ち込んだのをいいことに、
その他4組合員に関しては
団体交渉に応じないというのでは
全く道理が通らない。

ユニオンみえはジェイテクトの要請に答え、
議題を明確に提示している。
義務的団交事項について、
労働組合が団体交渉の開催を要求している以上、
団体交渉の開催が必要なのは明らかである。
ジェイテクトにはこれ以上、
団体交渉の開催を引き延ばす
一片の道理も残されてはいない。

大体、
ジェイテクトが書面でしてきた質問などは、
速やかに団体交渉を開催して
その第1回目の冒頭に
会社側から労組に質問するなりすれば、
すぐに解決するものばかりである。
一体ジェイテクトはユニオンに、
あるいは労働者たちに何の恨みがあって、
もったいぶって団体交渉の開催を
引き延ばそう、引き延ばそうとするのだろうか。

ジェイテクトは今回の、
ユニオンみえの手になる
4回目の団体交渉申し入れを手にしてもなお、
またさらに「議題を明確にしろ」と執拗に要求し、
あるいはユニオン側が
ジェイテクトの主張に実に詳細に
回答しているにもかかわらず
「事実関係および当社の考えは、
 先般ご連絡したとおり」の一言で
逃げ切ろうとするのだろうか。

もしこれ以上
ジェイテクトがこのような態度を続けるならば、
ユニオン側の忍耐にもおのずと限度というものがある。
ユニオンみえのFさん・Sさん・Tさん・Iさんは、
初回の団体交渉申し入れ時には
ジェイテクトで就労中であった。
にもかかわらず、
彼らはジェイテクトによる団体交渉引き延ばしの中で、
労組を通じた話し合いを
一度たりとも経ることなく
職場を追われて今に至っているのである。
そのことを、
ジェイテクトは一体どう考えているのだろうか。

労働者は、
使用者に労働を提供し
対価を得ることを通じてしか
収入を得ることができない。
Fさん・Sさん・Tさん・Iさんの4人は
いよいよ困窮の度を深めている。
この現実を目の当たりにするならば、
心ある使用者ならば何はさておいても
まず話し合いのテーブルに着くことが当然であろう。
何が「議題の明確化」だろうか。
わからないことがあれば団体交渉のテーブルに付き、
納得いくまで説明を求めれば済む話ではないか。
筆者の目にはジェイテクトの仕打ちが、
団体交渉開催の引き延ばし策動にしか映らない。

ジェイテクトは以前、
筆者が運営委員長を務める
名古屋ふれあいユニオンの団体交渉要求を
執拗に引き延ばし、
ユニオンの本社前抗議行動の展開を受けて
ようやく団体交渉の開催に応じたという経緯がある。
追いつめられた労働者たちが、
ついに本社前まで押しかけて抗議の声を上げなければ、
労組との団体交渉に応じない。
使用者としての最低限の義務すら
果たせないというのであれば、
何と悲しいことであろうか。
(インターネット新聞「JANJAN」
 4月22日より加筆転載)


【参考記事】
トヨタ系「ジェイテクト」で団交拒絶続発
ジェイテクト、団交なお引き延ばし
ジェイテクト:団交開催引延ばしで100日経過
ジェイテクト、ついに「団交に応じる」と回答
ジェイテクト、未払い賃金を「期間工」らに支払い
ジェイテクト亀山工場でストライキ決行
元派遣労働者4人、ジェイテクトを提訴
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by imadegawatuusin | 2009-04-30 21:30 | 労働運動

――「請負」トゥエンティファースト労働者4人――

■「ユニオンは力をみなぎらせる」
トヨタ自動車子会社・デンソーグループの
アンデン岡崎工場で働く
ブラジル人請負会社
「トゥエンティファースト」(代表取締役:小泉一秀)の
労働者4人が、
アンデンへの直接雇用を求めて
裁判を起こすことになり、
4月25日、
4人が所属する
「名古屋ふれあいユニオン」三河支部の主催で
支援集会が開かれた。
集会には約60人が参加した(読売新聞4月26日)。

集会では、
名古屋ふれあいユニオン運営委員長の筆者が
連帯発言を行なった後、
4人のリーダーのKさんが
「今まで6年間、物のように扱われてきた。
 6年働こうが1ヶ月働こうが、
 ちょっと都合悪くなれば
 ゴミのように捨てる風習を
 変えなければならない。
 これはアンデンや
 トゥエンティファーストだけの問題ではない。
 がんばりたい」と発言した。

また、
7年間働いてきた女性労働者のYさんは、
「1人が1人で言えば独り言だが、
 みんなで言えば世論になる」と言った後、
ブラジルの「ユニオン」という砂糖会社の
コマーシャルフレーズである
「ユニオンは力をみなぎらせる」という言葉を引き、
組合員の団結を訴えた。

■「役に立たなくなれば親でも捨てる」でいいのか
続いて、
「弁護士法人リブレ」の荒川和美弁護士が登壇。

「トヨタは、
 車は機械が作ると思っている。
 人間は機械ができないところを補助する
 付属物として使われている。
 けれど労働者には機械と違って生活があり、
 家族がある。
 機械のように、
 都合が悪ければとっかえひっかえすることは
 許されない。

 この裁判は、
 労働者を物のように切り捨てるという考え方を
 許さない闘いだ。
 すでに全国で同様の闘いが始まっている。
 ブラジル人労働者のこれだけ大きな闘いは珍しく、
 意義深い」とあいさつした。

続いてNPO法人「交流ネット」の
理事長・林隆春さんが発言した。

「私たちは炊き出しやホームレスシェルター、
 DVシェルターの活動などもやっている。
 先日、市役所の担当者が40代の女性を
 連れてきた。
 女性は先天性股関節脱臼で、
 年を取るごとに歩くのも辛くなってきた。
 家事も難しくなってくる。
 すると、
 『役に立たない』と旦那が殴る。
 高校生になった子供も、
 昔はお母さんっ子だったのに分別がついてきて、
 『お父さんと自分たちでやっていくから、
  役に立たないお母さんは要らない』と
 言うようになった。

 絶望したお母さんは3階から飛び降りたが、
 ――みなさん、
    死ぬつもりのときは
    5階以上から
    飛び降りなきゃいけない(笑)――
 命は助かったが足を複雑骨折。
 ますます歩けなくなってしまった。
 『役に立つか立たないか』で
 親をも切り捨てる世の中だ。

 日本は今回、
 ブラジル人対策として、
 『帰国支援』を真っ先に打ち出した。
 役に立つうちは受け入れるけど、
 役に立たなくなったとたんに、
 どっか行けというのだ。
 全く同じではないか。
 去年まで、
 みなさん方は工場で大いに役に立っていた。
 なのにこれだ。
 『どんなことがあっても、
  みんながあなたを支える。
  だから一緒にがんばろう』と言える
 日本社会を作りたい。

 私たちが炊き出しをやっていると、
 お母さんが子供を連れて道を歩いているが、
 炊き出しの横を通るときだけ足が速くなる。
 そして、
 聞こえよがしに言う。
 『がんばらないと、
  アンタもああなるんだよ』。
 日本をどんどん千切って、
 下からどんどんどんどん切り捨てて、
 一度落ちこぼれたらもう人間じゃないみたいに。
 日本人なら わりと当たり前の権利が、
 みなさん方には
 とてつもなく高いハードルになっている。
 アパートを借りるのも大変。
 生活保護を受けるのも大変。

