――毛利小五郎、警察時代に妻に向かい発砲――
■目暮警部から英理・小五郎・新一へと続く トランプ連続殺人事件? 13.毛利小五郎の警察時代の元上司である目暮十三(じゅうぞう)警部が、 何者かによって狙撃される事件が発生した。 12.そしてその後、毛利小五郎の妻である 妃(きさき=クイーン)英理弁護士のもとに 毒入りチョコレートが送られ、 11.阿笠博士(士=十プラス一)が自宅にて狙撃……。 そう。 コナンや小五郎の縁者たちが、 トランプの数列順に次々と狙われているのである。 これは、 目暮十三警部から 毛利小五郎を経て、 工藤新一まで続く連続殺人事件の始まりなのか? ■衝撃のクライマックスシーンは圧巻 今回の映画のキーパーソンは、 「おっちゃん」こと毛利小五郎探偵と、 その妻・妃英理弁護士である。 そもそも、毛利蘭の父母である2人は、 どうして別居するに至ったのか……。 蘭にはずっと、 忘れていた記憶があった。 それは、 警察官であった小五郎が英理に向かって発砲する瞬間を 目撃したという 幼いころの記憶である。 正確には、 英理を人質に取った犯人を確保しようとして小五郎が発砲し、 その弾丸が犯人ではなく英理に命中した、というものだ。 「思い出したくない記憶」は蘭の中で封印され、 長く蘭の心の底に眠っていた。 しかしその記憶が、 今回の事件をきっかけに蘭の頭によみがえってくる。 どうして小五郎は、 妻が人質に取られていたにもかかわらず、 それに構わず発砲したりなどしたのだろう。 結果、 小五郎の放った弾は英理にあたり、 英理は怪我をしてしまったのである。 英理が小五郎の家を出て行ったのは、 その日の晩のことだった。 これが、 2人の別居の原因なのか? 意地を張り合ったり、 けんかばっかりしていても、 根本的には互いのことを思いあう間柄なのだと、 蘭はずっと信じていたのに……。 よみがえった記憶を前に蘭はうろたえる。 『私 もう、 お父さんのことが信じられない!』 現在時制で繰り広げられる「事件」と、 蘭の記憶の中の「謎」が、 作品の中で緊密に絡み合いながら同時進行する。 そして、 コナン=新一が放つ一撃が、 2つの「難問」を一挙に「解決」に導くことになるのである。 この衝撃のラストシーンの鮮やかさは、 見た人でないと分からない。 ■「死なせやしねぇ。 てめぇに、犯した罪の重さを判らせてやる!」 妻・妃英理のからむ事件では、 毛利小五郎は急にかっこよくなる。 普段は「ヘボ探偵」とか「ダメな大人の代表」とか 言われ放題言われているが、 毛利小五郎という人は、 なんだかんだ言っても、 きめるときはきっちりきめる人なのである。 思えば、 「飲んだくれで女にだらしがなく、 服装や食事などの普段の生活はいいかげん。 しかし実は格闘技や拳銃の腕に優れ、 愛する女性が危険にさらされたときには 周囲が驚くほどの活躍を見せる……」というのは、 ある意味、 ハードボイルドもの探偵に共通した性質ではないか。 毛利小五郎にはそうした探偵たちの性質が 色濃く反映されているように思う。 全ての罪を暴かれ、 「死なせろ」とわめく犯人を前に毛利小五郎が語ったあの言葉、 「死なせやしねぇ。 てめぇに、 自分の犯した罪の重さを判らせてやる!」 という台詞は、 『名探偵コナン』のポリシーを実にストレートに、 そして力強く表現した名ゼリフだ。 このとき毛利小五郎は、 自らの高所恐怖症も かえりみず、 崩れ落ちる建物の際に駆け寄り、 犯人の命を助けるために大奮闘している。 『名探偵コナン』劇場版第5作『天国へのカウントダウン』の中でコナンが語った、 「悪いな。 探偵として、 あんたを死なせるわけにはいかねぇんだ」という台詞もいいが、 僕はやはり小五郎の直截な表現の方に 心動かされるものがある。 ■その他余談いろいろ ちなみに、 本作中の例の「水中キス」シーンは、 「コナン違い」の『未来少年コナン』の あの超有名シーンのパロディーだろう。 また本作のエンディングテーマソングは、 名曲「負けないで」で知られるZARD(坂井泉水)の 「少女の頃に戻ったみたいに」。 くり返し見る夢に というフレーズで始まる、 本作冒頭の蘭の夢をモチーフにした歌である。 サビの部分では 懐かしい 少女の頃に戻ったみたいに と、蘭の、別居中の母への思いが 熱く歌い上げられる良い曲だ。 なおZARD(坂井泉水)は、 アニメ『名探偵コナン』の主題歌として 「運命のルーレット廻して」を歌うなど、 『名探偵コナン』との縁が深い。 《劇場版『名探偵コナン』お薦めベスト3》 第1位『天国へのカウントダウン』 第2位『14番目の標的』 第3位『瞳の中の暗殺者』 《お勧め参考サイト》 「名探偵コナン『時計じかけの摩天楼』について」 「名探偵コナン『瞳の中の暗殺者』について」 「名探偵コナン『天国へのカウントダウン』について」 「名探偵コナン『迷宮の十字路』について」 「名探偵コナン『銀翼の魔術師』について」 「名探偵コナン『水平線上の陰謀』について」 名探偵コナン『漆黒の追跡者』を見て 酒井徹「名探偵コナン『ベイカー街の亡霊』と『自己犠牲』」
by imadegawatuusin
| 2005-09-01 16:48
| 漫画・アニメ
|
自己紹介と連絡先
名前:酒井徹
生まれた日:昭和58(西暦1983)年8月22日 世わい:40歳 住みか:〒454-0013 日本国愛知県名古屋市中川区八熊一丁目12番6号 明治第4ビルディング205号 電話番号:070-4531-5528 電子郵件宛先:sakaitooru19830822@gmail.com ミニブログ(微網誌):https://twitter.com/SAKAI_Tooru カテゴリ
政治 国際 経済 労働運動 人権 男女共同参画 差別問題 環境 暮らし家庭 文化 文芸 漫画・アニメ 音楽 日本語論 日本語辞書 歴史 弁証法的唯物論 倫理 宗教 仏教 儒教 キリスト教 そう鬱病者の五行日記 雑記帳 その他 記事ランキング
検索
以前の記事
2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 2023年 04月 2023年 03月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 08月 2022年 04月 2022年 03月 2022年 02月 2022年 01月 2021年 12月 2021年 11月 2021年 01月 2020年 12月 2020年 11月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 07月 2020年 06月 2020年 05月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 02月 2019年 12月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 03月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 04月 2017年 04月 2017年 03月 2016年 07月 2016年 05月 2016年 04月 2015年 12月 2015年 05月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 06月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 07月 2004年 05月 2004年 02月 2004年 01月 2003年 08月 2003年 02月 2002年 12月 2002年 11月 2002年 10月 2002年 09月 2002年 08月 |
ファン申請 |
||