人気ブログランキング |

松下電工訴訟原告・佐藤昌子さんと会う

――偽装請負・違法派遣で17年8ヶ月!――

■「法令遵守のためにクビ」!?
7月31日の松下PDP事件最高裁要請行動の
帰りの車の中で、
パナソニック電工職種偽装事件原告・
佐藤昌子さんとお話ができた。
佐藤さんは松下(現パナソニック)電工100パーセント子会社の
アロービジネスメイツ(ABM)から
松下電工のショールームで
実に17年8ヶ月にわたって
偽装請負・違法派遣で働かされてきた。
佐藤さんはショールームのアドバイザーとして
勤務していたのだが、
パナソニック電工は当初は「請負」、
その後は派遣期間に制限のない
「事務機器操作」の派遣労働者として、
佐藤さんを使い続けてきた。

ところが、
突然佐藤さんは、
「法令遵守が求められてきたので、
 このまま仕事を続けてもらうわけには
 いかない」と告げられ、
松下電工がパナソニック電工に
社名が変わる前日の2008年9月30日をもって
解雇された。
松下時代の「負の遺産」を隠蔽・精算する過程で、
偽装請負・違法派遣の被害者である佐藤さんの側が
その犠牲とされ、切り捨てられたのである。

佐藤さんは、
同じ「黙視の労働契約」の確認を求めて闘う
全国から集まった仲間たちを前に、
「私たちの中で、
 誰が一番最初に(職場に)戻るのかしら。
 吉岡さんかな。
 一人戻れば流れがきっと変わると思う」と
つぶやいた。
トヨタ系企業イナテック(愛知県幡豆郡)で、
9年間にわたって偽装請負・違法派遣で働いてきた
日系ブラジル人労働者・高江洲ヨウジさんも、
「一人勝ったらみんな引っ張っていくよ!
 みんな戻れるよ」とそれに応えた。

また僕がユニオンみえで、
佐藤さんと同じく
ABMからパナソニック電工に
4年にわたって違法派遣されてきた
裏川公康さんを支援していることを知ると、
佐藤さんは僕の手を握り、
「裏川さんに、応援してますって、
 きっと伝えてくださいね。
 同じABMで
 立ち上がって闘ってる人がいるって
 知ったとき、
 本当にどれほど心強かったことか。
 一人で何かできるなんて思っていません。
 でも、
 あっちでもこっちでも、
 私たちと同じ思いをしてきた人が
 立ち上がったら、
 会社も私たちの方を
 振り向かざるをえないんじゃないかと
 思うんです」と語り、
僕と裏川さんのために
2枚の名刺を下さった。

「福島の、私の裁判の裁判長も、
 吉岡さんの松下PDP事件の行方を
 気にしているみたい。
 『松下PDPの最高裁の方は
  どうなってますか』って、
 私に2回も聞いてきたんですよ。
 私たちはみんな、
 吉岡さんの判決に励まされて
 ここまで来たんですから、
 絶対、勝ってほしいですよね」と
佐藤さんは熱く話していた。

僕は佐藤さんとともに
パナソニック電工の東京支社への
申し入れ行動にも参加したが、
パナソニック電工の対応はひどいものだった。
行ってみると
正面入り口の自動ドアに全て「調整中」という紙を貼り、
3人のガードマンが直立不動で待ちかまえている。
こちらはまだ何もしていないというのに、
その手には「退去してください」と書かれたプラカードが
握られているのである。

むろん、佐藤さんが申し入れを行なおうとしても、
建物の中にすら入れようとしない。
僕は目の前のガードマンに
本当に怒りを覚えたものだ。
怒りに声を震わせて、
ガードマンをやじり倒した。

けれど、
申し入れから帰ってきた佐藤さんの表情は
むしろ明るかった。
「ガードマンの人がね、
 帰り際に、
 『がんばってください。
  私たちも仕事ですんで……』って、
 そう言ってくださったんですよ」
と、佐藤さんは、
本当に嬉しそうに言ったのだ。

佐藤さんの口からその話を聞いて、
僕は大切なことを忘れていたことに
気づかされた。
単純にガードマンに怒りをぶつけていた自分が
恥ずかしくなった。
そうだ。
あのガードマンたちもまた、
当初の佐藤さんと同じ、
「松下の請負労働者」なのだ。
佐藤さんの闘いは私たちの希望でもあり、
また、
彼らの希望でもある。

佐藤さんはすてきな人だ。
「佐藤さんを追い返すのが仕事」の
ガードマンの心すら、
ぐっと掴み取ってしまう「何か」がある。
僕はすっかり佐藤さんのファンになってしまった。

こんなすてきな人が、
こんなすごい人が、
「法令遵守のため」に
切り捨てられなければならない世の中は
絶対に間違っている。
僕は心からそう確信した。


労働組合名古屋ふれあいユニオン
雇用形態や国籍に関わりなく、
愛知県下で働くすべての労働者が一人から加盟できる
地域労働組合(コミュニティユニオン)。
コミュニティユニオン全国ネットワーク
コミュニティユニオン東海ネットワークにも参加。
今年3月に開かれた第11回定期大会では、
連合産別・全国ユニオンへの加盟について討議するとする活動方針を採択。
日ごろから組合員の学習会や交流会・相談会などを
積極的に企画しながら活動している。
現在、組合員数約200名。
組合員は組合費月額1500円。
賛助会員(サポーター)は年会費5000円。
住所:〒460‐0024
    愛知県名古屋市中区正木4-8-8 メゾン金山711号室
    (JR・地下鉄・名鉄金山駅下車 名古屋ボストン美術館の向かい)
電話番号:052‐679‐3079(午前10時~午後6時)月~金
ファックス:052‐679‐3080
電子メール:fureai@abox.so-net.ne.jp
郵便振替 00800‐8‐126554
ホームページ
http://homepage3.nifty.com/fureai-union/
by imadegawatuusin | 2009-08-01 11:33 | 労働運動