 この闘いは、
 10年先、20年先の子供たちが、
 みなさんのような嫌な思いをしなくて
 済むようにするための闘いだ。
 みんながここで働いてお金を稼ぎ、
 税金を払い、物を買う。
 労働者こそが
 企業の最大のステークスホルダー、
 利害関係者だ。
 その労働者が、
 明日の暮らしもわからない。
 子供も持てないというのでは
 おかしいではないか。

 みなさんにお願いがある。
 裁判をやるからには勝つまでやってほしい。
 判例が出ないと企業には緊張感が出ない。
 みなさんの子供が安心して
 この国で生きていく歴史を作るために、
 大人ががんばっていかなくちゃ。
 日本人も応援します。
 がんばりましょう」

■「職場に根付き労働条件向上を」
次に一橋大学大学院シニア・リサーチフェローの
浦野エジソンさんもあいさつ。

「私がブラジル人の労働について
 勉強を始めた頃、
 長時間労働、残業一杯、
 土日返上で4週間ぶっ通し……
 というような働き方が当たり前だった。
 みんなベタベタにサロンパスを
 体中に張って仕事をしていた。
 でも、
 そんな仕事の仕方では、
 せいぜい2年が限界だった。

 けれど今、
 『出稼ぎ』と呼ばれた労働者たちにも
 日本で家庭ができ、
 地域に根を下ろし始めている。
 では、
 これからみなさんが日本で仕事を続けていくには
 何が大事か。
 私は労働組合の存在が大切だと思う。

 けれど今まで、
 外国人社会には
 労働組合の存在が見えてこなかった。
 大企業では社員は組合を持っていても、
 非正規労働者は労働組合を持っていない。
 少しでも労働条件を良くしたいときは、
 転職するしかなかった。
 だからブラジル人は腕を上げると、
 給料の高いところに
 繰り返し繰り返し移っていた。
 今こそその転換期だ。

 職場に根付いて、労働組合に集って、
 そこで労働条件を良くしていくときが
 ついに来た」と発言した。

■男女賃金差別も提訴へ!
予定されている裁判は、
アンデンへの直接雇用要求だけではない。
請負会社・トゥエンティファーストを相手取っての
男女賃金差別の差額請求裁判も準備されている。

日系ブラジル人の労働市場では、
いまだに男女賃金差別が
かなり露骨な形で残っている。
「男性:時給○○円、女性:時給▲▲円」
などという契約書を恥ずかしげもなく、
何はばかるところなく使っている会社も
めずらしくない。

今回のアンデン=トゥエンティファースト闘争は、
こうした悪しき習慣との真っ正面からの闘いでもある。

集会は、
すでに裁判闘争に突入している
三重県の光精工闘争での労働者や、
同じ岡崎市で「派遣切り」から一転、
名古屋ふれあいユニオンに結集して
派遣先への直接雇用を実現させ、
時給100円アップまで勝ち取った
フタバ産業の労働者が連帯のあいさつをした。
最後に、
参加者全員でポルトガル語での
「団結ガンバロー」を行なって終了した。
(インターネット新聞JANJAN4月29日号
 掲載記事を加筆掲載)。


【参考記事】
トヨタ下請けで働く日系ブラジル人の実態
デンソー系アンデンで「請負」社員大量解雇


全労働者の総団結で、なくせ貧困、許すな首切り!
5月1日(金)、第80回愛知県中央メーデーへ!
午前9時30分、白川公園(地下鉄伏見駅下車)に
5千人結集を実現し、
この日 全世界を駆けめぐる
闘うメーデーの潮流に合流しよう!



労働組合名古屋ふれあいユニオン
雇用形態や国籍に関わりなく、
愛知県下で働くすべての労働者が一人から加盟できる
地域労働組合(コミュニティユニオン)。
コミュニティユニオン全国ネットワーク
コミュニティユニオン東海ネットワークにも参加。
今年3月に開かれた第11回定期大会では、
連合産別・全国ユニオンへの加盟について討議するとする活動方針を採択。
日ごろから組合員の学習会や交流会・相談会などを
積極的に企画しながら活動している。
現在、組合員数約200名。
組合員は組合費月額1500円。
賛助会員(サポーター)は年会費5000円。
住所:〒460‐0024
    愛知県名古屋市中区正木4-8-8 メゾン金山711号室
    (JR・地下鉄・名鉄金山駅下車 名古屋ボストン美術館の向かい)
電話番号:052‐679‐3079(午前10時~午後6時)月~金
ファックス:052‐679‐3080
電子メール:fureai@abox.so-net.ne.jp
郵便振替 00800‐8‐126554
ホームページ
http://homepage3.nifty.com/fureai-union/
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by imadegawatuusin | 2009-04-29 18:55 | 労働運動

――キーパーソンは叔母の「がちゃ」――

■「みよ」が初恋の女性って本当?
本作のキーパーソンは「がちゃ」こと
主人公の叔母であろう。
新潮文庫版「解説」で奥野健男は
「稀有の少年期文学である。
 特に初恋の女性みよと二人で
 葡萄を摘む場面、
 また弟と交わす赤い糸の話など、
 豊かな色彩と叙情にあふれた
 美しい青春文学と言えよう」としているが
(奥野健男「解説」太宰治『晩年』新潮文庫402ページ)、
その「初恋の女性みよ」も作品の最後で
叔母と「似ていると思った」とされている
(太宰治「思い出」『晩年』83ページ)。
主人公にとって本当の、
そして永遠の初恋の女性は、
この「がちゃ」と呼ばれた叔母ではないのか。

「てんしさまがお隠れになった(筆者注:=お亡くなりになった)」
という叔母に、
わざと気を引きたくて
「どこへお隠れになったのだろう」と尋ねて
叔母を笑わせた主人公。
このとき数え年で4つだったというが、
当然、実は「お隠れになった」という言葉の意味は
知ったうえで言っていたのである(前掲書29ページ)。
幼少期を振り返る、
作品の冒頭にこのエピソードを置いたことからして、
(そして、
 みよと叔母が似ていることに気付いたという一節で
 作品を閉じたことからして)、
主人公にとってこの「がちゃ」という叔母が
いかに大きな存在であったのかを
推し量ることができる。
(そういえば、
 幼い頃、叔母が自分を捨てて
 家を出て行く夢を見て、
 「そうしないでけんせ」と必死に胸にしがみついて
 涙を流したというエピソードも記されている)。

さて、幼いころの「がちゃ」への思いを脇に置いても、
みよを「初恋の女性」とする奥野健男の記述には
疑問が残る。
本作「思い出」には、
「十五六」になったころ、
主人公が
「同じクラスの色の黒い
 小さな生徒とひそかに愛し合った。
 学校からの帰りには
 きっと二人してならんで歩いた。
 お互いの小指がすれあってさえも、
 私たちは顔を赤くした」との記述があり、
これは「みよ」が登場する以前のエピソードである。
(もっとも、当時の旧制中学は男子校であったろうし、
 この「同じクラスの色の黒い
 小さな生徒」に関しても、
 「いつぞや、
  二人で学校の裏道のほうを歩いて帰ったら、
  芹やはこべの青々と伸びている田溝の中に
  いもりがいっぴき浮いているのを
  その生徒が見つけ、
  黙ってそれを掬って私に呉れた。
  私は、いもりは嫌いであったけれど、
  嬉しそうにはしゃぎながらそれを手巾(ハンケチ)へ
  くるんだ」という、
 どう考えても当時の女子の行動とは考えがたい
 エピソードもあるので、
 これは「初恋の女性」ではなく「初恋の男性」だ、
 ということなのかもしれないが)。

