■合祀取り消しを求める遺族
靖国神社に合祀された
戦没者の遺族が合祀取り消しを
求めている裁判がある。
靖国神社は
戦没者遺族が合祀を止めるよう求めても、
一切耳を貸そうとはしない。
戦争指導者と肉親とが
ひとつ所に祀られることを望まぬ人、
肉親を「神」とされることを
宗教的理由から拒む人、
朝鮮・台湾など旧植民地の遺族など、
その理由は様ざまだが、
靖国神社はそんなことにはお構いなしに
一方的に「英霊」を合祀し続けている。

遺族が祀ってほしくないと
必死で訴えている戦没者を
無理矢理「神」として祀っている、
その一点だけとっても、
この神社の非常識さが分かる。
自らが信仰しない、
場合によっては反対する宗教に
勝手に肉親を「神」扱いされて
崇め奉られる遺族の苦しみに、
靖国神社は驚くほど無神経である。

筆者の肉親が、
もしオウム真理教に勝手に
「神」として祀られたら、
どう考えても いい気持ちはしない。
やめてくれと抗議するのも当然だろう。
「一度合祀したものは、
 もはや混然一体となっており、
 再び分離することは不可能だ」などと
独自の「宗教理論」を振りかざして
居直られたりした場合には、
激怒するのは当たり前である。

その意味で、
合祀取り消しを求める遺族の訴えには
社会的正当性があると筆者は思う。

■裁判で解決できる問題なのか
靖国神社のこの傍若無人な振る舞いを
社会的に暴露し、
抗議し、心を入れ替えるよう
靖国神社に求めること、
これは間違いなく正当であり、
必要である。
しかし筆者は、
その遺族が靖国神社に
合祀の取り消しを求めるために
裁判所に提訴するという行動には
賛成できない。

いかにろくでもない信仰であろうと、
信仰は信仰である。
もし裁判所が
原告肉親の合祀取り消しを命令すれば、
それは靖国神社という一宗教法人の
信仰対象そのものを
禁止することになってしまう。
国家権力が
「この人物は
 信仰対象として拝んではならない」と
民間の一宗教法人に
命令することになるのである。

「Aという人は
 お国のために死んだので英霊となり、
 今も護国の神として
 我が国の平和を守っている」
という信仰を持つ人が現に存在する中で、
国家権力が
「Aという人を神として拝んではならない、
 祀ってはならない」と
特定宗教の信仰を禁圧することは
許されない。
ある存在を「神」と信じる人の心を、
国が裁くことはできないのである。

先のオウムの例でいえば、
筆者の肉親がオウムによって、
麻原彰晃と並ぶ神として祀られた場合、
筆者は当然抗議し、糾弾し、
その取り消しを求めて社会的に訴えるだろう。
しかし、
それでもオウムの人たちが
悔い改めようとしないなら、
その信仰を禁止することは、
やはりできないということだ。

では、
その場合の筆者にできることは何か。
オウム真理教が遺族の心情をないがしろにする
実にけしからん集団であると、
その事実をありのままに
社会に暴露することができる。
その実態を知ってもらうことによって、
オウムに引き寄せられそうな人間を
1人でも2人でも引き留めることができる。
そうすることで、
オウムがこの社会において存在できる
社会的基盤を掘りくずしてゆくことができる。

これは靖国神社の場合でも同じなはずだ。
(インターネット新聞JANJAN8月27日号より
 加筆転載)


【参考記事】
靖国神社問題について


8月30日は衆議院総選挙の投票日です。
選挙権のある人は必ず投票しましょう。

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by imadegawatuusin | 2009-08-27 23:01 | 宗教

――「25歳でトップ当選」の稲森としなお市議も参加――

今日は三重県伊賀市まで、
中国人「実習生」の賃金未払い問題で
交渉に行ってきた。
この3月、
25歳の若さで伊賀市議会議員にトップ当選を果たした
社会民主党稲森としなお議員も
交渉に加わってくださった。
ユニオンみえのサポーター会員でもあり、
 「切る側の理屈ではなく、
  切られる側の痛みに立つ」と言いきる
 稲森議員は、
 ユニオンの活動にもこの間
 熱心に協力してくれている)。

会社側は、
社長職を継いだばかりの若社長。
「実習生」たちの残業時間については
「分からない」、
タイムカードがあるのかどうかも
「確認してから回答する」
(そのくらい確認してから来てほしい)、
「実習生」らがどれくらいの広さの寮に
何人で住んでいたかも「分からない」と回答。
ホンマかいな。

「受注が半分以下に落ち込んで、
 社員にもボーナスを払っていない。
 大阪にある本社との統廃合も
 考えている。
 借入金もあり、
 非常に苦しい状況だ」と若社長は繰り返した。

