人気ブログランキング |

やぶうち優『少女少年』第一期各話解説(第7話)

←「やぶうち優『少女少年』第一期各話解説(第6話)」に戻る

第7話 見破られた翼
さて、いよいよ
黒木紗夜香が白川みずきの正体に
気付きはじめます。

それはさておき、
「病院から帰ってきた」晶に友人Aがかけた言葉は
「カラオケ
 やんねーの
 かな
 カラオケ」。
晶は「ばーか」とかわしてますけど、
ここで友人Aが「カラオケ」と言ってからかっているのは、
晶が第1話で姉の瞳の前でやっていた
いわゆる「るりちゃんごっこ」です。
「春の妖精」をるりちゃんそっくりの仕草で歌うやつ。
クラスメートの間でも楽しみにされるほど
晶の「るりちゃんごっこ」は
知れ渡っていたんですね。

その後 晶は友人AやBと
旅館の みやげもの屋へ。
「運のつくうんチッチ」なんていう う×ち型の
くだらないビスケットなんかを買って、
友人A・Bらと大はしゃぎです。
やぶうちっく研究家のくすださんは
『少女少年』第一期のこういったシーンについて、
連載当時の裏番組「おちゃらかほい」の
影響が出てしまったのでしょうか?(笑)

と言ってますけど、
確かにこの時期やぶうち優さんは、
少女漫画誌・『ちゃお』の方で、
「うんち
 たれた…
 …と
 『うんちくたれた』
 って似てない?」なんていう
心底下らない(良くも悪くも、ですよ)
下ネタ満載のギャグ漫画『おちゃらかほい!』を
連載してたんですよね。

さて夜になって、
智恵子や紗夜香の宿泊部屋の描写があります。
晶と友人A・Bが遊びに来るシーンです。
部屋の名前は「竹の間」で、
部屋割りは明らかに
「アイウエオ順」で上位6人を
割り振った感じなんですが……。
(赤沢智恵子は出席番号1番!?
 そういえば、
 赤沢の「沢」の字が
 ここでは「澤」になってますけど……)。

で、問題なのがこの班、
「1組1班」って表記されてるんですよね。
第1話冒頭を見れば分かるとおり、
晶たちのクラスは6年4組。
晶のクラスメートである友人AやBが
箒を持って掃除をしている(?)ところからも、
これは間違いありません。
第7話の後半105ページでも、
第8話の110ページでも、
やっぱり「6-4」になってますしね。
教室にかかっているプレートの表記に
間違いがあるとは思えないんで、
この修学旅行の時の手書きの表記が間違ってるんだと
思いますけど……。
智恵子の苗字が「赤澤」になってることからも、
この旅館のこの紙を書いた人は
かなりいい加減であった可能性が大です。
書いた人の単純な表記ミスだと思いますが、
そうでなければこの「組」は、
修学旅行の班分けの「班」の上部組織としての「組」
(例えば1号棟に泊まる1班から4班をまとめて
 「1組」としていたとか)で、
学級としての「組」とは関係ないのかもしれません。

晶や友人Bがそんな女子部屋に
やって来ます。
もともと晶たちが来る前から、
部屋では(紗夜香を除く)みんなで
ババ抜きをやっていたようで、
そこに晶たちも加わるのですが、
晶は隣の智恵子の手をのぞき込み、
「こいつ
 ババもって
 やんの
 !」なんてイカサマをやっています。
いいのか!? これで!

ここで晶は、
紗夜香が一人だけ仲間はずれになっているのを見つけ、
ババ抜きの輪に誘います。
ここで紗夜香が一瞬みせるためらいが
印象的です。
(結局まぜてもらわないんですけど)。

で、るりちゃんからの「Pメール」で
正体がバレます。
「yuuの少女少年ファンページ」を運営するyuuさんが、
「それにしても、紗夜香は目がいいな
 あんだけしか離れてなくても結構見にくいぞ」と指摘してますが、
確かに。

しかし、晶の秘密を暴いたときの
紗夜香の顔の晴れやかなこと!
作品全編を通じて
不機嫌そうな顔をしていることの多い紗夜香ですけど、
こういうときだけ輝く人間って、
間違いなくいますよね。

その後、
修学旅行が終わって学校です。
(やっぱり晶たちのクラスが6年4組であることが
 ここでも確認できますね)。

紗夜香から晶が呼び出されますが、
このときの周囲の反応がひどいのは、
以前に指摘したとおりです。
「おおー!?」
「なんだー!?」
「リンチ
 か」
「あきら
 ピーンチ
 !」
……。
智恵子のときは、
「なんだー?
 告白かぁ!?」だったのに、
この違いはいったい何なんでしょうか。
ちょっとかわいそうになってくるほどですね。

