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ムサシ鉄工事件、敗訴

午後1時10分。
名古屋地裁豊橋支部で、
ムサシ鉄工事件の判決を聞く。

「原告の請求を棄却する。
 訴訟費用は原告の負担とする」。
全面敗訴の判決だ。

違法派遣で働かされた期間の、
派遣先との「黙示の労働契約」の成否を問う
全国60件以上の裁判のうち、
「これで負けるなら勝てるものがない」とまで言われ、
注目されてきた裁判だった。
本当に残念だ。
はっきり言って悔しい。

原告・平良マルセロさんは、
派遣先・ムサシ鉄工での就労に先立ち、
ムサシ鉄工から事前面接はおろか、
「採用試験」と題されたテストまで受けている。
雇用責任を負わないとされる「派遣先」が、
ここまで露骨に派遣労働者の採用に関与した事例は
珍しい。
判決はこの事実を全面的に認めている。

またマルセロさんは、
愛知労働局に
自らが違法派遣の状態で働かされていることを申告し、
ムサシ鉄工の社長から「期間の定めなし」と記された
「労働条件通知書」を渡され、
正社員としてムサシ鉄工に直接雇用された。
判決はこの事実も全面的に認めている。

だが、
ムサシ鉄工の社長は、
マルセロさんを正社員として雇い入れた翌月、
今度は期間の定めのある期間雇用の契約書を持ってきて、
マルセロさんに記入するように求めた。
この際、通訳は同席していなかった。
マルセロさんは社長に求められるまま、
「住所」欄に住所を、
「名前」欄に名前を書いてしまった。

これによって、
違法派遣を告発し、
いったんは正社員として採用されたマルセロさんは、
わずか1ヶ月で期間雇用の契約社員となってしまったと
判決は認定。
雇い止めに違法性はないとして、
マルセロさんの訴えを棄却した。

法律的にどうなのかはひとまずおこう。
どう考えてもおかしいだろう、この話!
何でいったん正社員になった人間が、
たった1ヶ月で契約社員になることに納得するのか。
そこのところの説明が、
この判決には何も書かれていない。

もとより、
大義があれば労働運動に法律などは関係ない。
最低賃金さえ払っていれば、
法律的には会社には何の問題もないが、
労働組合は会社に対して
「賃上げしろ」と要求するし、
「ボーナスよこせ」と要求する。
おかしいことは「おかしいじゃないか」と
声を大にして批判するし、
納得できないことは「納得できん」というまでだ。

私たちは3月29日月曜日、
ムサシ鉄工に3度目の抗議行動を敢行する。
法律がどうであれ、判決がどうであれ、
おかしいものはやはりおかしい。

マルセロさんは裁判所の度重なる
金銭和解の提案を拒み、
「職場復帰」その1点にこだわり続けてきた。
私たち労働組合はマルセロさんの志に応え、
「マルセロさんをムサシ鉄工の職場に戻せ!」と
あくまで要求し続ける。


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by imadegawatuusin | 2010-03-25 22:51 | 労働運動