7月30日の『朝日新聞』の投書欄に、
「早すぎる当確速報は投票軽視」との投書が載った。

実際に開票が始まる前に
すでに議席が決まったなどと
テレビで報道されるのを見ると、
「自分の一票が数えられる前に当選が決まるなんて」と
思う人が出るのも理解はできる。
しかしテレビ各局が開票率の低い段階で報じるのは
「当選確実」であり、「当選」ではない。

テレビをきちんと見ていると、
「当選確実」と「当選」とは厳密に使い分けられている。
「当選確実」は
事前の取材や出口調査などの結果から
当選が確実である場合に
開票の状況にかかわらず速報される。
しかし「当選」は、
実際に票を一票一票数えていき、
まだ開票されていない全ての票が
次点の候補のものであっても
その候補の票数を上回ることが
ないという段階にならないと
報道されることはない。

単に票を数えるだけでは、
その票にどのような思いが込められており、
どういった意味があるのかまではわからない。
だから選挙の出口調査では投票先だけでなく、
前回はどの候補に投票したかとか、
どういった争点を重視したかといったことが聞かれる。
出口調査は良質な選挙報道に必要な取材だ。
そして、
そうした出口調査などからある候補の当選が
明らかに確実とわかれば、
わかった以上は
投票の終了後いち早く報じるのが
報道機関として当然だと私は思う。


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by imadegawatuusin | 2013-08-31 13:13 | 政治

「いとしい我が子や妻を思い、
 残していく父、母に幸多かれ、
 ふるさとの山河よ、緑なせと念じつつ、
 貴い命を捧げられた、あなた方の犠牲の上に……」。
全国戦没者追悼式の式辞において安倍晋三総理大臣は、
追悼する戦没者をそう一くくりにして
その「御霊(みたま)」に呼びかけた(朝日新聞8月16日)。

歴代総理が踏襲してきた
アジア諸国に対する加害責任への反省や哀悼の言葉が
抜け落ちていることは
あちこちで議論になるであろうからここでは置く。
「御霊」なるものが実在することを自明視して
それに呼びかけるという
非科学的な式辞の形式そのものについても
今は論難するつもりはない。
そしてそもそも、この自己陶酔的なポエムでも読まされているかのような
違和感の残る文体についても、
総理の趣味の問題であるので
どうこう言ったりはしないでおこう。
私が指摘したいのは、
話を国内に限ったとしても、
ここで描かれる「戦没者」像は
あまりに貧困だということである。

ここで安倍総理が思い描く戦没者像はおそらく、
戦地で命を落とした(若く健康な)男性兵士のものだ。
もっとわかりやすく言えば、
戦艦大和の乗組員や神風特攻隊の隊員のような、
「靖国神社に祭られているような人々」こそが
安倍総理の思い描く戦没者なのだ。

だが、
「戦没者」というのは
本来もっと広い概念なのではないだろうか。
「戦争」で「没」した「者」のすべてが
そこに含まれていなければならない。
沖縄で集団自決に追い込まれた人々も、
広島や長崎で原爆の犠牲になった人々も、
東京や大阪や神戸における大空襲で焼き殺された人々も
すべて等しく「戦没者」であるはずだ。
安倍総理の言うところの、
「残」された「父、母」、「子や妻」、
そして老人や病人や障害者の中にも
膨大な「戦没者」がいるのだという視点が、
安倍総理の式辞からは
すっぽりと抜け落ちているように見える。

男たちが戦地で戦う その間にも、
「銃後」ではそうした市民がどんどん殺され続けていた。
戦争を続ければ続けるほど、
死ななくてよかったはずの市民が
「戦没者」とならざるをえなかった構図がここにある。
本土空襲の開始前に、
あるいは米軍の沖縄上陸以前、
広島・長崎への原爆投下以前に
きちんと戦争を終わらせて
「自由、民主主義」の道を受け入れていれば、
「ふるさとの山河」や「緑」にも
傷跡を残さずに済んだのだという当たり前の事実にも
目を閉ざしてはならない。

そしてことここに至って、
いわゆる(若くて健康な)男性兵士の犠牲だけが
追悼され、
「銃後」の犠牲がなおざりにされたのでは、
殺された市民は
文字通りの犬死にというものになってしまう。
誰を殺すつもりも殺される覚悟もないままに
理不尽に殺されていった市民の犠牲が
二の次三の次にされてはならない。