とはいえ、
「実習生」らが求めているのは
そうなる以前、
会社がまだ忙しかったころの賃金だ。
人手が足りなかったとき、
中小企業の生産を底辺で支えていたのが
外国人「研修生・実習生」である。
会社の状況が厳しいのは分かるが、
法律最低限の払うべきものは
やはり払ってもらわなければならない。

この会社で働いた中国人「実習生」のHさんは、
日本に来るために
仲介業者に約40万円払ったのだという。
中国人にとっての40万円は大金だ。
Hさんは中国で貯金をしていたので
そのお金をすんなり支払うことができたが、
親戚から借金をして日本に渡る
「研修生・実習生」も少なくないと
Hさんはいう。
仲介業者によっては100万円取る者も
いるというのだ。
日本に来たばかりのころは
最低賃金以下のお金しか
支払われないにもかかわらず、
意味も分からないまま会社に毎月4万円を
強制的に預けさせられ、
パスポートも取り上げられていた。
それが あるとき、
会社に入管の摘発が入り、
お金もパスポートもやっと戻ってきたのだという。

交渉を終えた後、
Hさんと一緒に、
同じ協同組合に所属する仲間の寮を訪問。
ユニオンみえに加入して未払い賃金を取り戻そうと
中国人「実習生」たちに呼びかけた。

ところで、
今回中国語通訳を務めてくださったMさんは、
ユニオンみえ広岡法浄書記長の
娘さんのお友達だという。
お仕事で台湾に行くことが決まり、
それから中国語の勉強を始めたというから
すごい。
四年間台湾にいただけというが、
僕が見る限りもうペラペラだ。
「そんなことはありませんよ。
 ボキャブラリーが少なくて、
 『遠回りな言い方』ばかりに
 なってるんですから」。
Mさんは謙遜して言う。

制度上、
外国人「研修生」は日本に来てから
一定時間以上の日本語研修が必要なのだ。
が、
払うべき賃金もろくに払わないような企業ほど、
日本語研修もろくに実施していない。
外国人「研修生・実習生」問題の解決に、
優秀な通訳ボランティアの存在は
欠かせないのだ。
Mさん、
これからも是非、
ユニオンの活動にご協力を!
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by imadegawatuusin | 2009-08-25 20:30 | 労働運動

弁護士さんがつけているバッジがある。
ひまわりの中に天秤がデザインされた、
テレビドラマなどでもお馴染みの「あれ」だ。
司法書士さんや行政書士さんにも
似たようなバッジがあるみたいだが、
弁護士バッジのかっこよさは格別だ。

少し観察してみると、
同じ弁護士さんでも、
金色のバッジをつけている人と
銀色のバッジをつけている人とが
いるのに気付く。
ベテランの大先生は銀バッジ。
なりたての新人先生は
金バッジというような傾向がある。

僕は最初、
金バッジで10年くらい弁護士を続けたら、
しぶい銀バッジに
換えてもらえるのだと思っていた。
銀から金に成り上がるのではなく、
金から銀になって
重みが増すというところが、
大人だなぁと思っていた。

ところがあるとき、
弁護士バッジは1種類しかないということを
聞かされた。
あれは、
銀の地に金メッキが施されていて、
そのメッキが
長年使っているとハゲてきて、
銀色になってしまうそうなのである。
それを聞いたとき、
少し興が削がれた思いがしたことを
覚えている。

世間では
「メッキがハゲる」という言葉は
あまり良い文脈では使われない。
けれど、
「メッキのハゲた」弁護士さんは
やっぱりひと味違うのだ。
同じ相談を聞いたときにも
「銀バッジ」の先生は、
それをいきなり
機械的に法律に当てはめて回答する前に、
まず自分の言葉で
お話をはじめられる人が多い。

「メッキが付いているうちはまだまだ。
 地の色で勝負できるようになって本物」。
そう言った弁護士さんがいた。
これは何も、
弁護士バッジだけに限らないと僕は思った。
(インターネット新聞JANJAN8月24日から
 加筆転載)


8月30日は衆議院総選挙!
選挙権のある人は必ず投票しましょう!



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by imadegawatuusin | 2009-08-24 19:07

――三重労働局、職安法違反で文書指導――

■労働局、直接雇用を推奨
「労働者派遣」を装って
労働者の供給を受け入れ、
職業安定法に違反したとして7月24日、
トヨタグループの自動車部品メーカー・
ジェイテクトの子会社・光洋熱処理
三重労働局が文書指導を行なっていたことが
明らかになった。
 
是正指導を受けたのは、
奈良県大和郡山市に本社を置く
人材派遣会社・アドパーツと、
トヨタ系の金属熱処理会社・
光洋熱処理(代表取締役社長:前山義孝)。
三重労働局の是正指導書などによると
光洋熱処理は、
アドパーツ三重支店責任者が
個人的な人脈で募集した労働者に
事前面接を行ない、
面接の結果 自ら採用した労働者を
わざわざ「派遣労働者」として
自社に派遣させたという。

