人気ブログランキング | 話題のタグを見る

『唯物論哲学入門』(森信成)を読む・その12

魂の不死

人間の活動の根源は魂であると原始の人々は考えた。
魂(精神)の源が
脳という肉体の活動にあると考える唯物論とは
逆の捉え方をしていたのである。

肉体が時とともに衰え、
やがて活動を停止することはすぐにわかる。
唯物論的に言えば、
原因である肉体の活動が停止すれば、
その結果に過ぎない精神の活動もまた
必然的に停止せざるを得ない。

ところが昔の人々は、
この肉体と精神(魂)の関係を逆さまに捉えていた。
だから、
結果に過ぎない肉体の活動が停止しても、
その活動の源泉である魂が滅びない限り、
魂は不死であると考えた。

肉体を持たない「魂」そのものは
古びたり傷付いたりしないので、
『論理的に考えて』魂は不死であると
結論せざるを得なかった。

「個人の不死」や「魂の不死」ということは、
「人類の発展のこの段階では、
 人々には慰めとは思われず、
 さからいがたい運命と思われ、
 ……しばしば積極的な不幸と思われていた。
 一般に
 人々が個人の魂の不死という
 退屈な想像を持つようになったのは、
 宗教的な慰めの要求からではなく、
 同じく一般的な無知のために、
 一度認めた魂というものを、
 肉体の死後どう取り扱ったらいいか
 当惑した結果である」とエンゲルスが述べているのは
こういうことなのである。



【戻る】
『唯物論哲学入門』(森信成)を読む・その1
『唯物論哲学入門』(森信成)を読む・その2
『唯物論哲学入門』(森信成)を読む・その3
『唯物論哲学入門』(森信成)を読む・その4
『唯物論哲学入門』(森信成)を読む・その5
『唯物論哲学入門』(森信成)を読む・その6
『唯物論哲学入門』(森信成)を読む・その7
『唯物論哲学入門』(森信成)を読む・その8
『唯物論哲学入門』(森信成)を読む・その9
『唯物論哲学入門』(森信成)を読む・その10
『唯物論哲学入門』(森信成)を読む・その11

【進む】
『唯物論哲学入門』(森信成)を読む・その13
『唯物論哲学入門』(森信成)を読む・その14
『唯物論哲学入門』(森信成)を読む・その15
『唯物論哲学入門』(森信成)を読む・その16
『唯物論哲学入門』(森信成)を読む・その17
『唯物論哲学入門』(森信成)を読む・その18

【参考記事】

『社会民主党宣言』を読む
新しい社会主義像を求めて
小牧治『マルクス』について
レーニン「マルクス主義の三つの源泉と三つの構成部分」を読む

by imadegawatuusin | 2011-12-15 17:35 | 弁証法的唯物論
<< 『唯物論哲学入門』(森信成)を... 『唯物論哲学入門』(森信成)を... >>