また、この
「同じクラスの色の黒い
 小さな生徒」のエピソードの次には、
「同じころ
 隣の家の痩せた女学生をも私は意識していた」
ともはっきり明言されており
(「女学生」とあるのだから「女性」であることに
 疑いはなかろう)、
この点からも みよを「初恋の女性」とするのは
無理がある。

■運命の赤い糸は足の小指に!?
あと、
奥野健男が「美しい」とする「赤い糸の話」であるが、
「思い出」では運命の赤い糸は手の指ではなく、
「右足の小指」に結び付けられていると書かれている〔注1〕。
昭和8年には足の小指に結ばれていた運命の赤い糸が、
いつから手の小指に結ばれるようになったのか。
やっぱり足ではだめだったのか。
昔はぞうり・下駄だったから、
足でもOKだったのか……
(しかし「思い出」の主人公も
 中学時代は「あみあげの靴」を履いていたと
 書いてあるぞ!)。
疑問は尽きない。

〔注1〕「思い出」の赤い糸に関する原文は
以下のとおり。
「秋のはじめの或る月のない夜に、
 私たちは港の桟橋へ出て、
 海峡を渡ってくるいい風にはたはたと吹かれながら
 赤い糸について話合った。
 それはいつか学校の国語の教師が
 授業中に生徒へ語って聞かせたことであって、
 私たちの右足の小指に
 目に見えぬ赤い糸がむすばれていて、
 それがするすると長く伸びて
 一方の端がきっと或る女の子のおなじ足指に
 むすびつけられているのである、
 ふたりがどんなに離れていてもその糸は切れない、
 どんなに近づいても、
 たとい往来で逢っても、
 その糸はこんぐらかることはない、
 そうして私たちはその女の子を
 嫁にもらうことに決まっているのである。
 私はこの話をはじめて聞いたときには、
 かなり興奮して、
 うちへ帰ってからも
 すぐ弟に物語ってやったほどであった。
 (前掲書65ページ)



【参考記事】
太宰治『人間失格』について

太宰治「葉」について
太宰治「魚服記」について
太宰治「列車」について
太宰治「地球図」について
太宰治「猿ヶ島」について



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by imadegawatuusin | 2009-04-28 22:54 | 文芸

■「どうせ死刑」発言がえぐり出した真実
『名探偵コナン』映画第13作・
『漆黒の追跡者』のあるシーンに、
筆者は非常な衝撃を受けた。
今まで『名探偵コナン』という作品が、
決して触れることのなかった
センシティブな問題に切り込むセリフがあったからだ。

「どうせ僕は死刑だから……」。
これは、
本作の中で自首を勧める
主人公・コナンに対し、
「犯人」がつぶやいた言葉である。
この発言は、
『名探偵コナン』という作品史上、
ちょっとした事件だったと筆者は思う。

コナンは、
「犯人の命」を大切にする探偵として
知られている。
それこそ、
命をかけても、
最後の最後まで
犯人の命を守り抜こうとする。
決して自ら暴き出した犯人を
自殺に追い込むようなことはしない。
「犯人を推理で
 追い詰めて、
 みすみす自殺
 させちまう
 探偵は…
 殺人者と
 かわんねーよ…」(『名探偵コナン』単行本16巻FILE.3)。
この工藤新一=江戸川コナンの言葉こそが、
『名探偵コナン』という作品の
不動のポリシーを示している。

必死になって犯人の命を救い、
生きて法の裁きに引き渡したところで、
通常、
『名探偵コナン』という作品は終わる。
『名探偵コナン』という作品は、
「その後」については描かない。
これは、
たいていの「推理アニメ」・「推理ドラマ」に
共通する「お約束」である。
犯人が逮捕され、
事件がすべて解決すれば
「めでたし、めでたし」というわけだ。

しかし、
「その後」には
『名探偵コナン』の描かない
冷徹な現実が待っている。
『名探偵コナン』で描かれる事件の多くは
殺人。
それも、
トリックを弄して捜査権力に挑戦する
超絶計画殺人である。
連続殺人も少なくない。

ということは、だ。
コナンが命がけで助けた犯人は、
その少なからぬ部分が、
最終的には国家によって、
やはり命を絶たれる運命にある、
ということだ。

もちろん、
別にそれが悪い、
ということが言いたいのではない。
筆者は別に死刑廃止論者ではない。
悪いことをすれば死刑になる。
それ自体は、当然のこと、ではある。

だが、
「コナンがその命を守ろうとした犯人は、
 結局国家によって殺される」という現実から、
『コナン』という作品は
これまでどこか目を背けてきた部分が
なかっただろうか。

その現実に、
今回の映画・『漆黒の追跡者』は一瞬、
ほんの一瞬だが触れたのである。
自殺はいけない、
自首をしろというコナンに、
「どうせ僕は死刑だから……」とつぶやいた
その一言に、
筆者は今回の映画スタッフの
勇気と誠実さを見た。
それは、
決して目を背けてはならない「真実」が、
その言葉の中に含まれていると
筆者は思うからである。
(インターネット新聞JANJAN4月24日
 掲載記事に加筆掲載)


《劇場版『名探偵コナン』お薦めベスト3》
第1位『天国へのカウントダウン』
第2位『14番目の標的』
第3位『瞳の中の暗殺者』

《参考お薦めサイト》
「名探偵コナン『時計じかけの摩天楼』について」
「名探偵コナン『14番目の標的』について」
「名探偵コナン『瞳の中の暗殺者』について」
「名探偵コナン『天国へのカウントダウン』について」
「名探偵コナン『迷宮の十字路』について」
「名探偵コナン『銀翼の魔術師』について」
名探偵コナン『水平線上の陰謀』について


酒井徹「名探偵コナン『ベイカー街の亡霊』と『自己犠牲』」
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by imadegawatuusin | 2009-04-24 19:32 | 漫画・アニメ

全労働者の総団結で、
なくせ貧困! 許すな首切り!
第80回メーデー万歳!