アドパーツ三重支店は当時、
労働者派遣法に基づく許可・届出などを
行なっておらず、
労働者の一部については
光洋熱処理とアドパーツとの間で
労働者派遣契約さえ
締結されていなかったという。
 
アドパーツから光洋熱処理へは、
最大14名が「派遣」されていたが、
今年2月に解雇。
そのうち4名が
三重県の個人加盟制労働組合・
「ユニオンみえ」に加盟し、
光洋熱処理への直接雇用を求めて
三重労働局に是正申告を行なっていた。
三重労働局は光洋熱処理に対し、
直ちに労働者の雇用の安定を図るための
措置を講じたうえで、
労働者供給の受け入れを
即刻中止するよう文書指導。
雇用の安定にあたっては、
光洋熱処理による労働者の直接雇用を
推奨したという。

■労働者が会見で「『派遣』の体をなしてなかった」
二重派遣や三重派遣などの
多重派遣でない事例で、
労働者派遣法違反ではなく、
より厳しい職業安定法違反で指導がなされるのは
極めて異例であるという。
 
解雇された労働者らでつくる
「ユニオンみえ」光洋熱処理ユニット代表の
対馬純さん(38)は8月7日、
三重県庁内で記者会見を行ない、
「光洋熱処理とアドパーツとの間の契約が、
 もはや『派遣』の体をなさないほどに
 デタラメであったということだ」

「アドパーツから光洋熱処理には
 最大14人が派遣されていたにもかかわらず、
 企業間の労働者派遣契約書は
 6人分しかなかったし、
 その6人分も実際の勤務内容と違っていた。
 私たちはさらに、
 光洋熱処理の親会社・ジェイテクトからも
 作業スケジュールの調整・
 段取り計画などと称して
 直接指示がなされていた。
 光洋熱処理が『シフト表』を組み、
 派遣会社の頭越しに
 私たちを休業させていた実態もある。
 これでは、
 私たちの真の雇用主は
 光洋熱処理だったとしか言いようがない。
 光洋熱処理は
 直ちに労組との団体交渉に応じ、
 労働局の指導に従って
 私たちを直接雇用してほしい。
 私たちは直接雇用を求める訴訟も
 準備中だ」

と語った。

■派遣会社「当時の支店長の独断」
一方、
指導を受けた派遣会社・アドパーツは
「ユニオンみえ」へ宛てた書状で、
『光洋熱処理亀山工場の部長と
 当社の三重支店長が結託して、
 職業安定法違反を免れるために、
 労働者派遣と偽って
 労働者供給事業を行なっていたと
 言わざるを得ない。
 三重支店長は
 当社の派遣労働者の名目で
 労働者を募集し、
 この応募者を
 光洋熱処理の部長に直接紹介。
 光洋熱処理亀山工場で
 この部長が面接した上で
 採用を決定する方式をとってきた』
 
『当初は、
 そうした採用決定の後に
 労働者供給である事実を隠すために
 契約書を事務員に作成させていたが、
 平成20年秋ごろからは、
 その契約書面の作成をすることもなくなった。
 当初は、
 労働者派遣を装い
 労働者供給を行っていたものを、
 途中からはその装うことすら
 行なわなかったものと思われる』
 
『平成20年の12月からは、
 雇用関係に関し
 光洋熱処理亀山工場側の部長や課長が
 直接介入するようになった。
 光洋熱処理の課長が「派遣契約」に関係なく
 直接 人員配置をしたり、
 当社の意向を無視して
 労働者を早退させたりするようになった。
 光洋熱処理の部長が
 「派遣」労働者の解雇を、
 名前まで指名して直接指示してきた。
 当社三重支店長は、
 「この業界ではどこでもやっている」と
 違法を正当化していた。
 当社は三重支店長に対し、
 背任の疑いも持っている』

などとしている。
 
また、
対馬さんらが就労していた光洋熱処理は
「ユニオンみえ」との団体交渉を
「雇用契約がない」の一点張りで
拒否しているが、
毎日新聞三重支局の取材に対し、
「指導を受け、
 今月5日に改善報告書を提出した。
 今後は指導を受けないようにしたい」と
語っているという(毎日新聞三重版8月8日)。
(インターネット新聞JANJAN8月20日から
 加筆転載)


8月30日は衆議院総選挙!
選挙権のある人は必ず投票しましょう!

