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廃業キャバクラの従業員、立替払い制度で賃金確保

――タイムカード確保、団体交渉実施などで実現――

■突然の閉店にもあきらめず


名古屋市・錦のキャバクラ「histoire」(イストワール)
突然閉店し、
従業員らに給料が支払われない状態となっていた問題で、
愛知県の個人加盟制労働組合・
名古屋ふれあいユニオンに加入した元従業員らが
国の「未払賃金立替払制度」を利用して
賃金を確保した。

イストワールは従業員らに給料を払わない状態のまま
今年5月上旬に廃業した。
従業員らは店の経営者である藤林忠之代表と
連絡がつかない状態となっていた。

元従業員3名が加入した名古屋ふれあいユニオンは
インターネットなどを通じて
広く市民から情報提供を呼びかけた。
その結果、
6月になって藤林代表から連絡があり、
7月4日に団体交渉が開催された。

しかし藤林代表は、
ただちに未払い賃金を支払うようにとの
ユニオンの要求に対し、
「払えない」・「それ無理」などと居直った。
その一方、
それでは法的な債務整理を開始して
自らの資産を責任をもって
債権者に分配せよとの要求に対しては、
「この程度の金額で破産なんかしていられない」
と言い放って拒否したのである。

その後 名古屋ふれあいユニオン側は、
藤林代表が「いま住んでいるところ」として示した住所に
再度団体交渉の申し入れを行なったが、
その後 連絡は一切なかった。

こうした事態を受けて元従業員3名は、
労働基準監督署に対して
イストワールが事実上の倒産状態にあることを申告し、
未払賃金立替払制度の利用を請求した。
この制度は、
企業の倒産によって
賃金が支払われないまま退職を余儀なくされた
労働者に対して、
厚生労働省の外郭団体・「労働者健康福祉機構」が
未払賃金の一部を立て替えて支払うという制度である。
立て替えて支払われた賃金は、
労働者健康福祉機構が使用者に請求して
支払わせることになっている。

キャバクラの元従業員らに
「未払賃金立替払制度」が適用されたのは
極めて異例だ。
元従業員らが
タイムカードをきちんと確保していたことや、
ユニオンが団体交渉の中で
労働者の時給などについての書面を経営者に提出させ、
労働債権の金額を確定させたことなどが
要因とみられている。

すべての くにの はたらたみは、
むすがろう! 


【関連記事】
錦のキャバクラ・イストワールと団交開催

労働組合名古屋ふれあいユニオン
雇用形態や国籍に関わりなく、
愛知県下で働くすべての労働者が一人から加盟できる
地域労働組合(コミュニティユニオン)。
「コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク」加盟。
「コミュニティ・ユニオン東海ネットワーク」事務局団体。
日ごろから組合員の学習会や交流会などを
積極的に企画しながら活動している。
現在、組合員数約200名。
組合員は組合費月額1500円。
賛助会員(サポーター)は年会費5000円。
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by imadegawatuusin | 2011-11-18 17:55 | 労働運動
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