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やぶうち優『少女少年』第一期解説(その6)

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――「少女漫画世界」への絶好の入門書――

■僕を「新しい世界」へと導いた珠玉の作品
『少女少年』第一期は僕にとって、
非常に思い入れの深い作品だ。
この作品との出会いが、
その後の僕を大きく規定したと言っても過言ではない。

僕は中学3年生のとき、
とある書店で
やぶうち優さんの『少女少年』(第一期)を手に取った。
実はそのとき、
僕は大きな勘違いをしていた。
というのもこの本が、
「少女漫画」コーナーや「児童漫画」コーナーにではなく、
「ボーイズラブ漫画」コーナーに置かれていたため、
僕はてっきりこの本を、
ボーイズラブ漫画であると思い込んで買ったのだ。

もしもあの時この本が、
きちんと「少女漫画」コーナーに置かれていれば、
僕は一生この本を手にすることはなかったかもしれない。
そしてそもそも、
「少女漫画」というものに触れることすらなく
人生を歩んでいたかもしれないのである。

当時の僕は、
「少女漫画」というものに全く興味も感心もなかった。
小学校の高学年になった頃から「ボーイズラブ漫画」が大好きだったが、
一般的な少女漫画は
『ちびまる子ちゃん』しか読んだことがないというありさまだった。
(まぁ、女の兄弟がいない男子には、
 そういう人が少なくないのではないかと思う)。

だから僕は、
やぶうち優さんの『少女少年』(第一期)を読んで
初めて本格的な「少女漫画」に出会ったのである。
これを読んだときの驚きと感動とを、
僕はいまだに忘れることができない。

『少女少年』(第一期)をはじめとする
やぶうち優さんの『少女少年』シリーズは、
小学館の学習雑誌・『小学六年生』や『小学五年生』に
掲載されてきた作品である。
つまり、『りぼん』や『ちゃお』といった
『少女漫画専門誌』に掲載された少女漫画と違い、
最初から「男の子も読む」ということを
当然の前提とした少女漫画であるという点に特徴がある。
なかでもこの『少女少年』第一期は、
シリーズ全作品の中でもあまり「アク」が強くない。
それまで「少女漫画」というものに全く親しみを持たなかった僕を
瞬く間に とりこにしてしまった背景には、
こうしたことがあったのではないか。

「少女漫画なんて読んだこともない」という人にこそ、
僕は本書を薦めたい。
単に超一級の作品であるというだけではなく、
「少女漫画」というジャンルそのものへの入門書として、
強く推薦できる作品なのだ。
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2.吉住渉『ミントな僕ら』全6巻、集英社リボンマスコットコミックス
3.志村貴子『放浪息子』エンターブレイン
4.なるもみずほ『少年ヴィーナス』全4巻、角川書店あすかコミックス
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by imadegawatuusin | 2006-08-19 16:44 | 漫画・アニメ