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by imadegawatuusin | 2009-08-20 21:08 | 労働運動

――労働局の直接雇用推奨の指導にもかかわらず――

トヨタグループの鋼材メーカー・愛知製鋼
今年2月9日、
労働者派遣法上の期間制限を超えて
労働者派遣を受け続けてきたとして
愛知労働局から文書指導を受け、
労働者の直接雇用が望ましいと
直接雇用の推奨を受けた。

しかし愛知製鋼は、
不正を労働局に申告した労働者を社内から追放、
労働局からの直接雇用の推奨も
「受けていない」としらを切り続けている。

■報道直後に産廃に配転、給料激減!
偽装請負・違法派遣を
愛知労働局に告発した久保勝司さん(49歳)は
2004年9月から
「セキ」という会社を通じて愛知製鋼で働いてきた。
2005年5月末までは鍛造工場でプレスの型替えを、
その後は冷間ローリングミルを行なう業務に従事した。
久保さんは愛知製鋼の社員とチームを組み、
愛知製鋼社員の指揮命令の下で働いてきた。
作業手順の指示や技術的指導、
出勤・退勤時間の管理まで愛知製鋼が行なっており、
残業も愛知製鋼の現場責任者からの指示に従っていた。

しかし、
ある会社の従業員が、
他社の従業員を自らの指揮命令下で働かせることは
原則としてできないことになっている。
そうしたことをする場合には
会社同士が労働者派遣契約を結ぶなど、
適正な手続きを踏まなければならない。

だが、
当初愛知製鋼は、
久保さんについて
セキと労働者派遣契約を締結してなどいなかった。
愛知製鋼は
100パーセント子会社・アイチセラテックとの間に
業務請負契約を締結し、
アイチセラテックがセキとの間に
業務請負契約を締結。
つまり、
派遣先が様々な義務を負う
「労働者派遣」という形をとることなく、
「請負」契約という形式を偽装して
実際には労働者の派遣を受けるという、
典型的な偽装請負(しかも違法な二重派遣)の
状態だった訳なのだ。
(セキの直接の「発注先」であるはずの
 アイチセラテックの従業員など、
 現場にはいなかったと久保さんは証言している。
 アイチセラテックは、
 愛知製鋼とセキとの間に入り、
 ただ利益をかすめ取るだけの存在だった)。

久保さんはこの不正を愛知労働局に告発。
愛知労働局は調査の結果、
愛知製鋼が労働者派遣法上の期間制限を超えて
久保さんを受け入れていた事実を認定して
正常化を指導。
正常化にあたっては
「直接雇用が望ましい」との
直接雇用の推奨が行なわれた(朝日新聞、中日新聞2月26日)。

ところが、
これに対する愛知製鋼の仕打ちは
ひどいものだった。
愛知製鋼の不正が認定され、
労働局の指導が行なわれたことが
新聞などで報道された直後の3月6日、
久保さんは突如
これまで働き続けてきた愛知製鋼の職場を追われ、
産廃処理施設に移るよう命じられた。
それまで1万600円もらっていた日当は
7300円に激減。
まさに辞めろといわんばかりの状態に
陥れられたのである。
(賃金は、その後の抗議で回復された)。

久保さんの加盟する
愛知県の個人加盟労働組合名古屋ふれあいユニオンは、
直ちに久保さんの直接雇用を求めて
愛知製鋼に団体交渉を求めたが、
愛知製鋼は「雇用関係にない」の一言でこれを拒絶。
名古屋ふれあいユニオンが愛知県労働委員会に
不当労働行為の救済を申し立てると愛知製鋼は、
愛知労働局の指導に従って
セキとの契約を打ち切り、正常化したのだと
居直ったのである。

■労働局の直接雇用推奨は確かだ
セキとの違法な契約を打ち切ること自体は正しい。
だが、
そのセキでは不正を告発した久保さんが
働いているのである。
愛知労働局は
久保さんの直接雇用を推奨したはずだ。
このことは、
私たち名古屋ふれあいユニオン側も
何度も愛知労働局の担当者から
確認している事実である。

にもかかわらず愛知製鋼は、
愛知労働局が久保さんの直接雇用を推奨した事実を、
愛知県労働委員会に提出した「準備書面」の中で
真っ向から否定し、
「愛知労働局は、
 被申立人(筆者注:=愛知製鋼)と
 株式会社セキに対しては、
 久保の被申立人による直接雇用も
 選択肢の一つであるとして
 口頭で紹介したものであって、
 これは事実以外のなにものでもない」と
主張し始めたのである。

何度も言うが、
名古屋ふれあいユニオン側は
愛知労働局の担当者に、
労働局が愛知製鋼に
久保さんの直接雇用を確かに推奨したという事実を
何度も何度も確認している。
愛知製鋼の言い分は白々しいにもほどがある。

さらに愛知製鋼は、
労働局が直接雇用を「推奨」するなどという行為は、
厚生労働省の
「労働者派遣事業関係取扱要領」(平成19年4月1日通達)に
「反するものであり、
 愛知労働局が……通達に反する行為に及ぶことなど
 あり得ないことである。
 それゆえ、
 愛知労働局は、
 被申立人らに対し、
 久保の被申立人による直接雇用も
 選択肢の一つであると口頭で紹介したと
 推認できる」と、
あろうことか
何度も事実を確認している
名古屋ふれあいユニオンの側を
うそつき呼ばわりする挙に出ているのである。