■今こそ統一メーデーの実現を
5月1日のメーデーは、
歴史と伝統のある働く者の祭典です。
メーデー歌の『晴れた五月』に、
「歴史も永いメーデーの 
 血でそめられたこの旗は 
 ああ万国の労働者 
 団結せよと叫んでる」とある通り、
実に119年前の1890年から
世界中の労働者たちが
幾多の血を流しつつ守り抜いてきた、
労働者階級の世界統一行動日です。

わが国では1989年以来、
労働組合中央組織の分裂状態を反映し、
中央メーデー・地方メーデー共に
残念ながら分裂開催が続いています。
米国発の金融危機が全世界・全産業に波及し、
世界中でそのツケを
労働者に押しつけようと
首切り攻撃が吹き荒れる今こそ、
労働者の団結の象徴である
メーデーの統一を実現し、
この日を働く者の要求実現に向けた
一大決起の日として再生させることが望まれています。

■電車賃なく、2日かけ歩いてユニオン事務所へ
私たち、
愛知県の個人加盟制労働組合・
名古屋ふれあいユニオンは今、
派遣切り・非正規切りの最前線で闘っています。
仕事と寮がセットになった
「住み込み派遣」で派遣切りにあい、
しばらくはネットカフェで暮らしていたものの
お金も尽き果て、
会社からはいつまでたっても
離職票を出してもらえず、
市役所に行っても
「まずは失業保険をもらってから」と言われて
何もしてもらえない……
(その失業保険がもらえないから
 ここに来ているというのに……)。
そんな労働者が、
「たらい回しだ」と詰め寄った労働基準監督署で
名古屋ふれあいユニオンのことを聞き、
電車賃もないため岡崎から、
2日間かけて歩いてユニオンの事務所まで
やってきたことがありました。
ユニオンは男性を一晩 委員長の自宅で保護。
翌日、
岡崎市選出の鈴木まさ子市会議員に紹介し、
男性は生活保護の受給ができるようになりました。

■派遣切りから一転、直接雇用! 時給UPまで実現
そんな中にも希望はあります。
トヨタ下請け・フタバ産業で
長年 偽装請負で働いてきた外国人労働者たちは、
雇用保険もないままに「派遣切り」を受け、
名古屋ふれあいユニオンに結集しました。
彼らは、
古い者では実に1996年から
フタバ産業社員の指揮命令を受け、
フタバ産業で働いてきました。
ユニオンは
フタバ産業の過去の偽装請負を暴き出し、
直接雇用要求を突きつけ、
ついに先日、
8名の労働者の直接雇用を勝ち取ったのです。
社会保険も雇用保険もないまま
使い捨てられようとしていた
8人の派遣労働者たちは、
首切り攻撃を跳ね返したばかりか、
直接雇用で時給も100円アップさせ、
社会保険・雇用保険完備の労働条件を勝ち取り、
今もフタバ産業で働いています。

■社会を動かす労働者には社会を変える力がある
派遣切り・非正規切り・
住居喪失・セーフティネットの欠如……。
このような社会情勢に対置する解答を
与えることができるのは、
結局のところ、
私たち働く者の団結の力に他なりません。
実際に生産活動に従事して
この社会を動かしている労働者こそが、
格差を是正し貧困をなくし、
歴史をつくり社会を変える力を持った存在なのです。

今や労働者派遣法の抜本改正を求める動きは
大きなうねりとなりつつあります。
外国人「研修生」制度も
“現代の奴隷制”との批判が高まり
見直しは必至です。
ついに労働運動の側が、
市場原理主義を基軸とする
格差拡大の流れをくい止め、
押し返す時が来たのです。

職場の理不尽を一掃し、
格差是正・貧困撲滅への道を切り開くには、
働く仲間の団結と闘う労組の存在が不可欠です。
全労働者の総団結で、
なくせ貧困! 許すな首切り! 
第80回メーデー万歳! 
闘うメーデーの伝統を引き継ぎ、
労働者国際連帯の一翼を担う
第80回愛知県中央メーデー万歳!


全労働者の総団結で、なくせ貧困、許すな首切り!
5月1日(金)、第80回愛知県中央メーデーへ!
午前9時30分、白川公園(地下鉄伏見駅下車)に
5千人結集を実現し、
この日 全世界を駆けめぐる
闘うメーデーの潮流に合流しよう!



【参考記事】
名古屋ふれあいユニオン、メーデー初参加の方針
愛知県中央メーデー:連合系上回る4000人参加
メーデー&アースデイ!? 4月25日名古屋で集会
4月25日、「LOVE&ビンボー春祭り」開催
5月1日、第81回愛知県中央メーデーへ
愛知県中央メーデーに4500人
【愛知】「メーデー&アースデイ」、4/24今年も開催 2011-04-21
5/1(日)、第82回愛知県中央メーデーへ! 2011-04-29
愛知県中央メーデーに4000人 2011-05-03


労働組合名古屋ふれあいユニオン
雇用形態や国籍に関わりなく、
愛知県下で働くすべての労働者が一人から加盟できる
地域労働組合(コミュニティユニオン)。
コミュニティユニオン全国ネットワーク
コミュニティユニオン東海ネットワークにも参加。
今年3月に開かれた第11回定期大会では、
連合産別・全国ユニオンへの加盟について討議するとする活動方針を採択。
日ごろから組合員の学習会や交流会・相談会などを
積極的に企画しながら活動している。
現在、組合員数約200名。
組合員は組合費月額1500円。
賛助会員(サポーター)は年会費5000円。
住所:〒460‐0024
    愛知県名古屋市中区正木4-8-8 メゾン金山711号室
    (JR・地下鉄・名鉄金山駅下車 名古屋ボストン美術館の向かい)
電話番号:052‐679‐3079(午前10時~午後6時)月~金
ファックス:052‐679‐3080
電子メール:fureai@abox.so-net.ne.jp
郵便振替 00800‐8‐126554
ホームページ
http://homepage3.nifty.com/fureai-union/
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by imadegawatuusin | 2009-04-23 15:26 | 労働運動

第80回愛知県中央メーデー実行委員会に参加した。
国労などの全労協系や愛労連、
全港湾などの独立系の労働組合が、
5月1日、白川公園に結集する
(9時30分から)。

なぜ連合系のメーデーに
行かないのかと言われれば、
何の他意もない。
「行きたいけれど、行けない」というだけだ。

連合愛知のメーデー式典は、
招待状をもらった人だけが出席できる
屋内集会形式である。
デモもない。

だから、
連合愛知のメーデー式典参加者よりも、
私たちの参加する
愛知県中央メーデー参加者の方が
はるかに多いというおかしな事態が
起こってしまう。

僕はメーデー分裂には反対だ。
5月1日にやるかやらないかなどということは、
本質的には些細な問題だと
思っている。

メーデーは、
働く者がその階級的要求を掲げて、
団結の力を示す場だ。
連合も全労連も全労協もない。
全ての労働者が一堂に会する真の統一メーデーが、
この愛知の地において
1日も早く回復されることを
僕は心から願っている。

その統一への第一歩として、
とりあえず、
愛知の地における
「もっとも大きなメーデー式典、
 もっとも行きやすいメーデー式典」に参加しようと
いうだけだ。

連合愛知が組織を挙げてメーデー総決起集会、
デモを企画し、
一般参加者も歓迎して式典を執り行なうならば、
僕はいつでも馳せ参じたいと考えている。


【関連記事】
第80回愛知県中央メーデーへ!


全労働者の総団結で、なくせ貧困、許すな首切り!
5月1日(金)、第80回愛知県中央メーデーへ!
午前9時30分、白川公園(地下鉄伏見駅下車)に
5千人結集を実現し、
この日 全世界を駆けめぐる
闘うメーデーの潮流に合流しよう!



