ニュージーランドの先住民族・マオリの女性が、
口元の「タトゥー」を理由に
北海道の温泉施設で入浴を断られた件について
9月20日の朝日新聞の投書欄に投稿があった
(「おもてなしの心は大丈夫か」)。
投稿者は女性のタトゥーを、
「暴力団員を連想させる『刺青』ではない。
 伝統文化の『タトゥー』だ」という。

確かに
マオリ民族のタトゥーが
暴力団員を連想させるものでないことは明らかだ。
だが、
温泉施設などによくある注意書きには大抵、
「入れ墨をされた方の入浴はお断りします」などと
書いてあるだけで、
暴力団員を連想させるかどうかは
判断基準になっていない。
手元の英和辞書を引くと、
"tatoo"は「入れ墨」と訳されている。
主観を入れず、
規定を純粋に解釈する限り、
これでは
やはり「入浴お断り」とならざるをえないのではないか。

投稿者は、
「マニュアル通りの画一的な応対は……
 『おもてなし』の対極にある」という。
だが、
規定がある以上、
現場の従業員はそれに従って応対せざるをえない。
問題は応対にではなく
規定そのものにあると考えるべきだ。

最近では
若者がファッションでタトゥーを入れることもある。
多文化共生社会の進展で、
「入れ墨=暴力団」という図式そのものを
改める時がきたのではないか。
入れ墨をもって
施設利用を一律に拒絶するような規定は
見直す必要があるだろう。

【参考記事】
入れ墨お断り規定自体の是非を


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by imadegawatuusin | 2013-09-20 16:25 | 暮らし家庭

朝日新聞の投書欄で、
「子に銃 米軍批判は筋違い」という投稿を読んだ
(朝日新聞「声」欄9月12日)。
投稿は、
米軍基地内は「事実上は米国」であるといい、
同国では銃の保持が
「神が与えた権利」と考えられていると指摘する。
そして、
「日本の親たちは、
 その文化の違いを知った上で基地を訪れるべきだ。
 遊園地に行くのではない」というのである。

確かに米軍基地内は、
日本の法律や常識がそのまま適用されない所だ。
米国では人民が「銃を持つ権利」を憲法で認めている。
しかしその米国においても、
銃を扱う権利を持つのは
責任能力を備えた人間であることは大前提だ。
幼い子供に遊びで銃を使わせないことは、
銃規制の賛成派・反対派を超えた共通了解事項である。
自動車の運転が自由に認められる国だからといって、
幼い子供に運転させることが
容認されるわけではないのと同じだ。

伝統的な欧米文化では、
子供は「一人前になる前の未熟な人間」であり、
権利の主体というよりも、
もっぱら保護・教育の対象とされる。
また、
子供たちに銃を構えさせた米兵の行為に
批判の声をあげたのは、
当の子供たちの親ではなく、
米軍基地の存在に批判的な市民団体であった事実も
付け加えておきたい。

米国の「銃文化」は、
幼い子供に銃を構えさせた米兵の行為を
正当化する理由にはならない。
子供たちの親をなじることこそ「筋違い」というものだ。


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by imadegawatuusin | 2013-09-13 14:50 | 文化

アメリカやフランスがシリアに対し、
反政府勢力に化学兵器を使用したと一方的に断定して
武力攻撃を行なおうとしている。
しかし国際法では、
武力の使用が認められるのは
自衛の場合か国連安保理の決議に基づく場合だけだ。
アメリカはシリアの「化学兵器の使用」を
「レッドライン(一線)を超えた」ものだとして
武力攻撃を正当化しようとしているが、
どこかの国がシリアに侵略されたわけでもなく、
国連安保理の決議もなく
自らの主観に基づいて他国を攻撃することこそ、
まさに国際法の「レッドライン」を超える侵略行為だ。
このようなことが許されれば、
世界中の国々が自らの主観で戦争を起こせることになり、
あちこちで戦争が起きることになる。

【関連記事】
証拠と決議なき攻撃は侵略行為


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by imadegawatuusin | 2013-09-10 13:36 | 国際

2020年の夏季オリンピックの開催都市が
日本の首都・東京に決まった。
開催都市を決める
国際オリンピック委員会の総会が開かれた
アルゼンチンの首都・ブエノスアイレスには
安倍晋三総理大臣がG20の会議を中座して現地入りし、
懸念されていた福島第一原発事故の汚染水漏れ問題で、
安全性を強調した。

安倍総理はオリンピックの東京開催決定後の会見で、
「原子力比率は引き下げていく。
 このため、
 今後3年程度の間に、
 再生可能エネルギーの普及と省エネルギーの推進を
 最大限加速させていく」と
原発政策全体に言及したという。
『日刊スポーツ』のコラム・「政界地獄耳」は、
「海外に原発を売り、
 再稼動を積極的に推進していた政府としては
 大きな政策転換だ」と指摘する(日刊スポーツ9月9日)。

