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安倍官房長官:統一教会系集会に祝電

――背景に政治家の安易な祝電乱発――

■安倍氏事務所:「担当者に注意」
統一教会系の団体が5月に福岡市内で開催した集会に、
安倍官房長官の地元事務所が官房長官の肩書で
祝電を送付していたことが19日、確認された(朝日新聞6月20日)。
安倍氏の事務所は、
「誤解を招きかねない対応であるので、
 担当者にはよく注意した」とコメントしている。

■この集会は「合同結婚式」を兼ねていた?
この集会では、
統一教会が「真のお母様」と規定する教祖夫人や
その四男が基調講演を行ない、
「合同結婚式」がとりおこなわれたと
光文社が発行する写真週刊誌『FLASH』(7月4日号)は報じている。
また統一教会が発行する『中和新聞』(6月1日)には、
この集会で教祖夫人と四男との「お二人が主礼として
聖水儀式、聖婚問答、祝祷、聖婚宣布を行われ、
参加者を祝福してくださ」ったと報じられている↓。
http://www.kogensha.com/products/magazines/C681.htm
統一教会側は、
「大会の中に『国際合同結婚式』というプログラムは行われておりません」、
「祝福式は『健全な家庭を築く決意』を
 様々な文化、思想、宗教背景の方々が参加し行われるものであり、
 特定の宗教団体の儀式ではありません」などと主張している↓。
http://www.iifwp-jp.org/inform.html

だが、
「教祖夫人と四男との『お二人が主礼として
 聖水儀式、聖婚問答、祝祷、聖婚宣布を行』」なったこの式典は、
参加カップルが「聖なる婚姻関係」に入ったことを宣言し、
祝福する目的で行なわれた
一種の「婚姻儀礼」であったことは間違いない。
たとえ「合同結婚式」という名称ではなかったのだとしても、
外部の人間から見れば、
この「祝福式」なるものは
「合同結婚式」変種とでもいうべき意味合いを持った儀式であったと
言わざるを得ない〔注1〕。

大体この統一教会(正式名称:世界基督教統一神霊協会)という団体は、
「基督教」を名乗りながら
インチキな霊感商法で
壷や仏像(!)などを法外な高額で売りつけるといった
犯罪的なやり方で資金集めを繰り返してきた
実にデタラメな集団なのだ。
このような犯罪集団と
事実上 表裏一体の関係にある集会を「祝」うのは、
どうひいき目に考えても、
見識のある政治家のすることとは言えないだろう。

■よく知らない政治家の「祝電」・「弔電」の披露は止めよう
このような問題が起こる背景には、
政治家が売名や支持者対策を目的として、
有権者の結婚式や葬式に
「祝電」や「弔電」を乱発する日本の風潮が存在する。
その意味で、
今回はたまたま安倍氏が問題となったが、
ある意味ではこれは、
「祝電」や「弔電」を乱発している日本の政治家 誰もに
降りかかりうる問題であると言えなくはない。

またさらに元をたどれば、
政治家から「祝電」や「弔電」が届けられることで、
自らの冠婚葬祭に「箔」が付くなどと考える
日本の有権者の権威主義的な傾向にも
問題があると言わざるをえない。

大体 僕は、
冠婚葬祭における「祝電披露」・「弔電披露」なるものには
大いに疑問を感じている。
そもそも式典の出席者はみな、
それぞれ多忙な生活の中でスケジュールを調整し、
わざわざ式場まで足を運んでいるのである。
そのような出席者を差し置いて、
式典に出席もしなかった人間の名前をわざわざ読み上げるのは、
実際に出席した人々に対してずいぶんと失礼な話ではないだろうか。

それも、
当事者の本当に親しい友人や恩師が、
例えば病気のためにどうしても出席できないとかいう場合に
それを読み上げるとでもいうのであれば話は別だが、
結婚式や葬式を開くと、
(そもそもそれをどこで聞きつけたのか知らないが)
ほとんど面識のない、名前ぐらいしか知らない政治家から
祝電や弔電が送りつけられてきたり、
秘書が押しかけてきたりするのである。

はっきり言ってこのようなものを、
わざわざ式典で紹介してやる必要はない。
有権者の側がありがたがって紹介したりしてやるから、
政治家の側はバカバカしい売名行為を繰り返し、
本来 国政や地方自治の政策立案に携わって
国民・市民に奉仕するべき政治家秘書が
アホらしい「結婚式回り」や「葬式回り」に
忙殺されることになるのである。

そこで僕は提案する。
結婚式や葬式で、
よく知らない政治家の「祝電」・「弔電」を披露するのは
そろそろやめにしようではないか。
僕たち有権者一人ひとりが「祝電」・「弔電」の披露を止めれば、
政治家の側も無駄なことに金を使うことはなくなる。
やがてこうした風習自体が
廃れてゆくことになるだろう。

〔注1〕統一教会の公式教義では、
信者は清く「純潔」を保ち、
再臨のメシアである文鮮明氏の指名した相手と「聖なる婚姻」を結ぶことにより、
その身を清く保ったまま無原罪の子供を生むことができるとされている。

しかしこの教義は、
「純潔」な青年や乙女たちには魅力的なものだが、
「すでに純潔でなくなってしまった」既婚者たちには
非常に厳しい内容である。

統一教会の教えにめぐり合う前に「純潔」を汚してしまった人は、
一体どうすればいいのだろうか。
どんなに統一教会に帰依しても救われることはないのだろうか。

ところがそれは、大丈夫なのだ。
安倍晋三先生も祝電を送った
「天宙平和連合」の大会に参加して、
「真のお母様」から「聖水儀式、聖婚問答、祝祷、聖婚宣布」を受けると、
あら不思議、
たちまち合同結婚をした「純潔」な人々と同様の
聖なる婚姻関係の仲間入りを果たすことができるのだ。
(何か堕落期のローマカトリックがやった「免罪符」販売を思い起こさせるが)。

言ってみれば今回日本で開かれた「祝福式」なるものは、
統一教会の教えに出会う前に「不純な」結婚をしてしまった人たちのための、
「合同結婚式やり直し大会」とでも言うべきものだったのである。
統一教会側が
「参加者はすでに結婚したカップル、またはその家族であ」った等と反論しているのは、
実はこういうことなのだ。

by imadegawatuusin | 2006-06-20 13:49 | 暮らし家庭
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