戦争は
男性兵士の戦う最前線でのみ起っていたのではない。
焼夷弾や原爆や「鉄の暴風」が降り注いだ
「銃後」もまた、
れっきとした戦場だったのだ。


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by imadegawatuusin | 2013-08-30 13:24 | 政治

菅義偉官房長官は8月28日の記者会見で
シリア情勢に関連し、
「化学兵器の使用はいかなる場合でも許されない」と
発言した(朝日新聞8月28日夕刊)。
この言葉そのものについては私も全く同感である。

ところでわが国は、
化学兵器よりはるかに破壊力があり、
かつ自然にも人体にも長期的な影響を及ぼす
核兵器について、
「いかなる場合でも核兵器を使用しないことが
人類の生存に資する」との表現が
受け入れられないとして、
今年4月のNPT再検討会議準備委員会に出された
共同声明に署名しなかった。
化学兵器の使用が
「いかなる場合でも許されない」なら、
核兵器の使用はなおのこと
「いかなる場合でも許されない」のが道理ではないか。


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by imadegawatuusin | 2013-08-29 17:16 | 国際

安易な「天罰論」は危険

「お天道様の裁きは恐ろしいぞ」との投書が
朝日新聞5月27日の投書欄に載った。
投書は、
「強引なやり方で財産を築いた」知り合いの「息子や孫」が
「事故や火事など不幸に多数見舞われた」ことを
「お天道様の裁き」であるという。
そして、
「『お天道様の裁きは何代も続き、恐ろしいぞ』と
 大人も子どももみんなが信ずるようになれば、
 いい世の中になる」というのだ。

「お天道様」が本当に正しいものであるならば、
どうして直接本人に裁きを下さず、
罪のない子や孫に
事故や火事などの不幸をもたらすのだろうか。
こうした「世代を超えた裁き」を容認する姿勢は、
血筋による差別を正当化する
不義不正の考え方に結びついていく。
安易な「天罰論」は実は危険な考えなのだ。

相手側(がわ)の過失が100パーセントの事故というのは
珍しくないし、
火事の原因の第一位は放火である。
事故や火事といったものは
本人の落ち度とは関係なく起きるときは起きるものだ。
それなのに
世の不幸について被害者側に落ち度を求める「天罰論」は、
ただでさえ傷ついている被害者側を
二重に苦しめる妄説だ。
「悪いことをすると事故や火事にあう」という考えが
正しいとなれば、
事故や火事にあった人を
「悪いことをした人」ではないかと
見なければならなくなるわけである。

検証不能な迷信には弊害が多い。
そうした迷信は「いい世の中」などつくらない。
ありもしない「天罰」よりも、
日本を代表する高級紙である朝日新聞に
こうした荒唐無稽(こうとうむけい)な投書が
堂々と載っていることの方が
私にはよほど「恐ろしい」。


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by imadegawatuusin | 2013-08-28 18:09 | 文化

――デモ排除で実弾連射、死者140人超――

デモ会場には女性、子供も

エジプトの治安当局は8月14日に、
軍によるクーデターで排除されたムルシ大統領の
支持者たちが続けていたデモの
強制排除に踏み切った。
強制排除にあたっては実弾が連射され、
ロイター通信によると149人が死亡し
1400人以上が負傷したということである。
当時、
デモ会場には女性や子供を含む数千人がいた。
クーデターによって成立した「暫定政権」は
「非常事態」を宣言し、
治安当局による令状なしの拘束などが
可能となったという。

■「どこに人権があるのか」

「選挙で選ばれた大統領を軍が排除し、
 それに平和的に抗議した民衆を武力で排除する。
 どこに人権があるのか」。
エジプトの中学校英語教師・
アブドラ=ムハンマドさん(32歳)の言葉である。
ロンドン在住のアラブ紙・
「アルクッズ=アルアラビ」編集長の
アブデルバリ=アトワン氏も、
「今回の流血はアラブ諸国の混乱にも拍車をかける。
 国際テロ組織アルカイダや支持集団は勢いを増し、
 『民主主義を信じた同胞団の政権は転覆され、
  殺された。
  欧米と戦う我々のやり方が一番なのだ』と
 イスラム教徒に言い聞かせるだろう」と懸念する。