愛知製鋼は平成19年の「取扱要領」より後に出た、
平成20年11月28日発の
厚生労働省通達を知らないとみえる。
これを知らないので、
「直接雇用の推奨などされていない」などと
デタラメを言っても
ウソがばれることはないと
タカをくくっているのであろう。

しかし、
平成20年11月28日付の厚生労働省通達・
「現下の厳しい雇用失業情勢を踏まえた
 労働者派遣契約の解除等に係る指導に当たっての
 労働者の雇用の安定の確保について」には、
久保さんのようなケースにおいては
直接雇用を推奨すると明確に謳っているのである。
以下に、
該当する箇所を引用する。

労働者派遣法に基づく指導監督においては、
これまでも対象となる労働者の
雇用の安定を図るための措置を講ずることを前提に
違反事項の是正を図るよう
指導しているところであるが、
偽装請負等の是正指導後の
労働者の雇用状況……を見ると
離職に至った労働者も見られることから、
是正指導に当たっては、
労働者の雇用の安定を図るための措置について
指導を徹底すること。

また、今般、
国会に提出された労働者派遣法改正案においては、
適用除外業務への派遣労働者の受入、
派遣可能期間の制限や偽装請負等に違反した
役務の提供を受ける者に対しては、
当該派遣労働者に対して
労働契約の申込みをするよう勧告することができると
されているところであり、
この労働者派遣法改正案の趣旨も踏まえ、
また、
現下の厳しい雇用失業情勢における
雇用対策の一環として、
今後の是正指導に当たっては、
対象労働者の雇用の安定を図るための措置を
講ずることの指導とは別に、
派遣先又は発注者に対して
対象労働者の直接雇用を推奨すること。
(平成20年11月28日厚生労働省職業安定局長通達)


偽装請負や派遣可能期間の制限越えなどに対する
指導監督においては、
「雇用の安定を図るための措置を講ずることの
 指導とは別に、
 派遣先又は発注者に対して
 対象労働者の直接雇用を推奨すること」と、
他ならぬ厚生労働省の通達に
はっきりと明記されているのである。
平成19年の厚生労働省通達(の独自の解釈)を元に、
労働局(厚生労働省の機関である)が自分たちに、
直接雇用の推奨に「及ぶことなどあり得ない」と
大見得を切った愛知製鋼は、
この平成20年11月28日付厚生労働省通達を前にして
いかなる言い訳をするのだろうか。

■「久保さんを直接雇用せよ!」集会に50人以上!
6月13日、
ウソにウソを重ねる愛知製鋼に対し、
久保さんを支援する市民団体の主催で
「愛知製鋼は久保さんを直接雇用せよ!」と題する
集会が開催された。
集会には、
予想を超える50人以上が参加して
用意された会場が満席になり、
多くの市民が
名古屋ふれあいユニオン知多分会
(愛知製鋼非正規労働者分会)の
槻本力也分会長や久保さんの語る
愛知製鋼の労働実態に耳を傾けた。

集会の最後には、
愛知製鋼との労働委員会闘争を闘う
名古屋ふれあいユニオンへの会場カンパも呼びかけられ、
筆者がユニオンを代表してこれを受け取った。
「きっとこの闘いに勝利して、
 みなさんにこの御恩をお返しして見せます」と
筆者は言った。

不正を告発した労働者を、
会社から追い出すことで成立する「正常化」など、
絶対に認められてはならない。
「職場の理不尽を許さない」をモットーとする
名古屋ふれあいユニオンは、
全力を挙げて、
愛知労働局の指導に基づき、
久保さんの直接雇用を
愛知製鋼に強く働きかけていくとしている。
(インターネット新聞「JANJAN」8月10日から
 加筆転載)


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9月24日、愛知県労働委員会傍聴へ!
愛知製鋼不当労働行為事件、和解成立
愛知製鋼事件和解の意義(弁護士 中谷雄二)


8月30日は衆議院総選挙!
選挙権のある人は必ず投票しましょう!