労働組合名古屋ふれあいユニオン
雇用形態や国籍に関わりなく、
愛知県下で働くすべての労働者が一人から加盟できる
地域労働組合(コミュニティユニオン)。
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コミュニティユニオン東海ネットワークにも参加。
今年3月に開かれた第11回定期大会では、
連合産別・全国ユニオンへの加盟について討議するとする活動方針を採択。
日ごろから組合員の学習会や交流会・相談会などを
積極的に企画しながら活動している。
現在、組合員数約200名。
組合員は組合費月額1500円。
賛助会員(サポーター)は年会費5000円。
住所:〒460‐0024
    愛知県名古屋市中区正木4-8-8 メゾン金山711号室
    (JR・地下鉄・名鉄金山駅下車 名古屋ボストン美術館の向かい)
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by imadegawatuusin | 2009-04-21 11:16 | 労働運動

――10年の節目にあたり、さらに強く、優しく――

組合員の「輪」さんが、
名古屋ふれあいユニオン第11回定期大会報告を
書いてくださいました。
ここに転載いたします。

■労働者の団結で逆境をはねかえそう!
3月22日、第11回定期大会を
名古屋市金山の中京大学文化市民会館で
開催しました。
70名を超す組合員、
多数の来賓のご参加により、
過去最高の規模となり、
翌朝の中日新聞で
詳しく報道もしていただきました。

■連帯の言葉に、さらに奮闘する決意を固める
非正規・正規、国籍を問わず労働者が、
年度末を目の前に次々と解雇され、
春闘も大敗北。
厳しい情勢の中で、
今こそ10年の歴史を踏まえて頑張ろう!

「強く優しい労働組合を建設し、
 地域の各労働組合とともに闘おう!」

力強い酒井委員長のあいさつで
大会は始まりました
そして、
岡崎での「反貧困・駆け込み相談会」の
同時開催にもかかわらず、
調整をして参加し発言された11名もの来賓の
各労働組合・弁護士・団体の皆さん、
30を超える祝電・メッセージを送っていただいた
各団体の皆さん。
「名古屋ふれあいユニオンは、
 地域での労働組合の運動の先頭で
 がんばってきた」との
ATU若月委員長の励まし、
「強く、優しく」の「強く」を
もっと要望したい、との
中谷弁護士の厳しい言葉。
皆さんの言葉それぞれが、
私たちを奮い立たせてくれました。

■激動の一年を振り返って
さて、
議事に入りました。
参加者の半数を占めるほどに参加してくれた
外国人への同時通訳も交え、
経過報告を行いました。
相談・交渉・裁判などが激増している中で、
組合員も増加しています。
交流や学習などを積み重ね、
支部や分会などが増えて、
組織の団結の力は
徐々に強くなってきています。
また、
地域の労働組合との共闘など、
闘う体制も強化されています。
が、
なお力不足です。
その現状がいろいろ紹介されました。

■今年度の活動の成功・組合の発展を目指して
休憩を挟み、
後半は方針の提案です。
ボランティアスタッフ制度の導入など、
相談体制を強化するなど、
日常の活動を強化していくこと、
他にも様々に活動を進め、
さらに組合を発展させながら、
同時に各団体との連携も強化していくことが
訴えられました。

経過報告・方針とも、
全体で承認し、
確認されました。
活動を支える財政についても確認され、
ストライキを実施する場合に備えた
年間ストライキ権の確率についても
可決されました。

そして最後に、
今期の活動の中心を担う運営委員の選挙となり、
多数の賛成により選出されました。
3名の新運営委員が、
退いた4名に代わり加わり、
新たな体制で、新運営委員会が発足しました。
みなさんの力で支えていただきながら、
組合の発展のために、
がんばりましょう。

また今回は、
投票・開票作業の間に、
裁判闘争を闘う各組合院の紹介も
平行して行いました。
それぞれが互いに顔を見合い、
声を聞くことで、励まされ、
また参加者全体も
広く闘いの状況を知ることができて、
良かったのではないかと思います。

■団結を固め、がんばりましょう!
以上で大会は終わり、
懇親会に移りました。
残った組合員や、
まだ発言できなかった来賓の方から、
闘いの報告や抱負を述べていただきました。
また食事を交え、
お互いの交流も図ることが出来ました。

世界的規模での激流が
労働者に襲いかかる中で、
まだまだ小さい私たちの組合が、
今問われている課題に立ち向かう力を、
一歩強めることが出でき、
そんな大会だったような気がします。

参加された組合員・来賓の皆さん、
さまざまな協力をしてくださった
仲間の皆さん、
ありがとうございました。
今年度もまた、
がんばって組合を前進させていきましょう!


《来賓のみなさま》
管理職ユニオン・東海 執行委員長 堰代晃
西尾市職員組合 委員長 簗瀬貴央
愛知健康センター 大家信義
名古屋労災職業病研究会 事務局員 成田博厚
全トヨタ労働組合 執行委員長 若月忠夫
愛知全労協 議長 三輪友芳
ATUサポート市民の会 事務局長 近森泰彦
ユニオンみえ 副執行委員長 江川正典
自治労あいち公共サービスユニオン 副執行委員長 柴田太陽
自治労ワーカーズコープ職員ユニオン 書記長 山口徳明
ゼネラルユニオン東海支部 執行委員長 マイケル・ノーモイル
名古屋共同法律事務所 弁護士 中谷雄二
外国人権利ネットワーク 代表 大脇雅子
(敬称略・順不同)

《祝電を頂戴した全国の仲間》
コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク
札幌地域労働組合
宇都宮市民ユニオン
東京ユニオン
東京管理職ユニオン
東京東部地域ユニオン協議会(下町ユニオン)
労働組合ネットワークユニオン東京
神奈川シティユニオン
よこはまシティユニオン
山梨ユニオン
静岡ふれあいユニオン
岐阜一般労働組合
女性ユニオン名古屋
愛知連帯ユニオン
きょうとユニオン(京都地域合同労働組合)
大阪市域ユニオン協議会(なにわユニオン)
せんしゅうユニオン
在日高麗労働者連盟
なかまユニオン
労働組合武庫川ユニオン
神戸ワーカーズユニオン
あかし地域ユニオン
女性・地域ユニオンおかやま
スクラムユニオン・ひろしま
愛媛地域合同労組(えひめユニオン)
連合福岡ユニオン
労働組合大分ふれあいユニオン
愛知県労働組合総連合
自治労愛知県本部
全国自動車交通労働組合連合会福島地方本部福島支部吾妻分会
名古屋労災職業病研究会
外国人研修生権利ネットワーク
名古屋南部法律事務所
(順不同)


【参考記事】
名古屋ふれあいユニオン第9回大会
名古屋ふれあいユニオン第10回定期大会報告
名古屋ふれあいユニオン運営委員長就任のご挨拶(第10会大会)
名古屋ふれあいユニオン第12回定期大会


労働組合名古屋ふれあいユニオン
雇用形態や国籍に関わりなく、
愛知県下で働くすべての労働者が一人から加盟できる
地域労働組合(コミュニティユニオン)。
コミュニティユニオン全国ネットワーク
コミュニティユニオン東海ネットワークにも参加。
今年3月に開かれた第11定期大会では、
連合産別・全国ユニオンへの加盟について討議するとする活動方針を採択。
日ごろから組合員の学習会や交流会・相談会などを
積極的に企画しながら活動している。
現在、組合員数約200名。
組合員は組合費月額1500円。
賛助会員(サポーター)は年会費5000円。
住所:〒460‐0024
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by imadegawatuusin | 2009-04-14 20:57 | 労働運動