■「クーデター黙認が流血を招いた」

アトワン氏はさらに、
「欧米の対応にも問題があった」と指摘する。
「7月のクーデター直後、
 アフリカ連合(AU)は
 エジプトの加盟資格を停止した」が、
「米国や欧州連合(EU)は……クーデターを黙認した。
 これが軍を勢いづかせ、
 流血の事態を招いた。
 国際社会は、
 エジプトが民主主義と人権の尊重を保障するまで、
 あらゆる援助を停止すべきだ」と言っている
(朝日新聞8月15日)。

日本においても少なくとも、
博物館の建設などの不要不急の援助については
民主的政権の成立までは直ちに停止するべきだ。

■民主的プロセスに立ち戻れ

私は
日本においても世界においても
政教分離の政治を求める社会民主主義者であり、
イスラム主義に基づく政治の実現を目指す
ムルシ大統領やムスリム同胞団とは政治路線を異にする。
しかし、
だからといってエジプトで起きた
軍によるクーデターや人民虐殺を許すことはできない。

私は今回のエジプト治安当局による人民虐殺に
強く抗議する。
治安当局は非常事態宣言を直ちに撤回し、
平和的なデモの権利を
どの政治勢力に対しても保障するように
強く求める。
そして、
現在拘束中のムルシ大統領を軍が直ちに釈放し、
再び彼を中心に
民主的な政治プロセスにエジプト全体が立ち戻るよう
強く求めるものである。

【関連記事】
クーデター起こしたエジプト軍への援助停止を
ケリー氏のクーデター肯定発言を憂慮
エジプト新博物館援助は凍結を


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by imadegawatuusin | 2013-08-15 08:41 | 国際

(2013年10月9日掲載)

野党第一党・民主党の大畠章幹事長は8月11日に
豪雨被害の視察で岩手県を訪れ、
前日にゴルフをしていた安倍晋三総理大臣を批判した。
「大規模水害で犠牲者が出ている中、
 笑顔でゴルフに興ずる首相の神経は
 全く理解できない」という(日刊スポーツ8月12日)。

もちろん、
健全な民主主義の確立のためには、
政権に批判的な野党の存在が欠かせない。
たとえ複数の政党があっても、
政権に批判的な勢力がなければ
独裁国家となってしまう。
しかしだからといって、
とにかく総理のやることは
何でも批判すればいいというものでもないはずだ。

もしも総理が、
出すべき指示を出さずにゴルフに興じていたのなら
大問題である。
しかし、
今回の豪雨にあたっての政権の対応に
特に問題があったとは思えない。
総理は現在夏休みで静養中である。
総理大臣であろうと誰であろうと、
休暇中に私的な時間を楽しむことは、
心身の健康を維持する上でむしろ必要なことだと思う。
ゴルフをすることもあるだろう。
その中で笑顔が顔に浮かぶのも自然なことだ。
人間、
災害があったからといって
24時間悲痛な顔をしていることはできない。
これは、
当の被災者自身でさえ そうなのである。

「こんな時にゴルフ」式の批判は
ためにする批判でしかない。
野党にはより本質的な政策論争を期待したい。


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by imadegawatuusin | 2013-08-12 14:51 | 政治

(2013年9月13日掲載)

8月8日の『朝日新聞』の投書欄で、
「麻生発言 報道批判に驚いた」を読んだ。
麻生副総理の「ナチス改憲」発言の報道や批判について
インターネット上で、
「全体の一部だけを抜き出したメディアの捏造だ」とか、
「事実をねじ曲げている」といった言説が
氾濫しているという。

確かに麻生氏は発言の冒頭で、
「当時欧州で最も進んだ」「ワイマール憲法」に
対比する形で
ナチス党首の「ヒトラー」を持ち出している。
ナチスそのものについては否定的なようだ。
しかし発言「全体」を見ていくと、
彼はナチスそのものには否定的でも、
その改憲の「手口」については
肯定的にとらえていたとしか思えない。
彼は
「狂騒のなか」・「喧噪のなかで」の憲法改正に対して、
「憲法はある日気づいたら……変わって」、
「誰も気づかないで変わった」ナチスの「手口」に
「学」ぶべきものがあると言ったのだ。
「本当にみんないい憲法と、
 みんな納得してあの憲法変わっているからね」と、
それが麻生氏が否定する
「狂騒のなか」・「喧噪のなかで」の憲法改正では
なかったことを強調したあと、
「ぼくは民主主義を否定するつもりは
 全くありませんが……」と、
自らの発言が「民主主義を否定する」ものと
映りかねないものであると認識していたらしいことまで
示唆する発言もある。