労働組合名古屋ふれあいユニオン
雇用形態や国籍に関わりなく、
愛知県下で働くすべての労働者が一人から加盟できる
地域労働組合(コミュニティユニオン)。
コミュニティユニオン全国ネットワーク
コミュニティユニオン東海ネットワークにも参加。
今年3月に開かれた第11回定期大会では、
連合産別・全国ユニオンへの加盟について討議するとする活動方針を採択。
日ごろから組合員の学習会や交流会・相談会などを
積極的に企画しながら活動している。
現在、組合員数約200名。
組合員は組合費月額1500円。
賛助会員(サポーター)は年会費5000円。
住所:〒460‐0024
    愛知県名古屋市中区正木4-8-8 メゾン金山711号室
    (JR・地下鉄・名鉄金山駅下車 名古屋ボストン美術館の向かい)
電話番号:052‐679‐3079(午前10時~午後6時)月~金
ファックス:052‐679‐3080
電子メール:fureai@abox.so-net.ne.jp
郵便振替 00800‐8‐126554
ホームページ
http://homepage3.nifty.com/fureai-union/
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by imadegawatuusin | 2009-08-16 23:18 | 労働運動

私たちは「増税路線」だ

――法人税・所得税・相続税増税で格差是正を――
社会民主党筆者応援演説より要約)

■増税自体は必至である
新宗教団体・「幸福の科学」が
8月30日の衆院選に向けて設立した
「幸福実現党」の街宣活動が
盛んだ。
先日も、
「減税路線の幸福実現党~」と言いながら
走る街宣車とすれ違った。

今、特に自民党と民主党との間で、
「財源論争」が盛んである。
自民党は
民主党の打ち出す様々な政策に
財源の裏付けがないと批判する。
消費税増税を国民の前に打ち出せない民主党には
政権担当能力がないと
攻撃する戦略に出たようだ。

たしかに、
「まずは無駄をなくす」としか言わない
民主党の論理には
かなり無理があるのは事実である。
無駄をはぶくのは大前提として、
今の日本の借金はもはや無駄をはぶいて
何とかなるような状態を越えている。

私たち社会民主主義者は、
そもそも「高福祉、高負担」の社会を
目指している。
増税そのものには大いに賛成だ。

今、全国で、
仕事も住まいも失った
「住み込み派遣」の労働者たちが、
市役所に駆け込んでも「住所がない」とか何とか
わけの分からない理屈で追い返される事件が
報告されている。
「住所がない」のが問題なのなら、
ホームレス一時保護所を国や自治体の責任で
きちんと作ればいいだけなのに、
「財源がない」と言って作らない。

家のない人はどこの会社も雇ってくれない。
けれど、
仕事をしていない人に
大家さんは家を貸してくれない。
ここまで八方ふさがりな状態に陥っている人が
目の前にいるというのに、
お金がないから助けられないというくらいなら、
税金はもっと高くてもいいと思う。

幸福実現党の言葉を借りれば、
私たち社会民主主義者は
確信的な「増税路線」論者である。

ではなぜ、消費税増税に反対しているのか。
それは、
消費税というのが本質的に、
貧乏人ほど重い負担を強いられる
ひどい税金だからである。

消費税は誰からも「平等」に
5パーセント取るのだから、
公正な税金だという人がいる。
大間違いだ。

例えば、
年収200万円の私が、
牛乳を1パック買うとする。
そのとき、
例えば私の10倍稼いでいる
年収2000万円のAさんは
牛乳を10本買うだろうか。

いくら金持ちでも、
1日10パックも牛乳を飲んだら
腹をこわすに決まっている。
Aさんが私の10倍稼いでいるからといって、
私の10倍牛乳を買うことは
ありえないのである。
相対的にいって、
消費税は貧乏人に
重くのしかかるようにできている。

そもそも自民党政権は、
この間 法人税も所得税も、
相続税も大幅に最高税率を引き下げ、
大減税を行なってきた。
そのツケがこの莫大な赤字財政として
今のしかかっているのである。
消費税を上げる前に、
法人税・所得税・相続税を元に戻し、
場合によっては増税するのがスジである。
それがどうして、
「増税といえば消費税」みたいな話に
なっているのか。

真の争点は
「消費税を増税するのかしないのか」に
あるのではない。
財政状況を考えれば、
増税自体は必至である。
問題は、
「増税は、
 消費税で行なって格差をさらに拡大するのか、
 それとも、
 法人税・所得税・相続税で行なって
 格差是正を目指すのか」。
このことこそが、
今、問われるべきなのだ。
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by imadegawatuusin | 2009-08-13 12:04 | 政治

――リップルウッド系 旭テックの不当労働行為認定――

■労組、「画期的命令」と評価
三重県の個人加盟制労働組合ユニオンみえに加盟する
大川徳雄さんが会社を解雇されたのは、
買収ファンド・RHJインターナショナル(旧リップルウッド)傘下の
親会社・旭テック株式会社(代表執行役社長:入交昭一郎)の
決定によるものだったとして、
団体交渉を拒否する親会社を相手に
労組が不当労働行為救済申立を行なっていた事件で、
三重県労働委員会は8月7日、
旭テックがユニオンみえとの団体交渉に応じなかったことが
不当労働行為にあたるとする命令書を交付した。

