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『はじめてのフォニックスレベル1』について(その1)

■ゼロから英語に「慣れる」ための最適の教材
英語をゼロからはじめることにした僕が、
最初に取り組むことにしたのが本書、
『はじめてのフォニックスレベル1』(英会話のジオス)である。

僕の尊敬する受験技術研究家の和田秀樹先生は、
「ゼロの状態から……英語に“慣れる”ところから始め」るにあたって、
「最低限達成しておきたい目標は、次の三つである」という。

すなわち、

①アルファベット26文字を正しい発音で言える。
②アルファベットを大文字と小文字ですらすら書ける。
③身近なものを英語で言える、正しいつづりで書ける。


の3つである。

そしてこれらは、
「一見簡単な目標に見えるかもしれないが、
 これを自学自習で達成するとなると以外に難しい」のである(和田秀樹『学校に頼らない和田式・中高一貫カリキュラム』新評論 247ページ)。

そして和田秀樹先生は、
上記の目的で使用する教材として、
『初めてのフォニックス』シリーズ(英会話のジオス)を薦めている。

『初めてのフォニックス』シリーズは、
「小学生向けの教材だけあって、
 非常に丁寧につくられている」。
根津千鶴さんのイラストが猛烈にかわいい。
(特に主人公のマオ君!)。
「付属CDを聴きながら、
 アルファベットから英語の基本的な発音ルールまで、
 段階を踏んで習得できる構成になっている」のである(前掲書247ページ)。

ちなみにこの、
「英語の基本的な発音ルール」こそが、
本書の題名の中で「フォニックス」と呼ばれているものであり、
本書の最大の特色だ。

本書の2ページには「はじめに」として、
「フォニックスって何?」と題された次のような文章が掲載されている。
少し長いがまずはこれを読んでもらいたい。

■フォニックスって何?
英語を書くときに使う文字は何でしょう?
アルファベットですね。
では、
日本語を書くときに使うのは?
もちろんひらがな、カタカナ、そして漢字です。
ここではひらがなを例としてとりあげます。
ひらがなの「あ」を書いてみてください。
次にそれを声に出して読んでみましょう。
もちろん読めますね。
「あした」の「あ」も、「しあわせ」の「あ」も
読めるはずです。
では次に「a」と書いてみてください。
これは何と読むでしょう?
「a」それだけなら「エイ」と読むことが多いでしょう。
では「cake」ならどうでしょう?
「シーエイケイイー」とは読まずに
「ケイク」と読みます。

ひらがなは文字の名前と読む音が同じです。
ところがアルファベットはそうではありません。
文字の名前である「エイ」「ビー」「シー」を覚えても
ほとんど役に立たないのです。
 
文字のあらわす音を覚えなければ、
英語は読むことができないのです。

フォニックスとは、
その文字と音をむすびつけて覚える勉強法です。
アメリカやイギリスの子どもたちは、
この勉強法で読み方を覚えます。
このフォニックスのルールを覚えるだけで、
かなりの英語を読むことができます。


そもそも英語は、
文字と発音との対応が相当悪い言語だと言われている。
つづりと実際の音とのずれが激しいのである。
日本語は、
戦後の改革の際に、
例えば「てふてふ」と書いて「チョーチョ」と読んだり、
「かうむる」(被る)と書いて「コームル」と読むいった無茶苦茶は
かなり是正されている。

しかし「戦勝国言語」たる英語は
長年にわたって改革されることなく現在に至っており、
文字と発音との対応に大きなズレが生じている。
したがって、
それぞれの文字を「エイ」「ビー」「シー」と覚えても、
それをつないで読んでいったところで
「英語が読める」ようにはならないのである。

しかし、
だからといって英語のつづりが
全くデタラメにできているというわけでもない。
事実、
ある程度の知的教養をそなえた英米人であれば、
生まれて初めて目にした単語であっても、
相当の確率で誤りなく、
「正しい発音」で読むことができる。
文字の読み方と綴ったときの発音との開きは大きいが、
やはり両者の間には一定の対応関係が存在しているようなのだ。

その法則を、
英語初心者にもわかりやすいように分析し、
教育教材として開発されたのが、
本書で用いられている「フォニックス」なのだ。

ただ、
その利点を強調しようとするためか、
本書では「ひらがなは文字の名前と読む音が同じ」であり、
それに対して「アルファベットはそうでは」ない、
だからフォニックスが必要なのだ……という主張が展開されているのだが、
これは少し一面的すぎる理解であろう。

確かにひらがなは、
英語に比べれば文字の名前と読む音との対応が単純である。
しかし、
その例として

「あした」の「あ」も、「しあわせ」の「あ」も
読めるはず


などとあっさり書いてしまってあるのは明らかにまずい。
よく観察してほしい。
本当に「あした」の「あ」と「しあわせ」の「あ」は
同じように「ア」と発音しているだろうか。

「しあわせなら手をたたこう」の歌を歌ってみればよくわかる。
多くの人は、
「シーヤワッセナラテオタータコッ」と歌っているはずだ。
つまり、
「しあわせ」の「あ」の部分は「ア」ではなく、
むしろ「ヤ」に近い音で発音する人が多いのだ。

他にも、
「けいこうとう」(蛍光灯)は「文字の名前」どおりに
「ケイコウトウ」と発音すると誤りである。
これは「ケーコートー」と発音しなければならない。
「こんぺいとう」も「コンペイトウ」と発音すれば誤りで、
「コンペートー」と読まなければならない。
「ぼくはやまへいく」を「ボクハヤマヘイク」と、
「文字の名前」どおりに発音する人はいないはずだ。
これは「ボクワヤマエイク」と読むのである。
(こういった不対応も「てふてふ」などと同様、
 本当は戦後の改革の際に
 まとめて きちっと片をつけておくべきであったのだろうが)。

また、
おなじ「ん」という文字であっても、
例えば「にんにく」の「ん」は英語の"n"に近い音(舌の先で止める)、
「しんばし」(新橋)の「ん」は英語の"m"に近い音(唇の先で止める)、
「さんかい」(三回)の「ん」は英語の"ng"に近い音(のどの奥で止める)と、
それぞれ別の発音をするのが普通である。
(あまり意識しない人も多いが、
 大抵の日本人は無意識のうちにこうした使い分けを行なっている)。

本書は「ひらがなは文字の名前と読む音が同じ」と主張するが、
そもそもひらがなには「ゃ」・「ゅ」・「ょ」・「っ」のように、
それ単独では読めない(=名前が存在しない)文字まで存在する。
少なくとも英語のアルファベットには、
「それ単独では読めない」文字はないはずである。

ともあれ僕は今日から、
この教材を足がかりに
英語の世界に足を踏み入れてゆくことになる。

「やり方としては、
 2レッスン分……をひとまとめとして、
 1日に2回以上同じ範囲を反復しながら進めていくといい。
 ……
 ポイントは、
 1回の勉強時間を長く取って取り組むより、
 短い時間でいいから何度も反復することにある。
 たとえば、
 夕食後に20分やったら寝る前にもう一度同じ範囲を復習し、
 さらに翌日には、
 昨日の『おさらい』をしてから次の範囲に進むといった感じだ」(前掲書247~248ページ)。


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『はじめてのフォニックスレベル1』について(その2)
『はじめてのフォニックスレベル1』について(その3)
by imadegawatuusin | 2006-07-17 23:15 | 雑記帳