報道は捏造ではない。
批判は事実に基づいて行なわれるべきだ。

【参考記事】
「ナチス改憲」失言、麻生氏辞任を


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by imadegawatuusin | 2013-08-08 17:03 | 政治

7月29日の朝日新聞の投書欄に、
「こなかった投票券 制度に疑問」との投書が載っていた。
引っ越して3ヵ月以上住んでいないと
新住所では投票できないと言われ、
では前の住所ではできるのかと聞くと、
そこでも無理だと言われて投票できなかったという。

私もこれを受け、
「3ヵ月以下の居住でも投票券を」という文章を
同欄に投稿し、
8月1日に載せてもらった。
だが、
字数の調整で重要な論点が割愛されてしまったので、
その論点について以下に書きたい。

愛知県の選管に問い合わせたところ、
一定の住所に3ヵ月以上 住民票を置かないと
その地の選挙人名簿には登録されないという。
では前の住所には登録が残っているかというと、
転出から4ヵ月経つと選挙人名簿から削除するという。
だから、
「2ヵ月程度で住所を転々としていると
 どこの選挙人名簿にも登録がない事態は
 生じうる」と言う。

例えば、
住所Aから住所Bに引っ越し、
2ヵ月ほどで別の住所Cに引っ越し、
それから2ヵ月半 経ったところで選挙があったと
考えよう。
今の住所Cの選挙人名簿には、
転入して3ヵ月経っていないので登録がない。
Bでも3ヵ月住まなかったので登録はなく、
Aの選挙人名簿からは
転出して4ヶ月以上経っているので
登録が削除されている。

「住み込み派遣」などで働いていると、
2ヶ月ごとに住所を転々としなければならないことは
ざらにある。
そうした最も弱い立場の人々が、
制度的に選挙に行けない仕組みになっているのは
おかしい。

参政権は憲法が定める固有の権利だ。
住所を転々とする国民にも選挙権があるべきだ。


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by imadegawatuusin | 2013-08-07 16:41 | 政治

――名古屋ふれあいユニオン、公開学習会開催――
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■「新たな労働分野の規制緩和を問う」

愛知県の個人加盟制労働組合・名古屋ふれあいユニオン
(「コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク」加盟)は
8月3日に名古屋市中区の女性会館で
一般市民も対象とした公開学習会を開き、
名古屋大学の和田肇教授が
「新たな労働分野の規制緩和を問う」と題して話をした。

和田教授は、
「世間では雇用崩壊などと言われているが、
 雇用は崩壊したのではない。
 破壊されてきたのだ」と言い切った。
「労働法制の規制緩和といえば
 小泉内閣と思われているが、
 その根っこは80年代の中曽根内閣ごろから始まり、
 90年代の橋本内閣のころから本格的になってきた」と
言うのである。

「私は当初から、
 こういう改革が続いていると
 非常に大きな問題になると警告を発してきたが、
 今になってみれば考え方が甘かった。
 リーマンショックの派遣切りを目の当たりにして、
 これほどひどい状況になるとはと衝撃を受けた」と
和田教授は振り返る。

「その後、
 労働法は民主党政権になったときに
 少しは良い方向に改められたが、
 自民党政権になって
 せっかくの新しい流れが
 また元に戻されようとしている。
 これが進んでいくと、
 ちょっとはマシになったものが
 以前よりもさらに悪くなる」と和田教授は言う。
そして、
この流れが最も典型的に表れているのが
派遣法であるというのだ。

■派遣労働者はモノ扱い

「派遣労働者は人数だけで言うと、
 全労働者の2パーセントに満たない。
 なのになぜこれほど大きな問題が
 この2パーセントの人々に集中するのか。
 それは、
 国の雇用政策の矛盾が
 集中的にあらわれる働き方だからだ。
 派遣労働者の多くは有期雇用で、
 かつ間接雇用で女性も多い。
 人を働かせるものが雇うという
 直接雇用原則の例外的存在となっている。
 他の会社から人を借りてきて、
 いらなくなったら元に返す。
 物品と同じ扱いをされるのが派遣労働者という存在だ」
と和田教授は憤った。

「だから元々、
 派遣はどこにでもできるものではなかった。
 交渉力のある専門職、
 専門技術を持つ人だけを対象とした
 特殊な働き方だった。
 それが今や、
 製造業などの単純労働にも派遣ができる。
 元々弱い立場の労働者が
 こうした働き方をさせられている。
 これは労働政策の基本にかかわる大問題だ」と
和田教授は説明した。