■旭テックに牛耳られていた豊栄工業
命令書によると旭テックは、
ユニオンみえから2007年11月27日付文書で申し入れられた
同年12月4日の団体交渉申し入れに対し、
12月4日までに返答をせず、
これを拒絶した。
旭テックはこの理由について、
同年12月28日付「警告書」の中で、
「大川解雇問題に関して
 団体交渉に応じる立場にない」ことを
挙げていた。

旭テックは当時、
大川さんの勤務していた
豊栄工業(代表取締役社長:長田幸久)の株式を
50パーセント以上保有していた。
豊栄工業の代表取締役社長である長田幸久氏自身が
旭テックの出身者であっただけでなく、
他の取締役も1人は旭テックの執行役で、
もうひとりは旭テックの従業員だった。
さらに豊栄工業の監査役まで、
旭テックの経理部長が兼ねていたのである。

豊栄工業の重要な政策決定や変更、
役員人事や組織に関する事項、
さらには重要な設備投資についてまでが、
旭テックの決裁事項とされていた。
各事業担当部長の交代までもが、
旭テックが指示していたと
命令書では認定されている。
豊栄工業の経営および業務運営は、
旭テックに支配・決定されていたのである。

■株主の質問に「株主」が回答!
そのことを表す
象徴的なエピソードがある。
2004年6月に開催された、
豊栄工業の株主総会での出来事だ。

この場において大川さんは、
持ち株社員として豊栄工業の経営陣に対して
質問をした。
すると、
経営陣の誰一人として
その質問に答えることができず、
何と株主席に座っていた
旭テックの吉田隆夫常務(当時)が、
豊栄工業の経営方針について
説明を行なったのである。
三重県労働委員会は吉田常務の行動を、
「一株主としての発言の範囲を
 逸脱したもの」と厳しく指摘している。

■解雇は旭テックの承認のもと行なわれた
旭テックは大川さんの解雇直前、
当時の社長である佐々木久臣氏が
突然大川さんの会社に出向き、
わざわざ大川さんと面談までしたという事実が
残されている。
にもかかわらず旭テックは、
大川さんの解雇は豊栄工業が
自ら判断したものだと強弁してきた。
しかし、
豊栄工業は2005年8月に開催された
ユニオンみえとの団体交渉において、
長田幸久社長自身が
「大川の問題というのは、
 親会社である旭テックと
 相談しております」、
「権限があるかないかということなしに、
 やはり親会社と相談しなければ
 いけないことだと認識しております」、
「当然資本関係が
 旭テックが58%強持ってますので、
 親会社に対して
 重要な相談事項に関して相談するのは
 当然でありまして、
 この件に関しても相談しております」、
「これは決定したということ自身、
 それなりの重みがあるといいますか、
 軽率にできる決定ではないわけです。
 それでもって、
 親会社と相談して
 我々として決定しております」
などと発言しているのである。

さらに豊栄工業の長田社長は、
ユニオンみえの要求した
大川さんの解雇撤回についても、
親会社に相談しなければ
撤回はできない旨の回答をしている。

以上の事実に照らし、
三重県労働委員会は、
「したがって、
 豊栄工業が大川を解雇するにあたっては、
 会社(労組注:=旭テック)の具体的な
 指示ないし承認があったと
 解するのが相当である」と
結論づけた。

豊栄工業の長田社長は、
ユニオンみえとの団交で述べた上記発言について、
労働委員会での審理では一転、
「解雇撤回要求に対する回答を
 先延ばしにしたいという思いから
 発言したものであって
 事実ではない」などと言い出したのであるが、
そのような見え透いたウソが
どこの世界で通用するというのだろうか。

命令書は、
「(労組注:豊栄工業の)長田社長は、
 大川問題について
 会社(労組注:=旭テック)の決裁を
 一切受けずに独自に判断したことを
 説明しようとして、
 無理な証言をしたものというべきである」
と、豊栄工業の長田社長の証言を
一蹴している。

■「旭テックの団交拒否は違法」と認定
「会社(労組注:=旭テック)は、
 日頃から、
 豊栄工業の経営、業務について、
 具体的に支配、決定する地位に
 あったところ、
 大川の解雇問題については、
 豊栄工業が解雇するにあたって、
 直接会社の代表執行役社長が
 大川本人と面談し、
 解雇を指示ないし承認したものであり、
 解雇後も会社の指示ないし承認がなければ
 解雇を撤回することが
 できなかったと解される。

 したがって、
 会社(労組注:=旭テック)は、
 少なくとも大川の解雇問題については、
 雇用主と同視できる程度に
 現実的かつ具体的に
 支配、決定することが
 できる地位にあったといえ、
 ……同問題に関しては、
 会社(労組注:=旭テック)は
 労組法第7条の「使用者」であったと
 解すべきである。

 よって、組合が、
 (労組注:平成)19年11月27日付けで
 申し入れた
 大川の解雇問題に関する団体交渉を、
 会社が大川の使用者でないことを理由に
 拒否した行為は、
 労組法第7条第2号に規定する
 不当労働行為に該当する」。
これが、
三重県労働委員会の命令書の
結論である。