紗夜香は晶に
「あのことは
 だまっといて
 あげる」と宣言したあと、
晶に愛の告白をします。
それを、
なんと智恵子に聞かれてしまう。

「あ…晶が…、
 白川…
 みずきって…」。
戸惑う智恵子。
そんな智恵子を見て、
一瞬何かを考えた後、
何と紗夜香はさらに智恵子を煽り出すのです。

「あなたも
 晶くんのこと
 好きなんでしょ」
「なにげにいつも
 晶くんの近くに
 いるじゃない!?」
「晶くんがみずきか
 どうかなんて
 ほんとうに好きなら
 わかるはずよ!」
「ほんとのことを
 しりたいのなら
 自分でたしかめる
 ことね!」

……。
晶は
「おいおい
 おいおい~!
 だれにも
 言わねーんじゃ
 なかったのか
 よ…!」と突っ込んでいますが、
後の祭りです。

多分 紗夜香には、
智恵子に対する一種の「信頼」が
あったんじゃないでしょうか。
「なにげにいつも
 晶くんの近くに
 いる」この子なら、
たとえ事実を知られたとしても誰にも言わない。
特に問題にはならないだろう……と。
事実、
るりにバレたことが紗夜香に広がり、
紗夜香にバレたことがマスコミにバレることに
つながったんですけど、
智恵子は最後の最後まで、
「白川みずき」の正体を
誰にもバラさなかったんですよね。

もっとも、
紗夜香はマネージャーにも言っちゃってたわけで、
つまりこのマネージャーも、
紗夜香から「この人なら」と
思われていたということなのでしょうが……。
その信頼をみごとに裏切ってしまうんですね。

あと どうでもいいですけど、
紗夜香ってヘソ出しルックに
よほどこだわりがあるんでしょうか。
普通、
好きな男の子に告白するとき
ヘソ出しルックで決めますか?
転校初日もヘソ出しで自己紹介してたし、
みずきの靴にガビョウを入れたときも、
嫌がらせをしていたことをみずきに明かしに来たときも、
両方ともヘソ出しだったんですよね。
このシーンから後は
季節が秋から冬になっていくので、
ヘソ出しルックで登場することはなくなるんですけど……。
「やぶうち優『少女少年』第一期各話解説(第8話)」に進む→


《戻る》
やぶうち優『少女少年』第一期各話解説(第1話)
やぶうち優『少女少年』第一期各話解説(第2話)
やぶうち優『少女少年』第一期各話解説(第3話)
やぶうち優『少女少年』第一期各話解説(第4話)
やぶうち優『少女少年』第一期各話解説(第5話)
やぶうち優『少女少年』第一期各話解説(第6話)

《進む》
やぶうち優『少女少年』第一期各話解説(第8話)
やぶうち優『少女少年』第一期各話解説(第9話)
やぶうち優『少女少年』第一期各話解説(第10話)
やぶうち優『少女少年』第一期各話解説(第11話)
やぶうち優『少女少年』第一期各話解説(第12話)


参考お勧め記事
やぶうち優『少女少年』第一期解説(その1)
やぶうち優『少女少年』第一期解説(その2)
やぶうち優『少女少年』第一期解説(その3)
やぶうち優『少女少年』第一期解説(その4)
やぶうち優『少女少年』第一期解説(その5)
やぶうち優『少女少年』第一期解説(その6)
やぶうち優『少女少年』第一期解説(その7)

やぶうち優『少女少年II―KAZUKI―』解説
やぶうち優『少女少年II』各話解説

やぶうち優「少女少年 0話」解説

「マンガ・アニメに女装少年」 『朝日新聞』が報道


酒井徹お薦めの女装漫画》
1.やぶうち優『少女少年』シリーズ(Ⅰ~Ⅶ)、小学館てんとう虫コミックススペシャル
2.吉住渉『ミントな僕ら』全6巻、集英社リボンマスコットコミックス
3.志村貴子『放浪息子』エンターブレイン
4.なるもみずほ『少年ヴィーナス』全4巻、角川書店あすかコミックス
5.松本トモキ『プラナス・ガール』ガンガンコミックスJOKER

女装漫画に関する関連記事
『アイドルマスター Neue Green』(黒瀬浩介)について
片山こずえ『女のコで正解!』について
筒井旭『CHERRY』について
篠塚ひろむ『ちぇんじ!』について
林みかせ『君とひみつの花園』について
富所和子『ないしょのココナッツ』について
水内繭子『恋する子どもたち』について
『かしまし』漫画版について



..... Ads by Excite 広告 .....
by imadegawatuusin | 2006-09-05 20:52 | 漫画・アニメ