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『唯物論哲学入門』(森信成)を読む・その11

占星術の意味

原始の人々が、
自然を人間にひきつけてしか
捉えることができなかったという
良い例として、
「占星術」というものがある。
俗な言い方をすると「星占い」というやつなのであるが、
多くの古来の社会においては占星術は、
今の最先端科学のような扱いを受けていた。
古来の人々にとって占星術は、
今の「占い」というような言葉から連想される
迷信的な存在ではなく、
自然の摂理を読み解き人間の生活に生かしてゆく
最先端技術としての位置を占めていたのだ。

ここでは星の運行が人間はおろか、
一国の運命とも連関があると捉えられている。
占星術は一方的に非科学的であったのではなく、
星の運行を捉えるにあたっては
非常に精密な捉え方をしていた。

現代の人も昔の人も、
星の運行を正確に捉えていた、
捉えようとしていたという点においては
さして違うところはない。
しかし昔の人々は、
そうしてせっかく科学的に捉えた星の運行を、
人間の運命・国家共同体の運命と連関させてしか
やはり捉えることができなかった。
星の運行を星の運行として、
星と星との相互関係の中での動きとしてだけでなく、
あくまでそこに
「人間の運命」というようなものを投影してしか
捉えることができないのである。
これが本書・『唯物論哲学入門』にある、
「天体の運行すらも、
 人間の生活との関連においてのみ
 考えられている」ということの意味なのだ。



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by imadegawatuusin | 2011-12-14 18:12 | 弁証法的唯物論