――河村たかし後援会「ハトの会」に入会――

4月12日告示、
26日投開票の名古屋市長選挙において
私は、
日本のリベラル派政党で野党第一党である
民主党が推薦する
河村たかしさんに投票することにしました。

河村たかし後援会「ハトの会」に本日入会しました。
河村たかしさんの名古屋市長選勝利のために
力を尽くします。


【名古屋市長選への基本姿勢】
率直に言って
今回の名古屋市長選に対する対応については
告示直前まで悩んだ。

単純に政策面だけで言えば、
いわゆる「主要3候補」のうちで
筆者に最も近いのは太田よしろう候補であろう。
名古屋城本丸御殿の復元や
徳山ダム導水路など
不要・不急の大型公共事業を見直し、
医療・福祉・雇用など
市民が本当に必要としている事業に
財源を重点投入するという姿勢に
筆者は率直に共感する。

だが、
小選挙区や首長選などの
「当選者1名」の選挙においては、
当選可能性の高い候補者のうち
「よりまし」な候補者に投票し、
選挙戦そのものに
少しでも影響力を行使するのが
筆者の投票スタイルである。

残念ながら、
今の革新勢力の力量では、
太田候補を市長に押し上げる実力はないと
判断せざるを得ない。

自民党推薦の細川候補と
民主党推薦の河村候補とを比較し、
河村候補が「よりまし」であるなら
悩む必要はない……はずなのだ。
が、
政策的に見ると、だ。
どうも自信を持って
「細川より河村の方がまし」
と言い切る自信がわいてこない。
河村候補はやたらと「減税」を強調するが、
社会民主主義者である筆者が望むのは
「取るものは取っても
 やるべきことはきっちりやる自治体」である。
名古屋市は今年1月、
「ホームレス関連予算がもうない」などとして、
押し寄せる住居喪失の非正規労働者の保護を
打ち切ろうとしたことがあった。
(その後、支援者の猛抗議によって
 この方針は撤回されたが)。
「減税」なんかやってる場合じゃない、と思う。

議員報酬も高すぎるのは問題だが、
「ボランティア議会」は論外だと思う。
自由に休日が取れ、
自前の生産手段を有する資本家や大家の声だけが
市政に反映されてしまうおそれがある。
議員は市民が選挙で選んでいるのである。
役立たずなら、
次の選挙で落とせばいい。
仕事をしなければ落ちる。
それだけのことだ。
払うものは払って、
しっかりと仕事をしてもらう仕組み作りこそが
重要だと思う。
連合の推薦を最後まで受けられなかったのも
マイナスだ。

ただ、最終的には、
「名古屋城本丸復元」プロジェクトに
細川候補と比べると消極的であるように見える点、
民主党から推薦を受けている点を重視し、
河村さんを応援することにした。

名古屋から、自民党政治を打破しよう!


河村たかし後援会「ハトの会」
愛知県名古屋市東区古出来2-5-11
電話:052-711-0008
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by imadegawatuusin | 2009-04-11 17:39 | 政治

――労働者には生活が! ただちに団交を――

■4月7日付「連絡書」で
トヨタ自動車グループの
機械・自動車メーカーであるジェイテクトが、
直接雇用する「期間従業員」の
雇用問題などに関する団体交渉開催を
またも引き延ばす「連絡書」を
4月7日付で労働組合に送付した。
5人のジェイテクト期間従業員を組織する
三重県の個人加盟制労働組合・
ユニオンみえ(三重一般労働組合)は
強く抗議し、
8日、
3度目の団体交渉の申し入れを行なった。

ジェイテクトは4月7日付の「連絡書」の中で、
団体交渉の速やかな開催を求めた
3月25日付のユニオンみえの申し入れに対し、
自社の主張を述べるにとどまり、
なお団体交渉開催の諾否に
明確な回答を行なわなかった。

■改めて「解雇でない」と見解
ジェイテクトはまず、
4月7日付の「連絡書」の中で、
本件雇用問題について改めて、
「事実内容は適正な雇止めであり、
 解雇ではありません」との認識を示した。
それはそれでよい。

しかし、
ジェイテクト4月7日付「連絡書」には、
その後、
ユニオン側の主張を
明らかに曲解した記述がある。
ジェイテクトはユニオンみえが
「労働契約法第17条第1項
 〔契約期間中の途中解雇〕、
 パートタイム労働法第8条
 〔差別取り扱いの禁止〕規定を用い
 解雇との考えを主張」していると決めつけ、
「労働契約法第17条1項は
 『期間途中での解雇』に関する定めであり、
 同法にあたる期間途中の解雇には該当せず、
 そもそも解雇の4要件が
 必要なものではありません」とか、
「パートタイム労働法8条1項は
 『所謂3要件を満たす
 パートタイム労働者に該当する者』への
 定めであ」るなどと論難している。

■「やむを得ない事由」と言ったのは会社側
ユニオンみえの3月25日付申し入れを、
ごくまっとうに読むならば、
ユニオンみえは別に、
組合員らが「期間途中での解雇」をされたとか、
「パートタイム労働者」であったなどとして
本件が労働契約法17条1項や
パートタイム労働法8条に該当すると
主張しているのではないことは、
すぐに分かる。
ユニオンみえは、
ジェイテクトが本件「雇止め」を
「やむを得ない事由による」
(期間員労働契約書4.⑤)のだ、と
あくまで強弁するため、
労働契約法17条1項の規定を引用し、
「労働契約法では、
 『やむを得ない事由がある場合』とは、
 期間の定めのない労働者の
 解雇の際に必要とされる
 『客観的に合理的な理由を欠き、
  社会通念上相当であると
  認められない場合』、
 すなわち解雇4要件より
 さらに厳しい要件であると解されてい」る
という事実を指摘し、
本当に本件「雇止め」が
「やむを得ない事由による」とまで
言えるのか、と
疑問を呈したまでである。
(本件「雇止め」が
 「期間員労働契約書4.⑤」にある
 「やむを得ない事由による」のだ、
 と主張しているのはジェイテクトの側であり、
 ユニオン側から言い出したものではない)。

■反復更新で「期間の定めなし」になることも
パートタイム労働法についても同様である。
ユニオン側は別に、
組合員らがパートタイム労働者であり、
パートタイム労働法の適用を受けると
主張したのではない。
組合員らが更新を重ねることによって
期間の定めのない雇用契約に転化しているという
ユニオン側の主張を、
ジェイテクトが
「法的根拠のない主張」であるとの一言で
一蹴しようとしたため、
期間の定めのある労働契約であっても
「反復して更新されることによって
 期間の定めのない労働契約と
 同視することが社会通念上
 相当と認められる」ことがあるのだという
実例として提示したにすぎない。

ジェイテクトは、
上記ユニオンの主張に対し、
「期間の定めがない労働契約と
 同視することが社会通念上
 相当とされる5類型にあてはめて考えることが
 一般的であります」と言う。
5類型とは、次のようなものだ。

1.業務内容の恒常性・臨時性、業務内容についての通常の労働者との同一性の有無等労働者の従事する業務の客観的内容
2.地位の基幹性・臨時性等労働者の契約上の地位の性格
3.継続雇用を期待させる事業主の言動等当事者の主観的様態
4.更新の有無・回数、更新手続きの厳格性の程度等更新の手続き・実態
5.同様の地位にある他の労働者の雇止めの有無等他の労働者の更新状況