■整合性欠く「雇用改革」

その上で和田教授は、
「アベノミクスにおける雇用政策は、
 『日本を企業が世界で一番活躍できる国にする』
 という総理の言葉に象徴されるように、
 労働者の雇用の保護をどんどん無くして
 企業の自由度を高めるというものだ。
 これを受けて
 厚生労働省にワーキンググループができたが、
 労働者保護法制の極めて弱い国と比較して、
 『日本は規制が厳しすぎる』というような議論が
 まかり通っている」という。

「たとえば解雇問題。
 アメリカやデンマークといった、
 世界の先進国でも非常に特殊な国と比べて、
 日本は労働者の保護が強すぎるという話になっている。
 しかし日本の社会保険制度などは
 イギリスやドイツをモデルにしている。
 それを、
 解雇や残業代の問題だけアメリカ型にしようというのは
 無理がある。
 その国のシステム全体を把握したうえでの議論には
 なっていない」と和田教授は指摘した。

「たとえばアメリカというのは、
 自分の身を拳銃を持って
 自分で守れというような
 非常に特殊な自己責任主義の国。
 あまり日本の参考にはできない。
 また、
 解雇自由が原則ではあるが、
 差別禁止規定は日本よりはるかに厳格で、
 実際には好き勝手に解雇できるというわけでもない」。 

「そしてデンマークは
 労働組合の組織率が80パーセントの国だ。
 労働者は法律ではなく、
 労組の力によって保護されている。
 ところが一部の経済学者は、
 そうした実態を見ずに法律の規制だけを比べている」と
 和田教授はこうした動きを厳しく批判した。

■労働組合にこそ社会的責任がある

「総選挙でも、
 憲法9条や96条は比較的注目が集まったが、
 労働法には関心が集まらない。
 結局、
 労働問題の一番の解決手段は労働組合だ」と
和田教授は言う。
「労働法と労働組合とは車の両輪だ。
 両方が機能してはじめて労働者の権利は守られる。
 片方がなくなると曲がった方向に行ってしまう。
 我々は企業の社会的責任などとよく言うが、
 労働組合にも社会的責任がある。
 特に、
 個別の労働者が抱える問題に取り組もうとしない
 一部の労組は
 労働組合としての適格性が問われる」と和田教授は、
最後に厳しい言葉を述べ、
労組の取り組みに奮起を促したのである。

すべての くにの はたらたみは、
むすがろう! 


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by imadegawatuusin | 2013-08-06 14:47 | 労働運動

エジプト初の民主的選挙で大統領に選ばれたムルシ氏を
軍部が拘束して政権を奪った政変について、
アメリカのケリー国務長官が
「民主主義を取り戻した」と述べ、
肯定的に評価した。
政変の直後はアメリカ政府も、
軍によるムルシ氏排除と憲法停止を
「深く懸念する」とする声明を
発表していたにもかかわらず、
ケリー氏は8月1日のテレビインタビューで、
「軍は何百万人もの要請に応じた」と述べたのである
(朝日新聞8月3日)。

確かにムルシ政権は政変前、
稚拙な政権運営などで
エジプト国民の支持が低下しており、
退陣を求める大規模なデモも起っていた。
しかし、
民意は常に揺れ動くものだ。
前回の選挙結果と直近の民意との間に
ずれが生じることは
民主主義の想定内の事態でしかない。
そうした場合に容認される対抗手段は、
署名活動や集会・デモ・ゼネラルストライキなどの
平和的で大衆的な圧力で
退陣を迫るやり方に限られるだろう。
民主的選挙という手続きを経て選ばれている政府を
軍部が武力で恣意的に打倒し政権を奪うような事態を
認めていいということにはならない。
日本でも、
末期の民主党政権は国民からの支持が低落していた。
けれども、
だからと言って自衛隊が反乱を起こして
政権をすげ替えることを
「民主主義を取り戻した」などとは絶対に言わない。

軍による民主的政権の転覆は
どう言いつくろってもクーデターである。
アメリカ政府の態度は、
親米勢力が主導権を握る民主化は支持するが、
ムルシ氏などのイスラム勢力が主導権を握る民主主義は
破壊してもかまわないという
身勝手なものにしか映らない。

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by imadegawatuusin | 2013-08-05 17:19 | 国際