この発言は
オリンピック開催にあたっての国際公約と
世界に受け止められるだろう。
空手形にするようなことがあってはならない。
汚染水対策を政府主導で着実に実行するのはもちろん、
稼動年数の長い原発の廃炉の推進や
東電解体・発送電分離など、
原子力比率の引き下げや自然エネルギーの普及のための
具体的な措置を取っていくことが求められる。

オリンピック開催国の総理として、
「言いっぱなし」は許されない。
私たちもオリンピック開催国の国民として
総理の公約実現を厳しく監視していきたい。


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by imadegawatuusin | 2013-09-09 13:32 | 政治

遺産相続の際、
結婚していない男女間に生まれた婚外子の相続分を、
結婚していた男女間に生まれた婚内子の
半分とする民法の規定について、
最高裁は9月4日に、
「法の下の平等を定めた憲法に違反する」との判断を
示した。
判決は、
「父母が婚姻関係になかったという、
 子にとっては自ら選択、修正する余地のないことを
 理由として
 その子に不利益を及ぼすことは許されず、
 子を個人として尊重し、
 権利を保障すべきだ」述べ、
大法廷で全員一致の判断となった。

さて、
今回の判決で敗訴した婚内子側が
見過ごすことのできない声明を出し、
新聞などで報道されている。
声明は、
「私たちは幸せな家庭を壊され、
 家から追い出されました。
 それでも母は(婚外子の相続を半分とする)規定を
 心の支えに精神的苦痛に耐えてきました」とし、
「最高裁の判断」に「絶望しました」というのである
(朝日新聞9月5日)。

この婚内子の母が
最終的に「父」と離婚したのかどうかはわからない。
しかしもし離婚はしなかったのであれば、
配偶者である婚内子の母は
遺産の半分を自らのものにできるのに対し、
婚外子を生み育てた側の母は、
配偶者でないので
今回の判決をもってしても
1円も相続することはできない。
そしてもし離婚していたのだとすれば、
そうした「精神的苦痛」は
その際の慰謝料によってあがなわれるべきものであって、
互いの子供同士を差別することによって
精神の安定を図ろうというのは
はなはだ不健全な話である。

父母の間で起きた「精神的苦痛」は
父母の世代で解決すべきものであり、
子供たちの世代に持ち込むべきではない。


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by imadegawatuusin | 2013-09-08 13:53 | 差別問題

――東アカ「名誉棄損訴訟」の経験から――

■団結を全国的に勝ち取る武器に

個人加盟制労組において、
インターネットはその戦略上決定的な意味を持つ。

トヨタ自動車労組のように
職場の大多数を結集する社内労組なら、
会社の問題は機関紙や職場掲示板などを通して
全ての社員に周知徹底することができる。
しかし、
組合員が会社に一人の状態から始まるユニオンの場合、
労働組合ができた事実も、
団体交渉が開催された事実も、
どのようなことがそこで話し合われたのかも、
全国に散らばる他の労働者に伝える手段は限られている。
勤務時間内の組合活動も施設の使用も、
掲示板や組合事務所の設置も認められない中、
組合側がインターネットを広報手段として活用するのは
当然だ。

東京アカデミーから名誉棄損で訴えられた記事を
私が書いた第一の目的は、
全国で働く同社の従業員に、
労組と会社との間の団体交渉の内容を報道し、
従業員の労働組合への結集を図り
職場の民主化を進めることにあった。

そしてこうした活動は、
違う会社の労働者にもユニオンの活動と意義とを紹介し、
理解を広めて労働運動の発展を図り、
働く者の権利を社会的に守り抜くことにもつながる。

そもそも労働組合と会社とは、
対等な立場で交渉しなければならない。
しかし実際は、
雇う側の経営者と雇われる側の労働者との間では、
圧倒的な力の格差が存在する。

そこで、
社内の多数を組織している労組の場合は、
ストライキなどをかまえることで対等性を確保する。
しかし、
社内に1人しか組合員がいない場合、
「ストライキだ!」と言っても
「はい、どうぞ」と言われて、
それで終わりだ。
単に同盟罷業を背景にするだけでは
労使の対等性は一切担保されないのである。

しかし、
これは力関係を会社の中にとどめた場合だ。
私たちはこの力関係を、
「会社VS一労働者」の構図から
「会社VS地域の労働者」
さらには「会社VS全国の労働者」という関係に
押し広げていくことによって
力関係を逆転してゆく。
その手段として、
全国に情報を発信できるインターネットは
今後ますます重要になっていくはずである。

だからこそ、
経営側は今後ますます訴訟などで
これを押さえ込もうとするだろう。

今回訴訟を受けたことは私自身の教訓にもなった。
跳ね返すにあたっては
財政面でもユニオンにお世話になった。
記事の書き方や発表の仕方に
反省すべき点もあったと思う。

だが今回の件を、
決してユニオンが
インターネットの利用に消極的になったり
萎縮したりするきっかけにだけはしてほしくない。
そうなれば、
労働者・労働組合の言論活動を封殺したくてたまらない
経営側の思う壺だ。
負けることなくひるむことなく、
経営側の矛盾を暴露する大きな武器として
今後もインターネットを縦横無尽に活用することが
個人加盟制労働組合の勝利の原動力となるだろう。

すべての くにの やとわれながら はたいている 人人ひとびとよ。
こころむすんで ちからわせ、
たばになって ちあがれ! 
たがいに むすびつきあって
ひとつに まとまり たたかおう! 


