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白取春彦『仏教「超」入門』について(その10)

■ブッダは遺骨崇拝を否定した 
本書・『仏教「超」入門』にもある通り、
ブッダは死期が近づいたとき、
弟子たちに対してこう語った。

お前たちは修行完成者(ブッダ)の遺骨の供養(崇拝)に
かかずらうな。
どうか、
お前たちは、
正しい目的のために努力せよ。(本書29ページ)


ブッダは遺骨崇拝を否定した。
大切なのは、物質としてのブッダの遺骨などではなく、
ブッダの悟りの内容なのだ、と。

死期を目前にしてあえてこのようなことを言ったのは、
おそらくブッダ自身、
自らの遺骨が迷信的な崇拝の対象となるのではないかと
予感し、心配していたからであろう。

だが……。

しかし、
弟子たちは遺骨を分配した。
遺骨の供養と崇拝を始めた。
ブッダの死とともに、
葬式仏教が始まったといっていいだろう。

……ブッダの遺志ははたされなかった。(本書29ページ)


ブッダの心配は的中した。
ブッダの遺骨は現在でも、
「仏舎利」として、
世界中で崇め奉られ続けている。
(もっとも、
 その「仏舎利」の総量を合計すれば
 とてつもなく膨大な量になってしまうと言われる。
 そのようなものが本当にブッダの遺骨なのかどうかは
 確認のしようもないことであるし、
 仮に本物であったとしても、
 ブッダの教えた通り、
 そのようなことには何の意味もないものである)。


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by imadegawatuusin | 2007-12-03 16:31 | 仏教
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