村上容疑者:インサイダー目的を自供

――「聞いちゃった」一転 犯意認める――

■「利益目的で買い増し」
証券取引法違反で逮捕された
村上ファンド元代表の村上世彰容疑者が東京地検特捜部の調べに対し、
「インサイダー情報を聞いて、
 自分たちもニッポン放送株を買い増して、 
 最終的にはライブドアに売りつけてもうけようと思った」などと
供述していたことが明らかになった(読売新聞6月23日)。
村上容疑者はこれまで、
逮捕前の記者会見でも、
「宮内さん(筆者注:=ライブドア元最高財務責任者)が
 『やれいけ、それいけ、ニッポン放送だ』というのを聞いちゃった。
 (インサイダー情報との)感覚はなかった」などと
説明していた(毎日新聞6月23日)。

■日銀総裁の村上F投資 オリックスが窓口
また、
日本の金融政策を取り仕切る日銀の福井総裁が
この村上ファンドに1000万円を投資し、
2003年の日銀総裁就任時にも清算せず、
総額1473万円の利益をあげていた問題で、
この投資契約はオリックスが村上ファンドへの投資の窓口となって
福井氏とオリックスとの間で結ばれたものであったことが
明らかになった(毎日新聞6月23日)。
オリックスは1999年の村上ファンドの設立にあたって、
「会社の作り方も知らなかった」村上容疑者に
「うちの休眠会社を使ったらどうですか」と教え、
村上ファンドの中核会社出資金の45パーセントを負担、
決算の連結対象として
その業績をオリックス本体の決算に反映させていたほか(読売新聞2005年11月9日)、
取締役を派遣するなど、
「村上容疑者の“後ろ盾”ともみられてきた」(読売新聞6月23日)存在であった。
今回の件で、
資金集めにおいてもオリックスと村上ファンドが一体となっていた実態が
改めて浮き彫りにされた。

オリックスの宮内会長は
1998年に政府の規制緩和委員会の委員長に就任して以来、
現在の規制改革・民間開放推進会議議長まで、
一貫して政府の規制緩和の旗振り役を務めてきた。
6月23日の『読売新聞』によると、
「宮内さんは規制改革で秩序を壊し、
 自分のビジネスに結びつける」との声があがっていたという。
実際、
特定少数の投資家から非公募形式で資金を集める
村上ファンドのような「私募ファンド」の設立は、
宮内氏が委員長を務めていた政府の規制緩和委員会の提言に基づき、
1998年12月に施行された金融システム改革関連法で
解禁されたものだったのだ。

オリックスの宮内会長がが旗振り役を務めた金融規制緩和策があってこそ、
村上ファンドは誕生したといえるだろう。
その村上ファンドが、
実はオリックスの「子会社」とでも言うべき存在だったのである。
事の利害関係者を
一国の政策立案の中心人物として起用し続けてきた政府の責任が
問われてしかるべきである。
自分たちで法律を作り、あるいは変えて、
自分たちが儲けを手にする……、
このようないわば「インサイダー政治」に
今こそ終止符を打つべきときだ。

■「日銀総裁は資産公開」のルールを
この問題で衆議院財務金融委員会は22日、
日銀の福井総裁に対し、
総裁就任時から2005年末までの給与以外の所得と、
投資信託や預貯金などの金融資産の公開を求めることに決めたという(読売新聞6月23日)。
日銀総裁はその一挙手一投足が市場に大きな影響を与える存在であり、
また
一般人には手にできないさまざまな未公表情報を入手しうる立場にある。
政府閣僚には定期的な資産公開が義務付けられているが、
日銀総裁もその職責の重さを考えれば、
「何か問題が起こってから資産公開」というのではなく、
日銀総裁に就任した時点で資産はきちんと公開し、
その後も定期的に国会に報告するなどして
透明性を確保するシステム作りが不可欠だ。

そもそも、
「通貨の番人」と呼ばれる日銀総裁には、
高度の信頼性と中立性とが求められる。
特定投資家や特定企業と利害を共にすることは望ましくない。
日銀総裁への就任時点で、
特定企業の株式保有や特定ファンドへの投資を停止する、
厳正なルール作りが必要であろう。

《参考サイト》
村上ファンド:背後にオリックス
[PR]
by imadegawatuusin | 2006-06-23 17:24 | 経済