■社員と混在、同一業務
「1.」の
「労働者の従事する業務の客観的内容」について、
ユニオンみえ組合員らは
「自動車用等ベアリングの製造に関する加工、
 組立て、包装作業等」の、
まさにジェイテクトの恒常的業務に
従事していたのであり、
一定期間で作業の終了が予定される業務に
従事していたわけではなかった。
業務内容についても、
ジェイテクト正社員と並び混在しながら
同一業務に当たっていたという。

「3.」の「当事者の主観的様態」についても、
組合員らは雇い入れの段階で
元の派遣会社である
三重エディックの中川佳映社長から、
「3年頑張れば社員になれるよ」と
聞かされていたと口をそろえて証言している。
組合員Fさんなどは、
「私なんか、
 エエおばちゃんやのに
 正社員になれるんや」と
おどろいていたと証言している。

■「3年」の期間契約のはずが……
ジェイテクトとの間での
初めての雇用契約書にサインした
2007年3月にも、
ジェイテクトの「管理会社」となった
三重エディックの中川社長はその際、
まず「これをちょっと見てくれ」として
雇用契約書のサンプルを1枚出し、
回し読みするよう求めたという。
そこには
3年間の契約期間が書かれてあったことを、
その場にいた何人もの人間が覚えている。
ところが、
三重エディック中川社長が
「それで納得したらサインしてくれ」と
実際にサインさせた
個々の契約書の雇用期間は、
何と「3ヶ月」になっていたというのである。

その後の就業中も、
「3年で社員になれる」というのは
元三重エディックの「期間員」の間では
共通認識であったという。
一度、
「女の人は社員になれないらしい」
との噂がでたこともあるが、
その際も三重エディック中川社長は
「年も性別も関係なく
 3年頑張れば社員になれる」と力説し、
そのことは
何人ものジェイテクト社員が聞きながら
何ら否定しなかったという。

■機械的な「契約更新」
「4.」の「更新の手続き・実態」については、
ユニオンみえ組合員には
全員更新の実績が複数回あり、
その回数は
Sさん・Tさん・Fさんが7回、
Iさんが5回に及んでいる。
更新の際、
労働条件等の契約内容についての交渉もなく、
使用者側があらかじめ用意した契約書に
労働者が署名押印して提出するだけという
機械的な手続きが行なわれており、
更新の手続きは形式的だった。

「5.」の「他の労働者の更新状況」についても、
これまでジェイテクト「期間員」は
欠勤が多い等の特殊な理由で
雇止めされた場合を除き
契約が更新されてきたものであるという。

■もはや「期間の定めなし」に転化
以上の理由からユニオンみえは、
期間従業員らの労働契約について、
「反復して更新されることによって
 期間の定めのない労働契約と
 同視することが社会通念上相当と認められる」
ものとなっていた可能性を指摘している。

会社寮に関する申し入れについては、
ユニオンの申し入れに対し
ジェイテクト「連絡書」はただ、
「弊社は既に具体的な提案を
 ご本人に実施しております」とのみ回答する。
組織労働者の労働条件は、
原則として会社と労働組合が
対等な話し合いによって決定するものであり、
個別分断された労働者と会社との
個別交渉により決定されることは望ましくない。
労働者個人に対して
「具体的な提案」ができるのであれば、
労働組合法で定められた
正式な労使協議の場である団体交渉においても
提案できるはずである。

Iさんはジェイテクトから家賃を天引きされて
アパートに住んでいるが、
このまま住み続けたいと希望している。
また寮について、
わからないことがあったら
「管理委託会社」に問い合わすようにと
記載されているが、
意味不明なので、
どこにどのような会社があるのかなど、
具体的な説明を得る必要がある。
ジェイテクトは速やかに団体交渉を開催し、
提案があるなら公式に労組を通じて提案すべきだ。

■血友病患者に切傷危険作業
また、
出血すると血が止まらなくなる
血友病患者でHIVウィルスに感染し、
ヒト免疫不全症候群(AIDS)で
2級障害者の認定を受けているTさんに
切傷危険作業を行なわせたことについても、
「連絡書」は
「その他の申し入れと思われる事項の
 事実内容については、
 先般ご連絡させていただいたとおりです」
と言うのみで、
具体的な回答が何もない。
当人もユニオンも、
到底納得がいかないとしている。
団体交渉の即時開催が必要である。

■既に職場を追われてしまった組合員ら
ユニオンみえ組合員らは
第1回団交申し入れの際には
在職中であったにもかかわらず、
ジェイテクトが団体交渉を拒絶し、
あるいは引き延ばした結果、
何らの公式な労使交渉を経ないまま
すでに職場を追われてしまっている。
当該労働者らには生活があり、
ことは一刻を争うのである。
ジェイテクトは
速やかに労働組合との団体交渉を開催し、
諸問題の早期解決を図るべきである。
(インターネット新聞「JANJAN」
 4月10日号から転載)


【参考記事】
トヨタ系「ジェイテクト」で団交拒絶続発
ジェイテクト、3たび団交引き延ばし
ジェイテクト:団交開催引延ばしで100日経過
ジェイテクト、ついに「団交に応じる」と回答
ジェイテクト、未払い賃金を「期間工」らに支払い
ジェイテクト亀山工場でストライキ決行
元派遣労働者4人、ジェイテクトを提訴

トヨタ系ジェイテクトに4回目の団交申し入れ
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by imadegawatuusin | 2009-04-10 19:12

「れいめい」第6号に掲載された、
古木民夫さん(日本ジャーナリスト会議東海支部)の記事を
転載します。

――第2回トヨタ連続労働講座――

愛知製鋼からは2万円弱のお金が出ますが、
まずアイセラが7%ピンはねし、
三築に至っては抜けるだけ抜くので、
末端の作業員に入るのは
9000円から1万1000円くらい。
もちろん労災保険などかけていません。(槻本力也)


■愛知製鋼の派遣労働者ら実態報告
「全トヨタ労組(ATU)をサポートする市民の会」主催の
第2回「トヨタ連続労働講座」は2月1日、
名古屋市中村区の牧野コミュニティセンターで
開かれました。
自動車産業を取り巻く情勢は
昨年9月の第1回より一段と厳しく、
労働環境も深刻化しているさなかだけに
会場も緊張気味。

今回は偽装請負を繰り返し、
現在名古屋地裁と愛知県労働委員会で係争中の
愛知製鋼の問題を取り上げ、
そこで派遣労働者として働く槻本力也さんと、
名古屋ふれあいユニオンの酒井徹運営委員長が
対談する形で進められました。

この裁判に関わっている塚田聡子弁護士も
パネリストとして参加する予定でしたが、
残念ながら体調を崩して不参加。

その代わりというわけではありませんが、
たまたまこの日、
名古屋で行われた外国人労働者の
「職よこせ」集会、デモ取材で訪れた
評論家の鎌田慧さんが飛び入り参加し、
労働運動の現状について
話してもらいました。