ユニオンみえの広岡法浄書記長は、
「会社からのポストノーティス(謝罪文交付)が
 認められなかったなど、
 不満な点も残っているが、
 親会社の団体交渉義務を認めた点は
 大きい。
 長年経営者寄りの判断を下す傾向にあった
 三重県労働委員会で
 このような決定が出たことは画期的だ。
 今後、豊栄工業に限らず、
 子会社を実質的に支配する親会社に
 どんどん団交を申し入れていきたい。
 本命令はそのための大きな武器になる。
 他の労組も大いに活用してほしい」
と語った。
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by imadegawatuusin | 2009-08-10 18:21 | 労働運動

――弁証法:「矛盾は飛躍へのチャンス」――

そもそも矛盾する事態を抱えることは
飛躍へのチャンスのような
気がするのだ。
なぜなら、
どうでもいいことならば、
少々矛盾していても気にならないものだが、
真剣に考えざるをえない
矛盾した事態というのは、
その時点で
解決へ向けてのやる気やエネルギーを
もっていることの証明だと
思えるからだ。

つまり
「矛盾して悩んでいる時こそが
 解決のチャンスであり、
 飛躍できる時なのだ」
と考える方が前向きでいい。

そしてそのときの解決法としては、
この「弁証法」をオススメする。
やり方としては、
矛盾するものを
両方いっぺんに手に入れるべく
努力し考えるのがベストだ。(本書78~79ページ)


矛盾に直面したときに、
単なる折衷で済ませれば、
人間も社会も進歩がない。
矛盾は折衷によってではなく、
弁証法的に より高度に止揚することで
克服するのでなければ、
新しい世界は開けない。


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by imadegawatuusin | 2009-08-06 21:35 | 日本語論

愛知県の個人加盟制労働組合
名古屋ふれあいユニオン
日系ブラジル人労働者・荒木ミツヒロさんの
雇用問題について
中部イノアック株式会社と話し合いを行ない、
会社側と円満和解に達しました。

和解内容を明らかにすることはできませんが、
みなさまのご支援・ご注目に
心からお礼申し上げます。


労働組合名古屋ふれあいユニオン
雇用形態や国籍に関わりなく、
愛知県下で働くすべての労働者が一人から加盟できる
地域労働組合(コミュニティユニオン)。
コミュニティユニオン全国ネットワーク
コミュニティユニオン東海ネットワークにも参加。
今年3月に開かれた第11回定期大会では、
連合産別・全国ユニオンへの加盟について討議するとする活動方針を採択。
日ごろから組合員の学習会や交流会・相談会などを
積極的に企画しながら活動している。
現在、組合員数約200名。
組合員は組合費月額1500円。
賛助会員(サポーター)は年会費5000円。
住所:〒460‐0024
    愛知県名古屋市中区正木4-8-8 メゾン金山711号室
    (JR・地下鉄・名鉄金山駅下車 名古屋ボストン美術館の向かい)
電話番号:052‐679‐3079(午前10時~午後6時)月~金
ファックス:052‐679‐3080
電子メール:fureai@abox.so-net.ne.jp
郵便振替 00800‐8‐126554
ホームページ
http://homepage3.nifty.com/fureai-union/
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by imadegawatuusin | 2009-08-06 19:53 | 労働運動

本書74ページに掲載されている
四コマ漫画には、
「西欧に旅行するときは
 気をつけよう
 ホテルのろうかは屋外といっしょ
 パジャマで歩いちゃいけないよ」
とある。
同じ著者の『語句ナビ690』73ページでは、
「西欧においては
 『部屋』が『内』であり、
 そこを出ればすべて『外』である」と
指摘されている。

それに対して日本はどうかというと、
「日本において内と外のはっきりしている境界もある。
 それは『家』の内と外の区別だ。
 家に入るのに玄関で靴を脱がなければならないことに
 象徴されるように、
 『家の内と外』の区別は歴然としている。
 一方、
 一歩家の中に入ると
 各部屋の仕切りは『襖(ふすま)』や『障子』に象徴されるように、
 西欧ほどはっきりとは
 壁や扉で区切られていない」。
「西欧では
 自分の部屋から一歩外に出れば、
 家の中でも『外』の意識になるのとは
 対照的だ」。

この違いは、
「個人」を基本単位と見る西欧の個人主義と、
「イエ」を基本単位と見る
日本の「イエ中心主義」の違いに
対応しているのではないだろうか。
本書では、
「西欧では
 あくまで個と個とは区切られた別の存在」、
「日本の場合、
 一家は運命共同体であり、
 強固な自我の意識が発達しなかった」とある
(本書75ページ)。


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by imadegawatuusin | 2009-08-05 21:20 | 日本語論