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『完全教祖マニュアル』(架神恭介・辰巳一世)評

――「宗教しゅうきょうつくがわ」の視点してんかた画期的かっきてき宗教入門書しゅうきょうにゅうもんしょ――

宗教しゅうきょうを「合理的ごうりてき」に理解りかいさせてしまう怪著かいちょ 
宗教しゅうきょうには、
その おしえを れていない ひとには
よく からない ことはなはおおい。
っていて ややこしい 教義論争きょうぎろんそうも そうである。
わけからない 食物規制しょくもつきせい仕来しきたりも そうだ。
風変ふうがわりで あやしげな 宗教建築しゅうきょうけんちくも そうである。

とは え、
ここで 「わけからない」と ってしまえば、
これからも ずっと
たがいに かりうことが 出来できない。
けれども、
たとえ おしおや教祖きょうそや、
その おしえを れた 信者しんじゃりを しても、
「これが かみの みこころなのです」とか、
「みふみ第○○章第×節だいマルマルしょうだいバツせつ
 ……と 書いてあります」とか、
なんだか からんが
 むかしから そう することに まっている」とか
うだけだ。
ともな こたえは およそ のぞめそうにない。

ここは ひとつ、
わたしたちの がわが、
宗教しゅうきょうつくがわ」の 立場たちばってみよう。
そう すれば、
あれや これやの よく からない 事柄ことがらも、
おもいのほか スッキリと
めるかもしれないではないか……。

そうした がんがえに って かれた
きわめて すぐれた 宗教入門書しゅうきょうにゅうもんしょ
この 『完全教祖かんぜんきょうそマニュアル』である。
よって この 『完全教祖かんぜんきょうそマニュアル』は、
だれもが 新興宗教しんこうしゅうきょう教祖きょうそとして
 サクセスできる マニュアル』(実用書じつようしょ)という かたち
とっている。

完全教祖かんぜんきょうそマニュアル』は わく、

≪教祖は決して難しいものではありません。
 本書を読めば誰でも簡単に
 教祖になることができます。
 本書は
 様々な宗教の分析から構築された
 極めて科学的なマニュアルです。
 科学ですから決して怪しい本ではありません。
 皆さん、
 本書を信じて、
 本書の指針のままに行動して下さい。
 本書の教えを遵守すれば、
 きっと明るい教祖ライフが開けるでしょう。
 教祖にさえなれば人生バラ色です! 
 あなたの運命は、
 いままさにこの瞬間に変わろうとしています! 
 本書を信じるのです。
 本書を信じなさい。
 本書を信じれば救われます――。(本書9ほんしょきゅうページ)≫


と しかじか う。

おそらく、
これを んだ ひとおおくは
なんだ これは」と おもうだろう。
ぶちまけて うと、
こうした 物言ものいい そのものこそが
本書ほんしょくわしく べようとする 事柄ことがらなのだ。
こうした きわめて 「宗教的しゅうきょうてき」な 物言ものいいについて、
本書ほんしょみずか種明たねあかしをして わく、

≪なにも馬鹿正直に
 「私がやっているのは宗教です」
 などと言う必要はありません。
 「私は科学的な話をしているのです」と
 しれっと言い放ってやれば良いのです。
 ……大丈夫、
 普通の人は
 「これは科学です」とさえ言っておけば
 絶対に疑いません。
 これを巧くやれば、
 信者を引っ掛けることなど
 全く造作もないことです。
 普通の人は
 新興宗教の言ってることは
 頭から疑ってかかりますが、
 科学だと言い張りさえすれば、
 無条件で信じるところから
 スタートしてくれるのです。(本書121ほんしょひゃくにじゅういちページ)≫

と しかじか 素直すなおに ぶちまけている。

これを めば、
○○こうふく○○かがく」や 「日本×××にほんきょうさんとう」が
どうして やたらと 「科学かがく」を うたいたがるのかが
よく かる。
また、
わたしたちの まわりには、
かならずしも 「宗教しゅうきょう」とは なされていない
様様さまざま事柄ことがらならわしが る。
しかし それらの 事柄ことがらならわしの なかにも、
じつ宗教しゅうきょう似通にかよった 仕組しくみで っているものが
数多かずおおるのだ。
この ほんめば それが かる。

はっきり って、
本当ほんとうに 「教祖きょうそに なる」ための 実用性じつようせい
かぎりなく ゼロに ちかいのであるが
(こんな ほんけて
 この ほんのとおりに 教祖きょうそに なろうとする ひと
 かりしも るとすれば、
 ハッキリ って 目違まちがく、
 その ひとは 「教祖きょうそ」ではなく
 「信者しんじゃきの タチだろう)、
「笑いながら読み進めて、
 いつの間にやら宗教についての知見が
 身についてしまう」(ジャッキー氏書評ししょひょう)という 意味いみでは、
一回ひとまわまわった 実用書じつようしょ」であると えるだろう。

さら興味きょうみひとは…… 
本書ほんしょは、
くにんでいる ひとが、
宗教しゅうきょう」というものを たのしく 手軽てがるるための
うってつけの 手引てびしょである。
宗教しゅうきょうというものについて まなはじめたい ひと
なにいても この ほんを まず んでほしい。
なお、
本書ほんしょんで 宗教しゅうきょうについて さらりたくなった ひとには、
本書ほんしょ著者ちょしゃみずからの ブログ(網誌もうし)で、
「各宗教についての知識を
 コンパクトにまとめた本」として
橋爪大三郎はしづめだいざぶろう
世界せかいがわかる宗教社会学入門しゅうきょうしゃかいがくにゅうもん』(ちくま文庫ぶんこ)を
すすめている。
わく、
「全くの初心者は
 へらへらっと『教祖マニュアル』を読んで
 軽く体を慣らしてから、
 『宗教社会学入門』を読むと
 楽かな、と思います。
 この2冊だけでも
 社会に出てから宗教関係は
 90%まではいけると思います」と しかじか っている。
また、
同書どうしょで あまり れられていない、
江戸時代えどじだいより あとまれた
くに新宗教しんしゅうきょうおおまかに るには、
島田裕巳しまだひろみの 『日本にほん10大新宗教じゅうだいしんしゅうきょう』(幻冬舎新書げんとうしゃしんしょ)が
すすめめだ。


架神恭介かがみきょうすけ辰巳一世たつみいっせい完全教祖かんぜんきょうそマニュアル』(ちくま新書しんしょ
評価ひょうかちょうすすめ)


【おすす参考さんこうサイト】
完全教祖マニュアル
【書評】架神恭介・辰巳一世『完全教祖マニュアル』――今世紀最高の知的悪ふざけ!
書評:世界がわかる宗教社会学入門(橋爪大三郎)
橋爪大三郎『世界がわかる宗教学社会学入門』を読む
by imadegawatuusin | 2018-12-17 16:20 | 宗教