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国民栄誉賞について

――長谷川町子が受賞して手塚治虫はなし?――

■「次の受賞者」は誰か

9月17日の朝日新聞「青be」に、
国民栄誉賞の話題が載っていた。
「過去の受賞リストの中で、
 『国民の栄誉』に真にふさわしい
 『ベスト受賞者』は誰なのか、
 アンケートしてみ」たという。

現在までの受賞者は19人(団体を含む)で、
中には「こんな人知らんぞ」という人もいる。

「国民栄誉賞は選考の基準も、
 方法もいま一つわからない賞です。
 時の政権の人気取りという批判もあります」
と記事にもあるように、
受賞にあたって客観的な基準があるわけではない。
「対象者は
 『広く国民に敬愛され、
  社会に明るい希望を与えることに
  顕著な業績があった者』。
 ゆるい規定で、
 総理大臣顕彰では対象にしにくい
 プロ野球選手にも授与できるようにしたといわれる」
とのことだ。
「機会逸すると授与しにくい」とも。

漫画好きとしては、
長谷川町子(『サザエさん』の作者)が受賞していて
手塚治虫がもらっていないというのは
今ひとつしっくりこない。
もちろん、
『サザエさん』が
国民各層に広く受け入れられた作品であることは
否定できないが、
漫画という表現ジャンルそのものへの功績というか、
後の世への影響みたいなものも勘案すると、
「漫画家で誰か一人」ということになれば
やはり手塚治虫なのではないだろうか。

現在、
ただ「漫画」と言ったとき、
新聞の四コマ漫画や風刺漫画ではなく、
『ジャンプ』や『サンデー』に載っているような
ストーリー漫画を想像する人のほうが多いはずだ。
長谷川町子がいなくても、
おそらく現在の漫画業界に
大きな変化はなかったと思うが、
手塚治虫がいなければ、
漫画業界・アニメ業界のありようは
大きく違っていた可能性が高いと思う。

死亡時に生前の功績をたたえ、
受賞が決定することも多いようだ。
「広く国民に敬愛され、
 社会に明るい希望を与えることに
 顕著な業績があった者」。
『となりのトトロ』や『天空の城ラピュタ』で有名な
宮崎駿監督などは、
目下かなりの有力候補ではないかと思うのであるが、
どうだろう。

by imadegawatuusin | 2011-09-21 18:46 | その他
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