【参考記事】
東京アカデミー事件・和解報告


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by imadegawatuusin | 2013-09-07 17:11 | 労働運動

今年の原水禁世界大会は、
労働組合中央組織の連合と共に
旧社会党系原水禁と旧民社党系の核禁会議とが
これまで共同で開いてきた平和大会が
連合単独開催となった。
脱原発派の原水禁と
「原子力平和利用」派の核禁会議との
意見の違いによるという。

私は原発には反対であり、
原水禁を支持する立場にある。
しかし原水禁世界大会は、
原発などの意見の違いを認め合いつつ、
潮流を異にする運動同士が
「あらゆる国の核兵器に反対」の一点で
共同する場ではなかったか。

平和大会の共同開催の断念は
運動の分裂を示すものであり残念だ。
来年の世界大会では
意見の違いを乗り越えて
再び共同行動ができるよう、
今から調整に踏み出してほしい。


【関連記事】
愛知でも8・6原爆の日行動
被爆66年 8月6日「原爆の日」


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by imadegawatuusin | 2013-09-05 17:30 | 国際

シリアのアサド政権が
反体制勢力などに化学兵器を使用したとして、
アメリカやフランスがシリアに対して
軍事攻撃を行なおうとしている。
だが、
一国の主権を外部から武力によって侵害する軍事介入には
最大限の手続き的厳格さが求められるはずである。
特定の国の主観に基づいて
他国に軍事介入することが正当化されれば、
さまざまな国がさまざまな理由で
開戦の正当性を主張して
利害対立が簡単に戦争に転化する事態が
世界中で起きてしまうことだろう。

まずは国連の調査の結果を待ち、
アサド政権が化学兵器を使用して
市民を殺害した事実が断定された後、
軍事介入が必要であるとの国連決議が採択されることが
軍事介入の条件であると考える。
証拠も決議もない攻撃は侵略行為に他ならない。
国連の安全保障理事会に決議をかけても
特定の常任理事国が拒否権を行使するという事態も
考えられるが、
現在、
国際的な軍事介入に正当性を与える機構は
国連しかない。
それが良くないというのであれば、
拒否権のあり方をも含めて
国連総会で方向性を決めるのが筋である。

証拠を待っていては状況が悪化するとの声もある。
だが少なくとも現在、
アサド政権が再度の化学兵器使用を
予告するというような切迫した情勢ではない。
一国の主権を侵害する軍事介入という行動にあたり
厳格な手続き踏むことをなおざりにすると
将来に禍根を残すことになるだろう。

私は、
アメリカやフランスの一方的な判断による
シリアへの軍事介入に反対する。
日本政府も、
国連決議に基づかないこのような軍事攻撃を
断じて支持しないでほしい。

【関連記事】
決議なき攻撃こそレッドライン


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by imadegawatuusin | 2013-09-04 16:38 | 国際

心をひらいて生きるには

『PHP』誌9月号の特集テーマは
「さあ、心をひらこう」だった。
リード文には
「オープンマインドが、人生を広げる」とある。

だが、
心ほどつかみどころのないものはない。
手のひらや腕と違って
自分の意思で開いたり閉じたりできるものではない。
どんなに心をひらこうとしても、
心はなかなかついてきてくれないときがある。

そんなときの秘訣は、
「オープンマインド」を
先に体で表現してしまうことである。

普通なら、
嬉しいことがあったときに人は微笑む。
しかし私は、
先に微笑みを浮かべることで
「嬉しいこと」を自らの身に呼び込みたい。
心の状態がどうであれ、
誰に対してもハキハキとあいさつをしたいし、
明るく会話をはずませたい。
「オープンマインドに見せる」こと、
まずは「外面(そとづら)」から始めることで、
心は後から付いてくる。
そして、
そうした姿勢で生きることは、
周りの人々への
最大の社会貢献ではないかと思うのである。


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by imadegawatuusin | 2013-09-03 13:45 | 倫理

中東和平の実現に向けて

イスラエルとパレスチナとの直接和平交渉が
7月29日に約3年ぶりに再開された。
だがイスラエルは、
交渉のテーブルに着いた今も
占領地における入植地の建設を続けている。

確かに、
一部のパレスチナ過激派による武力抵抗行為が
イスラエルの市民に被害を与えていることも事実だ。
しかしそれはイスラエルが、
過去何十回もの国連決議に違反して
パレスチナの領土であるヨルダン川西岸の
かなりの部分を今も違法に占領し、
ユダヤ人の入植を進めているからに他ならない。
パレスチナの領域側に食い込んだ形で
一方的に建設した「分離壁」も
いまだに取り壊していない。

イスラエルは直ちに全ての入植地を撤去し、
占領地から撤退して和平を実現するべきだ。


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by imadegawatuusin | 2013-09-02 08:57 | 国際