■最初から話はずばり核心に
槻本さんらの闘いをずっと支援してきた
酒井さんが話を巧みに引き出す役を務め、
最初から迫力あるトークが展開します。

酒井
愛知製鋼で働いている槻本さんですが、
どこの人といったらいいのでしょうか。

槻本
愛知製鋼の下請け
「アイチセラテック(略称・アイセラ)」の、
さらにその下請け、
つまり孫請けの「三築」の、
もう1つ下の「林工業」という派遣会社に属し、
7年前から愛知製鋼で働いています。
愛知製鋼との契約は
一次下請のアイセラに限られているので、
働く時はアイセラのヘルメット・作業衣ですが、
アイセラの社員は全くおらず、
愛知製鋼社員の指揮命令下で作業していました。

酒井
まさに偽装請負、多重派遣ですね。
間に何社も入っており、
ピンはねも膨大なんでしょうね。

槻本
愛知製鋼からは2万円弱のお金が出ますが、
まずアイセラが7%ピンはねし、
次の三築に至っては何%というより、
抜けるだけ抜くというあくどさで、
末端の作業員が実際に受け取るのは
9000円から1万1000円くらいに
なっていました。
もちろん労災保険などはかけていません。


こんな具合に、
導入からずばり核心に迫っていきます。
話の内容は大きく分けて、
ごまかし(偽装請負)、
隠蔽(労災隠し、)
無権利の労働者に対するごり押し
(形式上法に触れなければ
 何でもあり)の3つということになりましょうか。
生々しい体験談が次々に飛び出し、
会場から何度も
「えぇっ本当?」「そんな無茶な!」といった
驚きの声がもれました。
とりわけ労災隠しをめぐる報告は衝撃的で、
ヒートアップする一方でした。
そんな中から1,2例紹介します。

■けがの手当てより、揉み消しの相談
労災が発生すると、
愛知製鋼の現場担当者は
まず下請けの社長のもとに飛んで行き、
事故の揉み消しの相談です。
病院へ連れて行くとか
休業補償の面倒を見るどころでは
ありません。
けががもとで寮からも放り出されてやめていった人を
槻本さんは何人もみているということです。

3次下請けの派遣社員が
指を挟み動かなくなり、
病院で手当てを受けて職場に戻り
報告に行くと、
現場責任者が
「君、悪いけど
 指の包帯をはずしてくれ」と言い、
大きい手袋を渡した例が紹介されました。
これをはめて仕事をせよというのです。
一方、
正規の社員が負傷し
仕事が続けられない場合でも、
帰宅を許さず事務所でじっとしておれといいます。
休まれると
「労災事故ゼロ○○日」という記録が途絶えるのを
恐れるからです。
労災には
①重大災害(死亡)
②休業災害
③不休災害
 (3日以上休むと労災事故にカウントされるため
  会社は被災者に出勤を強制する)
④極微災害
の4段階があり、
③と④なら事故にカウントされず、
ゼロのままで済み、
大きな事故もランクを低くしたがるのだといいます。
このほか、
労災発生で労基署が立入検査に来られ、
違法性がばれる恐れがあり、
事故を起こせば起こすほど
労災の保険料率が高くなるのを
避ける狙いもあるといいます。
よほど重大事故でない限り
労基署に報告しなければ、
ばれずに済む仕組みが労災隠しを
促進しているのでしょう。

たとえ請負であっても、
愛知製鋼で同社の設備を使っての作業中に
起きた災害であることは間違いないのだから、
告発してきちんと当局の指導を受けさせることは
できないのかという質問が出ました。
「事故を起こしたのは
 あくまで下請けであり、
 わが方には責任がない」と突き放す
愛知製鋼を相手に闘うには、
失業を覚悟しなければなりません。
匿名の告発では
当局も本腰を入れてくれず、
勇を奮って実名で告発すれば、
そんな労災をおこす会社は使えないと
会社ごと切ってきて、
他の仲間まで失業させるリスクは免れず
「まさにジレンマです」と
酒井さんは苦しい胸の内を明かします。

一方、
正規社員、下請け、
派遣も含めた安全教育を要求するのですが、
それに応じたら労災が起きた時、
やはり愛知製鋼の責任となるのを恐れてか、
いまだに実現しません。
こういった理不尽さをなくさせるためにと、
槻本さんはふれあいユニオンに
加入を決意したといいます。

■再就職の道を閉ざされた仲間も
そんな槻本さんが2年前のある日、
けがした同僚に付き添って病院に行き
〔酒井注:この部分は
 「解雇された同僚に付き添って監督署に行き」の
 誤りである〕、
職場に戻ると課長から
「そんなことをしていたら職を失うぞ」と
脅されました。
これに反発して言い返した何日か後に
「槻本を愛知製鋼外へ異動」という
愛知製鋼の印が押された書類を
下請けの社長が持ってきて
「君を切ったら、
 あとの40人近い人は残してやる」と言っているので、
泣いてくれということでした。
「こんな会社、
 いつでもやめたるわ」と思ったものの、
愛知労働局に相談に行くと、
担当の方は
「やめる必要はない」と言い、
数時間後に愛知製鋼へ指導に入り、
おかげで翌日にはその異動は凍結となりました。

こんなことがあってその後、
末端の派遣会社12社のうち
“体力”のある4社だけが生き残り、
アイセラや三築(現在は廃業)抜きで
愛知製鋼と直接請負契約を
交わすことになりました。
仕事は従来と同じですが、
ピンハネがなくなった分、
収入も増えるし、
雇用、労災などの保険もついて
現在に至っています。

ただ、
首の皮一枚つながったおかげで
事態が好転した槻本さんですが、
このようなケースはまれで、
依然として境遇は改善されないで
苦しんでいる人や、
解雇されて提訴したものの
再就職の道を断たれた
不運な仲間もいます。
何とか裁判に勝利して、
この人たちが職を取り戻せるようにしたいと
槻本さんは訴えました。

このほか、
槻本さんらは
①裁判などでも偽装請負が明白になっているのに、
 愛知製鋼は頑として認めない
②請負を派遣に切り替える動きがある。
 最終的には正規社員に入れ替えたいが、
 スキル不足で一挙には無理。
 そこで好きな人数だけ首が切れる派遣にして、
 徐々に切り替える狙いである
③派遣切りが進む一方で、
 賃金が極端に安い外国人研修生や実習生を
 どんどん入れている
④トヨタグループの企業は
 クリーンでエコのイメージが強いが、
 実際は大違い。
 その落差があまりにも大きい
――などと話したのが目を引きました。


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職場の理不尽を許さない、強く優しい地域労組の建設を!
愛知県下の未組織労働者は名古屋ふれあいユニオンに結集し、
全ての職場に人権労働運動の灯をともそう!



労働組合名古屋ふれあいユニオン
雇用形態や国籍に関わりなく、
愛知県下で働くすべての労働者が一人から加盟できる
地域労働組合(コミュニティユニオン)。
コミュニティユニオン全国ネットワーク
コミュニティユニオン東海ネットワークにも参加。
今年3月に開かれた第10回定期大会では、
連合産別・全国ユニオンへの加盟について討議するとする活動方針を採択。
日ごろから組合員の学習会や交流会・相談会などを
積極的に企画しながら活動している。
現在、組合員数約200名。
組合員は組合費月額1500円。
賛助会員(サポーター)は年会費5000円。
住所:〒460‐0024
    愛知県名古屋市中区正木4-8-8 メゾン金山711号室
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by imadegawatuusin | 2009-04-06 23:20 | 労働運動